四十年　都に住んで　その後は　やはり故郷(ふるさと)　後二年後か

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不等号記号のようなメガホンでたまには叫ぶ「愛してますかっ！？」

ギザギザの青空だった　濡れた手で握りつぶしたガラスのつぼみ

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腕時計何度も見たり駅前の線路のカーブいまだ見えざる

つぼみ解き鬱金香は悔いている春の雪降りふるり震えた

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身近にはハリウッドや三国志　アラビア文化に無知である我

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　線路守(も)る　人の仕業か　両脇に　春の花咲く　秋の花咲く

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今もなほ隠れ家として棲みたかり土管の声のオウと響けば

　うみべのまちでぼくらはなかよしだつたか

　　3月、そして誰もいなくなつた

声変はりして消えてゆく少年はまたあらはれぬ姿を変へて

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エンリケのカラベル船で出かけよう鞄に白き画用紙いれて

まがりゆく線路に沿うて視野が変はるそれだけなのに見えぬ気分だ

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ああけふは眠りすぎたる猫である噛みつかぬのにだれも起こさぬ

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目的はあの鞄ではないけれどそれでも欲しいよなあ、あの鞄

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大陸を発見しゆくよろこびはもう無いけれど見よ空と地下

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いまわたし春時間ですからすこし削ります夏も秋も冬も

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花開く前のつぼみに見えぬ手が魔法の粉振り呪文は解けぬ

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新しい職場に向かう改札で　発見前のコロンブスの僕

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渾身の心込めたるツナサラダそんなの料理じゃないと云われて

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シャンプーの淡き匂いは意図的に君と我との身長差を思い

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麗らかな笑顔の君に逢いし日は我が頑ななつぼみ綻ぶ

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ジェラシーは人にするんじゃないんだね　未知なる時がこんなに苦い

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サラダバーで君がいつもの順番に野菜を取るとなんか落ち着く

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金色の蝶の鞄で　まばたきの千年のちに先まわりして

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君の髪、触れてはならない。今日から一人に還る。淡い思い出。

アラクネの悲劇の糸で紡がれた女神の意図で蜘蛛の姿に

犬だって犬かきだって泳げるが水かきもなく僕はカナヅチ

たそがれをあること知らぬｏｔｏｍｅｓ（おとめら）が笑うころころスタバの灯り

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悪気なく私のなかの小人らがよってたかってつぼみを開く

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友達という複数形だれとだれ指をおりつつぽっちでいいや

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バーボンの揺らぐグラスの内側で色をなくした言葉を見つめ

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君の主義君たちの主義主義の主義ひもで束ねてゴミに出す主義

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恋のさき楕円の焦点解くように青いインクで求めてみれば

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夜更けには一人になって仕事する情婦の声が散らかる机

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サラダさへつくるのも食べるのも億劫な春の日、少数派をおそれない

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白息を吐く淡紺のジャージらが銀猫柳のつぼみ指してる

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鼻の下メガホンの跡一の字にいけいけいけの声すでに消ゆ

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淡くあはく霞がかつた春の山神隠しにあふのならこんなふう

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伸びすぎた蔓を切りゆくつぼみから摘んでいくのはもうやめにして

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淡い淡いきみどり色のつぼみ摘む　香を楽しもう明日の朝餉（あさげ）に

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暗闇に都昆布の白き粉シートに沈みて指を舐めなめ

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色のない風がすこうしこはくつて平凡に待つ梅桃さくら

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声のする方に行つてもいいですか目隠しのままたたずむわたし

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早朝の新宿行きを迎え撃つ線路は白く駅ビルの底

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彼からの電話とわかるメロディーに声色使う「この番号は…」

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柔肌の眠々餃子焼く音じゃ夕暮れどきに青きガスの火

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楽土なり貪るならば　ふたり　弦の切れた都が燃え尽きるとも

