窓からのひかりは悼むためにあるわけぢやないのに夏の教室

http://ogihara.cocolog-nifty.com/

あまつぶがにはかに沁みて夏服にひろがつてゐる大陸がある

http://ogihara.cocolog-nifty.com/

これ以上先はないよといふ貌をしてたそがれに細かく溶けた

http://ogihara.cocolog-nifty.com/

西友のかたちにいつも切りとられそこだけ蜜を見せぬ黄昏

http://ogihara.cocolog-nifty.com/

「ひっひふー」ラマーズ法の息継ぎで　こけつまろびつ素人マラソン

六弦の小林君の手のひらを握れば夢に落ちてゆきます

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

自分だけ翼の痕があるという錯覚に似ていたね、孤独は

矢印のとおりにうまく進めない展覧会の順路のような

笑ってもいいよいびつなキャンバスに描いては消した未来のカタチ

日本をあきらめない　ドン・コイズミがふるアメリカに袖振らうとも

何回もズボンの裾を踏んづけて太宰治に渡す花束

http://hinauta.holy.jp

三毛猫の頭を撫でる二葉亭四迷の指のまあるい爪よ

http://hinauta.holy.jp

屋上のフェンスに肱をあづけつつ風の背中を見送りてゐし

蒼天の下にしばらく影のごとし黒衣の人の隣に立てば

あまがける雷神風神南北へ逃げたまいたり天の十字路

壁面に光る剣の交差の図評価は思わぬところより来る

青鷺のように立ちおり女生徒の制服を着て男子生徒ら

松たか子松雪泰子松田聖子松嶋菜々子松本明子

あおむけの夫にラーメン食べさすを魚釣るごとしと言えりその妻

じゅうたんの上あっちでもこっちでも靴下をぬぎたがっていたり

髪の毛を増やす薬をあたらしく買ってもいいかと夫が聞けり

のの練習おの練習のために子はひたすら鉛筆螺旋をえがく

うつしみの女を拒む男らが購う人形（フィギュア）のその泣きぼくろ

泣きながら歩みて来たる山のうちふいに明るき変電所出づ

ラミネート加工をされし身分証をてかてか光らせワイン飲み干す

貝殻の形を模した袖ボタン泣いていいかと聞きし人あり

大和屋の焼き印押されし饅頭を子が持ち帰る保育園より

日輪は静かにかたむきいたりけり泥土をさして傾ぐ向日葵

なにゆえに苦しむ顔か君が顔抽象派の絵のパズルの如き

いやらしい男を演じているのだと思うことにする汝の鬢の香

玩具屋の主人逮捕を聞きて父は言えり「馬脚をあらわしやがった」

貴族より官僚の世になりたるを地獄の科挙はよく知れりけり

迷彩のからだを持てるエレキング水の中より立ちあがりたる

静かなる春夜を乱す原付を吹き矢で射れば昇る花びら

http://blogs.dion.ne.jp/shirohi/

高島田 勝負簪 勝負櫛 おさとは戦闘準備完了

ひびき合う心のリズム敵方に拍手を送る若武者がいる

墨色の「遊」という文字美しき意地で出かけしこの書画展に

担任の監視の中で贈られた二十歳の私へオットセイのぬいぐるみ

夏風に吹かれてやがてさびてゆく遠い挫折をしまう教室

さめぎわの夢に燃え立つ橋脚のくずおれてゆくさまを告ぐれば

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

ならずものばかり出てくるお話を糸蒟蒻に読んできかせる

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

母さまを庭に植えます泣きながら咲いておりますとてもさみしい

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

にくたいに日々あらたまる液体をとぷと揺らしてあそんでいます

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

いくつものわたしを提げてゆきましょう　はつあき　蜘蛛のあかい眼きれい

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

わたくしを泳ぐさかなのひらひらのぴらぴらの揺れとてもつたない

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

チョコレート・シロップたんとかけなさいほろびるまでを見届けなさい

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

跳ねているあれは野うさぎ　くさはらを裂いてはとじてゆくうしろ脚

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

紡ぎゆく胡弓の音色／父祖の髭／柳／絹雲／蛇（くちなわ）の息

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

うたた寝のまぶたにふれる　どのように赦していいかわからないまま

