盗みたくなるゆゑ触れぬ喉もとをビールが通るためらひのなさ

官僚は揃いの仮面政治家は夜店のお面　ムラは祭りじゃ

軒を打つさみだれさみだれ降りやまず　捨てた迷いをまたひろいあげ

ジンギス汗かつて駆けたる大地より黄金のドルジ日本へ渡る

巻玉のピストル持って納屋の裏　探偵ホームズになったあの夏

禁制の品のごとくにいつくしみ『短歌、ＷＷＷ（ウェブ）を走る』眺める

背中越し秋の夕日が悲しくてついに振り向かなかったあの日

欄干にもたれ眺める水底に魚影つつつと輝く五月

使い切った乾電池の数だけ恋歌を聴いた娘は年頃になる

先生の目を盗み回す手紙には秘密めかした戯言並ぶ

あの橋を渡っていれば人生が変わっていたかと悔いる夕暮れ

ならずものなどと野卑なるもの言いをするもいかがと首傾げつつ

赤ちゃんが生まれましたと告げるごと洗濯物はひらひら揺れる

http://fairydoll.exblog.jp/

薄氷にふくらみそむる芽の重く辛夷のあぐる声のまみどり

空つぽの袖を留めゐし安全ピン隻腕の老い逞しかりき

渡り来て干潟に憩ふ浜鴫よそらみつ大和はまだ住みよいか

耳慣れぬ異国がせがむこまやかな視線を罠から罠まで運ぶ

「ねえさん」と我を呼ぶのを避けてをり　同じ歳なる義理のおとうと

昏れ遅きカナダの五月　夕光に紫濃ゆき鉄線が咲く

横浜の馬車道通りのルノアール　もう十分だけ待つてみやうか

涙も汗もゴチャ混ぜになり泣くベビー　原因などはもうわからない　

初夏の海の香りに懐かしく満たされてをり自転車こげば

http://homepage2.nifty.com/sora_uta/index.htm

明日なんかなくていいけどサラダにはドレッシングがなくちゃ困るね

花びらに恋の行方を占えば咲けど儚く散るがさだめと

http://www.rak1.jp/one/user/owo/

騒ぐ風、雲、雷鳴に遠い日の胸騒ぎひとつよみがへりをり

http://homepage3.nifty.com/flat_m3/

人生がマラソンよりも長いって本当かなあ　めまいがするぜ

http://blog.livedoor.jp/ammy/

設定の違ったメトロノームみたくゆらゆら動きながら歌った

http://blog.livedoor.jp/ammy/

タイムマシンなんてなくても確実に未来の方へ歩む僕たち

http://blog.livedoor.jp/ammy/

いつだって耳をすますと僕の呼ぶ声が静かにきこえるでしょう

http://blog.livedoor.jp/ammy/

恋愛も空き巣も常に正確に留守を狙っていけるのがプロ

http://blog.livedoor.jp/ammy/

空を飛ぶよりも　あの子を包み込み守っていけるための翼を

http://blog.livedoor.jp/ammy/

石走（いはばし）るあふみを思（も）へば戦ぎたつ城築かるるまへのさみどり

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/

異人さんの夫に呼ばれお滝さんその名うつくしう咲く紫陽花

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

ふるさとの訛り失くした君をいま草の剣で刺し殺したい

http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

サラダバーより持ち帰るはつなつの細い葉脈ふるえています　

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

うんと淡くつながったままどのくらいあとどのくらい降る雪ですか

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

一枚のネルにくるんだ雛鳥のつぼみのような心臓でした

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

そうこんな色でしたねえ縫いとじておいた場所からつぎつぎ咲いて

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

声のするほうへゆきます川底の石のぬめりを確かめながら

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

ぷかぷかと浮いてるだけの背泳ぎはぷかぷか煙草ふかすのに良い

http://homepage3.nifty.com/k_k_s/

影ならば簡単すぎる程すぐにふたつがひとつで分からんくらいで

http://hp11.0zero.jp/173/25345225/

この文の作者の気持ちを二十字にまとめる理由をまずは教えよ

http://hp11.0zero.jp/173/25345225/

笑いつつ踊るピエロはなぜそこで両手に剣を持っているのか

http://hp11.0zero.jp/173/25345225/

アルプスに風は吹いたの山靴の泥落とす君に聞いてみたくて

http://www.tcp-ip.or.jp/~panse219/index.htm

眠れない夜は各駅停車での５分のうたた寝言い訳にして

http://kevintanka.exblog.jp/

手のひらで独楽を回したあの真夏あなたの赤いつめに気付いた

http://kevintanka.exblog.jp/

お見事な洗濯技を伝授され前のめり気味に弾むほかはなく

あざやかなうなだれぐあい小六で書いた「努力」にまたしがみつく

ぬいぐるみ売り場の瞳いっせいに揺れて深夜のみずうみになる

友がいる　私がいる　たくさんの道　ときどき　交わる

水滴はいまだ乾かず　さみどりの暴力の痕光るサラダに

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

春風にみだれて淡き花びらは魚群のごとく泳ぎやまずも

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

まだ寒き風に研がれて冬枯れの梢の先につぼみは育つ

http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/

月影に砂の軌跡は見えながら色なき色に沈む砂漠は

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届かざる愛を知るころ少年の声低くして喉仏肥ゆ

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おしよせる照葉樹林の眩しさを遮るようにブレーキを踏む

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html