右左ハウルの城を出でみれば赤い鞄が妻の肩から

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ひざの裏点打つ黒子 再発見コーラの赤にビールの滴

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淡雪ははるかな国の子供らの笑ひのかけら、眠りの端布

プラナリア、創業以来継ぎ足しの秘伝のタレ的生命（いのち）を発見

色づきしつぼみ数えし庭先の幼き我がただ懐かしき

青酸化膏の饐える香も佳し適量を｢食欲増進剤｣に為さばや

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硬きまま百合のつぼみの膨らみてさらなる硬き花弁をひらく

〈四月〉から手紙が届くツメクサのつぼみのやうな字で綴られた

2004年題詠マラソンの
090:木琴 我妻俊樹
あれぜんぶ木琴でしょう鳴るでしょう線路はめぐる海のほとりを
という歌をこのお題で思い出す。

　　永遠の代名詞としどこまでもたどる血錆の浮く線路行

教室で禁断の恋に堕ちるなら担任教師は万智ちゃんがいい

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遂げ得ざるゆえの憤怒かあおじろき奔馬の疾走為す　暴走車

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（トイレに入ったきりルパンは姿を消した！？）
トイレ前の廊下に八時間縛られて銭形警部の歯噛みと地団駄

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色のなき風に吹かれて子供らの影交差してまた交差して

友達の友達だったとわかっても絶対友達にはなれません

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ポイ捨ては絶対しない主義ですがカバンの中はゴミだらけです

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焦るのは体に悪いと思うけどＯ型の血がそうさせるのか

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メガホンを覗いて見える口もとの写真を集めて誰だか当てる

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「好きなもの：都こんぶ」と書いている自分にうっとりしてるだけです

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終点の街に暮らして動きだす電車に乗って線路はつづく

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眠れない夜がないので見てみたい番組をまた見のがしている

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右頬のふれるあたりで暮れていくあなたの声の無口な凍土

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もはやもう手遅れかもしれないね南極大陸融けて氷河期

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彼岸花サラダボウルに盛りつけて42点の模試を眺める

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土手を駆る銀輪も草も陽（ひ）を弾き午前七時の気温三十度

過ぎし春つぼみのままの君を折り僕のポッケにねじ込んだ罪

嗜眠、そしてアムネジア　蠱惑者の森の果実をあなたと食べた

この国にたそがれ時がやってきて日はまた昇る「日の出る国」

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午前二時庫内灯が照らし出す冷えすぎのサラダ、眠れない私

精神科入院仲間と友情が俺たちだけに通じる話さ

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「ここから出ていけ！」サンヒネス高く叫ぶとき人民とは巨いなるメガホン

ほんのりと淡いピンクに輝けるお祝い返しのさくら餅なり

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ふくらんだ桜のつぼみ喜びと夢と希望がひとつひとつに

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よく見ればサラダ巻きにはあらずしてカリフォルニア巻きツナにアボガド

藍色を多くふくんだ透明な空気が満ちる春の夕暮れ

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降りしきる雪にけぶりて淡き街どの建物にも避雷針たつ

電線に音符のごとく並びいるムクドリたちの楽しげな声

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いまはまだことばのつぼみ春の日にほぐればあおき詩は生まれこむ

あのひとの形見に思い出はつめぬ極楽蛇の虹の鞄よ

いま生れしばかりの子猫三毛は三毛虎は虎の色身の朽ちるまで

数珠鳴らし毘沙門天に祈るひとの声くぐもりて薄闇に満つ

マヨネーズだけ与えてね耐えるから
　キャベツとごはんのサラダと涙で

サラダバーはマドロス狸の通ふ店《みなとのヨーコよこはまヨコスカ》

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三月の雪の淡さよ我が袖にふととどまりてすうと消えゆく

つぼみにも魚（いお）にも似たる唇に生（あ）れし言葉の永遠（とわ）であれかし

霊峰を茜の色に染め上げて心満ちたる一日終わる

若人の声あげ走り来るごとく弥生の庭にクロッカス咲く

正直に告げているなら飲みほしてグラスに浮かぶ淡い泡まで

ほーら来い　れんげのつぼみもふくらんだ　田に水はるまで
とびはいあそべ

神田川今はどうしているのでしょう24色クレパス似てない絵の女（ひと）

頼もしく学び屋に立つ子を見据え雫の声す最後の校歌

こ　ま　落としの現実の　スリットに　（発見す）　・・・白夜

白梅のつぼみ真白く一心に光りて白く真白く硬し

兵庫県神戸市北区淡河（おうご）町本陣に餅つくひとらは幻

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注文のサラダに何もかけるなとバイトの少女に強がってみる

濃淡のコントラストがくっきりと煌く海に現れており

その鞄　水に溶けるて　ほんまかな　ためしてみたら　やっぱり怒る？

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垂直にすじをつくりて凍りつく鄙の瀧つぼみず閑かなり

あしたまで　俺寝てるから　右奥歯　発見したら　おこしてくれよ

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さまざまな便利グッズでいっぱいの鞄の中にかなしい理由

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なあらんだなあらんだあかしろきいろ　こころは水と色でできてる

