鞄からノート取り出すようにして冬の記憶に外気をあてる

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

星よりも雨は親しい雪もまた、空に発見されないように

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

ひよどりが一羽来たりて去る時の枝のふるえをおぼえていてね

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

大陸の東に弓の形なす日本列島堂々とあれ

うたた寝をはじめし父の右手より本が一冊ばさりと落ちる

楽しみに私の帰りを待ちくれし母のいまさぬ故郷の家

右下がり鞄の重み身にささりどこまで続く単身生活

　　　3月、そして誰もゐなくなつた

体育館裏から級長あらはれて焦げくさき香は気のせゐとする

http://www15.plala.or.jp/kasane/

さらさらと過去になりますわたしたちサラダボールにレタスを盛って

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

一枚のサラダ煎餅つくづくとその名称に感じ入りたり　　櫂未知子

黒板に明日の日付を書き終へて夕陽差し込む教室を出る

淡彩の時間は流れどこまでもほんの家族のままでいましょう

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

さくらんぼ可愛い三つ子もぎ取って発見するよプラスアルファ

かたわれと思うからだを離すときつぼみのままでこぼれることば

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

「ひらけゴマ！」アラビア人の顔をして自動ドアーを通りぬけたり

暮色いまわたしのゆびをすりぬけてあなたの息にまぎれてしまう

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

三月に煙幕を張ることにする君の煙草の淡いけむりで

http://vegetarian-vac.chips.jp/

ワイセツが梱包されたつぼみなら初潮むかえたあの子にやった

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泣き声をあげないように手から手へ蝉の抜け殻わたってゆくよ

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/

春の夕あめ玉ふくみ空見上げ爽やかなれど時々なずみ

口紅の色を落とした部屋でつく明度彩度の低いため息

http://vegetarian-vac.chips.jp/

どうしてもまとまり難き題の坂越えてゴールの見えたマラソン

子を負うて動きし吾等若かりきヒメコブシ咲く山を目指して

三月の小さな嘘を許しつつ独楽まわす春また巡り来る

http://www.tcp-ip.or.jp/~panse219/index.htm

息つめて未来を見る子つぎつぎにアニメは描く空中の都市

人首（ひとくび）を頚骨遺し　ちょんぎっては百万（ひやくまん）本の　数数（かずかぞ）え達成したら　王様の祝祭係の　いやよろこびぬみづからの　首繋がれば

チューリップ国王の御触れ　ニンゲンの花束（はなたば）つくれ。妃（きさき）に遣れ。と

http://blogs.yahoo.co.jp/mirainozom

白波のカリフラワーを海神のブロッコリーを海馬よ泳げ

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html

それもまた主義であらうかいまもなほ携帯電話を持たぬわたくし

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

ぬばたまの夢は巡るる生ぬるき夜の黒髪結へど放てど

http://kiri154.exblog.jp/

新色の春の螺旋を描き居れば我の肌にも魔物降るるや

http://kiri154.exblog.jp/

届出の印鑑はおんなじなのに朱肉とる我白髪増えたり

ふたなりのものさがすため禁じ手の指癖をもつあなたとわたし

暖房のスイッチ入れるその時も一匹二匹この世を去りぬ

罪深き思い静かに眺めおり今日戴きし白玉椿

あえぎつつ字（あざ）鬼ヶ坂の崖（きりぎし）に凝血もどきのチョコレート食む

廃墟には時間を食べる蜘蛛がおり柱の創は十三歳（じゅうさん）のまま

新しき春に馴染めばはっきりと靴下の裏の汚れの対比

「裏編み」とからかわれている我がいる写真の向こうで笑むお下げ髪

じゃがいもの皮がべたりと貼り付いたシンクに不意に落ちる水滴

かの国の一子にとって影として僕は存在するのだろうか

十字架が首に似合っているような女と題しマウス動かす

休業の遊園地のなかゆき巡り探偵ごっこになりゆく女男（めを）は

三月のどっちつかずの優しさに騙されてまたひどい風邪ひく

http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3

子のためにあわれ盛りを摘まれゆくうす紫のじゃがいもの花

http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3

ひかりこぼれる向こう岸なら見えるけど泳げないんじゃない　泳がない

http://replicaprince.easter.ne.jp/

線路わきは時の境　秒針が貫く特急／ゆれるたんぽぽ　

http://www.geocities.jp/xmqds750/index.html

いちにいさんしごろくひち　はちくうじゆうこのなかに　おほさかべんのイントネエシヨン　ふたつみつあらはれいでしは　おもしろきことこたへいふと　ひちはしちくうはきゅうであらう　標準語にては

