[13513] 062:胸元  森 妙子 2004年07月22日 (木) 22時58分

若き娘の大きく開いた胸元にダイヤのごとき黒子がひとつ


[13512] 072:海老 佐藤羽美 2004年07月22日 (木) 21時02分

幸福な食事としての海老フライ一尾であっても二尾であっても

http://www.h7.dion.ne.jp/~hinauta/


[13511] 065:水色 小川良秀 2004年07月22日 (木) 20時33分

水色の宥めるような空うつし指がさざらに水の輪ひろげる

http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/


[13510] 044:ダンス 中村成志 2004年07月22日 (木) 20時20分

きっかけは社交ダンスさ掌に吸い付く肩胛骨を感じた

http://www003.upp.so-net.ne.jp/haihoo/


[13509] 043:濃 中村成志 2004年07月22日 (木) 20時18分

いい人よ眉毛が濃いというだけのおじさんやっぱりちょっとカンベン

http://www003.upp.so-net.ne.jp/haihoo/


[13508] 042:映画 中村成志 2004年07月22日 (木) 20時17分

ぬっと出た映画に首を絞められる気持ちいいのを忘れないでね

http://www003.upp.so-net.ne.jp/haihoo/


[13507] 009:圏外 春村 蓬 2004年07月22日 (木) 17時41分

れろれろとAlexander Graham bell 嗚呼圏外に酔ひてをるらむ 


[13506] 008:姫 春村 蓬 2004年07月22日 (木) 17時40分

僻んでもみたくなるわねオオイヌノフグリ、ねぢばな、姫昔よもぎ


[13505] 007:数学 春村 蓬 2004年07月22日 (木) 17時39分

数学はこころ優しき学問と説くひとありぬゼロを許して


[13504] 049:潮騒 和良珠子 2004年07月22日 (木) 15時36分

引き潮の海岸線にあまたある貝の死骸のなかの潮騒


[13503] 090:木琴 原田 町 2004年07月22日 (木) 14時43分

木琴のバチで叩かれた日の記憶あんなに怒った母は初めて


[13502] 042:映画( 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時40分

映画とは最上階で観るものとホラー三本立ひねもす君と


[13501] 043:濃 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時38分

夏はただ濃き緑覆われる信玄の石棺(いひつぎ)沈めし諏訪の湖


[13500] 042:映画 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時38分

映画とは最上階で観るものとホラー三本立てひねもす君と


[13499] 041:血 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時37分

小樽運河蟹座の男蟹食らふジュラ紀の血のわなわな騒ぎて


[13498] 040:ねずみ 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時36分

古寺に雪しんしんと積もりゆくいつとび出すや雪舟のねずみ


[13497] 039:モザイク 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時36分

テスターを理科室から盗みし君の失せし記憶はモザイクとなりぬ


[13496] 038:連 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時35分

春の雪聡明な闇連ねたり天人五衰何が本物?


[13495] 037:愛嬌 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時34分

願はくば火遊び夜遊び男遊びペルシア猫の愛嬌を持ち


[13494] 036:流 小林看空 2004年07月22日 (木) 13時33分

死霊といのちの初夜の静けさを持ち彳むここは流刑地なれば


[13493] 096:類  車前子 2004年07月22日 (木) 13時01分

逆類の末裔らしく寝返って選挙速報に耳欹てる


[13492] 095:油 車前子 2004年07月22日 (木) 13時00分

復興の成りたる街の油照りそこに戻れぬ老振り向きぬ


[13491] 094:遠 車前子 2004年07月22日 (木) 13時00分

訳もなく家路の遠き男らを迎へて女将ニコリと笑ふ


[13490] 093:列 車前子 2004年07月22日 (木) 12時59分

信号に黄色き傘の列ちぎれ子午線の町午後を迎へる


[13489] 032:薬 石川美南 2004年07月22日 (木) 12時15分

店内は真昼も冷えて薬学の棚を囲める七人の男

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13488] 031:肌 石川美南 2004年07月22日 (木) 12時14分

海の肌かすかに荒れている午後よ投げやりな絵手紙を七通

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13487] 030:捨て台詞 稲村一弘 2004年07月22日 (木) 11時57分

