あなたから昔届いたエア・メール　机の隙間に落ちていました。

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暖かな日はうらうらと流れ行く　思い出をとめる術などはなし

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薔薇の香のひかれる五月。清らかに身を保ちつつ笑う修道女（シスター）

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ずるいのは夏が過ぎてくぎりぎりの、それが落とした影の端っこ

見たことのない十字路だ赤い下駄何処かで何かが死んでいる夏

しましまのかわいいかわいい黒ひげよ私以外の剣では飛ぶな

たくさんの秘密に制服を着せて「じょしこうせい」という名の呪縛

ねえあたし松浦亜弥じゃないけれど君と手つないでもいいかしら

泳がずに見ていた海をあなたから取り上げ星は沖にひろがる

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もういない姉の指紋がいっぱいのチョコレートここは目かくしのなか

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黒うさぎしか笑わない小噺を云える？　真夜中のうさぎ小屋で

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縄ばしご垂らしたヘリでさかさまにふたりはゆれる弓をかまえて

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一瞬にメールの届き身近なり海の彼方のそらみつ大和

馬の毛の歯ブラシにディープインパクトって名前をつけてしまったダービー

寂しいなハルノノゲシと官僚は頑張っていても誉められくて

本当の満月なんか一瞬で　だからいつでも迷ってばかり

おとうとの自転車のほうが姉よりも大きくなると喧嘩をしない

紫の夜に訪れる時計屋は泉に月時計を放ちます

オウム貝の資料であふれた部屋を出て横浜そごうの屋上に行く

ひたむきを格好わるいと否定する大人に負けず汗をかきたい

兎小屋に突然出現した団子　謎を解くため探偵が来る

眠ることを禁じた街に迷い込むユニコーンたちを助ける仕事

夕ぐれにのまれた私に必要な声の取扱説明書

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/

先見えぬ４２．１９５ワインディングロードを走る

http://brog.livedoor.jp/cat6311lib

白麻のスーツ着こなしパナマ帽「父の日」などは無き頃の父

宇和海の筏をくぐる暖流は真珠に魂（たま）を置きて去りなむ

振り袖は成人式のお楽しみ普段は照れて着られぬものよ

禁色のごとく言葉を選びつつ聴しの色の夕暮れに待つ

http://page.freett.com/sugi8ma/

わたくしの言葉を信ずることなかれ花束は自家受粉にふける

http://page.freett.com/willows/zp_tanka/pillow.htm

春はまたチェルノブイリにめぐりきてしずかに消えつづけるいのちは

http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

夏服を脱ぎつつみづから官僚と呟くときの語尾のあやふさ

うたた寝は頭痛のもとで寝不足も頭痛のもとで寝過ぎもしかりよ

http://www.natsuse.com/diary/

選択肢はまうない細き道を行く迷ふといふはひとつの快楽（けらく）

柳から毛虫のようなものが落ちて楽しそうです木漏れ日の風

http://www.natsuse.com/diary/

「アラビアのロレンス」を見たあの頃は地球の裏の日陰の男と

http://www.natsuse.com/diary/

すみません。
検索でチェックしましたらこの一首を飛ばしていることに気づきました。


ものぐさも太郎ほどなら眠るのも眠り姫なら浮かばれるのに

http://www.natsuse.com/diary/

何だろうと拾い上げれば九十九里浜の砂より時間は軽い

http://www.geocities.jp/ymizusu/

口元にクリップつけた紙魚割り箸で釣り子供に返り

カチカチと眠れぬ夜を襲う闇乾電池抜き沈み埋もれる

餌皿をチュンチュンつつき盗まれるのん気な愛犬滑稽にみえ

雨上がりあじさい花と虹の橋陽の眩しさに水溜り蹴り

草むらのならずものも生きづらくカマを振り上げ力なく逝く

　　九日午後三時五十四分、塚本邦雄氏昇天。朝刊で知る。
　　関東甲信地方はけふ梅雨入り。関西は明日だらうか。

梅雨の入りまぢかき空ゆ額（ぬか）を射る光　短歌よさもあらばあれ

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/

石垣のすきまにゆびを差し入れてねむる魚の群れを追いやる

乾電池入れれば燃え上がる虹を坂の途中でこぼしてしまう

夏休み前に遂げるべきこととして音楽室のピアノを盗む

夕立の後ろにかかる橋の名をだれも知らないまま夜が来る

春の風色えんぴつを次々とゆくえふめいにするならずもの

宵闇橋渡れば必ず妖しきものに遭へるのだと今宵も渡りぬ

ならずものの鉄条網忍者部隊月光少間(しばらく)待機

知らずして毒を送りぬ母に似て麻薬捜査官名刺は罌粟の花

ゆさゆさと液体窒素融け始む夢の象(かたち)を溢(こぼ)すなりけり

螢棲む沢に蜘蛛の子蠢きてもはや夕暮魔術めくなり

枇杷の実はしづかに太る　あかときの薄明にいまだあらぬ『神変』

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

うすぐらきセラーに眠るロゼワイン壜のかたちは涙のかたち

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

振袖のごとき羽あるいきものは風吹くたびに右へかたぶく

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

地球儀に浮かぶ大和や　大陸の両手にしぼる弓のごとしも

