淡白な寄り添い方とそらした目これからつくる二人のベッド

http://www.h3.dion.ne.jp/%7emaples/index.htm

匿名のメール　不埒な誘惑は逢魔が時の空を行き交ふ

I, a pathologist;

　もやもやを抱えたまんま診断のプレパラートに焦点合わす

東京は寒の戻りかいつしかも霙ふりしきり俺は眠った

ほろ苦き菜の花サラダたひらげて明日わたくしは蝶に羽化する

淡雪羹舌にしゆはしゆは溶かしつつ雛の宵の雨を聞きゐる

秋空を見上げる時に営業の鞄は重し持ち替へにけり

市販薬飲みつつ眺むる天井に節穴はなし風邪も治らず

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ことことと鍋が泡噴くじゃがいもの煮える頃には雪も止みそう

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素っ気なきあなたの後を影踏みてほつほつ歩く小春日和は

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戦場に掲げられたる赤十字旗目指して旅立つ友微笑みて

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今年から独立リーグに目を向けよう　BBSは楽天製だが

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今の世に千夜一夜の話して　水を流そう　アラビアの地に

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/3185/rindex.html

同窓会　久々集まり　しみじみと　小箱になった教室の中

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昨年の台風上陸多すぎて　災害ない日を数えたるかな

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特急に消され届かぬ告白を線路を挟み「好きだ」と叫ぶ

はるうらら急須湯飲みの面ならべ混声コーラス角のせとものや

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/

たそがれを背にして帰る冬の日の　照り返す分温(ぬく)く感ぜり

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予報士の頑なな目を遮って乳白色の朝が始まる

http://www.tcp-ip.or.jp/~panse219/index.htm

剣持てばしんと鎮まる胸のうち抜きて挑むは昨日の迷妄

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アラビア語右から読むと知らぬ奴首領となりて爆弾落とす

いるだけで　それだけでいい　その存在　友という名の快適空間

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矛盾ある主義主張を眺むれば　ナチュラリストという不自然さ

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制服を脱げば故郷に帰れると思いつ襟を正せる士官

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物音を立てず立ち去れ過去の恋眠ったふりをしてあげるから

教室の後ろにありし手塚治虫文庫になりて我が部屋にあり

平穏だが　焦燥感に駆られたる　たゞ独身というだけなのに

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立ち枯れし松も哀しき並木道ふと目をこらせば「原研」・「動燃」

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争い事　すべて映画の世界にして　メガホン持って「カッ〜ト！」言いたい

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泣きたいな時雨ポツポツわんわんギャーギャー　ぽつんとひとり

