[21912] 021:うたた寝 丸山 進 2005年09月01日 (木) 11時02分

うたた寝の上手い仕方を公団の幹部に聞けばうたた寝してた


[21911] 020:楽 丸山 進 2005年09月01日 (木) 11時01分

音楽が嫌いになったきかけはオタマジャクシの天婦羅だった


[21910] 019:アラビア 丸山 進 2005年09月01日 (木) 11時01分

万博の列の先ではアラビアの美女が出てくる壷を売ってる


[21909] 018:教室 丸山 進 2005年09月01日 (木) 11時00分

教室の隅に落ちてるクレヨンと異常気象の因果を述べよ


[21908] 017:陸 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時59分

もしかして陸海空の兵隊がじゃんけんしたら内戦になる


[21907] 016:たそがれ 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時58分

たそがれを食い止めようと風船やロープを買って腰に付けてる


[21906] 015:友 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時57分

友達かどうかをチェックしたければ輪ゴムで頬を撃ったら分かる


[21905] 014:主義 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時56分

身体中どこを切っても浪花節民主主義には向かない日本


[21904] 013:焦 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時55分

貝殻の模様のように帝都には焦土の跡が幾層もある


[21903] 012:メガホン 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時54分

メガホンで不意に告白されたため思考が止まり略奪された


[21902] 011:都 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時53分

会議中京都弁にて怒鳴られたことも懐かしのメロディーとなる


[21901] 010:線路 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時52分

石ころを線路に置くとどうなるか自由研究してたガキの頃


[21900] 009:眠 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時51分

冬眠から覚めたばかりのツキノワグマ月の部分を確認してる


[21899] 008:鞄 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時49分

鞄にはいつも入れてる白いハト窮地の時の切り札として


[21898] 007:発見 丸山 進 2005年09月01日 (木) 10時48分

もしかして新発見かもしれないと何度も数える百足の足を


[21897] 017:陸 内田 誠 2005年09月01日 (木) 10時07分

干上がってひとつになった大陸が失うすべての始めと終わり


[21896] 040 おとうと 美和知空 2005年09月01日 (木) 09時52分

おとうとのように思っていた人をにいさんみたいという女子高生


[21895] 039 紫 美和知空 2005年09月01日 (木) 09時48分

光源氏が愛した紫をあなたに贈って嫌がられている


[21894] 038 横浜 美和知空 2005年09月01日 (木) 09時44分

大嫌い 大きな肉まん横浜で食べましたよね食べましたよね


[21893] 037 汗 美和知空 2005年09月01日 (木) 09時35分

喉の奥まだ繰り返す夏の午後 制汗スプレー、制汗スプレー


[21892] 036:探偵 青井なつき 2005年09月01日 (木) 05時55分

(このようにすべてを洗い流してく)雨、か――。「ちいさな探偵困るね」


[21891] 035:禁 青井なつき 2005年09月01日 (木) 05時54分

ぬばたまの夢を引き裂く夢もありああこほろぎの禁制の声


[21890] 034:背中 青井なつき 2005年09月01日 (木) 05時54分

この先の赦しを乞えば少しずつ背中の色をたしてゆく夏


[21889] 018:教室 マツムラ 2005年09月01日 (木) 01時57分

