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朝日新聞「東海柳壇」4回目。
以下の5句に評を書かせていただいた。
近道を教えてくれる謎の人/浅見和彦
心配はない貯水池に水がある/安田光郎
一山に盛られてからは家族です/伊藤弘子
とりあえず行列のある方で買う/伊藤石英
混浴の足湯の足を数えてる/丸山 進
投句には年齢が明記されている。
貯水池の句の安田さんは80代の方だ。
年齢も紙面に載せられれば、
読者もより楽しめるのではないかとちょっと思う。
満々と水を湛えた貯水池を思うと、
とてもやすらかなきもちになる。
*
それはもう圧倒的にみずたまり/れいこ
朝日新聞「東海柳壇」3回目。
評を書いたのは以下の5句
だーりんと呼んでみただけ春なので/小林英昭
雨の日はラシラシと吸うハーモニカ/瀧村小奈生
ケンカして玉葱どんと微塵切り/高田桂子
あつあつの湯呑みの冷えていく時間/柳生みち子
気品あるヒップに押され浅蜊獲る/河合正秀
掲載紙面を見て、
はじめて同じ作者を続けてトップで選んでいたことに気づいた。
なにしろ選ぶときには作品しか見ていないというか、
目に入らないので、そういうことが起きる。
でも、それでいいのだとも思う。
この仕事のお話をいただいたとき、
事前に想像したり覚悟したりしてたけど、
いい意味で想像も覚悟も裏切られている。
回を重ねればまた違った気持ちになるのかもしれないが、
いまは、純粋に楽しませていただいている。
自分が楽しんで書いていることが伝わればいいな、と思う。
職場が職場なので(なんじゃそりゃ)
休日にはただしい皮膚感覚をとりもどしたくなる。
風や木や土や草や
そんなにおいにさわりたくなる。
ちょっとはじめてみました。
おひまなかたはお立ち寄りください。
↓
http://soratokito.exblog.jp/
南野耕平さんから『川柳という方法』(本の泉社)が届く。
一度目に荒読みをして、
ただいま二度目の熟読中。
川柳というジャンルや、
川柳作品を独自の方法で分類しつつ、
川柳の魅力を語ってくださっている。
一読に値すると思う。
詳しくは、こちらまで。
↓
http://blog.livedoor.jp/sennryuutoiuhouhou/
ウラゴエで話す家族に囲まれる/南野耕平
朝日新聞「東海柳壇」の二回目。
コメントを書かせていただいたのは、次の5句。
長尻の万年筆のような顔/小林英昭
タンポポの綿毛決断式おわる/川崎敏明
洗濯は止めにしようか朧月/山内美代子
春なのにおひとりさまの目玉焼き/西川薫子
まぼろしか薄墨桜杖に咲く/沢田治子
タンポポの句は「結団式」のまちがいではなく、
「決断式」です。
断固として。
紙面には出ないが、投句には年齢も明記されている。
高齢の方がこんなに柔軟な発想をされるのかと、
驚いたり、うれしくなったりしながら作業をしている。
*
内見会という、知ってるひとは知ってるが、
ほとんどのひとは知らない、
全館クローズドで顧客だけを対象にしたバーゲンがある。
本番はあしただけど、日曜日からプレが三日間あって、鬼のように忙しかった(というか、忙しい)
ランチタイム20分、午後の休憩10分で乗り切る。
しにそ。
*
最後から二人目のひと、あとは海 れいこ
2010-04-06 (Tue)の日記でご紹介した松木秀さんから、
今日、一通の書状が届きました。
そのため、歌集『RERA』から引用した歌を一首削除しました。
詳細については、村上きわみさんのgedo日記をご参照ください。
http://www.sweetswan.com/kirin/k/
書面によると改訂版が出るそうですが、
なんというか、ひじょうに残念です。
残念とは、「念が残る」ということだと、
いまさらながらふかく実感しました。
この件について、
言いたいことはいっぱいあるのですが、
いまはなにも言わないことにします。
あしたは雨らしい。
*
手を伸ばす雨の匂いのするほうへ れいこ
四月から朝日新聞東海版の川柳壇の選者という大役を任された。
その第一回目である4月20日付の紙面から、
評を書かせていただいた5句をご紹介。
見る側が試されている河馬の尻/鈴木ますみ
食卓でイチゴと交換する秘密/安藤なみ
割り箸がぱりんと割れて花ふぶき/丸山 進
一円玉訴へるよう落ちている/金五 満
ひらがなの文字の味する煮ころがし/石田 興
投句していただいた方々にはもちろん、