四のルビを　よんと書くときいつも思（おも）ふよんとはかなり無国籍気味であるなあと

http://blogs.yahoo.co.jp/mirainozom

アラビアの客人のラクダがグギャーと鳴けば姫様のヤギはムウェーと泣きをり

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/

乾電池がはりに団鬼六を血の道症の伯母と読みあふ

亡き父の買いし金魚が玄関で迎えてくれる弟の家

http://b1.jaxy.net/bbs/index.php?bid=b4109dbecacb3b

化け物の如き胃を持つヒト属のヒト種が何れ海食べ尽くす

負ける時悔しかったよでもそれでやめる事なんてできなかったから

間違ってサラダに落ちたジャムたちがトマトの横でまるまりました

ああきみも魚座だったね　右脳の天使のダンスはじまる季節

平穏にPOPでROCKな一日の抜け殻としてある乾電池

僕たちの出航計画祝うように空にシリウス輝いている

盗まれた希望のあった場所にいる灰色が言う　ソコヲウゴクナ

橋の下をみてはいけない渦巻いて流れるものは無縁のものだ

苦楽など共にしたくはない奴が上司ですといふ顔をしてゐる

アラビアといふ題なればはずせない　魔法のランプ空飛ぶ絨毯

「おはやう」が言へない朝は教室の後ろのドアノブゆつくり回す

口紅をひいてやろうかひんやりとサラダにしみる赤いパプリカ

http://www.geocities.jp/xmqds750/index.html

「桃色の海原泳ぐ夢を見た」老いた占夢師ニヤリと笑う

春の海風はやさしくあるけれど触れる指先に　ある胸騒ぎ

森林と海との境界（さかい）ないほどの蒼の宵闇忘れられずに

時ならずものものしさを覚えけり真夜を渡りし風の荒ぶる

http://homepage3.nifty.com/flat_m3/

和歌なるをかならずものにして君とメールしたいな相聞歌など

http://sun.ap.teacup.com/crow/

乾電池セットＯＫサンプルに君の細胞
「ア・イ・シ・テ・ル」
うん

http://love.ap.teacup.com/watashinouta/

盗まれてしまえば終わり何もかも　元に戻らず　先に進めず

http://love.ap.teacup.com/watashinouta/

時刻表、かばん、座席の上すべて。ひかりに漂白されていた　夏

あけかたの淡いひかりに気化してく夜のうろこのぬめぬめの虹

http://www.geocities.jp/xmqds750/index.html

ベランダの物干し竿に飛ぶ前の蜘蛛の子あまた円居（まどい）をなせり

言の葉を生む心根の主義支え立つ足元は密かに揺れる

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新宿で通行人の目を盗み踊るゲームをひとり開催

http://blog.livedoor.jp/ammy/

謀略とケシの香りのくらくらとタトゥーの薔薇の色づくまでを

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

ネクタイを巻きつけられて喉しろく戯れなれどなにか待つ目は

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

生肉を専ら食するくちびるの乾きを癒すおまえの肌に

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

口実は四半世紀をさかのぼるチャッくんと立てた家出計画

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

たそがれの占い小路をさまよえりメロディーゆるむ曲の半ばに

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

響きこよ、馬の嘶き・モーゼルの濡れた銃声・この胸騒ぎ

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

迫りくるみどりを分けて林道にアクセル踏めばしずかなる湖（うみ）

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白蝶が呼吸しているまひるまのキャベツ畑に抱えるひざは

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鉄罠を引きずり猪はくらやみに青き火花を咲かせてゆきぬ

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洗濯をまかせるような女（ひと）を背にひらく『ベルゼバブの孫への話』

http://blog.goo.ne.jp/monjiros/

ドラえもんを卒業できないおとうとのピアスの穴は未だ塞がらない

http://homepage3.nifty.com/reikononamida/

羽織りたる薄紫のカーディガン身のない袖を弟が掴む

http://homepage3.nifty.com/reikononamida/

関東の顔に戻れりおとうとは新横浜を越えたる辺り

http://homepage3.nifty.com/reikononamida/

液体と思へない雨、受け皿となり得ないわれ　ひそとつながる

http://www5.ocn.ne.jp/~willows/z_willows_anex_index.htm

ピストルの音が聞こえたから走るマラソンだって　（よかった）　走る

http://www14.plala.or.jp/nemu31/

動物として啼きましたこれでもう最後の野性びいるがにがい

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とりあえずふたりの未来５分後にチーズトースト食べないで行く？