http://punk-boom-bang-ex.txt-nifty.com/draft/

水槽にアラビア文字を書き綴る巻貝たちのいつもの伝言

http://2.csx.jp/~h_h/

緑求め　都会のものども田舎へと　舗装に植林　不自然な自然

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届かない呼び声白にとじこめてカラスは一羽雪の野にいる

いつも見る夢に出てくる教室に私の席がまた見つからない

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　環七の屋台のラーメン懐かしく訪ね行けども『本日休業』

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陸亀じゃないのに居間に出て遊び膝に乗る亀まるで猫並み

http://2.csx.jp/~h_h/

行き先は「恋」の列車に飛び乗ろう鞄にミモザの香りを詰めて

穴あきの靴下頑固に穿き続く背中に掛ける言葉も失せた

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たそがれの薄いブルーの街並みに滲みこんでいく君を呼ぶ声

http://2.csx.jp/~h_h/

アンテナのごときに立ちたる後ろ髪どんな音波を拾っているの

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水色のハンカチのなかあなたごと忘れてかけてた球根ひとつ

http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID

君と会う１０秒前に見た鏡キスで剥がれたルージュ発見

切り抜きの天声人語は飴色に君の代わりに齢を重ねた

http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID

真理とは時の娘でワタクシはサディスティックな娘だそうよ

華氏零度醒めた恋ですさようなら砂時計なら戻せるものを

　わが内の二重螺旋のDNA尋ねてみたしその一段目

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一本の線路の上を歩きたいスタンドバイミー口ずさみつつ

健やかに上下している肩の線眠るあなたに会える幸せ

物置の隅にあるはず文集と写真を入れた学生鞄

白黒の絶望の中たたずめど我にかえらる赤色のコート

湿度濃い密林被う浮島の二人の裸身弓なりになる

前髪に触れる右手の中指に古い傷あり今日の発見

バリ島の乳青色の漣がうたた寝をする足を撫でおり

あけがたの路上に白く横たわる子犬はいまだ眠りおるごと

ドリカムの「時間旅行」で歌われた金環食をあなたと見たい

プールから海につながる群青とガムランの音　ここは楽園

貴腐ワインそれは甘美か渋いのかいずれにしても舌が決めるの

幸福のアラビアを捨て漕ぎ出した王妃を乗せる御船が浮かぶ

七部袖むずむずしてた感がある何故か今でもわからないまま

長時間残業するのは仕方ない過労死だけは避けてください

前提で大和撫子否定した 今ならそれもすべて愛せる

泥だんご艶をだすのも哲学だ幼子の目は真理に近い

月曜日１０％の割引にカットサラダと牛乳を買ふ

風に乗り香り漂い呼び覚ます記憶のかけら過去の断片

泣きぼくろちらりちらりと覗かせて陰で舌出す女の上手

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夕暮を君と歩きし御堂筋今夜は淡雪払ふ人なし

雪の降る馬場だとしてもまなざしはやさしくなるねハルウララなら

咲かぬまま落ちてしまひし紫の薔薇のつぼみか君と分かれる

存在を漢字変換してみれば我れを示せる文字は空白(ブランク)

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無言にて帰りし夫の黒き鞄冷えびえとして両手に重し

　唯一の我れの贔屓の山葡萄ワインと過ごす隠れ家欲しい

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晩餐は甘いくちびる恋の美酒サラダボウルに薔薇を一輪

ドロドロの血液綺麗にする為にたまねぎ山盛りサラダの日々

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抱擁で抱擁だけで堕ちてゆく罠　淡雪の肌着を纏う

益荒男の手結いの袖に滲み入りし滴を絞りてわが血となさん

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未だ固いつぼみ私のくちびるの奥に湛えた禁断の蜜

「奮い立て大和男(おのこ)の魂よ」神籤よ私は女ですけど

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おとうとが夢で拾った自転車を碓氷峠で乗り捨てたとか

紫の濃淡すみれ、パンジーとヴィオラの織りなすほのかな調べ

真っ白き蓮の蕾のほっこりと泥のうちより光は生まるる

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楽焼の皿の軽さにわが筆の字も軽く見ゆ思い出の絵も

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裏向きの「し」より始まるアラビア語書けば右手のこぶしに消える

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しあわせのかけらのように小雪降る横浜みなとみらいのデ・ジャ・ブ

お教室お道具箱にお絵描き帳幼稚園には敬称あふれ

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ヘリに乗りグランドキャニオン俯瞰して陸の広さを実感したし

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禁色は煙るむらさき春霞恋に窶れて濡れた眼のいろ

ここちよい汗とはるかな波音と砂丘が足になじんできたり

たそがれていじけてめげて落ち込んでそんなわたしに明日（あす）はあるのか

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またひとつパズルの片の収まりてほうと息つく朝(あした)の温き

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探偵が言ってましたよ台のつく地名と夢は嘘が多いと

ゆうるりとせせらぎの声春の声　祈りのようにささやく、ささやく

あの橋は無いことにして対岸を見ずに座つてゐるこの岸辺

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主人公は皆ならずもの行き場所を失つてゐた真面目なる吾は

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時を撚りいのちを紡ぎ山つたは千年杉をその蔓で抱く

禁じ手を使いたくなるゆっくりと水の流れにさえ追いつかず

母としてなんて陳腐な言の葉を隠すつもりの穴に埋めたり

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液体はすぐに気化してゆくだらう乾ききつたる床を残して

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いつの間にぐるぐるまきの垂らされたやうな垂らしたやうな蜘蛛の糸

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いつになく背中を押してもらえそう春何番と名のつかぬ風

潮の香のふときつくなる水道水　故郷の満ち潮我れに届けぬ

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逃げた魚として泳いでゐることに慣れすぎた昼、といふわけぢやない

