膨大な都市論すべて読んだから僕と結婚してくれないか

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夕暮れはきたりけれども生々しぬるき風こそ発見をせれ

すげ笠の四の五の六に立ち並び初夏の狩野川鮎の友釣り

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自称ジェンダーフリー主義者の君と春公開の映画を観ます

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白米をきつね色へと焦がしてく湿気ているのはテーブルソルト

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メガホンを敵陣に向け耳澄ますぼっぼっぼくらは中年応援団

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どの顔もいっしょに見えて会えぬ街　都庁を右に眺めて歩く

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ぢいさんの残して逝きしインク壷かすかな青味を帯びてありたり

思い切り音響かせて切り落とすじゃがいもは今宵憎しみの犠牲（にえ

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草原の風が動かす雲の影躰の底を通り抜けゆく

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Ａ列車で行こう口ずさめり若きアメリカ兵の胸の十字架

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妻はみな剣を持てり裏切りに笑顔をもって立ち向かうため

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発見はちいさくとおく指先をのぼって消えたてんとう虫の

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沈黙の長さで伝はる異次元へ旅立つ君が捨てた過去のこと

楽曲は何にするかと迷ふ夢二度と開かぬ独奏会の

受賞者のそれぞれが受ける花束の数には力関係ありや

一枚の鏡は壁に掛けられて四角な空と白雲映す

黒緋（くろあけ）の線路に頬を押しつけて昨日と明日の声聞く子らよ

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いつからかいつまでか誰にも言わず独楽になり寝るくるくる眠る

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いいこととわるいことまざらぬように鞄のなかはしきられている

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八月のアスファルトただきらめいて君の代わりに止まった時計

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サラダ菜とラディッシュあれば思いっきり＜Where is Mr.McGregor?＞上機嫌

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決められたことに従う心地良さたとえば三十一文字（みそひともじ）の制服

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食卓に火薬の匂いがたちのぼるテレビで戦争がはじまるころに

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魚なりしころの記憶のよみがへり生理水なか身をくねらする

くいくいと白楽天を友としてすすむ酔いから歌がこぼれる

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アラビアはどこなのですか？私からどれだけ遠く離れていくの？

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巨大なる単三乾電池の看板にふみつぶさるる　こころ冥き日は

真夜中も教室はある真夜中もそこにあなたは立ち続けてる

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ひとのこころ盗みしがため滅びたる一族ありぬ　ボルジアといふ

やわらかい草を選んで食べている陸ガメの背に夕日が落ちる

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たそがれの猫の背中を見つめたらやさしい孤独　うん、大丈夫

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　　　7月、健康的

ばかがひく夏風邪ばかはかぜひかぬ熱の目にかざすあいすくりーむ

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もういいよ　隠れん坊はいつまでも苦手わたしは鬼でいいです

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「ふぁいと！」とひらがな４文字スクロール着信ありの朝の携帯

謎めけり古道具屋の引き出しの透かし飾りの鼈甲の櫛

和のリズム　五七五七七　うたう人　心と心　心近づく

真っ直ぐに海へと続くハイウエイ水平線まで君と行きたい

なくしたる尻尾の豊かなりけむを　進化といふはさびしきことよ

心臓のリズムを感じ眠る日はこのまま夜に溶けてゆきたい

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友だちと、言うしかないの　特別な　関係なんかなんにもないの

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「サヨク」ってかろやかに書くカタカナは主義というより恋がすべてだ

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焦りとは無縁に見える猫ですがなかったフリが上手なだけ、よ

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スタンドに残されてゆくメガホンはかなわなかった勝利の残滓

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なれるなら、何になりたい？都知事とか、猫とかきみの筆箱だとか

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零になる以前の歴史消さんとて負債完済口座をくずす

宿酔の激しき嘔吐繰り返しわがたそがれの実存主義(existentialisme)

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焦げ臭き飯盒のめし頬張りて川面を渡る螢みており

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落城の炎あまねく天を向き崩れ落ちしになほ上を向く

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子供らが自然科学に詳しくて風呂場でヒトの首取り外す

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天邪鬼鬼と名がつき許されず退治さるるに減る天の邪鬼

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風邪流行るたび『復活の日』の恐ろしさあれも最初に鶏が死ぬ