圏外のふりをして出た教室は席替えあとのたくらみばかり

http://blog.kansai.com/funaskin


[21888] 050:変 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時56分

逢いに行く車窓に映る我の目に心変わりのなきを問いつつ


[21887] 049: 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時40分

君の居ぬ二十五回目の記念日を雨音聞きつワインで乾杯


[21886] 048:袖 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時39分

恋をする娘が浴衣の袖を振り下駄音たて行く夏祭り宵宮


[21885] 047:大和 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時35分

大和なるくに連綿と眺め来し天平佛の鈍色の目は


[21884] 046:泥 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時33分

静静と一晩続きし夏雨に枝突きのばす萩の葉泥泥


[21883] 045:パズル 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時31分

新聞のパズルを解くを楽しみて卒寿の母は独り暮らしす


[21882] 044:香 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時29分

くちなしが香る角より三軒目通れば君がいるかと思う


[21881] 043:馬 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時27分

誰言いし天の御厩のおん馬は白毛のみとか 星を見上げる


[21880] 042:官僚 陽奈 2005年09月01日 (木) 01時25分

私を「官僚的ね」と言う友のメールはいつも季節と用件


[21879] 088:食 水須ゆき子 2005年09月01日 (木) 01時07分

食べられてしまいたかった首筋を宥めるためにプラチナを置く

http://www.geocities.jp/ymizusu/


[21878] 056:松 美里和香慧 2005年09月01日 (木) 00時07分

おそ松君の六つ子の名前言えなくて君とけんかしたカラオケ

http://homepage3.nifty.com/k_k_s/


[21877] 034:背中 大辻隆弘 2005年08月31日 (水) 23時59分

背中から来るけざむさに耐へながら葛根を湯に溶かしてをりぬ


[21876] 023:うさぎ 星川孝 2005年08月31日 (水) 23時54分

月に棲む二羽のうさぎを追ひかけて今宵も独り夢のさなかへ

http://user.shikoku.ne.jp/retoro/index2.htm


[21875] 079:ぬいぐるみ 近藤かすみ 2005年08月31日 (水) 23時48分

白きうすきぬひぐるみなる身のうちにもういちにんを飼ひてをりけり

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/


[21874] 090:薔薇 渡部律 2005年08月31日 (水) 23時41分

逆さ吊りミイラ状の赤い薔薇ドライフラワー残忍極まる

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21873] 089:巻 渡部律 2005年08月31日 (水) 23時40分

縞々の襟巻巻いて待ち伏せる「偶然!」なんて装ったりして

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21872] 088:食 渡部律 2005年08月31日 (水) 23時40分

食道を焼いて戻る吐瀉物はなり損なった私の残骸

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21871] 087:計画 渡部律 2005年08月31日 (水) 23時39分

イヤホンをはんぶんこして曲共有今日も言えない計画倒れ

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21870] 100:マラソン 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時29分