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera/

黄昏にいくら呼べどもほんとうの鬼は手の鳴る方へゆかぬて

鼻風邪はとうに治っているもののマスクが病みつきになってつけてる

じゃがいものすがたうしなうまでを煮てこころほどかんとして　あなたは

暗闇に灯るマッチの火のようなメールを破り捨てれば四月

花束をスーツケースに閉じこめて幾度も指を洗うのでしょう

世の中の酸いも甘きも知らざりし泣いて叶わぬ四歳となる

冷や汗をスーツの内に忍ばせてジーパン爺になる日を想う

運動会は校舎の影が寒すぎて仕方なくって日向へ歩む

たとえば理想、商人の笑み、ついに少年十字軍の遺訓も

ぼくらほど歩みののろいものはなく陸ガメの名はメランコリアに

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/

嘘だって構わなかった約束は　キャベツ畑に金色の風

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

しやりしやりと噛めば砕ける唐揚げの虎魚（をこぜ）ぞ旨き尾道の夜

乾電池一箇余分につないだら切れてしまつた豆電球は

盗まれた手紙についてはまだ誰も指摘してないことのあるらし

進々堂の大木卓にクロワッサン齧りつつここがわが席なりきと

地に足が届かないから思ひきり膝で漕ぎます秋のブランコ

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

キャンバスに絵の具を乗せる勢いに変われり秋の並木道へと

永遠の静物としてワイン瓶鈍き光を底に溜いる

曇天を描きし頃の曇天の色が袖には染みついており

大和とう国のあるらし夕暮れの多賀城にいて下草踏めば

地下街に風の動ける気配して泥の目をした人の振り向く

パズル向きの絵であるらしくおもちゃ屋にラッセンの絵画並べてありぬ

学祭は煙なりけり再びのキャンパス既に冬の香のして

さなきだに加速してあるか民草（たみくさ）とペンと剣（つるぎ）と相携えて

制服に統べられたりし悦びのはるかに優り背きし汝と

百鬼園先生内田百間がい行きて履きつぶしたゴム靴

銀行の頭取はついに儂である　松葉相撲の借りは返した

幼稚園児を楽譜から音符へと還すいちねんいろはにほへと

http://www.hct.zaq.ne.jp/koharubiyori/index.htm

病棟にこんこんこんこんこだまするリズムにつれて夜は更けてゆく

http://circus.milkcafe.to/

毎回のように続きは今度ねとお預けにされて爆発寸前

http://circus.milkcafe.to/

生まれつき麻酔の効かない体質でとても不幸な患者（あたし）と歯医者（センセ）

http://circus.milkcafe.to/

林立する無縁仏に切り捨てた自分の顔を捜して歩く

乾電池　乾いた池とはこれいかに　わからないけど感謝してます

http://blog.goo.ne.jp/tankagate/

竜胆を供へてのちの戒名の静けさ彼岸入りの真昼の

秋鯖の小骨が刺さるとりあへずやり過ごしたき未来があつて

盗まれて困るものなど何も無い。そう信じつつ防備する今日

http://blog.goo.ne.jp/tankagate/

元祖シンクロニシティいざ甦れマリオにつられ体も動く

クリスチナ・ロセッティもきみも褐色のうすき翼にささへられをり

降り続く雨にわが家のトタン屋根 部屋は終日雨音のなか

失った痛みむりやりはぐらかす麻酔だったら 今はいらない

生きているそれだけでもう頑丈な制服を着ているって思う

http://page.freett.com/sugi8ma/

本日は洗濯日和こんなにも空が青くて私も青くて

若きらの煌く感性羨しみつつ題詠マラソン漸く完走す

嬰児が手を動かしたそれだけのことに眼のうるうるとして

未来などなけれど今日も暗記する動詞の変化je peux,tu peux,il
peut

ひたひたと濡れし音して車過ぐ静かに雨の降り初むらんか

ほどけないリズム重ねてこれ以上埋めてもらえるところもないね

http://replicaprince.easter.ne.jp/

勧誘の電話に主の留守を告げこの時ばかりは夫の付属品

着陸の態勢に入りし下げ翼の間に見ゆる異国の樹林

事務的に進む会議に異議無しを繰り返しつつ知らず明日は

ギャルソンの視線後ろに使うナイフ羊の骨の取り分け難し

一線を引きて進まず今日よりは　思い届かぬ人に真向かう

公園の日溜りに暖をとるごとく鳩群れており風すさぶ午後

LANケーブルを抜く 匿名の悪意どもから放たれた背中が緩む

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

藻も虫も魚も住まない熱水（ねっすい）に倦みつつも棲む菌になりたい

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