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包丁に付く澱粉も乾き果つじやがいも料理犯行現場

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ネクタイを靡かせ走る先輩の濃い影を追う踏まぬよう　夏

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十字路にブギウギ溢るるモンドリアン四角四面へシンコペーション

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極まりし剣買えればヒーローとゲーム育ちのＭ＆Ａ

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騙されて林檎を噛る快楽の遺伝子滲む夏の制服

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箸だけの君を松の実噛ってはゆらりグラスの彼方の僕ら

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淡々とぶつ切りにされる豚骨が皆を鎮める夜更けのラーメン

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くるぶしへ届かぬ流行りの靴下に苛立ち覚ゆ三十半ば

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髪の毛が似合わぬハゲの潔さ貧しき我には我の生き様

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三色ペン赤ばかり撓むバネの螺旋たどり切るのが怖い 怖いよ

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ボクサーに似合わぬ右の泣きぼくろ左フックが掠るその上

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今日すらも変われなければ明日もまた変わらないのは判ってはいる

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「1,000円のボトルのワインが口に合う」お前の自信今宵も羨む

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袖口で鼻を拭って微笑んだ息子を小突くシャネラーのママ

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大いなる和みはあの世か言霊よ　大和魂屋上に立つ

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泥もまた乾けば硬い土となるオヤジだらけの酒場に嗚咽

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失った心のパズルのワンピース埋めるアドレス携帯になく

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懐かしいコロンの香りに振り返る　さよならさよならプラタナス舞う

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見せるほど馬脚もなくて係長止まりのあいつの愛妻弁当

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善悪のどちらでもない官僚を世渡り上手の手本としよう

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をとめごのつやけき腋に挟みたるメガホン、敗れたる夏の日の

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散々と迷った挙げ句元の服　僕に似合いの特価の値札

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弟橘のなごり美し袖ヶ浦　不孝な娘は父にきらわれ

職退きしのちに訪う大和町不義理かさねし社長のもとへ

日本には四季があるので思い出は花を纏った螺旋になります

泣きぼくろをキティの顔に書き入れる　今日からあなたは私の涙

匂いなき風の強さよ襖絵の男松女松（おまつめまつ）の枝低く伸ぶ

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色水に手ごと浸して遠ざかる夏の背中に落書きしよう

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「先生、人魚も陸へ上がったら珈琲くらい飲むのでしょうか」

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乾電池ついに私を諦めてころりとリモコンから転げ出る

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ならずもの荒野にありて時をりを虫干ししたり煮炊きに精出す

わたくしに似ている人が手招いて命の水は螺旋を描く

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金色に裸足を塗った君と行く線路はつづくよ僕のうちまで

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眠れない夜は静かに数えましょう生きた羊も死んだ羊も

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　　　7月、健康的

包丁で毒の芽ゑぐりしじやがいものやうに家族の美(は)しき穴ぼこ

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四六時中好きだと言ってほしかった夏を浜辺に埋めてケースケ

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袖にされまた袖にされ袖にされあなたの着物の一部になった

両腕をひろげバランスとるふたり　ひとりになれぬ「林」という字

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たっぷりとメイプル・シロップ塗りてのちそらみつ大和と打つ一太郎

やわらかな春のキャベツをめくるようわたしの中の頑なを剥ぐ

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熱帯夜はしゃぎすぎてた六本木　夜に転がる君を発見

校庭で焼きいも割った夕暮れの時は駆け足　少し寒いね

遅くとも寝ないで待っているという君のサラダにやきもちをやく

夕暮れの麦藁帽子に淡い影明日も遊ぼ指きりげんまん

やっかいなことがこの夏ひとつあり会津の城にひとつ手向ける

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きのうみた夢の続きが気になるの本日はもう寝ますおやすみ

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午前二時、イル・マニフィコを待ちわびてヴェッキオ橋までそぞろあるける