泥の中沈んでいくのは我ですか。それとも世界の方でしょうか。

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あの人は海でなくした携帯のアドレス帳に置いてきました

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白ワイン膝にこぼしてつじつまを合わせるためでもいい日曜日

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花束を抱いているからいつもより真面目な顔で通る改札

ゴミ部屋に埋もれて女盗品を男に貢ぐ愛のつもりで

主義という名前のくまのぬいぐるみ抱きしめている　人はかわいい

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水面をぱしっと叩く尾びれあり青い魚はためらいもなく

乾電池たった一個で休みなく回る時計のメリーゴーランド

中ほどで引き返し来た埠頭にて盗みし２秒がこの胸にある

ゆったりと桟橋を打つ内海のたゆたう波も君の記憶へ

アフリカ象の携帯電話（！）耳に詰まってしまったよ。叫べ！パオ〜ン！！！

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ほほえみを壁いっぱいにパズルした　
　もうすぐここは　なにもない場所

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沙棗花はいま咲きました　踊りましょラストノートまで召しませ香

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探偵社の広告を読む電車内エーテル臭が鼻につく夜

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青いしみがついた手のひら　南行（なんこう）の京浜東北線の横浜

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鉄棒に表皮を忘れた膕に汗がしみます五時間目です

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振動も大きな音も厳禁の部屋に耳をすませて住んでいました

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自分では見たことのない傷痕がぼくの背中にあるということ

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後輩が魚を捌いているときの肩のラインを遠くから見る

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左手に乾電池を強く握り講堂までの暗い廊下を

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初夢に怪盗紳士はあらわれてぼくの子牛の尾をなでていた

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塩橋（えんきょう）を介してぼくのからだから世界の奥へのびるイメージ

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出来心の結果に悩む　ならずものの烙印つきの牛を抱えて

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ミトコンドリアDNAは母方の女経由でぼくに届いた

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マゼンダの液体培地に小脳の切片を沈める　三日後のため

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蜘蛛の糸つき接眼レンズをセットして干渉縞の数を数えた

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春の宵の斜めのひかりに　窓辺より離れてあれば　うす昏るる机のうへに　おみな来て物置きたれば　緑青の幽かに浮べる　あつぼたき紙片あらはれ　おみなごのゆびの　なまめきたる展げるしぐさに　紙は伸びあらはになれるは　みどりめく山水あらはれ　黄昏の斜めの光に　緑青の粒のひとつ　ひとつ立ちあらはれやまぬが　草のやうなるが部屋ぬちに　前栽にあらはれ

源氏物語絵巻蓬生（げんじものがたりゑまきよもぎふ）の暗きみどりにあらはるる刻（とき）

http://blogs.yahoo.co.jp/mirainozom

片足をベランダの角ひっかけて抜け殻の身を空で泳がす

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ゆつたりと背を浮かせて水中の河馬は静かに命を刻む

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捨てられぬ充電式の乾電池　充電したいあなたのココロ

盗人も簡単ゆるすキリストの寛容・寛大・まーるいひかり

帰還兵がうつうつとして（きず・トラウマ）行きたい橋を今渡れない

十字路を真っ直ぐに行くと墓に出る雨の夜には火の玉飛ぶぞ

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砂糖黍チャンバラ遊びの剣にする悪役はちょっと長目に

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新しい制服はちょっと大きめいつも袖折り侠気の姿勢

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闇の中雨戸を閉めて闇つくる松葉を踏んでチククと恐怖

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次の世にまだ横浜があつたなら港のそばで落ちあふ手筈

http://blog.livedoor.jp/capybara2/

あをあらし頭上を過ぐれば夏のこゑ聞こへて麻の暖簾を吊るす

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彼の殿にみそめられしや冬薔薇ほの白きほほ紅に染まれり

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マフラーを巻けば誰もがヨン様になれると思うな　素材がちがう

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貴様とは同期のサクラじゃないけれど同じクサい飯を食った仲

