あれこれと私の思考さまよって迷子のように途方に暮れる

二十歳（はたち）前笑顔で逢った義弟（おとうと）が顔も心もまるくなって

夏の雨に濡れつつカフェに現れし女友達の鎖骨のひかり

秋の朝青紫の西表（いりおもて）朝顔の花満開に咲く

母さんがおうちを留守にするたびに減っていきます子ヤギの数が

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ヒナギクの花冠をあげましょう　ひとりぼっちの翼竜（プテラノドン）に

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十月の進研模試の答案のあまりの白さに目眩を覚える

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食べて食べてって飲んで飲んでってくりかえしいわれているのなんかうれしい

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横浜の育った家を思う時まぶたに浮かぶ山吹の色

警官が踊るように歩いてく「マック・ザ・ナイフ」を口ずさみつつ

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お手紙は確かにお届けしましたと言う郵便屋の白いヤギ髭

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暖めてやった布団を蹴りだされ気がつく二月一日零時

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盗賊が恥じるよ恥じる後続も恥じるよ恥じる橋龍恥じる

秘密基地で犬飼わるるごとわが裡に知られざる主義育ちゆくなり

ぎらぎらと燃える夏の日窓越しに見ているだけで汗にじみでる

霧雨に煙るネオンに照らされて薔薇の花束購ひ帰る

計画的に無計画なまま天候に左右されたり拗ねてごめんね

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焦点をほんのわずかにずらしつつ本音が聞きたいおんなの会話

笑っちゃうこのトシでマラソン走るとは東海道ほども歩いたかのごと

青色のメガホン持った人らみな一族郎党地下鉄に乗る

探偵をやとってまでも知る事が心の負担重くするのに

禁句だよと言いながらもうっかりとばらしてしまう職場の秘密

ドーパミン分泌のツボが橋渡し押しの一手でかならずものに

暮れ泥む川面に浮かぶ都鳥君にはなにもこと問わずして

父ト子が並んで歩く姿見て背中が語る経験の数

紅葉降る露天のお湯に四肢伸ばす遠くに聞こゆせせらぎの音

麻酔の液をこぼした朝のまばたきはひゃくまんびょうのうちのいちびょう

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ならずもの国家を懲らしめるための空母がならずものだとしたら

来世は魚になると言った君釣って食べちゃうよ私の愛は

春キャベツ使いて餃子の具に入れる春のお料理にどうでしょか

買い物しなぜか高額買い物をするとき思うは罠にはまった

変人のままで老いてく猫娘永遠なんて誰もしらない

独り者洗濯物はたまるけど週に一度で間に合うものよ

乾電池はめこむ音が心地よく体もしゃきっとまじない儀式

不動ユウリというゴルファーにシンパシー持ちぬ鄙なる妹も

サマリーを書くがダメだし出まくって自己嫌悪に落ちたる自分

ぬいぐるみもらうときにはうれしけど一ヶ月経つと埃がたまる

携帯はなくても暮らしできるけど三大電化製品思えば

逢った途端心を全部盗まれたとまどいながら恋に落ちてく

この子の未来のために働くああ親とは捨石親とは眩惑

江戸時代結婚指輪その変わり櫛を送りてプロポーズする

額には額を載せるコンセントいっきに抜けばひかりでしたね

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ヘドバンはやる気はないが曲かかるとちょっとはリズムは出てくるものよ

続編を期待し半面失望もするかもしれぬと思い見る我

淀川にかかる橋を渡る時東恋しき哀しみが増す

死ぬときは赤いインクででかでかと日菜清司は日菜清司として

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麻酔かけ帝切をして生む母はおぼろげに聞く我が子の声を

額縁は絵のいんしょうを変えるものギャラリー店長藤田は語る

新刊のインクのにおい大好きでまず一回はかいでしまうの

うまがあうルパンと次元大介は偽札つかみカリオストロへ

曲を聞き本来ならば歌詞も読む歌者の声にしばし忘れて

花束は一日経つと悲しいがひと時その場は華やかになる

大奥の今度の舞台は元禄だ四十七士はいつかでるかな

そのゆめはきりんのうつつなのでしょうまたの次元でお会いしましょう

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スーツ着る殿方見栄えなかなかよ私服のギャップはあえて見ないで

音が消え周りは動くが目に見えず過ちの時見たくないもの

朝日あび城壁の色変化するじっと見守る青年一人

かがくとは化学と同じその発音科学と化学の違いわからず

その昔鬼といわれたその人は故郷懐かし　異国の人なり

昔なら風邪をひいたらみなやさし社会にでたらそうはいかぬね

冬にはねじゃがいもゆでてほくほくとアルミをはがしバターをつけて

日が落ちて影がだんだんのびてきてそしてゆっくり消えていく影

左頬十字傷もつ赤髪の瞳に写るは嘘か真か

かたくかたく抱きしめあって地球上占有面積地上最小

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「人生はマラソンだ」なんて常套句恥ずかしくつて歌には読めない