ゴールまであと一首かよ人生はマラソンだって言ったの誰よ


[21869] 052:螺旋 黒月秋哉 2005年08月31日 (水) 23時29分

いいえこれは私のネジ あなたには合わぬ螺旋をなぜ欲しがるの

http://catwalk.squares.net/


[21868] 099:動 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時28分

動き出す電車の音はドレミファソ目を閉じながら三浦半島へ


[21867] 051:泣きぼくろ 黒月秋哉 2005年08月31日 (水) 23時28分

真夜中に訪れる黒い蝶のため上げた狼煙の痕 ――― 泣きぼくろ

http://catwalk.squares.net/


[21866] 098:未来 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時27分

木に託すことにしたから未来への想いを今年の年輪にして


[21865] 050:変 黒月秋哉 2005年08月31日 (水) 23時26分

灼けついてゆらいでとけてたましいの火変(ひがわり)さえも成す炎天下

http://catwalk.squares.net/


[21864] 097:静 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時26分

湧いてくる動脈静脈あるへいぼう床屋の奥では金魚が泳ぐ


[21863] 096:留守 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時24分

読みかけの本を閉じれば葉月だろ留守にするのも悪くはないか


[21862] 095:翼 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時23分

脳内の翼が飛んだ アイツだ!と戦闘モードの唇かんで


[21861] 094:進 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時22分

旅の果て ふと取り出した携帯は圏外を告ぐもっと進めと


[21860] 093:ナイフ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時21分

光沢は月の意思なり冷えてゆく水面に冴えるナイフの誘惑


[21859] 092:届 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時20分

追い風が帽子を飛ばすそうやって夏の終わりは届けられ九月


[21858] 049:ワイン 新田瑛 2005年08月31日 (水) 23時19分

これ以上ワインブルーの世の中だ わたしは懺悔したことがない


[21857] 048:袖 新田瑛 2005年08月31日 (水) 23時19分

ガンダムで愛し合っても袖口のがんこな汚れにグフがあるから


[21856] 047:大和 新田瑛 2005年08月31日 (水) 23時19分

等身大和辻哲郎人形を応募者全員に差し上げます


[21855] 091:暖 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時19分

暖かいものがストンと胃に落ちたこの悲しみは嘘じゃなかった


[21854] 070:曲 久松 2005年08月31日 (水) 23時18分

戯れに角を曲がりて隠れしが友ら語りつつ通り過ぎゆく


[21853] 090:薔薇 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時17分

さわらさわらさわらさわわら濡れているだろうな薔薇の棘の先っぽ


[21852] 089:巻 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時16分

なんかこれ巻き添えじゃねえ?男だと自覚しながらキスをしている


[21851] 069:花束 久松 2005年08月31日 (水) 23時16分

庭に咲くラベンダー切り小さくともわたしの花束胸に飾りて


[21850] 088:食 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 23時15分

めくるめくビルの谷間を逃げてきて気づいた(昼を食べてなかった)