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若くないボクたちだからとりあえず明るく立てよう家族計画

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俊敏に海原はしる飛魚を食めば異なる甘さひろがり

触れもせず澄みし心の在るがまま撫子の香に包まれてをり

土佐の伝はりまや橋にあるといふ僧とお馬の恋物語

小魚をくわえてたちまち舞い上がる鳶の動きを窓辺に見飽きず

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「探偵さん、大人になるって薄べったいラヴソングばかり歌うことかな？」

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因縁も尽きたら次は禁色の睛をした女を殺すのだろう

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飢えた眼は瑕一つない背中にも 『翼の名残』 聖痕（stigma）を見る

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銀（しろがね）にひかる魚の群れ　あれは沈没船を逃げたカトラリ

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林道を抜けて五月の薫風とはねる光に弄ばれる

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王様と友達になったお魚のために造られた透き通る橋

乾電池は只今遊泳禁止です泳ぐとおへそを獲られますから

図書室に優雅な秘密盗まれたはずの名画は栞にされて

欄干の本数はきっと素数だと思う貴方に繋がる橋は

無人駅はかならずものがたりがあって時間を超えた繋がりがある

とびきりの笑顔に何故か胸騒ぎあした優しく別れの予感

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北に住む母の願いは子の願い　明日という日が滅びればよい

仕上げにはマリンスノーを調合の液体ジュースをお飲みなさいな

Ｔシャツを脱いだのですね　蜘蛛の脚の数だけ腹を傷つけますね

夏風邪にけだるき午後のニュースにて六十年後の未帰還兵が

　　　5月、失楽園

車内では電源を切れといさぎよし横浜市営地下鉄の銀

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吾が部屋の鳩時計「グググ」と鳴き止まる　乾電池切れの合図の音らし

この子らと遊びに行くのかぬいぐるみリヤウインドに信号待ちせり

ケータイに呼び出されたままいつ戻る携帯されぬ時計が刻む

ぎりぎりを三つ持つ子は片方のない靴下を捨てぬ　意地でも

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巨大魚の鱗の如く照り映えて球場に鳴る千のメガホン

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今までで一番都心に住んでやる(森の息吹よ星よごめんね)

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待つ夜は丸ごとキャベツのミルフィーユ微笑むように煮込むにかぎる

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優しさの泡に包まれ藍深くあなたを泳ぐ人魚になって

くちびるを許しながらもてのひらの温度を嫌うワイングラスは

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主役には別になりたくないなんて舞台の袖で強がりを言う

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色好みするからと言え英雄と言えないなんて誰も言わない（出石正比古）

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忘れられくにゃりととけたチョコレートポケットの中青春の味

カチャカチャとリモコン操作満たされず充血うさぎ膝を抱える

イメージは弓のごとく反り背中柔らか成れば心も自由

うたた寝と夜更かしセットのやじろべい安定剤となる宵の口

塀の上私は爪立て伸びをして楽々生きてるのん気に猫する

縁の無いアラビア半島なぞってみても湧き出ぬ言葉お題に苦しむ

ツギハギのパズルのピース組み合わせたら、今の私ができました

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夏色のＴシャツ着ている君は青春ソーダ水の香り

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雪解けの味かもしれぬと思ひつつミントの味のチョコレート食む

袖だけがすり切れたシャツ着せられて髪を明るく染める土曜日

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生傷の絶えぬうさぎの寂しさによく効く蒲を教えてやりぬ

蒼海に濃く島影を現してケルトの神は手招きをする

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君に櫛をあげた時はショートだった。長い髪が好きだ。本当はね。

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切なくてやりきれないのは風邪だから少し眠ればきっとよくなる

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雪女の汗は血のいろ　まつしろなきみの乳房に歯形をつける

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おし照るや大阪科学技術館　靱本町バラの香に膨る

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散らばってまた集まって散らばって制服たちの平和公園

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まんなかになにがあるのか知りたくて破かぬやうに剥がすキャベツ葉

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　　　5月、失楽園

かくれんぼの鬼こないまま盗汗にぬれてこどもはおしいれに消ゆ

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占いは気にしないのと言いながら雑誌は最後のページから開く

http://www4.ocn.ne.jp/~siesta07/

今朝君がおはようと云うその声のトーン高くてなぜか胸騒ぎ

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ばあちゃんのしわくちゃな手が作りだす忘れられない花林糖の味

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主義はしゅぎへとぽるぽとは赤道に１秒きりのふゆのまばたき

http://www.hct.zaq.ne.jp/koharubiyori/index.htm

（秘密結社《王党派メロン》の通称、親方は、姫様から「パンとお酒のつまみみたいな料理ばかりでもう嫌。飽きたわ。新鮮なお魚の料理を食べたい。でも、あなたがたにはそういう料理は作れないわよね」と挑発されて、そこまで言われるのだったら姫様には何が何でも素敵な魚料理を召し上がっていただこうと決心して、手下に新鮮な魚を買って来いと命じた。手下が持ち帰ってきたのは見事なマグロであった。親方と手下たちは、アジトの狭い調理場にこもって、ひじをぶつけあいながら調理を始めた。姫様と一緒に誘拐されてきた姫様お傍仕えの爺は、袂（たもと）から恭しくテーブルクロスを取り出す）