減ってゆく「生きたさ」を今どうしよう乾電池なら買って来れるが

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

マッチ擦るつかの間心に闇深し盗（と）られて困る秘密はありや

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

半額の文字に押されて買いまくる必要なのは何だったっけ

路地裏へインクの匂いは充ちている少年の背に朝焼け載せて

めでたしで終わる次元の話じゃなくてこんがらがってる一大事

青春はねじ曲がってた校舎裏行き場すらない煙草のけむり

花束は軽い放物線を描く浮かず沈まずたゆたうあの日

色づいた鋪道の四季を踏みしめる鼓膜は刻む去年の今日を

最近は櫛にも取り入れられているマイナスイオンでプラスの効果

君の言う破壊的ニヒリズムならまる子の父と酒は飲めない

あと少し生き続けたら春でした　うららかな陽に放つ抜け殻

薄れゆく意識の中で叫んでた　イチゴ麻酔のほうがよかった！

ソラミミスト、ソラミミストと決めこんだ猫の額だ　しっぽから尻

ゆびさきに付いたインクを落とそうともがく、シンクの殺伐とした音

膝曲げず床に手のひら届くよう屈伸体操繰り返しましょう

一個だけ足りない形　混ぜるから完成しないパズルあげるね

http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/

消えてない蚊取り線香いつまでも赤いままです　お尻から火事

http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/

蹴られてもケラレテモまだ立ちあがる馬の蹄がきもちよさそう

http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/

好きにしてどうぞ勝手に官僚になるのは自由　僕は邪魔する

http://sagasimono.moe-nifty.com/arimasuka/

影持たぬ人などいない死者たちの影にわが影重ねて憩う

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

あのひとがくれたクロスを首に巻き十字架刑にゆきつく恋ぞ

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

美しい空白もまた自らの野獣死すべし松田優作

留守宅の冷蔵庫からマヨネーズ借りて七彩旅団南へ

http://blogs.dion.ne.jp/shirohi/

卑下ばかりする君なのに酔ったとき剣のような意志がきらめく

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

東京の子らに制服なきことを自由、平等と思わず我は

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

松竹梅　木々にもランクあることをかなしみ歩む神宮前を

http://hocyo-wife.ameblo.jp/

この橋を渡り終えたら振りむかず君を探さず生きてゆけるか

この世にはならずものなどもういない白と黒さえ曖昧な日々

我のもの君の手足も鼓動さえ解体されて母となるまで

一人でも生きてゆくためとろとろの液体匙で子に与えおり

そろそろと階段おりる美しい娘のてあし蜘蛛に似ており

守られて自由に泳ぐその幸を手放すほどの価値がこの世に

昨日より緩やかに過ぐ午後四時はチョコレートより深く眠りて　

濃紺の天球に浮く木蓮のまっ白なまま仔うさぎの群れ

この腕は私を抱くその前はどんな形で弓をひいたの

掃除機をかけながらゆくうたた寝の夫のまわりをぐいぐいと吸う

夕方に萩はもう散りふっくらと火の色うつす信楽の壷

計画は続行されます淋しがる女を観察いつまで泣くか

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

花びらで占うスキかもキライかもどうでもいいかもくそったれカモ

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

六つとせ　無理やり起こす胸騒ぎ無傷でいられる恋はしません

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

林くん覚えていますか林くんあたしは覚えてないことにする

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

千切りのキャベツを数えている間ひとりぽっちを忘れてしまおう

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

特別な罠じゃなくても今夜なら百発百中試されようか

http://www.geocities.jp/isanajpjp/