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飛鳥（あすか）とは明日香の枕飛ぶ鳥と知りし驚き今も忘れず

オレはオレ思いつ鈍き痛みあり馬鹿め馬鹿めと自分罵る

なぜ何の誰のためにと問うことを止（や）めてぞ人は官僚となる

独り聴く「アニュス・デイ（神の子羊）」にぞ涙する惑い迷える日々もありたり

弟は還暦過ぎてもおとうとよ姉に残さる血筋なければ

冬の夜の散歩安しや 泳げずも淡々と浮く月もひとりぞ

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マグカップランチョンマットお箸までピンク色なり受け入れるため

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試着せし濃紫（こいむらさき）のスウェーター吾妹の長躯包みて映ゆる

横浜の姉は夫（つま）訪い旅立ちぬ政変起きしネパールに向け

あしたまで　俺寝てるから　発見したら　おこしてくれよ

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チョコレート ビターにしてもあまいからたぶんどこかが恋の成分

雪うさぎ南天の目のいとしさにそっと手にのせ指さき赤く

あまりにも弓形すぎる眉でした君を好きにはなれない理由

大阪市立東淡路　小学校の校庭の　片隅にたつうさぎ小屋　コンクリに貼られし床の　雑草のひとつだに生えず　ペットフードのこぼれ腐れる　小屋の根際（ねき）の土あるところ　春さらばタンポポ萌えて　夏も秋も冬さへも冬　草あれば摘みあげる草を　金網ゆうさぎに遣りぬ　汁垂らす緑の茎葉を　そのつどに目細め噛みぬ　このうさぎあはれ

役人作るうさぎの小屋のちひさくていついつきてもよ　蹲（うずくま）るままに

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宰相が汗のごとくに撒き散らす綸言ならぬ暴言疎し

店の名は名探偵と聞こえたり牛タン食わす名舌亭よ

誰やらの一つ覚えの改革は身賭けるほどの禁忌（タブー）にあるや

乳房（ちちふさ）にあこがれありき時過ぎて春樹をひらく鬱々として

背中掻く母の手ずれてわれ詰（なじ）るわが痒き場所わからぬ不当を

竿竹の売り声流れ甦るアサリや金魚売り来（きた）る日々

乾電池替えれば唸り小気味よく目覚め促し歯ブラシ回る

土間に溜む籾や種子（たね）など盗みしは男やもめの疎開者なりき

旧かなが新かなにより呑まれゆく『サラダ記念日』のベストセラー後

面影の橋を過ぎれば神田川水音（みなおと）急に高く聞こゆる

あれやこれ蛇も蛙もレッテルを貼るも貼らるもならずもの国家

名前など関係なくてあなたから見える私は何色ですか

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みちのくの母のふるさと夜の森（よのもり）よ今朝吾（あ）は生（あ）れしいくさのさなか

友からの淡青のダリの絵葉書をつくゑに置けば月欠けゆけり

これなくて何の人生あるものと想う液体いつまで飲めん

朽ち果てし百葉箱の傍らに時を忘れて紅梅は咲く

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花火を一人見つめる。闇の中、消えていく色、消えていく音。

につぽんの梅や桜のつぼみにはまだ光照るわがナルシシズム

カリフラワーフォークで突き合う如くサラダ語交わす女子高生は

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人の渦こんなに近くに居るのにね　わずかな声も届かなかった

