手を振りしあなたの髪の残り香を運ぶがごとく向かい風吹く

東山魁夷画伯の白馬の絵　いついつまでも我を魅了す

官僚と呼ばれる人も帰宅して家族に見せる顔があるはず

人生は迷うからこそ面白い　明日の自分を知ることもない

そういえば身近な異性　おとうとと恋の話をしてみたくなる

最期まで愛されるなら短命も良いかもしれぬ　紫の上

横浜の海を見下ろす高台に君と登った夜を忘れず

労働の汗がしみ込むワイシャツは洗濯の吾が最後に触れる

前髪を切ったことにも気付かない　とても探偵にはなれぬ君

禁じると言われるほどに制服のリボン緩めた中学の頃

僕たちは寄り添いながら背き合うアラビアの陽は真紅に熟れて

新しいちょうちょを発見するつもり　なんでもできると思ってる春

http://psyco.jp/suruga/

空泳ぐ紫煙の尻尾の後追えば辿り着くね君の居場所に

ふたしかな未来を過去となすためにセットしている目覚し時計

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/adachi.htm

新じゃがの毒をおそれて芽を深くえぐる　静かな朝だ、まったく

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/adachi.htm

真実と嘘とが温く溶け合って人の数だけ留守があるのだ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/adachi.htm