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静脈と動脈がある静脈と動脈がある　おやすみなさい

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居留守だと解ってました　カラス鳴く　うるさいみんなうるさいわたしも

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また今度飛びたい日までしまっとくサランラップで翼を包む

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進むのは忘れる事とよく似てて楔としてのお臍のピアス

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酸が飛ぶ青いレモンを剥くナイフ　また冷静に嫌われている

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変わるもの　変わらないもの　私にはどちらが多く含まれるだろう

いつまでも寝かせるワイン　いつの日かあなたと食事する夜の為

気の早い半袖を買い長袖の上に重ねて待ちわびる夏

今の吾のDNAにわずかでも大和の色は残っているか

ぬかるみで愛車を駆った帰り道　強い西陽が泥を乾かす

セロ弾きが弓を抱いて眠る夜は蜜月の遥か我をいざなえ

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=saene

春の海に黄砂の降れる夢の果て。
（うたた寝をしたんだ、ほんの百年。）

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この初春、京都に上りて松尾大社に参詣す。松尾は天下の酒の大神のおはすれば、境内もまたよき新酒のかおりのしたるなり。

酒神のおはしますればこの森の楽の音もまた酒のかおりよ

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アラビアの調べかなしやスルタンの姫すすり泣く星の夜かも

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放課後の教室（へや）音も無し十二月座敷童子が僕を見上げる

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ラーメンのスープに映る日常にうっかり慣れて油膜をつなぐ

無意識に継ぐ慎ましさ靴下を履くとき人は頭を垂れる

仕事がしごとなれば　ねんぢゆうをヂイパンひとつ　ふたつみつはきかへるのみ　きたきりの気楽さなれば　乞食などとよばれてをるが　三日やればやめられん

スーツなども一着もなけれ　ありとある式には一切でれない所存で

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山ぼうし麦わらぼうし影ぼうしつくつくぼうし　ああ夏休み

http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3

左傾する南十字を呑み込んで冬の波濤は空までも打つ

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長剣を振りかざすごとつわものの御墓に繁る夏草の群れ

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どこまでも平行だとは思へない線路であれば乗らずに歩く

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「休眠中文芸部室に（中略）積まれてる部誌最新号の在庫みたいだ。」　

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鞄から宅配ピザのスパイスとポイントカード　あなたの町の

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冥王星はヒトより古いが冥王星発見を予言したヒトもゐる

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戦闘と政治のことはさておいて時代のなかで家族は食事

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岩塩をうすく散らして食べるだけ春には春のお花のサラダ

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輪郭が淡くなりゆく軽トラに家財を積みて春去るひとの

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明日あたり春来る予報町中のゆるきつぼみよおやすみなさい

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食卓を物置とする母が居りさうしていつか母を諦む

中腹の桜古木に風吹きてひときはうすき色のはな散る

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この冬のたぶんさいごのユキダルマあしたおとうとつくってあげる

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声色に背を撫でらるる心地して夕暮れぬるく別れ来たれり

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うらおもて夜のしじまをつかさどる感度の高いうすい紫

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思ひ出はためつすがめつ高められ五百六十三の横浜

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液体が硝子をつたふミュージアムに佇みつづけ標本となる

朝六時刹那的タペストリー蜘蛛巣(くものい)をはぐ其の後よき妻

この春のあはき焦点きめかねて三杯酢ののれそれを数へる

http://blog.livedoor.jp/capybara2/

きもの姿でメガホン片手に歌ひたる椎名林檎のほくろの行方

http://blog.livedoor.jp/capybara2/

花木にて生計たてゐし老い逝きて葛の巻きつきほしいままなる

酒を飲みふと思い出す友の顔そうあの時も飲み明かしたっけ

客席に投げキスをする君もいて千穐楽のカーテンコール

小豆粒ほどの老婆が枕辺に来てメガホンで「産め」って喚く

春のつぼみに触れてしまった指先はほんの小さな自意識に満ち

久しぶりに恋心色の夢を見た君に渡そうと必死だった

声に出せば壊れてしまいそうだった　針葉樹林に細き雨降る

近頃の女子高生はクールでも楽しくないとは言ってないけど

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

チクタクと秒針の音　手がかりがアラビアだけじゃ追いつけないよ

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教室に置いてけぼりの８月は綿ぼこりさえじっとしたまま

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

鈍色のあなたの瞳に見透かされ、意識もせずにぼかす焦点

メガホンで「カーット!!」と言ってほしいよな、ほしくないよなくすぐったい場面

大空に盾突ける場所を見つけたの　陸上競技場の真ん中

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

抱かれないあいだに春はやってきて焦げた鍋底ツメで引っ掻く

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

淡きものばかりを食むよあしひきの山を裏切る暮らしの中で　　櫂未知子

たそがれにさそいだしてのこわねよりおしまいなのだとさとるのです

禁断の惑星砕けて降り注ぐ　裏切り足りない僕の両手に

　

