[19672] 023:望 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時05分

望まないブロックばかりが落ちてきてゲームオーバー近づく 助けて


[19671] 022:上野 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時05分

池袋、上野、五反田、あの人と訪れた街は今もあかるい


[19670] 021:胃 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時03分

飲みすぎて胃を痛めるほどやりきれないことが二十歳であるって言うの?


[19669] 020:遊 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時02分

花火とかビーチバレーで遊んだらまだ青春に間に合いますか


[19668] 73:廊 春村 蓬 2004年10月13日 (水) 10時25分

名を知らぬ画家の画廊に立ち寄りぬ名も無く通りすがりの己


[19667] 072:海老 春村 蓬 2004年10月13日 (水) 10時24分

秋の日のアクアリウムの水底に つつ、つ、つつつ、と海老が泣いてゐる


[19666] 071:追 春村 蓬 2004年10月13日 (水) 10時23分

飛ぶ鳥を追ひかけてゆく眼差しに動かぬ雲は映らぬものか


[19665] 070:にせもの 春村 蓬 2004年10月13日 (水) 10時22分

実線を拡大すれば点と点 にせものも時にほんものとなれ


[19664] 069:奴隷 春村 蓬 2004年10月13日 (水) 10時21分

変換が出来てよかつた書けぬまま終わつて欲しい文字なる「奴隷」


[19663] 063:雷(再投稿) 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 10時09分

土砂降りを逃げる暇なく押し倒されて乳首吸われた記憶雷


[19662] 079:整形 長谷川と茂古 2004年10月13日 (水) 09時43分

くづれたる記憶を幾度も整形す 風さへもない夢の断崖(きりぎし)


[19661] 078:洋 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 09時41分

洋風はなべてハイカラ 母たちのさばさばと妬み羨(とも)しみし頃


[19660] 077:坩堝 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 09時37分

がらんどうになってしまった一管の坩堝取り出し撫でやらんかな


[19659] 092:家族(再投稿) 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 09時33分

姉と兄二人並べて差し置いて先に結婚言い合う家族


[19658] 063:雷 高見里香 2004年10月13日 (水) 05時48分

雷鳴が響き渡って田園にただひとりいた十五の記憶


[19657] 062:胸元 高見里香 2004年10月13日 (水) 05時39分

温泉にて胸元隠すタレントのお決まりの台詞のような


[19656] 061:高台 高見里香 2004年10月13日 (水) 05時30分

まずは塀から始まり最終の高台制覇つばさの調整


[19655] 060:とかげ 高見里香 2004年10月13日 (水) 05時26分

ちぎってはまた生やしたる再生の企業ととかげのちぎったしっぽ


[19654] 059:矛盾 高見里香 2004年10月13日 (水) 05時19分

いつだって矛盾だらけでもの足らぬ踏み込まぬまま捨ててしまった


[19653] 094:遠 多喜エリ 2004年10月13日 (水) 05時12分

永遠をこんな形で使いたくなかった 空が真ん中に立つ

http://www.geocities.jp/takieri9/


[19652] 096:類 高澤志帆 2004年10月13日 (水) 04時41分

蟲の鳴く月夜の墓地に生類のひとりとして立つわれの離離(りり)たり

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[19651] 055:日記 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時47分