梅園に傘・傘・蕾・傘・つぼみ、別れるための儀式のやうだ

http://www.mitene.or.jp/~nishio/

女郎ぐも巻きたる蝶の糸たれて水色ふふむ音を奏でし

蜘蛛の食む蝶の化身の棲みつきて水辺に白き睡蓮の咲く

ベジータの強さに誰も敵わない(強いは弓偏)　悟空よ早く

http://blog.livedoor.jp/ammy/

春深くふかみゆく野に　この春のみこな雪の舞ふ　貧乏は死ねといひよる　ガード下にダンボール敷きて　淀川の橋の下に寝む　すくなくもみづかからざれば

淀川の黄昏を来て　夕陽ながく影を土手にさらすに　雲雀なほ鳴くも

http://mirainozom/exblog.jp

森林の葉のざわめきで立ち消えた愛のことばを打ち捨てて抱く

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

この僕はキャベツ畑で引き抜かれ泥付のままおまえに遭った

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

笑顔など罠にすぎない若者よ少女の顔を見ていけない

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

僕たちは洗濯物を干したまま夜になるまで愛し続けた

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

遠くには飛行機雲がまっすぐにあるのだきみに「サヨナラ」と書く

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

私などただのぬいぐるみ冷え切ったお前の胸を温めて寝る

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

離別とはその面影を携帯する地獄であるときみに教わる

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

迷いつつ手さぐりをして歩み来しこれまでよりもこれからのこと

http://haboki.fc2web.com

４点差９回ウラの攻撃に黄色いメガホン揺れるスタンド

http://blog.livedoor.jp/soretama/

夕闇に伸びゆく都庁その先に自分の未来を仰ぎ見た日

http://blog.livedoor.jp/soretama/

服のまま寝てしまおうかそれがいいパズル面男と別れたあとは

　いつもとは違う香りと知りながらやはり動けぬボディの固まり

天上の馬に憧れたる馬の偽物の翼きょうは燃えたり　

官僚を悪く云う気はなけれども隔つる人か倦みたる人か

こんなにもああだこうだと迷うのはわれらの星が迷い星ゆえ

　おとうと一家と会わざる日々が続きおり彼岸の供花はきのうか今日か

紫の風呂敷包みは軽かりき母の襁褓に親しみおれば

死ぬること忘れたふりして生きるため生きているやつ皆ならずもの

http://homepage3.nifty.com/reikononamida/

乳の出ぬ母でごめんね　子の恋ふはガラスの哺乳瓶のぬくもり

http://homepage3.nifty.com/reikononamida/

　　高き処に上がりたるは人の性横浜は崖の切り立つところ

　　走って走り回って汗流して乳化の気分君に逢う前　

浮きつつも遠くなる吾等都鳥次郎に降れる雪を見つつも

来（き）し方のトランスポゾンありぬべし忍者ごつこの線路の上に

薫（たきもの）の香（かざ）に眠らむわれひとり源氏のごとく螢火のごとく

君というならずものなら愛してもいいかと思う　ついて行くわよ

http://mizukiuta.exblog.jp/

イースターの祈り
我らの主義にして愛のキリストよ汝（な）がよみがへりの命を賜へや

http://kadesh.air-nifty.com/tanka/

若きらがさざめきつつゆく道の駅思ひ出詰める鞄を肩に

桃の夭夭たる灼灼たる花粉症　王昭君に飛燕の曲を

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

水汲みのやそのをとめの垂れ髪に堅香子の花束ねありしも

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

　十悪の中なる口四(くし)のきらきらし竜舌蘭が吐き出せと言ふ

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

スーツケースに丁子の花はからびをり十年旅券の若きかんばせ

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

　発展的解消とまれ美しゆう恋はおはらぬ闇夜のあやめ

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

水攻めの城ひしひしと花はちす清水宗治自刃の深緋(ふかひ)

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

　アテネ・フランセ秘書課科学の人字草(じんじさう)人事課長のつくゑに咲いて

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

鬼鬼(おにおに)の遊びに倦んだニングルが椨(たぶ)の木瘤にゆふぐれてゐる

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

風邪病みのかがり火草の忘れもの地下茎深き熱のほてりを

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

マリー・アントワネットの胸があんまり弾むから萎れちまつたじやがいもの花

http://diary.jp.aol.com/mymbs4/

売り場にて思慕甦る紋様の同じ鞄を持ちし君への

http://www015.upp.so-net.ne.jp/m-nakase/

伝記ばかり読みて偉大な発見をできると信じゐし少年時代

http://www015.upp.so-net.ne.jp/m-nakase/

腹膨る上司に配るチョコレートバレンタインの義理は毒薬

http://sun.ap.teacup.com/crow/

時自体無くならばどうなるか知りたくて相対論を勉強したり

http://www015.upp.so-net.ne.jp/m-nakase/

競泳用水着の股や乳でなくロースが注目されてまばゆい。

『群黎』の発行部数千部なり『サラダ記念日』八千部なり

http://www015.upp.so-net.ne.jp/m-nakase/

六十年を恵まれて生き　へとへとにいまをををれば　恵まれてという形容は　これはまことに正しき思ひ　いま打てるこの画面こそ　わが九歳と七歳と見て　どんぐりのまんまるの目を　いつぱいにしてみてをるが