ギャンブルにはかならず勝つがならずもの　ほんもののみをわれは恋ひすも

末つ子のわれ出でしあとゾル状の母液のごとく揺るる母あはれ

線路だけ残っています今はもうないことばかり語ってしまう

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眠り姫　百年たてばあの人はもういない世になるから　はやく

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軽々と逃げ出したくて小さめの鞄は白にみどりのステッチ

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小さくて白くて固い猫の歯が床に落ちているのを発見！

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カシオペア、時間泥棒世界から奪われるのに気がつかないの？

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目覚めれば助手席あける音だろうか科学捜査の妻を待つ床

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勝ち負けは解らぬ泥の生き様はわれ職退きて上司は左遷に

すみません。変換ミスです。
パズル組み合わせるようにそれぞれの幸福へ　劇は仕組まれていた

パズル組み合わせるようにそれぞれの幸福へ　劇は仕組まれていた

香りという美しき音に程遠く加齢臭など説かれておりぬ

尖る顔の人ばかり寄り来る今日の日よ出づれば酒屋に並ぶ「鬼ころし」

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臓物をパズルのように埋め終えし蛙を放つ　夏の踏切

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怒張せるわがメガホンの雄叫びもかの逸脱の日々に紛れて

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奈良の廃都に降り込められてへべれけの旅人（たびと）の背（せな）をさする夕暮

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ほれぼれと上野城をし仰ぎつつ三周走りし体育の時間

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吾が作る科学短歌を楽しみにしてくるる友、留衣さんいます

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パソコンの鬼なりし我ＳＥの職を解かれぬ病気のゆゑに

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風邪ひきて熱き体を立ち起こしタオルを絞る独り身なれば

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じやがいもの皮を剥きたり君のゐし大学時代よりや久しく

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波立ちて波に溶け入り波凪ぎて浮かびて映る湖面(こも)の月影

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絶対に何とかしませう屋根上に傾いて立つ十字架だけは

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なつかしや　じゃがいもいっぱい　カレーライス　子供の頃に　食べた味だね

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ただの紙　自由自在に　はさみ入れ　影絵にします　風流ですね

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散歩道　変則的な　十字路で　あれ迷い風　誘い誘われ

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空も死も平等ならずもののふの宇治川の上（へ）に軌跡なき雲

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ドン・キホーテの荒唐無稽の計画に従う従者　みたいな人生

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パズルズル
　　ズルズル　ルルル
　　　　　　　ルーズズル

パルスパルスス
　　　　シナプス　プスリ

http://homepage3.nifty.com/k_k_s/

時計台ラーメンを食べた頃はもう義姉さんは死にたかったのかしら

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恋をする女の子はみな法律で飼育禁止と定められてる。

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「背中にも唇あるって知ってたの？」あたしそれほどばかじゃないから。

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病身が９をうつときキスしよう。魚のかたちした唇に

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葉桜の下歩む吾はほの青き君影草の香を漂はせ

http://homepage2.nifty.com/sora_uta/index.htm

乾電池買いに出かけて湖の底であなたの右の靴、見た

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反対に盗まれた針で刺されては、さすがのあたしも再起不能だ。

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そらたかく伸ばした腕でその靴に届いた影の橋を壊した

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左手の時計の針と同等のならずものにはエスプレッソを

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「心して儚くなります、お母様。」　あの誓いから八年が経つ

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前日の液体グラスに注がれて「これは有害なんかじゃないんだ」

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蜘蛛の巣にのこる夕べの涙さえわたしにはもう必要なくて。

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距離さえも空気に溶けていったから泳ぐ酸素と真夜中デート

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君の首にぺたりとついたチョコレート製の指紋が証拠になった

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あのように散りゆく時間の色だろうさぎ師のほほえみ飲み込む赤色

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見え隠れする鬼の手が掴もうとするぎりぎりの愛は脆くて

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「きみどり！」と鬼は叫んだ　茄子の葉をナナホシテントウごとつかまえた

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はちみつ+おろししょうがを湯に溶いて風邪の夜にはお飲みください