[21849] 068:四 久松 2005年08月31日 (水) 23時14分

どこからか従き来し子犬四辻を曲がりてゆきぬ気になる行方


[21848] 067:スーツ 久松 2005年08月31日 (水) 23時12分

訪い来たる人のスーツの初々し葬祭会社チラシ置きゆく


[21847] 066:消 久松 2005年08月31日 (水) 23時10分

老夫婦住みいし家の消えし跡高き樫の木と大根菜の花


[21846] 065:城 久松 2005年08月31日 (水) 23時07分

黙示録のタピスリー見ると訪ねきしアンジェの城の堅固なる壁


[21845] 064:科学 久松 2005年08月31日 (水) 23時06分

満月に矢張り兎が見えていて科学に遠くお餅搗いてる


[21844] 063:鬼 久松 2005年08月31日 (水) 23時04分

校庭にポプラの絮が舞っていた鬼も十八夢ばかり見てた


[21843] 082:罠 篠田 美也 2005年08月31日 (水) 23時04分

つつましき無数の罠を縫ひこめて麻の葉模様の正しきリフレイン


[21842] 081:洗濯 篠田 美也 2005年08月31日 (水) 23時03分

身籠れる洗濯女のあかき耳朶を隠してやさしひとひらの布


[21841] 062:風邪 久松 2005年08月31日 (水) 23時01分

久しぶりの電話の声はしゃがれいて風邪ひきしこと喜ぶような


[21840] 061:じゃがいも 久松 2005年08月31日 (水) 22時58分

じゃがいもにバターをつけて喰みしこと札幌大通り夜のさざめき


[21839] 087:計画 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時56分

覚えてる?アポロ計画J・F・K 月を目指した頃のアメリカ


[21838] 076:リズム emi 2005年08月31日 (水) 22時55分

木管が正しくリズムを刻むような日常から 君は逃げたの

http://www.tcp-ip.or.jp/~panse219/index.htm


[21837] 086:占 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時54分

独り占めしたつもり?エレベーターの中では何も言わないんだね


[21836] 085:胸騒ぎ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時53分

幾重にも薄日の差せば胸騒ぎ秋の川原を駆けてゆくもの


[21835] 084:林 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時52分

降り積もる針葉樹林のエキスたち問わず語りに冬は零れる


[21834] 083:キャベツ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時51分

あちこちでキャベツのはじける音がする空(そら)というより空(から)の一日


[21833] 082:罠 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時50分

アイドルの涙も実は「なんちゃって」 身軽になりたかったんだ罠


[21832] 081:洗濯 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時48分

あの雨に紛れて僕はこのシャツと自分自身の洗濯をした


[21831] 080:書 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時46分

ヒトゲノム光の道を流れ来て指先で書くハンブルグコード


[21830] 079:ぬいぐるみ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時45分

道端に腕のちぎれたぬいぐるみトイストーリーにはならなかったよ


[21829] 078:携帯 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時44分

この街ではじめて出逢ったコトバたち携帯にのせ君におくるよ


[21828] 077:櫛 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時43分

満開の桜を散らす風の櫛あたらしき日のはなむけとする


[21827] 076:リズム 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時42分

「なろうたよインターネッツ…」爺さんはwebのリズムで0101


[21826] 075:続 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時41分

雑念を捨て去るごとくキーを打つ浮世の続きが遠くなるまで


[21825] 074:痲酔 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時39分

目を閉じたあとの世界を想像す麻酔を混入させた目薬


[21824] 073:額 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時38分

今はもう逢わない人を想う夜すこし車窓に額を寄せる


[21823] 072:インク 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時37分

涼やかな横顔になれ透明なインクで描く未来のカタチ


[21822] 071:次元 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時36分

解答は同じ次元にきっとある例えば手垢のついた人込み


[21821] 070:曲 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時34分

すこしだけ明るくなった雨の午後 一曲終わってヘッドホンをとる


[21820] 069:花束 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時33分

その涙、花束みたいにしてくれよロンリーハピネスもらったからね


[21819] 068:四 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時32分

四年まえ伊東真由美と来たバーはいまも賑わう 居酒屋として


[21818] 067:スーツ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時31分

銀色のスーツケースが防波堤 通勤電車に詰め込まれては


[21817] 066:消 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時30分

岸壁に波濤を残し消去法で泣いてたわけじゃないだろ さっき


[21816] 065:城 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時29分

幻の城は確かに石段の上に坐します雲の奥行


[21815] 064:科学 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時28分

究極の愛のテーマを論じよう最新号の「大人の科学」


[21814] 063:鬼 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時27分

かくれんぼ鬼さん銀河のまん中でひとりぼっちの時を数える


[21813] 086:占 渡部律 2005年08月31日 (水) 22時26分

独占が嫌いな君に占拠されっぱなしのあたしは孤独好き

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21812] 080:書 恩田和信 2005年08月31日 (水) 22時26分

書き込みし光陰二度と変えられぬ誤るなかれ人生-R


[21811] 062:風邪 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時25分

「ほら誰か鐘を鳴らすよ」風邪気味なトナカイ&サンタクロース


[21810] 056:松 河村壽仁 2005年08月31日 (水) 22時25分

(お城のある都は、一方に湖を、三方に山を配した街である。その朝、ミラレス執政官と数名の部下を乗せたジープは、警察に知られることなくひそかにお城を出て、南の山に向かった。ミラレス執政官の手に握りしめられた紙片には、次なる言葉が綴られてあった)

