熱をもち動かぬ木々の黒き影窓辺を塞ぐ夏の夜の鬱

水溜りにおたまじゃくしの泳ぐ見てこの空梅雨に未来を悲しむ

静止したままの想い出動く時心の水面を蛍火が舞う

くちびるに髪が張り付くどうやって人魚は生まれてきたんだろうね

http://psyco.jp/suruga/

暫くを留守にするとて<智恵子抄>永く戻らず書架の空席

天も地も人心さへも歪みきて飛ぶに危ふき片翼飛行

前門の虎後門の狼に進退ここに窮まれるなり

裕ちゃんがナイフ見付けし砂浜を掘れども砂、砂太陽の燃ゆ

氏神の前に旗振り出征の兵士送りぬ支那事変の頃は

チェコグラスに琥珀のワイン光りおり一日だけの恋の終わりに

湯上りの浴衣の袖で扇ぎつつ見ている幼なの指先の花火

三輪山が見えて耳成山見えて変わらぬ大和に汗ぬぐう風

帰り来し靴は泥靴夕立を軒に避くるを知らぬ幼なの

毎月の仏語テキストにのるパズル辞書を見ないと己に課せど

酸・甘・苦　心一つに聞く香のはつかな風に揺らぎてやまず

夕暮れに前足上げて嘶ける馬のポスター競馬場のある駅

官僚って誰のことなの公務員の妻は黙ってやりくりしてる

母の掌より夫の掌に乗り迷わざり迷い迷いて娘を嫁がせる

深海魚だったねあれは　色褪せた冬に炎上していた機体

単三乾電池八十本分の干満の差で水力発電

キャッチアンドリリース美術館の窓際に飾られている盗品

少年がつながれている橋がよく見える河原に少女の基地が

ならずものらしくしなさい　窓のない部屋で生活指導を受ける

耳かきをしてもらうたび君の手を母と重ねてしまう　ごめんね

父親の大きな影に飲み込まれぽつんと咲いた娘のダリア

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

十字架に縛られたのは神じゃなく父と娘の骸骨だった

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父親は幼い娘の首筋に剣を立てる(神は居ますか)

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

どうしたら蜘蛛になれるか風薫る初夏の野原に取り囲まれて

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あの彼がパパになったと伝え聞き 靴ひもが切れ 渋谷たそがれ

友達の数だけ増えて虫が食う クローゼットには風が必要

ぬけがけの意味を知ってる恵比寿駅好きな食べ物はゆずらない主義

ディナーへと人ごみ駆ける金曜日焦る汗さえ香水になる

もう一度会えたと思った階段で声あげるけどメガホンもなく

都とは隣人の顔知らぬまま愛し愛され殺されるところ

唇を花芯にそつと寄せながら「おねがいタコつぼみせてちようだい」

週末は君もハッカーワイン飲むシフトキイ４つすべて押すらむ

袖の下１バナナ隠し持ち1/2バイト君に近づく

螢闇８ビートを繰り返す大和の国ぞまほしかりけり

ウイルスはすでに蔓延雨乞いの呪文となへむ泥濘(でいねい)の彼方

のったりとトンボパズルを解きながらブレインダンプした君がゐる

ラベンダの香りはすれどバグられて化石のやうなソフト動かす

風撓(しま)く第五金曜ぼくたちの蒼ざめた馬はヨッタを超えて

百日紅まだ咲きほこり彼の国の総書記という男の退路

食べかけの桃をつかんで庭先へ放る　今ならたぶん間に合う

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官僚の触らぬものこそ宝なり水門(ゲイト）なき海林道（ロード）なき山

わがうちの奔馬目覚めて駆けてゆく春暁　空の果てまで黄色

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ゆっくりと都会の螺旋動き出す夜がしずかに充ちるハイゥェイ

泣きぼくろみたいなメイクの道化者笑ってそして哀しくさせて

遺伝とか持って生まれた体質で病の影に怯える日々か

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子の描く飛行機雲は夏空をふたつに割りて未来へと伸ぶ

ぬばたまの真夜の静寂（しじま）の尖りゆきＺＡＢＵＮと時の翻る音

姑の留守の夜にはのびのびと酒呑み大の字になりて寝る

もし君が我の額に手をやればまあるくなって泣いてしまうだろう

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午前5時半のプリズムvolvic　てのひらの虹つかんで眠ろ