庭先の狗尾草がさやさやと動きて見ゆる風の抜け道

房事などいくら励めど子は増えぬ明るき未来の見えぬ今の世

静岡に近づくのぞみの窓からは子の住まふ家のちらと見えたり

留守を守る犬が今ではいなくなり戸締りをして出かける毎日

看護師の妻はわが家のビーグルに翼状針でリンゲルを打つ

進歩とふ名のもとわれら何処へゆくレミングみたく海に向かふか

妻の放つことばのナイフがぐさりぐさりピンポイントでわれを刺したり

届かなかつた君への想ひがいつまでも心の隅に残つて疼く

温暖化進みていまは紅葉の盛りと言へば霜月となり

マラソンにゴールはついにないのかも　向こう側にも道は続いて

母の乳祖父母の涙父の液体の記憶はうみにもかわにも

図書館の二人の本が動いている　合図だったね戻しておくよ

アルマーニジーンズ君ほど着こなさない人はいないさ、薔薇をおひとつ

あの夜に手を離さずにゐれたなら君との未来があっただろうか

君がいる卒業写真のかたすみをひらかずに見る心静かに

遠巻きにいて見送るさ泣いたあとサイドミラーが眩しい　キレイ　だ

問いかけて君の心の留守を知る　録音するように話続ける

待つ人がいると思えば飛び発てる　翼ひろげて地面も忘れて

ホリエモン刺客の能力発見も斬り返されてヒルズに戻る

黄信号急いで進んで欲しかった　あなたは止まれと取り違えたけど

本当はナイフのような男だと言わせたくって　そうでないのに

線路歩く危ない遊びあの頃はいつもお腹を空かしてました

紺のインク静かに薄められてゆく眠らないからもう午前四時

空港で駅で会社でイベントで鞄はいつも疑われている

振り返りながら歩けば躓いた　発見は時に後からくるから

時計草はわたしを見てるちくたくと時間を刻むふりをしながら

サラダ食む夕べ私にことわらず季節を変える雨が降り出す

雨が降る度に暫く胸騒ぎ恵まれすぎた日々懐かしむ

狸の親子が消えうせてから一箇月林の水辺に親だけがいた

淡淡と繰り返される日常にたたたんたんとリズムをつける

被災地は野菜高騰特にキャベツ求めて北の県境を越ゆ

罠にはまりし子猫そのまま溺死せり大水引きて肉削げた顔

神様、

永遠にゴールできないマラソンのような毎日です　ありがとう

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洗濯機休む暇なき被災地はパンツはたはたはためいている

何事か問いつつ頸をかしげつつつぼみのままに薔薇は枯れたり

ミズハノメノミコトと書して祭祀する深夜の我を妻は知らざり

ぬいぐるみの洗濯終えて炎天下娘と小さい順に並べる

日の沈むような音して携帯が水に濡れたり神代のように

女より奪った櫛を埋めたのだ水の災い鎮めるために

必ず残る色ありそのまま捨てられたりたまに机の奥にあったり

少しリズムが整って来たと思うとき急に神代の不安が襲う

半年も帰省せぬ子にびわ湖花火背景に書く暑中の見舞い

炎天下復旧作業続く日をただ眺めいる猫けり飛ばす

麻酔効かぬ俺は大酒呑みである愚痴がぐちょぐちょ処理台の上

聞いたことありますかその森の声ひそひそひそととても早口

ゴミ処理場にあまたの額が捨ててありそのほとんどが賞状である

一ヶ月の内職代で購いし熊のぬいぐるみ幼子のため

黒インク流れ尽くした空き瓶に流れきたりし花一つ挿す

人にあう連絡に便利な携帯電話時に消えうせ電話で探す

次元の違うものを比べる論評を打ち捨ててシャベルをまた動かせる

漲りて来るもの覚ゆ７０年代の曲が流れり復旧の街

届きたるバラの花束再生の日と祈念して祓う所作する

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四つんばいになって泥とるボランティア汗点々と大地鎮める

娘よりつげ櫛下着の贈り物更年期の身を案じる文添え

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福井城濠の境が見え隠れしていたらしい鯉の証言

瀬田川の朝の光に舞うかもめこの鶏柱にゆったりリズム

土下座せよ予期せぬことを予期もせず雨後に机上の論吐く科学者

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鬼というは大地のことか鎮まらぬ水害の街わたくしの街

夏風邪のきざすわが身に布をかけ葬りくれる妻は貴人（あてびと）

じゃがいもの芽はいっせいに吹き出して膨張したる

気づくまで見えざる影のけはいあり。墓が流れていたのであった。

十字に結んだままのバースデープレゼント体育館の片隅に置く

歯医者の甥に抜歯の麻酔されておりおばちゃん大丈夫こわくないよと

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何処からか古き剣が流れ着き疲れた男の白き歯写す

重機だけ存在感ある現場では制服隊は皆黒き蟻

他愛なきキャッチボールの仲なるに不意にな投げそ変化球　縦の

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シェフ首相きまぐれサラダのチルドレン腐ったトマトにぴんぴんキュウリ