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生まれたらすぐに魚になったはず龍宮城の序列の中で

線路の上横になって夜見上げ星屑になる瞬間を待つ

人がみな乾電池なら１０桁の番号くらいは違和感がない

一面のキャベツ畑に月が降り山はサラダの鉢になりける

本当は誰にも言はぬつもりだつたチョコレートと名付けた少年のこと

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盗塁を決めたらすぐに次のこと考えてゆく声援の中

抱けるのかだうかで価値が決められた遊園地に飼はれてゐたうさぎ

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馬の背の鬣のごとさわさわと薄は揺れて尾根の夕刻

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弓を引く少年に昔あこがれてゐしが少女に奪はれたのだ夢は

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夢見にはずいぶん不足なのですが小春日和の銀のうたた寝

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上からの大衆文化であるテレヴィ、ネットに楽しく降臨すべし

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きらきらにこんなに近い沈下橋でささやきのような流れ聴いてた

「食べられるつぼみ」といふにおそらくは炒めてたべるものぢやあるまい

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ままならずものの力に負けている異動の日だけ片づく書類

いつだって思い出の色はきれいで　いま現在は透明なのだ

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母なる大地母なる言葉見すえて踏みしめて今日という日を

電話からきこえた声がもう好きで恋をしそうで笑ってしまう

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まっさおな窓辺の棚は透明な液体洗剤とおし空

官僚と仰ぎ見られし男らの苦吟積もりぬ新橋裏路

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六本木ヒルズの蜘蛛は朝虹にパノラマ色の網をかけたり

待ち受けの画面は宇宙遊泳の途中見かけた粒子のように

チョコレート革命ならばハーブから頼まれていた優しい衝撃

故郷の船溜まりの人の輪に生きているごとき父の声聞く

現し世は迷い迷いて葛折り登りて虚空(そら)のなお遠ざかる

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月の裏に住んでいたはずのうさぎが隣の銀河に引越し通知

弓形の浜が広がる紫陽花の寺の石段からのパノラマ

うたた寝の夢に見つけたいつの日の誰にも似ていない似顔絵

おとうとと呼び来しものは歳長けて我を見下ろしつ小遣いせがむ

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キューピッドの弓を手にしてみたけれど肝心の矢はどこにあるのか

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山霧に紫立ちたる筑波嶺に春の報せか強き風吹く

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バスタブでうたた寝のままサヨナラをするのにちょっと憧れている

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関帝はゆるりと坐しぬ横浜の中華の民の暮らし見つめて

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最高に楽しい場所という意味で極楽ランドという名をつける

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紫外線まづ春めきぬ元気無き陸の生き物人間のみか

草の香の汗に抱かれてうずくまる眼(まなこ)に眩し初夏の蒼

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アラビアン・ロックをやろう　モーニング娘。のカヴァーともいうけれど

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教室の窓のガラスを拭くときはなぜか人目を意識してます

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揺り椅子の探偵気取りて老嬢は通行人を評して止まず

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禁じ手の幾つあるやら目の端で叱られつつもまたぞろ突つく

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海と空と陸　ひとつだけ選べない　そのさかいめがうつくしいから

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向けられし巌のごとき背中にも血は滾りおり指にて辿れば

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昼間からたそがれている　うらやましがってばかりで日が暮れていく

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清流に魚の背びれは跳ね遊び山懐はなおも悲(やさ)しき

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接吻をたれもゆるすな教師Ｎのメガホン奥にうごめける口

弦楽器を爪弾く夜は少年の遺した詩（うた）を口ずさんでみる

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アラビアの砂漠に埋もれたマインバッハ、ロールス･ロイス。さがす約束

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乗り換えの駅にて求む乾電池 COすでに５度聞き直すも

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教室の夏の窓辺に1号のつくえがひとつ重心うしなう

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メルカトル図法の大陸切り抜いて北のローラシア、南のゴンドワナ

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夏終わり、部室の隅にあるメガホン一つ。聞こえるあの歓声。

たそがれの「誰」でも「彼」でもかまわない　どうせぼくらも失う輪郭

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「病無く身強き人」は友だちに向かないんだよ。うすく笑った

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糖分はとらない主義だ　言いはなつ少年の目は閉じられたまま