夏日傘かざしてひとの過ぐるとき水に映りてゐし橋の裏

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生まれつき菜食主義のともだちが羽根をたたんで朝食をとる

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焦点が合ったときには分裂が始まっていた恋の細胞

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メガホンを口に当ててはまた戻すように続いた初恋４年

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都には姫はひとりじゃないんだと気付く夜更けのドラッグストア

http://cahier-bleu.cocolog-nifty.com/izu1969/

自転車は好色、股に挟まれて……。さならずものぐるほしき八月

http://6060.teacup.com/otsuji/bbs

帰燕らの眠りは浅し　傍らに雨音の幕めぐらせながら

いつの日も鞄の底にひそませる「ひとりで行ける」といふ置き手紙

指先でスーツの皺をなぞるとき乾きかけたるオアシス思ふ

http://homepage2.nifty.com/sora_uta/index.htm

コンビニのプリンとヨーグルトのすき間　発見された私の欠片

時じくそ泣くたましひをなだめをり身より冷たき濡れ縁のうへ

途切れ間の多き日の暮れ向かひあふテーブルの上（へ）にサラダの鎮座

淡雪と思へ　烈火の哀しみも歳月のうへに溶けゆかむとす

白色の日差しの中に秋立ちぬ甘酢に和えるキャベツ茹がけば

魚族（うおぞく）の水中の罠解く鍵をダイバー達は探しかりけり

新しい夢を自在に描くように洗濯もののひるがえる空

「好きです」と文字に書かれし言葉ゆえ吾には熱き泉となりぬ

愛らしい皇女の御手のぬいぐるみニュース画面に嬉しさひとしお

「青春」も「未来」も「希望」も十六の頃には死語の手触りだった

http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

キーを打つたびに薄れてゆく恋はインクリボンに残るイニシャル

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幼き日たまの喜びラーメン屋父だけタンメン柱と敬う

枕元イブの靴下記憶なく心の糧と生りし今には

マラソンを走るまにまに濃くうすく憂う逃げ水　晩夏さうらふ

http://www003.upp.so-net.ne.jp/capverses/

人魚姫から教わったような愛かみしめている青い明け方

http://blog.livedoor.jp/kirin100/

クーラーの涼しい部屋で乾電池のぬくもりに優しくされている

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盗みたいものがあるから嘘をつくことも修行と思っています

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歩道橋ゆらして君に会いにいく　視野は狭くていいことにする

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眠られぬ夜を過ごして抱き寄せる四月生まれの笑顔すべてを

http://www.tcp-ip.or.jp/~panse219/index.htm

ならずものにはなれなくて微笑んでぜんぶ素通りしてきた街だ

http://blog.livedoor.jp/kirin100/

あたたかい心のひとの冷たい手　あなたはときどき母に似ている

http://blog.livedoor.jp/kirin100/

似たようなかたちのピースを無理矢理にはめこんでみた穴明きパズル

http://www.geocities.jp/black_2_sheep/index.html

母といふ字のなかにある空隙に風立ちて涼やかに崩れつ

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月光は液体として床の上に積みたる本の嵩を照らしぬ

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時はただ過ぎてゆくだけこひびとの巻毛朽ちはて少女は病みぬ

君のその服こんなにも袖が長かったんだね　もう着れないんだね

向日葵の咲く大和路を僕の乗るバスは静かに西へと走る

記録的大雪のニュ−ス夜を徹しおとうとは除雪車を走らせる

紫は危ういシグナルおさな子は全てを紫のクレヨンで描く

黄昏れるまちのシルエット対岸に今なお遠き異国横浜

北国の伝承かなし海越えて成吉思汗になりしか義経

僕たちのヒ−ロ−は何処口ずさむ「月光仮面」や「まぼろし探偵」

この道はわが散策路よじのぼり立入禁止の柵を乗り越える

追いついて声かけようとすれば薄闇へ父の背中はまた遠ざかる

あたたかな風が吹くから今度こそもっと遠くへ　春の飛び魚

乾電池切れかも知れぬおし黙るあなたの背中のスイッチを探す

駆け抜けた昨夜（よべ）の嵐に盗まれて桜花（はな）は故郷の吹雪に変わる

麗々と秋の陽は降る　「もういいかい」　声澄み渡り　だ・あ・れ・も　・　い　・　な　・　い

紫を吸います時代逆撫でる後ろめたさが好き　すいません

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薄めゆく時の力に抗えぬ「神州不滅」消え失せし日よ

http://d.hatena.ne.jp/neko-yashiki

聖戦だ侵略だああ十字軍ひと対ひとの輪廻は続く

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極相の森の最初の使者として落葉松（カラマツ）の林に芽吹く樫（カシ）