根こそぎの松なみだ松枯れる松根に酒かける今日の弔い

クリムトの接吻の額のかかる部屋にステージ衣装の試着なしおり
　　　　　　　（ウイーンにて合唱出演）

清げなるグラスに抱かるるワイン　奪ひ含みて転がし落とさむ

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3分も避難場所では待てませんカップラーメン解れよ早く

酒臭き男は床に頽れぬ寝間着の袖に脚をとほして

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靴下にハゼのこどもがおりました。パンツの中には蟹がいました。

大和とふ艦に心を躍らせし少年の日は深き胸底

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青味泥繁れる川に自転車の横たはりをり蝉レクイエム

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炎天下髪は漆黒薄らいで被災の日より老人となる

足らざりしピース　未完の顔のジグソーパズル　嗤ふ唇

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長年の苦労が実った初当選淡いピンクのおばちゃん議員

決壊後螺旋状にも流れます必ず丘へ避難ください

街灯をスポットライトに濡れ鼠踊り狂へり雨香れ香れ

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潮騒が聞こえて僕の泣きぼくろ痛み出すなり流されすぎて

インク書きの大会詠草雨に滲み淡き紫陽花の水彩の絵に

青年は何か攫まむ雑踏に桂馬の如く歩を進めたり

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もろもろの下部となりて冷ややかにエラーコードを吐く官僚か

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蟋蟀の迷ひ込みたり静かなる辺境の地に狂ひて死なむ

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館野泉の左手のみのピアノ演奏病を越えた高き次元に

あにもなくおとうともなくあねもなくいもうともなくある冬の空

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木枯しに青紫のくちびるは人肌よりも珈琲を恋ふ

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横浜の女と野暮の嘆く声湾岸のエキゾーストノート

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汗にまみれ涙にまみれ大人らの嘘にまみれて少年は駆く

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探偵のやうなるまみに狼狽ふる黄金仮面のごときまなじり

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泣き声は遠く去りにき桃色の歯ブラシ捨てて禁煙解きつ

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沢山の幼い小泉チルドレン大物議員へ小さなつぼみ

哀しみを怺へて過ぎぬあの冬の父の背中を濡らすべかりき

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泳げないふりをしているおんななど放置しておけそのうち浮かぶ

泣きぼくろあるは不幸と姑の言う六十路のわれはやれやれ無きよ

チョコレートの中国語表記見つめおりくちづけしても溶けてくれずに

悠然と頭の上をゆく船見上げため息をつく半漁人　鰓で

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留守にせる我が家の窓はくすみつつ光を灯す我を待つなり

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虚しさに笑ひ袋発動せり泣き袋の乾電池液漏れ

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おもむろに穴のあきぬる風呂敷を空に広げて星を盗めり

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気やすめの童話はいらないひとときも眠らぬうさぎばかりあふれて

道鏡もむかしは子ども大阪府八尾市弓削にて夢はぐくみぬ

色々な発言新聞沸かせたが迷言色々失言色々

うたた寝がやがては深い眠りへとみちびかれてきみにしがみつく

日の出橋欄干につらづゑつきてつらつら見つるあかね漣

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詩に痩するならずものあり肉叢の鉄格子すり抜くるほどなり

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母を知らぬ子が屑籠にロングシュート母の日の花丸の作文

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冷ゆる空雲は夜ゆるぬるつるり液体となる　春来ざる猿

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獣らが絆の糸に絡まりてゆく態を見る天井の蜘蛛

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古への星の明かりに今生の蝸牛ドルフィンキックで泳げ

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鼻奥にこびりつきたるチョコレート色の記憶を融かせ夏の日

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走るたび速くなるとはいふけれど二年目がきつい短歌マラソン

もうそろそろ革命あらむ人も国も動脈硬化まで数十年

もがきたるうさぎもやがてけだものを緋の檻に閉ぢ込めて溺れむ

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もしここにタイムマシンがあつたなら過去へ行きたい未来はお断り

セザンヌの静物画には人よりも人の顔して果物がゐる

外つ国も神の留守することありや聖戦と称し人が人殺す

鳴かずしてはぐれ鴉の飛び立ちぬ弓張月の弦を切らむと

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神の周り飛ぶ天使より翼なきことを誇りに這ふ人たらむ

百年は続いたらうか進化てふ神話そろそろ黄昏の刻

うたた寝に恋しき人もあらはれず我がうつせみは誰がうたた寝

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誰もかもナイフを持てり小つぽけなプライド同士刺し違へむと

結婚も離婚も届け出るならひ膨大な書類厖大な民草

この星の長き歴史よ暖冬と言はるる今も氷河期のうち

寂しみは「楽しみは」とふ句のあとのなくて雨染み目に映るとき

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灯し火を欠きたる卓も一輪の冬の薔薇のあらばよろしき