影のおほき景色を歩き　緑いろのふかき風を吸ふ　なんといふ仕合（しあは）せ

http://mirainozom/exblog.jp

ぶくぶくと羊水の中うかぶあわ母性は女（メス）を弓形にする

もつともな理由で軍歌のみ弾きし持ち主のゐぬ楽器の末路

あたたかい液体となりたっぷりと君という木へ降りそそぎたい

http://b1.jaxy.net/bbs/index.php?bid=b4109dbecacb3b

『花束で殴る』藤原さんのためメガホン型に咲けチューリップ

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

チョコレート色の電車を待つてゐた割れ目にたんぽぽのぞくホームで

http://homepage3.nifty.com/flat_m3/

計画の潰されし日よ吹かれては縺れる蔓の藍の冷たさ

占ひは薔薇の棘もつ木蓮のしたり顔して私を殺す

ふうはりと夕顔咲いて胸騒ぎあやしく燃ゆる白き自画像

とりとめのないはしゃぎかたをまかされる緋のくちびるに泥をねむらせ

抜け目なく優しくなって罪深いパズルピースは摘んでやるから

生きること教え給いしゴンドウの「蒼のソング」は今も続けり

獣のまんまおでことおでこくっつけて（ほのかにほのお）冬眠します

http://www.hct.zaq.ne.jp/koharubiyori/index.htm

午前二時四十一分不眠症落語をやってる春のラジオ

http://www5b.biglobe.ne.jp/~haruken/

われわれが出荷されつつある電車鉄橋の向かふは東京都

ボール紙細工の都市をみおろして笑つてゐるかコメット・タルホ

http://blog.livedoor.jp/capybara2/

インディアン・サマーの線路ひんやりとまだ見ぬ海の潮騒をきく

http://blog.livedoor.jp/capybara2/

ならずものになれぬ半生わが内にティラノザウルス凶暴なるも

風葬をのぞむわが身にははそはの母音のごとくやはらかき雨

僕と月あるいはうさぎとの距離も君との距離のメタファーとして

http://www.geocities.jp/nannokanno575

惚れ薬それは液体無味無臭無色透明　君は気付かず

http://love.ap.teacup.com/watashinouta/

粉ふいてどうにもならぬ我々はチョコレートなら融けようものを

始発まで駅のベンチに座ってたうさぎの耳の明滅消えず

采配はメガホンでなく伝声管日本海海戦より百周年

http://www.scn.tv/user/nisi-t/takashi/

片敷きに慣れたる袖を憐みて宵の月さへ朧となりぬ

http://kiri154.exblog.jp/

雲の流れ怪しくなってかの城は積もりし塵の中より眼覚める

科学者の想定内の出来事は決して未来をひらいてゆかない

鬼瓦を濡らしはじめた朝の雨ゆっくり別れ味わってゆく町

風邪よりも確かな理由になりそうな今日は七月六日だということ

じゃがいもの収穫が終わったら丘の三角屋根で祭りがはじまる

影がなくなる一瞬に少しだけ優しさなどを考えてみる

十字街あたりで猫の動線と複雑に絡み合うかのように

伝説の剣は置いてゆきますねここから独りで歩けますから

制服がつぎつぎと朝の香りをたてて過ぎゆく石川町駅

あの店の松定食は特上と豪華おすすめの下らしい

原色にさらに加えた彩りを眼に舌にラーメン博物館

靴下に色違いのたくさんの星ここで始めていくのが希望

黒髪の香りがきょうはなつかしいミモザの館通りかかれば

螺旋階段の途中で考えた進化に少しあった傷あと

いつか銀河の端っこあたりで起きたこと泣きぼくろのようにしか見えない

年老いた母の最期の絶筆はアラビア文字の如き筆跡（ふであと）

http://blogs.dion.ne.jp/oketa_sami/

１０番に声援送るメガホンを奪い幼子望遠鏡に

http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/

先人の矜持もつごと敷島の大和の空に立つ杉林

http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3

泥濘に浮かぶうさぎの雪形のさみしさ春をうさぎでおれぬ

http://b1.jaxy.net/d/index.php/b422907263bbc3

手を出せばほろんと零れてたなごころ淡い葡萄の夕暮なのです

http://d.hatena.ne.jp/ikinapage

つぼみ挿す

内ポケットに忍ばせる

咲くわけないわと妻の笑えど

http://d.hatena.ne.jp/ikinapage

母の恋人はひとりで帰国した　民主主義人民共和国へ

http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

＜春！　春！＞とまた椿かよ　ぼたぼたと花を落として懲りないつぼみ

http://d.hatena.ne.jp/yurakura/

定型は制服ではないこのダンスホールに来るのに必要だけど

http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

歯に刺さる局所麻酔の注射器の青ほど青き来世はダイバー

この松を興奮剤に一年中人類（ひと）の生殖行為は枯れず

http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

郵政はまだまだ未熟全国ラーメンフェアのポスター謙虚に貼られ

http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

背（せな）かがめ携帯電話かけているみんなおんなじかたちをなして

　ワールドカップ予選（イラン・日本戦）
中継の声たからかに負けてゐる日本であるが靴下の青

http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

姑が嫁ぎし時のべっこうの櫛も形見になりて久しき

不況とはわれらの味方湯あがりにまとめるエピキュリアンのやうな髪型

http://homepage3.nifty.com/tsukinokai/

ほの暗き店のかたすみ乾電池はバージンシールのなかに眠れり

http://www.geocities.jp/ake_ake3/

焦っても試合の結果はすぐ出ない一息ついてまずは観戦

きびきびと動ける頃ゆ始めたるリズム体操の二十年経し

（姫様の行方は杳として知られない。日々国王ご一家のおそばに伺候する私は、国王陛下、王妃殿下のご心痛を思うとお掛けする言葉もなかなか見つからない。かりそめの気分転換を求めてお笑い芸人の《たそがれピエロ》を王宮に呼ぶも）