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ラーメンの味付け玉子と支那竹を黙って交換する二人である

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言ったでしょ、あんたの脱いだ靴下を拾って歩くつもりはないって

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やわらかく巻かれてみたいふうわりと空に浮かんだあの夏雲に

イシュトヴァーンの名をもつワヰン百巻の記念に杯を重ねつつ読む

いくたびの夏を越えきて『白鯨』の西陽に変色したる背表紙

ありふれた時間を超えてゆくのなら『つづきのねこ』の袖から入る

紙魚ならで虚（そら）みつ『大和本草』のそこにゐるのはかなしみでせう

屈原の『楚辞』に雨降る　泥中に尾をひく亀となるのはたいへん

湖の面が雨にざわついて『誤読日記』のパズル深まる

五月雨にふりこめられて見やりたる天の香具山雲のすそひく

総会といふ名をかかげたるものよ馬鹿馬鹿しくもにぎにぎしくも

６０年育ちて扶桑の大木の現在官僚形の国政

さやばしる『断言微笑』に迷ひつつ夢と等価のことばを描く

辺境の神話に光あらしめておとうとは黒いもうとは銀

パリ時代のゴッホの机上の箱の中うす紫の毛糸束ねて

あの夜の男の言葉バラバラにして考えるパズル愉しむ

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Boudior（ブドワール）の香り絡めて沈んでくダブルベッドに夜の男女は

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horse描く少女のeros汗だくで水を撒いてる男のhose

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やわらかくないメール打つ　官僚のように言葉を乾燥させて

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不惑にて恋に迷えるおんな居てその迷走をわれは見ている

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異なった次元に暮らす二人なり塩烏賊なんぞ茹でて語らう

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餡饅が土産　行ったは鎌倉で横浜じゃないとグルで言い張る

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深夜過ぎ慣れない汗を戒めて針指先の水疱に刺す

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かろらかに蜘蛛ら飛びかふ空の下を向かうに見ゆる林まで行く

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不審なら私に直に聞けばいい探偵の目も耳もいらない

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ゆっくりと忘れ去られる咎として鶏胸肉に詰める香草

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ブラウン管踊る科学忍者隊現在（いま）も飛ぶのか白い翼で

http://brog.livedoor.jp/cat6311lib

午前二時電脳世界に棲む鬼が私を呼ぶ「タスケテ」と呼ぶ

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夏風邪の高熱鍋に封じこめくつくつくつと白粥を煮る

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さんざんに泳ぎ疲れた僕たちは重なり合った布地のように

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憎しみで壊れた街にも夕月白く浮かばせている九月の静寂

　　静寂（しじま）

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ウイスキーグラス片手に午後十時　泥炭の香り燻らせながら

（親方が椅子の上で泥のように眠っている横で、姫様も爺も手下たちも、口笛を吹いたり鼻歌をうたったりしながら、手際よく片付けをしていった）

姫様が袖まくりして皿を洗えば爺は紫のクロスを畳みぬ

http://www.h3.dion.ne.jp/~be-toven/

婚姻を済ませたのならチョコレートケーキにまみれ永久の眠りを

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真剣に考えたって不意に来る閃きを取る　ありなのですよ

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生ぬるいゼリーをくずし合うように交わっていた夕方の四時

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赤インク染まりし指の噛み傷を汚泥に秘してをり教師とは

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ふるへる手にワイングラスとりベルリンよ美しく滅べとヒトラーつぶやけり

きみがもとに片袖のこしきたるらし右半身のしんしん冷ゆる

（初老紳士のあとを追いかけてホテルを飛び出し、ニューロンドン駅前の路上に出た次元と五エ門であったが、ふたりが道のどちらを向いても、すでにあの初老紳士の姿はどこにもなかった。がっかりしているふたりの傍らを、クラクションを派手に鳴らして、荷台に「大吟醸」と太字で書かれた、運送会社の大型トラックが通り過ぎていった）