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点滴は焦らせるように落ちてくる　あるいは夜をなだめるように

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ひゅるひゅると肺を鳴らして読みあげる　メガホンいっぱいの寄せ書きの名を

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盗み見る異界の宴はいかばかりそろりと後をいきたし我れも

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息づかいだけが聞こえた　都会からきた少年のうすいくちびる

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「都市と星」ひらくゆふべに餉（け）は匂ひかくも恋しき二重太陽

宵ごとに一石一板継ぎ足して渡してみしょう久米道の橋を

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無頼風　ならずものとぞ人の呼ぶ蒼穹奔る猛き魂

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わが子供九歳なるが　いまは昔五歳（いつゝ）のときや　キャンデーの硝子瓶もて　部屋の隅に屈まりをるに　蓋してやプイと去（い）にゆきぬ　

跳ぶものの蠅（はへ）捕り蜘蛛は瓶のなか　あはれ五歳に捉（とら）へられたる

なにすんねやとあきれかへれる　コルク栓ピタリしをれば　息ぐるしやとわれは栓をば　ゆるめたりけり

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久方の訪い得れば母という女は再び説教始む

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真紅(あか)色の液体満たして肉体は跳躍していく明日という日へ

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白壁に小さき蜘蛛の影ひとつ怯えているのはおまえか我れか

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遠泳に挑むがごとくに生をいく時折不意の波に呑まれつ

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黒雲は空を覆ひて色奪ふ吾らが生をいかでか輝かさむ

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四等に当たり喜び歩きけり難波のまちはいまがたそがれ

店頭にチョコレート並ぶ如月の夕暮れに背く乙女リタイア

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都から明日は離れる都への未練を残し月は新月

昨夜（きぞ）までを愉快に語れよ天上でその鳶色の翼を繰つて

革命が夢の座（くら）より墜つるとも炎上機関車線路を疾れ

双耳に宇宙の調べを聞きおるか月夜のうさぎの直立不動

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弓取りて引き絞りたる君が手の鼓動も高き生命の水路(みお)

http://tamagaki.hp.infoseek.co.jp

うたた寝のわれの眠りを醒ますものまぶたをつつく猫の手冷たき

http://tamagaki.hp.infoseek.co.jp

まるまると梅のつぼみがいっせいに描こうとする愛してるの「あ」

また空が大きくなるね。水色の折り鶴は飛ぶ祈りの中で

大声で「ばかやろう！」とか言ってみる 誰も知らない恋の終焉

乾電池と言うからには湿電池あらむ　現に見せてもらったことが

ならずもの縛り首にて死んでゆく西部劇の明確さ厭う

者になってました

錆付いた線路を歩く思い出の道を辿りて何処まで行こう

官僚にならなかったらおじさまは別の立派な人種だったか

阪急京都線淡路　駅東口坂を上がらな　上がりきらば左手をみよ　喫茶ダイヤモンドあり

いまは昔の。喫茶店にてドアのむかう昏き液体の香るありけり

http://youyoujoho.com/yasima

迷っても迷わなくても同じだよ成せばなるけど成さねばならぬ

おとうとの蒙古斑ならおぼえてるしっぽがあればもっとよかった

おそい雪つもらせているふくらんだつぼみあなたはわたしの自慢

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センセイの鞄から、それ見付けたの。代わりにあたし、これ入れとくの。

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此岸で貰いし薬今日も飲む彼岸の我を眠らせ給え

「お医者さんごっこをしよう」「鞄には何を入れるの？」「ラムネお薬」

http://m-space.jp/?25345225

紫の記憶はどこか曖昧な遠い場所へとつながる西へ

セピア色 海をのぞんだ横浜の小高い丘が記憶の小壜

三月の愁い染み込むサラダには敢えてフレンチドレッシングを

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ココナッツマカロン淡く投げつけた　心の距離を戻したかった

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街中にあふれるリラのつぼみたち　夕日は照らす私以外を

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路地裏へ隠れた猫と並列に全ての色が黒く見えた日

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インディゴに染まった春の街角で　するはずのない声が聞こえた

http://mini.pussycat.jp/

日曜の（チャペルで祈る人たちのつぼみのやうな手がひらく）朝

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/