あの日々の日記どうしよ秘密ごと机の隅にまだ置いてある


[19650] 054:リスク 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時46分

リスク負い生きていくのは当たり前何気(なにげ)にポツリ重い言葉を


[19649] 100:ネット 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時43分

呼んだ人ネットの中の知人たち握手笑顔の皆初対面


[19648] 099:絶唱 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時42分

どうしても歌え絶唱記念だぜ言われて困るなに歌おうか


[19647] 098:溺 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時42分

どなたかの祝辞の中に溺愛と表現されてた父の顔見る


[19646] 097:曖昧 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時40分

母父(ははちち)は挨拶されて曖昧微笑あの人この人初対面


[19645] 096:類 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時39分

親類の多さこんなにいたんかい美人ばかりだ大きな目する


[19644] 095:油 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時39分

油ものいろいろ出るけど食べないで体が大事と入れ替わり言う


[19643] 094:遠 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時38分

遠くから来てくれたのねお祝いに従兄弟に鳩子知らぬ顔あり


[19642] 093:列 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時38分

友達の列が伸びてる今日この日踊れないのが悔しいな


[19640] 082:軟 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時36分

柔軟に受け入れてみる人の言エイズ検査にしぶしぶ応じ


[19639] 091:埋 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時35分

この記憶この毎日の里話(さとばなし)CDに焼きどこかに埋めよ


[19638] 090:木琴 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時35分

親友の二人並んだ木琴は見事演奏皆皆拍手


[19637] 089:歩 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時34分

一歩二歩すぐに十年経つもんさ叔父さん笑顔物知り口調


[19636] 088:句 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時34分

義母従兄弟数人俳句並べ書き祝いの席で大声小声


[19635] 087:混沌 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時33分

混沌を背負いきれないずるいかな私ひとりで逃げてるのかな


[19634] 086:チョーク 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時33分

思い出すチョーク持つ指細くて長くこっちを向いてくれてた笑顔


[19633] 085:再会 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時32分

目に涙いっぱいためての再会は声にならない抱き合うばかり


[19632] 084:抱き枕 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時31分

抱き枕 どれにしようか これにしょ ふと見上げると 彼の奥さん


[19631] 083:皮 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時30分

皮一枚冷汗いっぱい陰性の結果二人で抱き合っていた


[19630] 049:潮騒 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時28分

海に出て潮騒聞いての約束はいつか二人のアメリカ旅行


[19629] 081:イラク 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時26分

彼エイズそれならもしか私もエイズそうなら行こうイラク地の果て


[19628] 080:縫い目 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時26分

この糸で縫い目のほつれ直せてもほつれの記憶消えることない


[19627] 079:整形 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時25分

整形をしたのしないのうるさいわ彼と彼女の話しないで


[19626] 078:洋 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時25分

そういえば細身の洋服やせすぎていた風に吹かれて影薄かった


[19625] 077:坩堝 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時24分

興奮の坩堝人達大騒ぎエイズだそうよあのあの二人


[19624] 076:降 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時24分

降りてきた間違いないわあの人だ連れてる女(ひと)は奥さんじゃない


[19623] 075:あさがお 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時23分

あさがおのしつこく絡む青い蔓彼に抱かれた記憶とダブル


[19622] 074:キリン 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時12分

縫い付けてあげよう背中アップリケ大きなお目目のキリンさん


[19621] 073:廊 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時11分

突き当たり廊下の角を右に折れあの日のあそこ甘い思い出


[19620] 072:海老 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時11分

これ食べろ海老だぞ蛸だぞウニイクラ少し疲れる見られてばかり


[19619] 071:追 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時10分

父と母並んで浜辺のお散歩を追いかけ割り込むあの記憶


[19618] 070:にせもの 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時10分

にせものはだれだほんとはわたしかもひとりぼっちにしないでタロー


[19617] 069:奴隷 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時09分

彼のためああもしたいしこうしたいいつの間にやら奴隷みたいね


[19616] 068:傘 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時09分

これはその昔の彼女ひとつ傘中学時代消すから見るな


[19615] 067:ビデオ 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時08分

見せてそれ何よ隠すのそのビデオなんでもないなら渡しなさいよ


[19614] 066:鋼 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時08分

生まれ来る子供に一切罪はない言い切る彼の鋼の言葉


[19613] 065:水色 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時08分

水色のハンカチ二つ買ってきて刺繍の糸を乗せてみる


[19612] 064:イニシャル 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時07分

名前はさイニシャル同じ二文字だよ男なら俺女なら君


[19610] 062:胸元 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時03分

胸元に名前カ−ドを皆とめてスクーリングの初対面


[19609] 061:高台 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時03分

あそこ見ろあの高台に俺の家その内建てる絶対建てる


[19608] 060:とかげ 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時02分