姫様はキッチンの喧騒に鼻歌を　爺は紫のクロスをひろげて

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/

漫ろゆく林の小径木洩れ日にかげ仄あおく君のゆらめく

http://www.rak1.jp/one/user/owo/

大くしゃみを放つ舌焼く珈琲飲む歩いて汗かくわが気分転換法

http://www.scn.tv/user/nisi-t/takashi/

Attention Please.　本日あなたから離陸しますので心の準備を

http://takaokaism.ciao.jp/tsumugi/

ぜんまいを巻くことなかれ　休むことを知らずに動いた古時計なら

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墓標にも紋白蝶はとまりたり　金環食は静かに嗤う

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公園で鳩と遊べる牧師あり。ドミノ倒しの夏の計画。

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花占い。過去の虚しさ湛えれば墓標は高く暮れてゆきけり

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胸騒ぎ高まるままに進みゆく夕焼け空の砂利道の上

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蒼々とありし林の沼の辺の木霊の奏でる歌の確かさ

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しみじみと見れば気づかん　君が手がキャベツのようにかくもありたり

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銀色の空を泳いでいたかった「罠を仕掛けたあなたはだぁれ？」

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六月の空が明るくなったなら洗濯カゴを空に投げよう

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書画展を見てきし後に書きしゆえ誤字さえうれしくなりにけるかな

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ぬいぐるみずたずたに裂いてみたかった。日曜の空・晴れていたから。

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「明日から、一週間ほど晴れるって」「携帯電話の恋をしようか？」

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今日からは違う黒髪梳くのでしょう。私のもののはずの手櫛は。

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テムポよくリズムを守つて歩きませう　これから空を飛ぶといふなら

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土曜日の店の先にて　死せるゆゑに羽根をたためて　銀色のひかりしづめる　三尾でワンパック詰めに　鱗（うろくづ）の売られてをれば　値札こそ三百円なり　いち尾あたり百円なれば　わが母を偲べとばかりに　通りがかるわれに買はれぬ　もはや夏の海になりけむ　山陰の母の海辺の　うみ草の沖に遊びて　おほきくもなりたるころや　人のきてとらへられたる　この鱗あはれ　　

トビウヲより来るかなしみはわが母が鳥取の言葉にアゴといひ食はせし

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わくわくとしなかったかい？青髪の少女が竜に変身した時

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犠牲なき戦いはなし戦勝のパーティなれど捧げるワイン

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例えば袖がほつれた時は女騎士おんなに戻りて繕うのだろう

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倭刀とう武器もあるんだバタくさきファンタジーにも大和魂

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涼やかな王子も雨のマップでは泥にまみれてそれでも王子

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戦闘は複雑なパズル綿密に組み立て攻めて守って死ぬな！

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朝露の香がするだろう弓騎士が奇襲に身を潜めた茂み

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騎士を乗せいななく天馬の白き体守り守られ今日も空ゆく

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腐敗した官僚なんて子ども向けのゲームにだって出てくるんだよ

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二次元の迷宮を行くパーティは私じゃなくて仲間を信じてる

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飾られることを恐れてパズルから１ピースだけ抜くような恋

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擦れ違う袖の香りのシトラスは私のためのものじゃないから

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そうすれば馬鹿にもみえる感じしてわざとメールはひらがなで書く

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官僚という生き方は才能と思う　不満さえ隠せぬ私には

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知ってても知らなくたって迷うのよ誰か私に恋を頂戴

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がっしりと頭（づ）を掴まれて梳き櫛にゆだねる顔は戦後の生まれ

泣き濡れた鳩尾あたりに罠を持つ毛氈苔が根付きはじめる

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特大のチョコレートパフェ来てるのよ　別れ話は後にしてよね

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せっかちなリズムであるよ葬列の流れにさえも足の速まる

もめごとの続きを呼び出すヘブル語に疲弊してをりこの二日ほど

　　　5月、失楽園

横浜日劇閉館されて痩身の探偵はどこへ行つたのだらう

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汗ばんだ君のすね毛に迷い込むアリは今ごろ樹海の恐怖

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夜の川ながれる櫛の静けさのなかでまどろむ上弦の月

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甥っ子に会いたいけれどおとうとのお嫁サマにはちょっと緊張

横浜の古書店ならば安からう新潮文庫『午後の曳航』

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ばあちゃんに髪を梳かれる縁側で芍薬よりもでっかいあくび

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