「南の山のてつぺんの松から街をながめよ メロンの旗を見つけてみたまへ」

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/


[21809] 061:じゃがいも 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時24分

黒帯の後ろ姿は皆同じじゃがいも頭の並ぶ会場


[21808] 060:影 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時23分

空席がいまでもそこにあるようにコトリ…と影のかたむく夕べ


[21807] 059:十字 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時21分

信号が敢えて僕らに青を告ぐ十字街にはミシミシと夏


[21806] 058:剣 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時20分

落下するファウルフライを絶対に落とせぬ訳あり我が剣が峰


[21805] 057:制服 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時18分

突然の雷雨が君の上に降る透きとおる夏 制服 心


[21804] 056:松 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時17分

揚げたての匂いはずかしバスの中 そう富松のコロッケなのだ


[21803] 055:ラーメン 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時15分

ここ、元はラーメン屋でね…んでこれが境界線だ あんたと俺の


[21802] 054:靴下 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時14分

靴下に入れておいてよ寂しさを ひとりぼっちのクリスマスイブ


[21801] 091:暖 仁村瑞紀 2005年08月31日 (水) 22時13分

まろぶ子を抱きとめた手に伝わるはわれが持たざる暖かさなり

http://mizukiuta.exblog.jp/


[21800] 053:髪 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時13分

髪に手をかざすだけでは育たないこんな小さなアスタリスクは


[21799] 052:螺旋 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時11分

手のひらをかえすしぐさの夏の葉にそっと立ち寄る光の螺旋


[21798] 051:泣きぼくろ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時10分

薄月や今宵は仮の泣きぼくろ君に見えるか白妙の雲


[21797] 050:変 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時09分

変わりゆく街はいつしかたそがれてふと垣間見る懐かしい人


[21796] 049:ワイン 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時07分

夕映えのワインレッドが君を染む去りゆく時の美脚愛しも


[21795] 048:袖 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時03分

昔ほど無邪気に笑わなくなった半袖シャツはもう似合わない


[21794] 047:大和 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時02分

今日はいるのかいないのか茗荷寺の大大和尚はげじげじまゆげ


[21793] 046:泥 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時01分

夏の雨降る甲子園ソックスに泥がにじんで試合は続く


[21792] 045:パズル 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 22時00分

会話では解けないパズルつま先で君がひっかく水たまりの雲


[21791] 044:香 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時59分

「酔ってるの?」この香水は君じゃない間近な胸が切ないけれど


[21790] 043:馬 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時57分

世界中の孤独に似せたシンパシーが海馬に届く深夜のニュース


[21789] 042:官僚 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時56分

官僚的誠意?ファミレス的笑顔?信じられるもの探しに行こう


[21788] 041:迷 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時55分

ちゃりんこよ迷走時代を突っ走れ走れば間に合う何かに間に合う


[21787] 040:おとうと 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時54分

叔父さんは母のおとうと永遠に歳の変わらぬ僕の叔父さん


[21786] 039:紫 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時52分

紫の直衣のような夜来たりされど僕にはあわない帳


[21785] 038:横浜 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時51分

横浜を見下ろしながら両翼に夜間飛行の星座は灯る


[21784] 037:汗 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時50分

残業だ!角だせ汗だせ知恵をだせそれができなきゃタオルを投げろ


[21783] 036:探偵 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時49分

探偵は声を失うポケットに百数十円の手元不如意に


[21782] 035:禁 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時48分

禁じられた恋の味かも噴水の粒子に触れて濡れる舌先


[21781] 034:背中 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時47分

ゆく夏の背中あわせの感触に君の鼓動が意思表示する


[21780] 033:魚 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時46分

水と月たわむれる夜 水底に眠る魚はそれを知らない


[21779] 097:静 萱野芙蓉 2005年08月31日 (水) 21時45分

<うまぬのはつみ>静かなる炎天にわが名と同じ花わらひをり

http://page.freett.com/willows/zp_tanka/pillow.htm


[21778] 032:乾電池 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時45分

乾電池力尽きたかこれ以上面倒みないぞ南無阿弥陀仏


[21777] 031:盗 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時43分

複眼で漂うアイは右の目で盗み左の目で慈しむ


[21776] 055:ラーメン 河村壽仁 2005年08月31日 (水) 21時34分

(ルパンとおぼしき紳士の姿を見失って、次元と五エ門のふたりはがっかりした顔でホテルに戻ってきた。そのまま食堂に行きかけたふたりだったが、既に食堂の朝食営業時間は終了していた。仕方なく彼らはいったん部屋に戻ることにした)

腹減りたるときに食すのがご馳走なり 五エ門が風呂敷から取り出した《ラーメン》

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/


[21775] 044:香 枝川由佳 2005年08月31日 (水) 21時28分

ひかる朝かくし扉の向こうには指に残った煙草の香り

http://blog.livedoor.jp/catjun/


[21774] 043:馬 枝川由佳 2005年08月31日 (水) 21時28分

胸元のハバナの香り熱い息馬蹄のように抱かれている

http://blog.livedoor.jp/catjun/


[21773] 042:官僚 枝川由佳 2005年08月31日 (水) 21時27分

「コスモスとトルコキキョウの相性は議院規則に拠る」と官僚

http://blog.livedoor.jp/catjun/


[21772] 041:迷 枝川由佳 2005年08月31日 (水) 21時27分

言い止して箸を迷わす筑前煮人参の朱てらてらひかり

http://blog.livedoor.jp/catjun/


[21771] 075:続 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時23分

遠ざかる海岸線に続く道 勝鬨橋から吹いてくる風

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21770] 074:麻酔 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時23分