王宮の庭の噴水も止められぬ《たそがれピエロ》もしづかに退場

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/

後背位すなはち色といふ文字の象形のさまに挿し入れてゆく

http://www.mitene.or.jp/~nishio/

全額を出しても猫の額ほど土地買えぬ国額縁は金

春の雪振り払ひ入る室内にあなたの声が雫してゐた

http://www.mitene.or.jp/~nishio/

静やかに餌を食むうさぎの眼の中に激しき色の溢るるを見ゆ

http://chiyako.exblog.jp/

「薔薇の騎士」全三幕をそらんずる神童にして早熟ならず

http://mkv.hp.infoseek.co.jp/cdisk/RS/Rosen.htm

経巻（きやうくわん）を収むる櫃（ひつ）のはしばしに未だ驕らぬ平氏の勁（つよ）さ

http://www.narahaku.go.jp/exhib/2004toku/itukusima/itukusima-1.htm

婆飯（ばばめし）を食らひつづけてこんなにも大きな指を得たわたくしか

http://www.tv-asahi-channel.com/movie/07.html

計画の「画」のあたりに憧れのマスクメロンを感じてしまふ

http://yabet.fc2web.com/index.nozoki.html

「買ひ占むること」と「支配」の空隙をさかあがりする腹の筋力

http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=344208

胸騒ぎしづめむときも眼薬を左と右にたつぷりと差す

http://www2f.biglobe.ne.jp/~comet/megusuri/

メガホンが割れるほど叩き振り回しホームランよりタイムリヒット

http://www.geocities.jp/suiren_58/

古都に住むことにするそう君とならここはまほろば愛根づくなら

http://www.geocities.jp/suiren_58/

線路沿い小さな靴の足元で見つけた春は忘れな草ね

http://www.geocities.jp/suiren_58/

ひぐらしのしぐれ美し熱帯夜 響きつづけて君と眠れない

http://www.geocities.jp/suiren_58/

（剥がされるための禁メッキであろう？）未来派太夫ジパングの嗚呼

探偵があばきし真実それほどに知りたきことかと後悔するも

舶来の金の包みのチョコレート母の水屋に秘めたるひとつ

暁闇に母拵へき塩水を浴みて林檎のうさぎあざやか

花粉飛ぶ昼を流され海に来ぬ主義主義主義と汝は櫓をこぐ

焦土作戦言われておりぬ戦国の時代にあらぬ平成１７年

黄のメガホン打ち振る少年の顔赤きグランドの横を通り過ぎたり

弓ひけば漲りわたるたぢからも余して声に矢を追はせたり

うたた寝に見たりし夢のつづきにて別離はげしく夕ざれの霧

歌詠みの楽しからずもその性（さが）のうづに巻かるる椿くれなゐ

弓形に眉をひくとき心持ちあかるく逸れて跳ぶ草雲雀

http://www2.spitz.net/hinatsu/

日の暮を惜しみて遊ぶ子等のゐず病み篤くなる虚空見大和（そらみつやまと）

眼を閉じよ身を横たえよ　触れるのは父なる空と母なる大地

http://mizukiuta.exblog.jp/

未だ来ぬ春を待つ季語「春泥」「雀隠れ」「貝寄せの風」

人生のジグソーパズルまたひとつ埋めゆく三月三十日

禁開放ビルの玄関押し開ける面接終わって仰ぐ曇天

真夜中の机にひらく地図上の首都ことごとく赤く塗られて