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

散るならば終の一花咲かせたし横浜フリューゲルスがごとく

深紅なる媚薬を散らして薔薇園に宴は果てぬぬばたまの夜

たんたんと白きクロスに残されて葡萄の色のワインの跡は

http://homepage2.nifty.com/sora_uta/index.htm

ホッタイモイヂルナというメリケン語くりかえしつつ務めた留守番

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html

きれいだね便利になるね橋つくり悪知恵つかい税を使って

在るものはみな在る意味があるそうだ在るべく在るかならずもの又

子があってはじめてなれる母だからもっと子供に感謝しなさい

気がつかぬうちにしびれていたらしいあなたは麻酔憎らしいほど

流れ込み形は不定すぐ集う液体人間それが私

真っ白で飾り気のない部屋がいい南の窓を額の代わりに

マスコミで有名だった日もあった記憶に残る背赤後家蜘蛛

左手の小指についた青インクゆっくりと拭く一日（ひとひ）の終わり

異次元に迷いこみたい生活の雑事忘れてただ一人きり

ハレの日は浮かれ浮かれてポートワインきみちゃんほっぺに赤玉ぽぽぽっ

こっそりと背中のボタン押すたびに君の瞳が縮まってゆく

君は僕の囚われの身であるような人魚であってほしくなかった

乾電池ふたつで動く僕ですがよろしかったら結婚してね

じりじりと焦げる道路で立ったままマーブルチョコの夢を見ていた

http://psyco.jp/suruga/

出発の印の下に「マラソン」と書かれすべてがホノルルの風
（離陸日和）

動かない視線溢れて落ちてくる「いってきます」と言えないうちに
（離陸日和）

もう二度と恐れずにゆく　出遭うのがどんな日々でも「未来」と思う
（離陸日和）

トランクの準備もすんで後はただ手紙静かに燃え終わるだけ
（離陸日和）

無機質な箱を残してゆくはずが君は留守番すると言い張り
（離陸日和）

君が楽になれるなら、なんて綺麗事　−言えない−　凍る石を抱く僕は

http://takaokaism.ciao.jp/tsumugi/

飛ぶことが叶わないなら背なかから骨をたどって翼のあとへ

またひとり盗人が抜け日暮れまでブランコを漕ぐ探偵ふたり

九十九なる海に遠近法はなく消失点は遥か海鳥

内堀に真鯉ゆらりと朝陽うけ登城いたすと水面（みなも）切りゆく

パズルなどスラスラと解く君なればわたしの心の隙間を埋めて

難題を爽やかに見せ解明する探偵神津にあこがれたあの日

http://homepage3.nifty.com/toshies/

八百年歴史の闇に埋もれしは与一の弓で即死の船頭

http://blogs.dion.ne.jp/shirohi/

「母」という題を抜かした私にはやはり母性が欠けているのか

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

君という橋を選んだ私には二度と渡れぬ心の橋ぞ

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

ならずものなんて今時ダサいよと軽いタンカを持ち上げる君

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

こぼれた液体などどうだっていいのでしょう拭き清められきれいなテーブル

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

若い頃水がこわくて避けていたコンプレックス今でも泳

若い時やる気がなくて避けていたコンプレックス今でも泳

私が紫式部に勝ること私は知ってるチョコレートの味

冥界にいます邦夫よ逆吊りの蜘蛛となり世を嗤わせ給え

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

すぐ殖えて可愛がられて嫌われて害獣なんて呼ばれるうさぎ

弦のない弓を長押に戴いて過去って何だ過去を大事に

梅雨前の忙しい時期うたた寝が何でこんなに快いのか

馬の姿見なくなりしが博労町ありて貸金協会ありぬ

http://www.scn.tv/user/nisi-t/takashi/

鉛筆と消しゴム使い丸善の原稿用紙に歌詠む昔

宙空にほしの大陸ひろがりて飛行船はまるきかげ揺る

たんぽぽのサラダに多く含まれるうさぎ成分は炎症に効く

http://www.geocities.jp/ymizusu/

靴底に泥は乾きてこぼれ落つ　死にたい理由は生きたい理由

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

暗闇に青いターバンの少女ゐてパズルのなかの罅割れた顔

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芳香剤ねっとりと匂ふ寝室にああ嘘くさしユートピアなど

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両足にいだかれて鳴る栗色のチェロとは遠きはつなつの馬

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神託のごとく声降る夕暮れを底のみ冷ゆる官僚制は

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惑星は空を迷ひぬ　さびしいと抱き寄せる腕、拒まれてゐる

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をとうとの胸にひろがる砂漠ありて夜ごとに砂は熱を失ふ

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秋ふかみ雨にけぶらふ葉の陰に紫式部こまやかに輝る

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横浜や港をあるく恋人の影いっせいに夜にのまるる

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汗よりもかなしきものを流しつつほろぶほかなきわが身と思ふも