土の中むくむく太るじゃがいもはやがて芽が出る枝葉枯れても

こんなにも惨めな暮らし違うはず　そうよ影武者私じゃないわ

吊り橋の真ん中でふいにポケットの中身を全部捨てたくなつた

初句結句二三四句ままならずものがなしくて窓を開きぬ

ないものとあるものの線を引きながら水母たゆたふ秋分の海

差別したい心は消せぬ　「部落」なる中洲にかかる橋は増えても

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

虐殺者メイン・ストリームの上ならば「ならずもの」とは呼べないルール

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

母もいる家族の中の安らぎを知らない母が嬰児（みどりご）を抱く

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

純粋を目指せば無臭無味ながら人畜有害となる純水

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

さりげなく巣を張り終えて憩う蜘蛛　その幾何学を教えてほしい

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

教室１０１１の部屋番号は２進法か１０進法の１１なのか

あきつしま陸軍士官学校の男子便所の臭気爆弾

たそがれの楽園（エリシオン）にてまどろめば黒き薔薇手にたづねくる者

鈍色のリストラ名簿掲げつつ友は泣きけりカメラを前に

大男人主義（ダーナンレンズーイー）かなしすぐそこの西太后を育みし国

小心で傷心で焦心で「焦性没食子酸」如何に読むべき

メガホンがラッパに進化するまでは月に着陸できないアポロ

陶酔をあめ玉にして舌先でただころがせばぬるいたそがれ

http://yaplog.jp/sweetholic/

嘘つきを信じたいのでジャイアンの心の友でいさせて欲しい

http://yaplog.jp/sweetholic/

ビクターの犬と小首を傾けて微かなものを聴いておく主義

http://yaplog.jp/sweetholic/

気づかないふりをしている真夏日にふりさけみればこころの焦土

http://yaplog.jp/sweetholic/

ふうじや、風邪、汝は憂愁をたづさへて払暁の吾に来たりしものを

「汝」＝「な」、「吾」＝「あ」

デリケート部分の痒みに効くように心にむかってメガホンかまえる

じやがいもはわれらが思惟の根源、とへルター・ケーニヒ歌ひしは真実

「真実」＝「まこと」

むかしむかしかなしい光を持ち寄って人は都会をつくったそうな

制服のネクタイが嫌で駅前でむしり取ってた十七の夏

陰影をひとすぢ刷いて描きをへつ九月の空の素描いちまい

ライオンズおおおライオンズ顔面に松崎しげるの声が直撃！

胸に十字をすばやく截つて立ち去りぬ襟足きよらなる青年は

行く秋の風に揺らるる枝を見て八百八橋の一つを渡る

待つてゐよこれとはちがふ獲物ならかならずものにしてくれようぞ

刺さったらなかなか抜けない鉤十字痛い目をしてようやく気付く

突き出した拳の上から振り下ろす剣の無慈悲に声さえ出せず

道綱の母と呼ばれて八〇〇年わたしもすこし草臥れました

洗い上げ畳んで返す制服の代わりに戻るヨレヨレの人生（とき）

地下室の打ちつぱなしの壁沿ひに液体窒素のボンベが列ぶ

土蜘蛛の手から放たれ降つてくる白きものこそいとをかしけれ

名は体をあらはすものぞアメフラシいつまで泳がせておくつもりか

コーランの楽音、広東語とびかふ大和アパートからカレーの匂ひ

むきだしのやは脛たちの立ちたれば秋のみぎはのいささ剣呑

雨が降りそうなので曲が書けませんと言う曲芸師の言い訳

http://homepage3.nifty.com/k_k_s/

炭酸の泡立ちのぼる胸騒ぎしてる注いだサイダーみたいに

http://ami.lovesick.jp/papillon/

アスファルト夏の林の影は濃く青すじアゲハの閉ざされた羽

http://ami.lovesick.jp/papillon/

君の来ぬ土曜の夜はぱりぽりとキャベツを齧るイモムシになる

http://ami.lovesick.jp/papillon/

見ないふりして掛かる罠ほんとうの気持ち知らない知らなくていい

http://ami.lovesick.jp/papillon/

この部屋で洗濯物を畳みたいなんて思ってしまったら負け

http://ami.lovesick.jp/papillon/

人生のビデオテープも半ば過ぎ消去ボタンを押したい衝動

らんたたた　ダンスのステップ踏み続け　レコードの針が擦り切れるまで

http://blogs.dion.ne.jp/oketa_sami

通夜の客のわれに向けたる笑みの眼を飛びくるナイフのごとく避けたる

アラビア語講師の髭を整える聾の理髪師（または預言者）

http://www.hct.zaq.ne.jp/koharubiyori/index.htm