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待つことが全ての自我を育みて海の向こうの淡い約束

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孤独感はセピア色して孤独さへわからずにゐるテロリスト達

校庭でブランコに乗る風景をさへぎる音か銃声を聞く

干上がるか否あふれるか棒立ちの季節を映す首都という水

雨の日のサラダが好きだ ねえせんぱい
水が滴るラオスに行こう

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桜葉の淡き香りの如くして思いではいつも美しきかな

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我が窓の桜のつぼみまだかたし雫せる浅き春の雨かも

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抱かずして春のおわりの花七夜くれなゐも濃き君の目の色

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朝焼けに染まる線路の君とぼく年を取るのは素晴らしいこと

閉ざされてつぼみは丸む紫桔梗の中で抱かれ繭ごもりたし

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白楽天の声聞きたきよ桃の夜はするりと脱げるもの着て眠れ

化粧品・案内書・地図・辞書・小銭君の鞄はいつでも重い

新聞に同姓名を発見し思わず視線を逸らす心は

助手席に時を過ごせる楽しみを坂多きこの街で知りたり

突然にサラダを食えぬ歳と知るレタスを咬めばコピー紙のごと

日記には淡彩の絵がよく似合うあるかなきかの出来事を描き

庭先のカサブランカのつぼみさえ確かな淫らさ帯びて揺れいる

アラビアの文字密やかに燃ゆるまで繰り言ひとつ花ひらくまで

電柱の陰から朝倉つぼみが覗いているから犬っ子一匹その路地とおらぬ

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そういえば線路見ていただけらしい昨日ここから飛び降りた人も

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眠れない眠れないってうわごとのような桜の叫びを聞いた

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人はみなひとつの大きな鞄だがときどき愛をどこかに落とす

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死後七日発見されずいた人のその七日間ほどの永遠

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時代というあやうい船に乗せられて通る岸には花ばかり散る

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ドレッシングなしでサラダのキャベツかむまだ胸にある初恋の日よ

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淡雪の淡という字の激しさよせめてこの火のひかりを君に

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卒業式桜にはまだ早いけど踊りたそうなつぼみが胸に

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さみしさはどんな色にも描けるものピンクを薄くすればはなびら

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雪積もりしなる枝から目をそらす耳に聴こえぬ声のするどさ

http://www3.diary.ne.jp/user/343254/

歓声が聞こえる海辺　いつだってみんなはげんき、わたしはげんき

http://psyco.jp/suruga/

教室は君のアトリエ吾（あ）の知らぬ彩（いろ）なん色を作りているや

忘らるる不安と安堵に揺れてゐた・・網棚の鞄ほどではないか

明日よりも昨日へかへるひとの群れ蒼きホームに始発見送る

中国大陸詠めとう葉書ひっそりと桃の節句を照らせるばかり

いつにしか淡きひかりの差し込める窓辺で君はまどろみながら

http://user.shikoku.ne.jp/retoro/index4-tanka.htm

この線路伝え歩けば故郷に 帰れる思い帰れぬ思い

http://homepage1.nifty.com/makom/makom-home/

わが愛する短歌人誌に　端正の歌人のありて　真摯なるこゝろばえさす　おもかげはしづかなるあるも　人を思ふ情（こころ）激烈なるあり　名を言はば斎藤典子　わがもとも敬愛しをり

俤のしづか息衝く　奈良県生駒市真弓の緑濃き野に　

http://youyoujoho.com/yasima

われときて遊べと友を求め合ひＷＥＢに花咲くＷＥＢにさへづる

http://www.geocities.jp/santasanda2000/

譬フレバ主義ハ氷ノ如キ也　あったかければとけてしまうさ

http://www.geocities.jp/santasanda2000/

「観客はカボチャと思え」だがしかし何千の目の焦点ここに

http://www.geocities.jp/santasanda2000/

金色を纏いスキップ松健にあやかりたいと猫も杓子も

清冽な白を湛える友鶴の鳴き声響くオホーツク海

刹那主義　たとえば君と抱き合つて樹海の底に沈みしことも

ささくれを発見したらゆっくりと息吐きながらその皮を剥け

http://uta-love-yasu.tea-nifty.com/kyou/

耐える気も凍ててしまひぬこんな日はなみだ色付きビデオを観よう

http://chiyako.exblog.jp/

たそがれの受話器に透けるいっぽんの声はろばろとアンカレッジの風

この街に今いる人の時計みな全て等しく十二時を指す

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焼肉をサラダと称して食う俺にメバチロンを処方する医者

影踏みをするには淡い影の君夕陽の方へ走って消えた

粉雪に凍みる椿のつぼみより少し硬めの父の傷痕

ぷっかりとうたた寝してる金魚たちつんつんつつき可愛がってる

モットーは楽しみよりもリラックス楽に生きるも楽ではないが

食肉用蛍光灯に照らされて血色の良い君が笑った

アラビアでアッサラームとアライクム片仮名だけでアタマがチヂム　

雨垂れの落ちる速さに比例して捨て猫の声の細くなる暮れ

昼下がり野を教室に水彩画 土手にはずむよ黄色の声が

エンリケのカラベル船で出かけよう鞄には地形図を描く画用紙いれて