ニューロンドンの貨物駅からつぎつぎと『大吟醸・大和（やまと）』は積み出されたり

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卒業に意味なんてない理科室でキスに染まった制服を売る

http://www4.diary.ne.jp/user/463976/

やり切れないかなしさが透けて見えぬよに手に取る濃い目のグレイのスーツ

http://www.scn.tv/user/nisi-t/takashi/

足の傷癒えざれば長引く入院の楽しみのひとつ食玩集め

水中と陸上　次元が違ふから人は意識を変へねばならぬ

http://blog.goo.ne.jp/casuminn/

ふと、キャベツを刻む手が止まる。互いに胸に刻んだ想いは何？

言わなくちゃ、君が好きだと言わなくちゃ。でもそれは罠。今の僕には。

洗濯をしたばかりのシャツを畳み、袖通す人なきことを知る。

待ち合わせた書店は別の店となる。帰省の度に消える思い出。

ぬいぐるみも君とともに歩く。リハビリの杖、深まりいく秋。

携帯に残す数字と消す数字と区別しながら年越しの夜

例へれば旅行はグリコ計画はおまけに似るかな楽しみ二つ

大和駅各駅待ちの七分間君が逝かない世界を想う

http://www3.to/moonshine-world

とろとろの泥にぽんわり浮かぶ泡　今朝のたまごはあますぎてだめ

http://www3.to/moonshine-world

マグカップに淡い口紅、床に髪　私を探偵にしないでよ

http://members.goo.ne.jp/home/orangemoon1103

「禁じられた恋スペシャル」を観ていたら法令線が深くなる　寝よう

http://members.goo.ne.jp/home/orangemoon1103

思い出の新聞なのか新聞の思い出なのか悩む変人

http://homepage3.nifty.com/k_k_s/

「ワシは今、うさぎの姿をしておるが…」　“　ニン・Ｇ・Ｇ　”は、しゃべりはじめた。

従兄弟より届きしみかんの荷を解けば転がり出づる故郷の山々

ほら月が天使の弓になってるよ　君の指さすここが標的

うたた寝をしている君のひたいから　産毛手招く　夏　早く　来い

愛情と信頼焼べきてほわほわと心の暖炉に合歓の花咲く

極楽へ我を導き行く者は　頭の上に輪ではなく　　　角〜〜〜！

アラビアと聞いただけでも汗が出る　アラスカなんて聞いた日にゃもう…

贈られしグアムの土産の貝殻に赤き薔薇挿し思ひ出灯す

あさがほの明朝(あす)は咲くらむ紫の色のぞかせてゆるやかに巻く

人の世に蔓延る野望多けれどよからぬ夢はバクに食はせたし

０歳児家族の団欒ひとり占め四世代住む家の明るし

漆黒の蛇のごとくに音うねりスラブ舞曲は間を呑みて跳ぶ

http://www.geocities.jp/ymizusu/

今日も来た悪戯っ子に胸騒ぎ花は怖れてしんと鎮まる

わが市(まち)の外れに来たり林道のきれて開ける県境の村

こんがりと揚がったとんかつほてる身を千切りキャベツの褥が冷ます

ドライブに倦きた幼としりとりを「ばなな」「なわ」「わな」「罠ってなーに」

簡単に洗濯できぬスカートに泥を撥ね掛けトラックの過ぐ

風邪熱のひきぎわの夢に棲む人が歌う抑揚のない子守唄

頬を朱に染めぼんぼりを髪に付け「つぼみ」とふ子を演じるあはれ

色素なき蛙も鳴けり夏の夜はものなべて闇の綾にまみるる

あんなにもすべてを許し寄り添った今は異次元あたしと彼女

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/

ピンと耳立てて曲聴く悪戯子Ｇ線上の猫となりぬ

http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/

ゲットーの四角い空から降る雪を見ているもうすぐ永遠に留守

http://kazuminogi.hp.infoseek.co.jp/

もし君がコールスローのキャベツならドレッシングは何がいいかな　

堂々と子猫に罠をかけてくるカモミールから母猫見へる

抜け落ちる髪の先までをんなだと知らしめて哀し四谷怪談

あと少し麻のスーツの皺のまま目眩むほどに蝉の鳴くなか

　　　8月、熱

押し出しの四球でサヨナラ負けのやうそれが夏休みけふでおしまひ

http://www15.plala.or.jp/kasane/

どうしても絡まる視線　彷徨えば　過去さへ全て解け紫(むらさき)

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=utayomu

十までを数え切れずに堕ちてゆく麻酔が作る白き眠りへ

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そのスーツ脱げばあなたが鳥になるような気がして過呼吸の日々

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首かしげパズルはめ込む君の横顔に太陽　急な角度で

甘すぎる蜜に飽きたの今夜だけキャベツを蝕む青虫にして

「罠なんて人聞き悪いな。君だって知ってて態と捕まったんだろ？」

チョコレート病と名付ける　君に肩触れられるだけでとろけちゃうから

草原を一人で駆けた幼き日　黄色いうさぎを見かけたような