http://www.mag2.com/m/0000121502.htm

あの人の背中の上には青空がいつも太陽掲げて　あった

http://www.mag2.com/m/0000121502.htm

いつまでもつぼみのままの草原が西にあるって鳩のみみうち

http://www.geocities.jp/xmqds750/index.html

ゲーム脳？ＮＯに直結、十字キー！イマジネーション勝負なんです！

http://tanka.exblog.jp/

この胸の痛みを消して欲しいけど愛も痛さも夢か現実か・・・？

江戸城の本丸跡に鯉のぼり泳ぐ日無きかこけのむすまで

彼は突然に乾電池を《鼻》に突っ込む、三メートルは行けるぜ！

http://www12.ocn.ne.jp/~kitten/

足袋つぎし杉田久女は慈母ならん吾子の靴下透かして空見ゆ

http://bsn.bbzone.net/osato/

留守番のやうに近づき黒猫は身を強張らせきりりと睨む

呪われた魔剣だったとしても、今、その手に掴み、因果を斬れよ。

http://tanka.exblog.jp/

雲海を越えてひたすら北を指す翼の下に碧き海あり

憂鬱は青春の『制服』なのです。オレは未だに脱げません！！

http://tanka.exblog.jp/

続きはまだ想定内の物語らせんの並びは手の中にある

汗が出る穴が不思議でまち針を差し込もうとしたら叱られた

生意気に反抗してくる弟を布団でくるみおとうとにする

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

麻酔からさめてかたつむりだったならやどかりに教え乞いに行くつもり

ふたりして間接的にみつめあう紫色のランチョンマット

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

偏見の固まりとしてある私新横浜は横浜じゃない

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

もう飽きた人間のフリしてるのも　うせろ探偵とっとと消えろ

もしかして戦線布告こしあんのような汗かく結婚通知

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

額面が今ではわからぬ株式をホワイトナイトが争い合えり

夜更けには使命を帯びて動き出すうちの爪切り探偵が往く

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

意外にも軽く発音できたから君とのことはあすで解禁

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

パソコンと光ファイバー普及して薔薇の字の直筆駆逐せり

土曜日の背中をふいに焼きつける日光写真のような一言

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

告白のメール届いて純白のキーボードには魚が眠る

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

人間が作れるかぎりのインクなら見た色だけしか作りだせない

女生徒の笑い転げる声のして進学塾は繁盛しおり

七つ目の次元があれば何なのかさすがに想像できなくなれり

いつか弾いたことのある曲また違う気持ちの中で繰り返しおり

洗はれし林檎の白さ指先にナイフ滑りて血に汚るるを

花束にまじえた青い結晶は歴史の歯車のようなひかり

人類の史書第四万六千巻にてもなほ我ら花見の場所取りするか

情念の松明を燃やして、照らせ！…君の顔が見たいだけなんだ。

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銀河にも前後左右はあるようで四つ葉のクローバーのような星雲

不惑過ぎ高額紙幣コーヒーの食券のごと軽くなりけり

スーツにも夢をこめられるすべがあるのか並木の桜はつぼみ

消しゴムで消せないような青空の汚点はきっと人のいとなみ

へそまがりつむじまがりの曲がり角まがればふわっと青空がある

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校門に花束の数多供えられそれでもあの子は帰ってこない

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三度目の正直にあらず四度目のあなたの嘘を許してあげる

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「思い出をスーツケースに詰め込んで」なんてことない僕らの時代

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消音のテレビ画面を見るようだホテルの窓から眺める街並

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消しゴムで消せないような青空の汚点はきっと人のいとなみ

海岸にあやうくそびえる砂の城の流された後のその潔さ

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万能は科学ではない今日の空は青いから青い泣きたいから泣く

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陽介がクレヨンで描く赤鬼と青鬼のどれも泣き出しそうな

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四国沖を台風が通過する時、岡山県美作地方に那岐山から吹き降ろす暴風を広戸風という　　　

広戸風邪気をはらんで吹き荒れる愛しささえも憎しみとして

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コップ飼いしているベタをカクテルと勘違いした女友達

じゃがいもの芽を躊躇なく削ぎ落としごろり転がす今日は雨だから

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朝起きが苦手な理由その四に「起さないから」という娘（こ）の勝手