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死者たちの影長くなるふるさとのお城の坂は夕陽に染まり

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左手ゆねぢれてのぼる煙かな　探偵に聞くひとの顛末

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禁猟の森をのぼれる揚雲雀　手放すことも愛と知るべく

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湾曲は背中に深みゆくままに父とはかつて男の港

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ありし日のひとは消えたり　虹色の泡にまみれて浮きあがる魚

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腕時計ふたりの時を刻むなくしづかに腐蝕する乾電池

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いつはりの愛にあらねどわが咽喉はあはれ盗泉のみづをよろこぶ

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理由なき怒りはひとを語らしめ、岸にひかれて深く反る橋

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職業の顔をおのれの顔として隠さふべしやわがならずもの

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父母の錯誤のはてのいのちとぞ湯船にたゆきわが身をひたす

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ビーカーにひそと気化する液体のやうなる君を抱きしめゐたり

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複眼に無数の蝶を映らしめ、ぬうんと大き蜘蛛にじり寄る

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少年の泳ぎは白し　水を蹴る足は冷たき泡に隠れて

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夏ゆふべ君を抱けばチョコレート、テーブルの上のひかりを汚す

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はつ恋はいたづらに過ぎ、暗がりの檻より覗くうさぎの眼

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太陽の光はげしき初夏はひとりのための弓なれわれは

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みづいろにシャボンの香る春なればうたた寝ごとに面影ぞたつ

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毎日の　たそがれ時は　好きですが　積み重ねれば　私もたそがれ　

テオ宛の手紙のインク　ひまはり（ハ手負ヒノ花）に容赦なく陽は

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両耳をふさげば美術館（ミュゼ）の二次元の糸杉は吾の、世界のうねり

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どこにも売ってなかった麦チョコレート懐かしい味がほしかったのに

この恋はうさぎなのです1人寝の夜は寂しくて死んでしまうの

口は弓言葉は矢　この胸深く突き刺さる棘抜かずにいる

ぬいぐるみショーの舞台の裏側も観覧車から見える休日

http://www.geocities.jp/fumi_680/

携帯可万能財布兼メモリ運転自在わたくしのカレ

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圧巻は紫煙くゆらせワトソンにまだらの紐を解きほぐす術（すべ）

梳く毎に櫛に絡まる黒髪よ　抗癌剤よ　削る命よ

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ニャーレムに木天蓼（またたび）ひとえだ持ち込んで噂の翼猫をいたぶる

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リズムよく笑えた日にはスーパーですこし大きないちごを買おう

記念日よ続記念日よ続々と記念日繋げ開くアルバム

目だけ出し麻酔注射を持つ人の声を想像するソプラノと

水の中のナイフのように鋭利に刺すだろう眼差し。それは君の・・・。

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サンダルの素足にまといつく雨と泥に全面降伏　進め

ぱふっぱふ　ふくらんだ袖フリフリル黒・白・黒の「ゴスロリ」がゆく

空想の「大和」は時空のまほろばを無の漆黒にも染まず漂う

必要はないけど嘘をつきました螺旋ほどけていくクレマチス

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とろぉりと朱泥の急須に湯を満たし過ぎし八十八の夜なぞる

十四になりし誕生日しら骨となりにし父を箸ですくひき

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　　　6月、変な人

ふたりだけで馬跳びをするやうに生き小皿のおほき母子(ははこ)の夕餉

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邪な恋などしない約束をやぶるため立つ初夏の十字路

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彼女の手紙が届いたら。食べちゃった。アオヤギさんたら困っちゃう。ふふん♪