十匹ずつ麻酔をかけられ殺されるねずみのように新宿にいる

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21769] 073:額 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時22分

評価額が日本一ではなくなった歩道にピエロの赤い鼻咲く

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21768] 072:インク 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時22分

紫色めいたインクがはっきりとぼくの名前をさらしていたのか

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21767] 071:次元 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時21分

横腹に二次元バーコードをつけて山手線に乗る芸能人

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21766] 070:曲 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時19分

ゆりかもめの軌道が描く曲線がもう十年もそこにあること

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21765] 069:花束 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時18分

花束が作られていく過程ごと尾張町から運んでいくから

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[21764] 068:四 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時17分

権田原を右に曲がって四谷見附へアップダウンのあるSの字を

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/


[21763] 067:スーツ 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時16分

背広という言葉は消えて年明けのスーツ売り場に新人が来る

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[21762] 066:消 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時15分

坂道を上った先の消防の間口の広い建物に塔

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[21761] 065:城 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時15分

台風の目として今も東京に目には見えない江戸城がある

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[21760] 064:科学 牧野芝草 2005年08月31日 (水) 21時14分

浜松町発・虹系統は海を越え日本科学未来館へと

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[21759] 030:橋 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時01分

吊り橋に翻弄される夢を見て元の世界へすとんと落ちた


[21758] 029:ならずもの 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 21時00分

空に張り付いているのはならずもの「いつもの僕とは違うのですよ」


[21757] 028:母 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時58分

増えすぎた水母はイヤだがせめてこのポイが破れてしまいませぬよう!