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生物の教科書ながめし結論はどうやらきみは液体の袋

ほくほくのじゃがいも五つ　缶詰の鮭と卵黄　パセリ　玉ねぎ

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鋭角の影を地面に　新宿は東南アジアの匂う街並

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わがパジャマに這ひよる子蜘蛛いとほしむ半信半疑にきみまつよるは

事故の多い十字路にある鰻屋へ行く　捌かれるウナギを見るため

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「デートなら蕎麦屋に限る」という本をなでる幅広の剣先の揺れ

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エプロンを制服としてYさんはカフェの主（あるじ）のように微笑む

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売り物のうどんの白の尻のあと尾上松緑不在証明

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高架下の丸金ラーメン　愚痴ならば豆板醤で和えてあじわえ

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スカートからのぞくブルーの靴下をちらちらと見るドトールにいて

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赤紫のジャムの壜から金髪があらわれ小さなかげをパンに落とした

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時計回りの螺旋の満ちた体内にあしてびちーが同化していく

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プチトマトを泣きぼくろにして洋皿に盛りつけてみる　スタバトマーテル

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頑なに支那蕎麦と呼ぶ父のためチキンラーメンぐつぐつと煮る

めじるしなき大海原を泳ぎきて男は舟に旗をたてたる

ウヰスキイボンボンの芯われが舐めチョコレートはきみ　公平原理

耳ばかりひよひよ見ゆる　われわれに夢中なるらしとなりのうさぎは

火を見れば火のなかにあが都してことごとくそを滅ぼさむとす

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気高くも城より出でぬ姫ならば町の娘に後れを取らん

あらせいとうの花束ねるごと我を呼び墓地を勧める女(ひと)にも幸あれ

海水が雨に変わって降る朝も図書館棟は真水たたえて

まだ何も知らないころのぬいぐるみときどきわたしを哀れんでいる

はるはやて携帯するのはあくまでも名前であって彼らではない

おかっぱの真っ黒い髪櫛で梳く愛とはなんと空虚なコトバ

繁劇も悲劇喜劇も惨劇もすべては月のリズムのせいよ

ネクタイをはずした鬼の目を隠したおっと西口手のなるほうへ

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馬来田という駅の呼び名をようやくに覚えぬ　妹の住む街へ

犬死の前世ゆえに今生は官僚を選ると言われし男

マコヤナが眠りから覚め伸びをする葉っぱと壁の擦過音　ひりり

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テロリストよ鞄の中をまさぐりてぱっと一輪花を差し出せ

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発見をたったひとつだけ握りしめピアノ教室出る夕まぐれ

時の色つかまえたくて筆運ぶ夕焼けが闇に変わる速さで

太陽を目指し大樹は伸びてゆく雑木林をすっと見下ろし

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雲一つなき青空に影一つなき荒れ砂地　陽は真上から

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十字架に磔られた基督のミニチュア像がぶら下がる頸

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国体に銃剣道とふ種目ありて銃の形の棒を突きあふ

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制服にかかる費用をおとなしく保護者は払ふ保護者の服だ

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おのおのが自然と思ふ秩序ありて、松、竹、梅、に分かれて座る

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両膝を折ってマラソンランナーが影絵のごとく地に溶けこむ

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裏切りか　さはあらねども団子虫の裏に細かい足が動くも

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なまぬるいコーラが舌にからまるよ　昼のマックに未来を語る

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死を思ふは鎮静剤のひとつにて夜を遠ざかる海鳴りの音

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嵐ふく夜の留守宅のポストにて水に尾鰭をふる新聞は

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「黒髪は象も引っ張る」黄楊櫛で髪梳きくれし祖母の手力

地図をさす指の先にはアラビアという文字　海の向こうは未知で

教室に海が広がる　悪口が飛び交っていて息が出来ない

恩田陸「ネバーランド」を読んだなら制服を着た君に会いたい

食卓に並べた証拠の数々にあなたの顔は　（名探偵とお呼び）

まだたどりつけない痛み　純真をさらけだすこと禁じられてる

電源が入っていない携帯に似ている背中を壊してみたい

コンビニで人魚のことを思い出し真似をしようとナイフを探す