おとうとと吾を呼びくれし姉上の居たことを知るアルバムの中

http://haboki.fc2web.com

紫に明けゆく空に流れ星船の上から見ていたあの日

http://haboki.fc2web.com

五十四年を一期と逝きしおとうとの七回忌に集いて白あえなど食む

言いわけを信じたくてもアラビアの花文字ひとつどこかで揺れる

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html

白蓮に少し遅れて紫木蓮花開きそむ散歩の道に

日は落ちかけ君の影伸びて。公園のブランコに一人。ひとりで。

春節の舞を終えたる獅子頭の吐く息白し横浜中華街

不眠症の闇に抱かれて脈をうつ高層ビルの赤い点滅

http://yumi.myfws.com/

三輪車を初めてこぎし幼子とつなげば手のひら汗ばみており

モノクロの鞄売り場に春を呼ぶ色とりどりのランドセルたち

http://yumi.myfws.com/

探偵を使って不倫を探るなどこれから先もきっと無縁よ

レギュラーに野々村君が居続けることが不思議な『ふしぎ発見！』

http://yumi.myfws.com/

貴方がふと腕時計に目をやる　気づかないふり　イジワルな私

http://yumi.myfws.com/

スプーンの重さに今日も耐えかねて楽しい夕餉の時間が終わる

http://replicaprince.easter.ne.jp/

多数派がいつも正義と言ひ張るはなんとジコチュー民主主義なり

仲の良い友達なんて危ふいよ三人になれば一人はみ出す

常盤湯の煙突焦げた色でたつ十階建のマンションの前

応援にメガホンだけは欠かせないみごと散るまでただ打ち鳴らす

君と似た人を発見することにも慣れて六月の雨は少なし

早稲田から都電はめぐる鬼子母神飛鳥山経て三ノ輪橋まで

昔まだゼネストといふがありし頃長き道のり線路を歩みき

わが時すでに落暉を据えてあるごとく思わるる日のキャンバスの白

ぬくもりが背中いっぱいひろがってからだの芯がひとつになるかも

隣家の白木蓮（はくれん）匂ふ春昼（しゆんちう）に香盗人（かをりぬすびと）われは近づく

原宿は浅き海のごとくなりさんざめく魚たちの回廊

空腹をかかえたままでいつまでも獲物を待って死んでゆく蜘蛛

http://a1.jaxy.net/bbs/index.php?bid=b4109dbecacb3b

ポロシャツの襟を立ててるそこのきみ探偵検定不合格です

後ろ手に閉めた襖の陰隠しあえなくすべりおちるは「禁色」

いつだって好きになるのはなで肩で背中がちょっと負け犬なひと

海流に乗ったあたしたちの魚は前しか向けないさだめだからさ

箱のそこ残っているのは乾電池いっことあの日のわずかな熱と

明日こそ盗まれるでしょう感じつつ日の出日の入つぶす指先

脚くみしあなたの向こう翳りゆく「物見の塔」の橋脚のごと

風吹いておおかみのまゆげはりつく　ならずものたち慈愛のおもて

分母だと認めなくてはこの河を　天を仰げばたつきがたたず

凍えてるこのこの不安が液体と流れおちれば御役目御免

目に見えぬ蜘蛛が素肌をはうように　波長を具体するのはゆるい

『蜘蛛の子のちらし寿司を想像したらなんか気持ち悪くなっちゃったわ』

http://www12.ocn.ne.jp/~kitten/

おぼれてくきみのこころの内側をクロールしてゆく　ぼくは水泳

かつてチョコレート・マーダー在りし麗らかな包み紙たとう敬虔の念は

（君だけに焦点合わす）瞳孔の引き絞られる音がきこえた。

http://catwalk.squares.net/

赤い。青い。ユニが、タオルが、メガホンが。僕らも彼らも、12人目の。

http://catwalk.squares.net/