[21756] 027:液体 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時57分

どれほどの思いを蒸発できただろうさっきまで液体だった我


[21755] 026:蜘蛛 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時53分

囚われの雫が光る蜘蛛の糸 思い上がりの夏は終わった


[21754] 025:泳 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時52分

八月のどしゃぶりホームを泳ぎ去る快速電車 木の葉を流して


[21753] 024:チョコレート 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時51分

アフリカの夕映え今日はチョコレート工場長の心に溶けた


[21752] 023:うさぎ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時49分

とととととそそそそそそそさささささ月の凹みでうさぎが跳ねる


[21751] 022:弓 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時48分

ゆれる水うつろう光はたたずんで弓張り月の下で聞くJAZZ


[21750] 021:うたた寝 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時46分

うたた寝をしている君の横顔を乱さぬようにそっと去る朝


[21749] 020:楽 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時45分

放課後の音楽室の象使いピアノの影をそっと手なずけ


[21748] 019:アラビア 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時43分

やわ肌に触れては燃えるパイプライン アラビア石油の株をひとくち


[21747] 018:教室 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時42分

教室の窓から見える青の時代シャトルの部品も降ってくるなり


[21746] 017:陸 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時41分

軽々とサインを終えた陸マイラー何を夢見てペンを手渡す


[21745] 016:たそがれ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時40分

匿名のあまた短歌はたそがれの景色に溶けて明日を歌えよ


[21744] 015:友 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時38分

間をおいて「大したことじゃないんだ」と友の口癖ふと真似てみる


[21743] 014:主義 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時37分

世界中の主義と主張は饒舌だぴろりぴろりと星の明滅


[21742] 013:焦 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時35分

食パンの焦げる手前の朝がいい うーん寝不足気味の太陽


[21741] 012:メガホン 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時34分

球場の外からだけど歓声も空に届けよ青いメガホン


[21740] 011:都 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時33分

なまぬるい缶コーヒーを手に人が醸す都会の波に聞きいる


[21739] 010:線路 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時32分

朝露に光る線路を歩みゆく草の匂いを残す駅まで


[21738] 009:眠 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時30分

思い出が過ぎゆくままに眠れない夜の時報は雨音の中


[21737] 008:鞄 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時29分

道端に置いた鞄はさよならの時を待つのみバスが来るまで


[21736] 028:母(再投稿) 今泉洋子 2005年08月31日 (水) 20時28分



子の書きし母といふ字の点ふたつわが乳のごとふくよかなり


[21735] 007:発見 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時27分

旅立とう何かを発見するためにドアには「準備中」と記して


[21734] 006:時 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時25分

滑り込む駅のホームはもの憂げで…こんな時代も割と好きだな


[21733] 005:サラダ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時24分

陰影を心のなかで繰り返す 代折羅大将…バサラダイショウ…


[21732] 004:淡 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時22分

水面には冬の気配が満ちている淡い匂いのミネラルウォーター


[21731] 003:つぼみ 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時21分

どうしても泣きたい夜さ三月の雨のつぼみはすぐにこわれた


[21730] 002:色 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時19分

「PACH」だけが見えた 車窓に「PACH」だけが 雨にうたれて色あせた「PACH」


[21729] 001:声 鈴木博太 2005年08月31日 (水) 20時18分

噛み殺すあくびのゆくえ押し殺す声の運命…ひとりサスペンス


[21728] 021:うたた寝 細江 藻花 2005年08月31日 (水) 18時44分

陽だまりに少し迷ったあの恋はうたた寝のよう甘い後悔


[21727] 20:楽 細江 藻花 2005年08月31日 (水) 18時41分

九つの隔たりさえも楽々と越えようとする君の長い足


[21726] 19:アラビア 細江 藻花 2005年08月31日 (水) 18時38分

抱き合えば熱き想いと痛みありアラビアの風混じる砂に似て


[21725] 057:制服 影山光月 2005年08月31日 (水) 18時15分

朝顔がしぼむ夕暮れ 制服を着た配達夫道を急いで


[21724] 018:教室 細江 藻花 2005年08月31日 (水) 18時10分

田舎でのぬるい教室狭くなり憧れつのる候鳥の羽


[21723] 017:陸 細江 藻花 2005年08月31日 (水) 17時50分

君のため変われない私責めないで 人魚が陸にあがるようなもの


[21722] 085:胸騒ぎ 渡部律 2005年08月31日 (水) 17時15分

胸騒ぎやまぬ夜なら井戸を掘る関係潤す水を求めて

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21721] 084:林 渡部律 2005年08月31日 (水) 17時14分

すり林檎食べるといつも思い出す 熱と掌、天井の染み

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/


[21720] 009:眠 ゆづ 2005年08月31日 (水) 17時04分

満腹で五限目で晴れそんな日は保健室にて惰眠安眠

http://9257.easter.ne.jp/


[21719] 075:続 夏瀬佐知子 2005年08月31日 (水) 13時32分

「羽ですか?」肩甲骨に触れながらそのひとは言う「この項続く」

http://www.natsuse.com/diary/


[21718] 068:四 市川 周 2005年08月31日 (水) 12時17分

一番に君としたいな二人乗り午前三時の関本四十四

http://blogs.dion.ne.jp/shirohi/


[21717] 054:靴下 河村壽仁 2005年08月31日 (水) 12時03分

(ハッサクは、ある意味で我が家のような《あるでん亭》ですっかりくつろいで、弟とエビフライ汗にひとしきりこれまでのことを話し、たらふく食べて飲んで、疲れていた顔も少し明るくなった。弟とエビフライ汗に「ごちそうさま。ありがとう。今日は楽しかったよ。そろそろ帰ろうと思う」と言ってようやく《あるでん亭》を出る頃には、夜もだいぶ更けてきていた)

探偵はコーヒーに咽(むせ)びぬ 靴下を100日履き放しのハッサクを尾けゐて

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/


[21716] 025:泳 岩崎恵 2005年08月31日 (水) 11時04分

キャラメルの空き箱がおやつ、水のないプールで泳ぐ休み時間