捨て台詞 吐きて起ちたき会議なれど俯きて待つ時の限りを


[13486] 029:太鼓 稲村一弘 2004年07月22日 (木) 11時50分

贈られし絵の具で描く佐渡の海 寄せて返して鬼太鼓ひびく


[13485] 028:着 稲村一弘 2004年07月22日 (木) 11時47分

月の面に初めて人の着きしとき餅搗くうさぎは消えてしまった


[13484] 027:天国 稲村一弘 2004年07月22日 (木) 11時34分

一口のビールを飲めば汗どっとどっと噴き出す われの天国


[13483] 026:芝 稲村一弘 2004年07月22日 (木) 11時27分

紙芝居 野太き声にわれを忘れ小さき宇宙へ浮遊せし頃


[13482] 043:濃 長谷川と茂古 2004年07月22日 (木) 11時08分

パぺマぺの頭巾の下の濃き眉が汗を持ちゐる一か八の字


[13481] 072:海老 水須ゆき子 2004年07月22日 (木) 09時20分

重なればしばし動かず岩陰に髭を揺らして乙姫海老は

http://homepage2.nifty.com/mizusu/


[13480] 064:イニシャル 飛永京 2004年07月22日 (木) 07時01分

置き忘れオイルライターぎーぱちゅん イニシャル入りねぇ ぎーじゅぽっ ばちゅん

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13479] 063:雷 飛永京 2004年07月22日 (木) 07時01分

露草の咲けない梅雨に雷神は律儀に来たりて梅雨明けを告げ

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13478] 062:胸元 飛永京 2004年07月22日 (木) 07時00分

胸元をゆるく着崩し芸子らは氷苺でくちびる染めて

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13477] 061:高台 飛永京 2004年07月22日 (木) 07時00分

指先で三日月高台そろそろと辿れば伯母の微笑みがある

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13476] 060:とかげ 飛永京 2004年07月22日 (木) 06時59分

ここからは芙蓉荘への石畳とかげも雨を待つ日照り坂

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13475] 059:矛盾 飛永京 2004年07月22日 (木) 06時59分

悲しいと言う以外ない悲しみを歌に描いて矛盾を重ね

http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html


[13474] 017:免許 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時55分

海までのBGMはボサノバで君の助手席免許はいらず


[13473] 016:乱 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時51分

年下の君に心を乱されて触れた右手に高鳴る鼓動


[13472] 015:蜜柑 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時49分

きみといた蜜柑色した思い出は今日とおんなじ夕焼けの色


[13471] 014:オルゴール 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時47分

徒にぜんまい巻いたオルゴール君との日々が止まらぬように


[13470] 013:彩 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時44分

連れてって。赤や黄色でいっぱいの君が彩る夢の世界に。


[13469] 012:裸足 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時42分

なんとなく裸足の季節を口ずさみ君とのこれから考えてみる


[13468] 011:犬 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時40分

犬みたくしっぽを振ってお出迎え君の帰りをずっと待ってた


[13467] 010:チーズ 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時34分

テーブルに転がるボトル食べかけのチーズはまるで鼠の仕業


[13466] 088:句 みうらしんじ 2004年07月21日 (水) 22時33分

苦虫を噛みつぶすためあの夏の殺し文句を思い浮かべる

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[13465] 009:圏外 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時31分