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ユーミンの歌の通りに競馬場右に見ているだけで良かった

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ゴールなど見えないけれど泳いでるいつかは島も見つかるだろう

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「チョコレート革命」何度読んだって泣けないんだよ不倫ゴッコじゃ

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「うさちゃん」と呼ばれてたっけゲーセンの口なしうさぎ笑えない過去

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売るマンガ売らないマンガ振り分ける大島弓子は迷わず棚に

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考えてもしゃあないことは考えないお香を焚いてうたた寝の昼

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雲隠れ時雨るる袖を放ちての後の空には星のさやかに

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神々が禁じた領域侵すごとわが子の頭のＭＲIを見る

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崩されてまた填め返しいつしかに諦めさせよジグソーパズル

わが過去のほんのわづかなきらめきよ香車（きやうす）ばかりを打ちつづけしに

変はらざる高田馬場の駅降りて半日の間を十代となる

官僚を高給取りと呼ぶなかれ汚さでシヤツを着る人もなし

　かつて、たこ八郎氏は、かう云つた
悲しみより深く友らに残したり「迷惑かけてありがたう」てふ

妻ありて子等養へるおとうとのわが記憶より他人となりき

葛藤の末に到れる孤高とも思ひて今朝の紫木蓮仰ぐ

マラソンはマラソンらしくマラソンのために題詠マラソン2005

語らせてくれるのですか感動を装えていることへの謝辞を

未来からかごめかごめを連れ去ってうしろのしょうめんまでの弔い

「静物」を名のる油絵ありふれてチュッパチャップスではなごめない

なんていいアイデア！無知は楽しさを居留守と名付けられてたことを

知らぬ間に上限下限を決められてもとめてみれば翼も二枚

進むっててっきり市外局番がヒトケタ減るってことだとばかり

いましがた受け取りましたよろしくとナイフアレルギーはどうです

届け出のない音はみな不燃物扱いにした　ひさしぶりだね

還暦を乗り越えた父が怖がるは四がつくもの母はヨン好き

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主義といふ紙片にからめ捕られしは蝿のごとくに捨てられにけり

ヤツが言う「ビートは裏で取るんだよ」リズム感ない彼女は恥ずい？

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ヒーローの最大の危機！　応援をみんなでしよう！　次号へ続く！

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いけません麻酔をしてはうわ言で何を言うかもしれませんでしょ

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発熱でじわじわにじむ汗を拭き額にくちづけおまじないだよ

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ガリ切りが上手な佐藤せんせいが好きな小６（インクの匂い）

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泥んこの足を拭ひてやりながら鬼ごつこの首尾こまごまと聴く

「あの時の母の気持ちはこうだつた」遅れてわかるパズルの答

どこよりかジャスミンの香の漂へり雨もよひなる夕方の道

走り終へ鞍をとりたる馬の背に一瞬ぽつと白き湯気立つ

言問橋を駆け抜けて来てよ今！さんまみたいじゃなくて良いから

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ほうほうほうはうはうはうと　なくもののわが窓のそとへと　誘ふもののあらはれやまぬに　道にでればそのものの来て　わがまへにあゆみちかづくを　頸すじのちひさものの　こまかなるいろの波紋して　朝かげにわが立つまへに　つつましううかびくるにも　御身のいろや

山鳩のうるはしき羽ねのいろやある鶉豆の背の暖かきいろのもやう

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透明の螺旋階段駆け上がる5分遅刻のアップルストア

泣きぼくろ隠すタトゥの蝶を剥ぐ少女　始発がホームに入る

口数の少ない背中あびている光に染まる指をあずける

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水のみぞ食みてひと夏恋に生く静寂(しじま)蛍の光かなしも

計画は死してひときは美(は)しきこと　時任純子　蒼白に冴ゆ

のづかさにつきなみ花の占(うら)へなぞ伝ふる娘ゐぬ不幸せ