尻尾切りとかげのようね着任はめがねの女性数学教師


[19607] 053:墨 玲はる名 2004年10月13日 (水) 03時02分

まだ半ば酒で鍛えたエンジンも墨ではちょっと燃費が悪い

http://homepage2.nifty.com/tanka


[19606] 059:矛盾 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時02分

もしかして日記を焼いてもすっきりとしないのかもねいろいろ矛盾


[19605] 058:八 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時01分

会ったのは八月八日八の字が入る名前をいくつも並べ


[19604] 057:表情 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時01分

その顔は女の子だね表情でわかるもんだよ産まれてくる子


[19603] 056:磨 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時01分

歯を磨きしっかりおしよと鏡に言って今日は燃やそうあの日記


[19602] 053:墨 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 03時00分

名前をさ書くのは筆字墨だろな畳半畳和紙ひろげてる


[19601] 052:部屋 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時59分

部屋の隅大きな袋カタログは二人で出願放送大学


[19600] 051:痛 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時58分

痛いのは当然そうよ当たり前だからいいのよ経験者たち


[19599] 050:おんな 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時58分

いついつかまた会うかもねあの人におんなの記憶消しきれないの


[19598] 048:熱 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時57分

ほんとうに俺でいいのか言う言葉聞こえない振り熱冷めないで


[19597] 047:機械 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時57分

この機械月に百万稼ぐんさ白い歯うれしいのっぽさん


[19596] 046:練 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時56分

女はね練習なくても産めるのよニコリ女医さん凛としてすずし


[19595] 045:家元 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時56分

誰を呼ぶ家元棟梁彼彼女全部おまかせ家おおわらわ


[19594] 044:ダンス 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時55分

友達にまかせた企画結婚式は朝まで続くダンスパーティ


[19593] 043:濃 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時55分

濃い青の野球の帽子に囲まれてお腹揺らして卒業式へ


[19592] 042:映画 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時54分

先生は退職なされと校長の朝礼まるで映画そっくり


[19591] 041:血 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 02時54分

血縁や地縁後輩包囲網内心うれしい電話攻勢


[19590] 052:部屋 玲はる名 2004年10月13日 (水) 02時41分

生魄に犯されている人のよう部屋に仰け反る風のしかばね

http://homepage2.nifty.com/tanka


[19589] 051:痛 玲はる名 2004年10月13日 (水) 02時32分

痛麗な歩みでそっと、少年の肌色をして遠きにほんへ

http://homepage2.nifty.com/tanka


[19588] 070:にせもの 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時54分

もし君の奏でる音が消えたなら世界はすべてにせものになる


[19587] 069:奴隷 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時51分

言の葉を奴隷のようにあつかってわたしは書き出すあなたのすべて


[19586] 068:傘 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時48分

夏が去り金木犀が香る頃日傘をたたみ空を見上げた


[19585] 067:ビデオ 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時45分

庭先で初秋を告げるコスモスをビデオに映しあなたに送る


[19584] 066:鋼 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時41分

たくましい鋼のようなあなたです こんなにたやすく松の木を折る


[19583] 065:水色 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時38分

秋風にはためくTシャツどこまでも空は水色今日も笑える


[19582] 064:イニシャル 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時10分

この胸が不安でつぶれることはないあなたのイニシャル唱えていれば


[19581] 081:イラク 杉田加代子 2004年10月13日 (水) 01時08分

イラクにも穏やかな日々のあつたことチグリス川はきつと見てゐた


[19580] 063:雷 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時06分

年上のおとこの喉を見ていたら雷雨のあとに明るい朝が


[19579] 062:胸元 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時04分

わたくしに希望をください胸元に顔をうずめて初めて泣いた


[19578] 061:高台 吉田ともき 2004年10月13日 (水) 01時01分

亡骸になった子猫を連れてゆくあの高台は誰も知らない


[19577] 010:チーズ マーシー 2004年10月13日 (水) 00時52分

生温き血をぺろぺろと甞めながらチーズに喩へるわがマルチーズ


[19576] 009:圏外 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時49分

圏外に眠り圏外の文字赤く拙き文字をみたび重ねて


[19575] 008:姫 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時48分

深き井戸を逆さに覗きこむやうに姫は宇宙創造論讀む


[19574] 007:数学 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時46分

性の答なきまま眠る數學のノウトに少女のX、Y、Z


[19573] 006:土 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時45分

宇宙土産の月の欠片でえっさかほっさかと穴掘るみづからの墓地


[19572] 005:名前 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時43分

居乍らにしてものの理がよく分かる 名前をさとりと名乘る此のゆとり


[19571] 053:墨 大江ケンジ 2004年10月13日 (水) 00時41分

墨汁をたっぷりふくむ筆さきで背中にNOと書いておねがい

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/9680/


[19570] 004:ぬくもり マーシー 2004年10月13日 (水) 00時40分

crescentまはす感觸に三日月は悶へぬくもりなきひとにひかりを


[19569] 052:部屋 大江ケンジ 2004年10月13日 (水) 00時39分

この部屋に帰ってくるな透明なイスにすわってこっちを見るな

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/9680/


[19568] 003:運 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時39分

無慈悲にも自動運行飛行中に太陽系がつぶやく未來


[19567] 051:痛 大江ケンジ 2004年10月13日 (水) 00時38分

ね、せんせいどうしたらいい? 私には痛いってこと、わからないです。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/9680/