何気なく目にしてくださった方々にも、
楽しく読んでいただければうれしい。
*
一日ごとに寒かったり暑かったり、不安定な日々が続く。
しかし、植物たちはこの異常気候にびくともしていないような気がする。
あちこちにあるハナミズキは満開だし、
銀杏並木の銀杏は新緑に輝いている。
ベランダではオオデマリが緑色の重そうな花をつけ、
モッコウバラやオリーブの木にもつぼみがついた。
もうすぐここは白の花々でうまるだろう。
遊びに来ていた母が「さみしい花ばっか」と言う。
びっしりの芝桜とか、
乱立する桜草とか、
母はなにしろ賑やかで華やかなのが好きなのだ。
「資質の違いですな」と言うと、
「あんたも年とりゃさみしいのはかなわんことがわかる」と言う。
いや、これでもけっこう年とってんですけど、
と、思うが言わない。
ごくまれにだけど、
彼女のあたまのなかは二十年ほど過去にタイムスリップすることがあるのだ。
そんなとき、実に生き生きとかがやく瞳を、
もうすこし長く見ていたいと思う。
*
忘れてもいいですあれは雲だから れいこ
北海道の松木秀さんの第二歌集『RERA』。
あとがきに「私が短詩型の実作をはじめたのは、まず川柳の分野においてでした」とあって、
章のタイトルには自作川柳が置かれている。
一ページ四首立で173Pある。単純に計算して680首あまり。
掟破りである。
このあたりが松木秀の、松木秀たるゆえんであるのかもしれない。
膨大な量の歌のなかから、こころ惹かれた10首を。
包まれていないとひとは生きられぬ 言葉、国、雨、そして群青
われよりも歳をとりたる十円を自販機に投ず がんばれ十円
ところどころ粒の整列乱れたるとうもろこしよそれでいいんだ
つるつるの荒野にみんな立っていて動いたひとは転んだひとだ
また後で来るとひとこと言い捨てて一人で戻る帰り道、雨
重箱の隅をつついて重箱はつつかれてもつつかれても重箱
さらさらとペンは動いてあちこちがにじむ夏とはそういうものだ
ささやかな尼さんがささやかな花をささやかに持ってくる夕まぐれ
ははそはのシングルマザー累々とブルーチップを集めてしずか
*
近くに桜の名所、新境川堤がある。
あまりにいい天気だったので、
コーヒーをポットに入れて、
サンドイッチとバナナとケータイと本を持ってふらりと出かけた。
満開の樹と、満開をすこし過ぎた樹がある。
土手に寝転がって、目を閉じる。
風が吹く。
花びらが降る。
ほのかに桜のにおいがする。
あたまの右にはタンポポがあり、
左にはカラスノエンドウがあり、
右足のあたりにはオオイヌノフグリがいて、
左足のあたりにはホトケノザがいる。
背中の下にはヨモギとノビル。
すごい春だ。
*
はなびらのどれか一枚が答 れいこ
脱稿。
夕方、メールで原稿を送る。
しばらくまともに文章を書いていなかったので、
へんなたとえだけど、
指がひっかかるかんじが最後まで抜けなかった。
書いてゆくうちにすこしは成長すると思うことにする。
*
日差しは春でひかりがいっぱいなのに、
風が冷たくて、体感温度は真冬なみだ。
それでも桜は咲く。
ソメイヨシノの開花より、枝垂れのほうがいくぶん早いらしい。
満開の枝垂れ桜のトンネルをゆく。
堤がゆるやかにカーブする場所などは、
視界がうすももいろ一色になる。
まるで桃色の雪が降り積もったような。
声を出すことはおろか、息をすることさえ忘れて見入る。
世界はときどき、
泣けるほどうつくしい表情を見せる。
*
街中の携帯電話が鳴る 桜 れいこ
ねじまき3月句会
今月の題は「他」
参加者9人、うち出席者は6人+未成年の見学者1人
いつものように意見交換があり、
いつものように時間が足りなくなり、
ばたばたと会場をあとにする。
わざわざ迎えにきてくださった朝日新聞のIさんと、
対談(!)の相手である荻原さんと名古屋本社へ。
質問に答えたり、笑ったり、しゃべったりをする。
帰宅してエレベーターに乗ったら、
いったん昇って、ガクンと下がったまま動かなくなった。
どのボタンを押してもなんの反応もない。
インターフォンは機能せず、
しかたなく壁に貼られた電話番号にかける。
閉じ込められた時間は40分。
バールのようなものでドアがこじ開けられて、
初めて自分が、一階の床から1メートルほど昇ったところにいたことがわかったのだった。
と、
いまだから冷静に語れる。
*
ねじまき3月句会、題詠「他」に提出した句
足元にその他のそのが咲いている れいこ