[19566] 002:安心 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時37分

うす曇りの森に大盛カレイ匂ひ、自殺志願者、晴れて安心(あんじん)なリ


[19565] 001:空 マーシー 2004年10月13日 (水) 00時36分

われらごときものの一喜一憂はユーフラテスの空に浮く雲


[19564] 063:雷 岩崎一恵 2004年10月13日 (水) 00時16分

遠雷をただ聞いていた誰からも許されている人などいない

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[19563] 062:胸元 岩崎一恵 2004年10月13日 (水) 00時16分

胸元にはばたく鳥のブローチと空の青さが呼び合って、朝

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[19562] 061:高台 岩崎一恵 2004年10月13日 (水) 00時15分

高台のニュータウンから来るバスが僕を追い越すすずかけ通り

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[19561] 052:部屋 奥村 智子 2004年10月12日 (火) 23時57分

部屋中を縦横無尽飛び回りようやく電池切れたか我が子


[19560] 051:痛 奥村 智子 2004年10月12日 (火) 23時56分

見なかったふりをするのは慣れている忘れていても痛みは痛み


[19559] 050:おんな 奥村 智子 2004年10月12日 (火) 23時55分

干満に揺する言の葉持て余し吾の知らざるおんなの出(い)だす


[19558] 049:潮騒 奥村 智子 2004年10月12日 (火) 23時54分

海の家耳鳴りごとき潮騒に捨て子になりて夜を彷徨ふ


[19557] 048:熱 奥村 智子 2004年10月12日 (火) 23時53分

三日間微熱と咳が続く子に代われるならば一日寝かせて


[19556] 020:遊 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時41分


ゆるやかに遊泳しているシャチの背に真裸の君がのる夢をみた


[19555] 019:沸 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時41分


何度でも抱いてと泣きぬ紅い眼の奥の沸点まだ届かずに


[19554] 018:ロビー 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時40分


清潔な明るいロビー血の色の嬰児を誰も見ていないから


[19553] 017:免許 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時40分


月へ行く免許証あげる本当にほんとうに君行きたいのなら


[19552] 016:乱 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時39分


おんなたちの反乱ついに起こらずにキャッチャーミットを持て余している


[19551] 015:蜜柑 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時39分


指先で裂くには蜜柑若すぎて酸い透明な汁ばかり散る


[19550] 014:オルゴール 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時38分


約束の夜は明けてゆきひとり聴く遠くて白いオルゴールの音


[19549] 013:彩 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時37分


彩りのひとつであるか吾もまたあなたの食す白き皿には


[19548] 012:裸足 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時36分


波に融けうみへと還る幾たびも裸足の指でかいたひとの名


[19547] 011:犬 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時36分


腹を撫でてくれよと実家の老犬が寝転んで吾を見る眼差しだ


[19546] 010:チーズ 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時35分


ブルーチーズくちいっぱいに頬張ってこの罰ゲーム考えたの誰?


[19545] 009:圏外 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時34分


誰ひとり聞こえぬ電話鳴り続くその悲鳴はもう圏外ですから


[19544] 008:姫 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時34分


雑兵の裸足と槍に囲まれて姫の素肌に点る月の灯


[19543] 007:数学 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時31分


数学の教師のくせに解けないの?わたしを捨てる方程式は


[19542] 006:土 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時28分


土こねて肌の感触こさえてはまた土に還す恋をしている


[19541] 005:名前 塩谷風月 2004年10月12日 (火) 23時27分


忘れてたあなたの名前あまりにも別れの笑顔だけ焼きついて

http://www1.mahoroba.ne.jp/~shiotani


[19540] 092:家族 椎名時慈 2004年10月12日 (火) 23時02分

一緒には暮らせなくても家族です 他人のふりして暮らしていこう


[19539] 091:埋 椎名時慈 2004年10月12日 (火) 23時01分

私(わたくし)の心の何処かに埋まってた宝はみんな君が見つけた


[19538] 090:木琴 椎名時慈 2004年10月12日 (火) 23時00分

鳴く事の叶わなかった古代魚の骨の並びは木琴のよう


[19537] 099:絶唱 枝川由佳 2004年10月12日 (火) 22時43分

踏み出した遙か彼方に絶唱のそびえる峰の深き懐


[19536] 088:句 藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 22時39分

俳諧史に大谷句仏あることを誇りとなして花鳥諷詠


[19535] 037:愛嬌 佐藤麦 2004年10月12日 (火) 22時35分

打ちあけるしどろもどろが愛嬌とハウトゥ本に書いてあったわ


[19534] 076:降 鈴木英子 2004年10月12日 (火) 22時34分

カードにはいかなる異界も描かれて神降りくるも子らの戯れ


[19533] 082:軟 和良珠子 2004年10月12日 (火) 22時34分

ぬるぬるの軟体動物の手ざわりで今日もウィルスメールが届く


[19532] 075:あさがお 鈴木英子 2004年10月12日 (火) 22時33分

「きれいだ」とあさがおを見し一言のひとの夫の声のすずしさ


[19531] 074:キリン 鈴木英子 2004年10月12日 (火) 22時32分

キリンの吐息に触れたくているわたくしをただ見下ろして黒き瞳は


[19530] 087:混沌 渡部光一郎 2004年10月12日 (火) 22時24分

混沌のひとつとかぞえてよかろうかひとの食事のときの口中


[19529] 060:とかげ 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時21分

時間ならとかげが逃げていく先にツマミがあるから調節しなよ


[19528] 059:矛盾 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時21分

うつくしいそらの矛盾に気づかずに無限と書いた砂浜に波


[19527] 058:八 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時20分

下校時に八重歯が抜ける血が香る 孤独の色を吐き出していく


[19526] 057:表情 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時20分

表情に出さずに春の訪れを先に感じてたなんてずるい


[19525] 056:磨 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時20分

その鍋は研磨剤でも大丈夫? ほらスポンジで遊んでないで


[19524] 004:ぬくもり 良子 2004年10月12日 (火) 22時20分

いちまいの紙がずいっと複写機のなかを回ってまとうぬくもり


[19523] 055:日記 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時19分

かさぶたを日記の角で剥ぎながら結露している昨日をほどく


[19522] 054:リスク 野田 薫 2004年10月12日 (火) 22時19分

低気圧を投げるリスクは高すぎて赤道直下またも青空


[19521] 003:運 良子 2004年10月12日 (火) 22時12分

ささやきが満ちくるやうに円形の運動場に照明ともる


[19520] 020:遊 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時11分

遊説の説がなくってよく遊ぶ有名人がお好きな総理


[19519] 086:チョーク 渡部光一郎 2004年10月12日 (火) 22時11分

昔から俺もお前もたとえればチョークで描かれたジャックであった


[19518] 019:沸 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時10分

チューナーのこわれたテレビに聞きいりぬイチローコールに沸くスタジアム


[19517] 018:ロビー 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時07分

ロビーから宇宙に飛んで行けそうな岡本太郎の真夏の暖炉


[19516] 017:免許 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時06分

春うらら身分証明の用のみの免許更新誕生日休暇


[19515] 085:再会 渡部光一郎 2004年10月12日 (火) 22時04分

再会は百年のちと誓い合い別れたことにやっと気づいた


[19514] 016:乱 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時04分

蟻の列乱すがごとく大粒の雨落ち来たり三条通り


[19513] 015:蜜柑 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時03分

甲高き夫と同じ姑の足 蜜柑の花の衝撃に似る


[19512] 014:オルゴール 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 22時01分

オウンゴールルゴールオルゴールせつなくて「夕焼けこやけ」が聞こえるような


[19511] 013:彩 水野 華也子 2004年10月12日 (火) 21時59分

馴染みゆく蝶の形の三彩の小さき灰皿君の遺品の


[19510] 012:裸足 水野 2004年10月12日 (火) 21時56分

ぴちぴちとビニールプールからおどりでるおさかなみたいな裸足のあしあと


[19509] 029:太鼓 さらら 2004年10月12日 (火) 21時55分

駅前通り阿波の踊りの大太鼓ひび交う音に携帯聞こえず


[19508] 036:流 佐藤麦 2004年10月12日 (火) 21時53分

神楽坂新橋銀座玉の井へ荷風先生嬉嬉と流れる


[19507] 028:着 さらら 2004年10月12日 (火) 21時49分

成田着無事を娘に電話する愛犬ヒルズの鳴く声もして


[19506] 065:水色 笹田かなえ 2004年10月12日 (火) 21時43分

水色(すいしょく)と香りと味にうるさくて戦争になる午後のお茶会


[19505] 027:天国 さらら 2004年10月12日 (火) 21時41分

96で逝きたる母の常言いし天国よりも地獄に友待つ


[19504] 087:混沌 藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 21時38分

混沌を水割りにして飲み干せと宮谷一彦がアジっていたが


[19503] 035:二重 佐藤麦 2004年10月12日 (火) 21時38分

耳元でわたしに道理(みち)を説かないで二重構造むずむずしそう


[19502] 026:芝 さらら 2004年10月12日 (火) 21時26分

愛犬のおしっこ跡の庭の芝生まーるく茶色に緑のうせる


[19501] 025:怪談 さらら 2004年10月12日 (火) 21時19分

物の怪のゲゲゲのきたろう怪談の作者は戦地に片腕落とせり


[19500] 064:イニシャル 笹田かなえ 2004年10月12日 (火) 21時18分

ぼんやりとうすぼんやりがくっついたそのイニシャルは確かにわたし


[19499] 050:おんな Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時13分

さきたけの背向(そがひ)あらはに去ると云ふをんなは知らじ碗がれし翅を

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[19498] 086:チョーク 藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 21時13分

チョークもてその輪郭を描かれて首都高5号線大曲カーブ大場政夫の死


[19497] 024:ミニ さらら 2004年10月12日 (火) 21時12分

はろうきてい温泉バージョンミニマスコット孫へのみやげ中善寺湖畔に


[19496] 049:潮騒 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時12分

あおつづらクルエルシーはベンチャーズ冒険なきを過ぎて潮騒

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[19495] 048:熱 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時12分

こもりぬの下思(も)ひの熱ふつふつと溜めて都会の夜は更けゆく

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[19494] 047:機械 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時11分

むらたまの狂ふ機械に魚踊るマリンもサムも罷り出で来よ

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[19493] 046:練 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時10分

やきたちのへつかふ未練ささめくを三十一文字に綴るは愚挙か

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[19492] 045:家元 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時09分

ふたさやの家元俳句隔て来てなほ見えかぬる来るべき俳句

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[19491] 044:ダンス Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時07分

はますどり足なゆむ汝をいざなひて市民会館ダンスは続く

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[19490] 043:濃 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時07分

くれなゐのうつし心を濃く薄くグラスに注ぎけふも潰れる

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[19489] 042:映画 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時06分

ことさやの韓国映画「冬ソナ」の「ソナ」の辺りの念ひむつかし

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[19488] 041:血 Aquanaut痾窮 2004年10月12日 (火) 21時05分

このくれのしげき念ひを血の色にポインセチアは街角に満つ

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[19487] 023:望 さらら 2004年10月12日 (火) 21時01分

工事最中26階のマンションに立ちて風うく東京全望


[19486] 084:抱き枕 渡部光一郎 2004年10月12日 (火) 20時52分

寝床へと引き込みたれば抱き枕いよよ淋しく押し出すばかり


[19485] 085:再会 藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 20時51分

再会を二時間ドラマの中に見て山村紅葉に悪運よあれ


[19484] 022:上野 さらら 2004年10月12日 (火) 20時45分

君の住む上野駅あたり2度3度電話をせんとデッキにたちて


[19483] 084:抱き枕  藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 20時33分

イエローキャブ謹製サトエリ抱き枕時代のアイテムなれば愛せよ


[19482] 021:胃 さらら 2004年10月12日 (火) 20時31分

バストより胃の出っ張れるわが体型母の形見のスカートのあう


[19481] 083:皮  藤原龍一郎 2004年10月12日 (火) 20時26分

物語る業負う山田風太郎虚実皮膜を語りて尽きず


[19480] 030:捨て台詞 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時24分

あの角を曲がった君を追いかけず捨て台詞だけ拾って帰る

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[19479] 029:太鼓 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時24分

不器用な僕に太鼓を手渡して君は暗闇ばかりを歩く

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[19478] 028:着 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時23分

漂着の岸辺を選ぶ思い出は私の手さえ拒んで今も

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[19477] 027:天国 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時22分

天国のレプリカを作る工房に転職したのもちろんコネで

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[19476] 026:芝 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時22分

婚礼は芝増上寺ゆかちゃんの選んだ相手は寺の跡とり

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[19475] 025:怪談 よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時21分

東海道四谷怪談戸板から見る水底も空も冥くて

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[19474] 024:ミニ よごろうざ 2004年10月12日 (火) 18時20分

ミニバンに積めちゃうくらい人生は軽く小さくして 遠くまで

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