君さえもつながりたくない涙雨圏外装い電源を切る


[13464] 008:姫 長沼直子 2004年07月21日 (水) 22時29分

お姫様気分でつかるバブルバス泡と一緒に君も消えちゃえ


[13463] 071:追 佐藤羽美 2004年07月21日 (水) 21時23分

六月の通学路には倦んでいた 追いつめられたインコの緑

http://www.h7.dion.ne.jp/~hinauta/


[13462] 047:機械 五人 2004年07月21日 (水) 20時32分

機械化が短歌界にも進みおりSFを詠む22世紀

http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/


[13461] 083:皮 こはく 2004年07月21日 (水) 19時28分

鍵穴という鍵穴にことごとく脱皮したての夏の太陽


[13460] 040 ねずみ 浦好 2004年07月21日 (水) 17時07分

ねずみ蛇御馳走なのは猛禽類だけではないよ赤道直下  


[13459] 039 モザイク 浦好 2004年07月21日 (水) 17時06分

モザイクはミューズの意匠 憲法の九条隠すに似合はざりけり 


[13458] 038 連 浦好 2004年07月21日 (水) 17時05分

連帯とう言葉のありき社会主義、革命、階級、労働者、ワレサ  


[13457] 037 愛嬌 浦好 2004年07月21日 (水) 17時04分

愛嬌の太郎冠者とう寒椿落ちたる首をなお持ち歩く       


[13456] 036 流 浦好 2004年07月21日 (水) 16時59分

単身赴任五年目に入る流山近藤勇の首塚の傍


[13455] 035 二重 浦好 2004年07月21日 (水) 16時57分

二重丸付けられたれどお手本を下に敷きにしきみの書初め 


[13454] 034 ゴンドラ 浦好 2004年07月21日 (水) 16時56分

歳にはね関係ないのカンツォーネ唄うゴンドラのおじさん達は 


[13453] 033 半 浦好 2004年07月21日 (水) 16時54分

仲の良き二人でいいが人前にいつも半分分けあいている  


[13452] 032 薬 浦好 2004年07月21日 (水) 16時53分

薬なら免疫療法漢方薬 回復力は信じられねど         


[13451] 031 肌 浦好 2004年07月21日 (水) 16時50分

美人の湯は伊達にありゃせぬつるつるの肌とお酒の桜の色と


[13450] 040:ねずみ ヨシノタマキ 2004年07月21日 (水) 15時48分

うめねずの格子くぐればねずみ楼 深川利休相思が人気


[13449] 030:捨て台詞 ひぐらしひなつ 2004年07月21日 (水) 15時43分

捨て台詞みたいに飛沫降りそそぐバタフライ(もうあんなに遠い)

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[13448] 029:太鼓 ひぐらしひなつ 2004年07月21日 (水) 15時42分

炎天にうさぎの太鼓鳴りつづけ広告塔がぐらり傾く

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[13447] 028:着 ひぐらしひなつ 2004年07月21日 (水) 15時41分

着ないまま夏を見送るTシャツに今年最後の風を孕ます

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[13446] 016:乱 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 11時13分

「乱れ髪」を初めて読める少年の胸の奥処はことことと鳴る


[13445] 025:怪談 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時56分

ノルウェーの怪談なれどトロルとふ妖し人形(ひとがた)ありて楽しむ


[13444] 024:ミニ 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時51分

タガログ語話すパーサーのミニ姿 脚美しと密やかに見る


[13443] 023:望 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時46分

はるばると地球岬に立ちて望む太平洋はまあるく霞む


[13442] 022:上野 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時42分

上野駅 朝な夕なの五十年いつも何処かで工事してゐる


[13441] 021:胃 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時36分

清濁と硬軟あはせ喰みし身の胃の腑はなほも動いてしまふ


[13440] 020:遊 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時26分

ともどもによく遊び良く学びたり 日月はなほ地に堕ちずあり


[13439] 019:沸 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時17分

もくもくと沸きてたつ雲 赫々と咲ける向日葵ゴッホの吐息


[13438] 018:ロビー 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時12分

アポイントに余裕をもちて着くホテル ロビーの椅子にゆったり座る


[13437] 017:免許 稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時08分

免許もつ妻もたぬわれ それぞれに喜寿すぎて今ゆったりと歩む


[13436] 036:流 中西のぞみ 2004年07月21日 (水) 07時28分

この流れに身をまかせれば楽だらうそれに逆らひたらふく水のむ


[13435] 035:二重 中西のぞみ 2004年07月21日 (水) 07時25分

母も娘(こ)も姉妹も鏡にえばりつき二重瞼を作るその朝


[13434] 034:ゴンドラ 中西のぞみ 2004年07月21日 (水) 07時23分

ゴンドラよりカモシカ雪に見え隠れいつも子どもは見遅れて泣く


[13433] 080:縫い目 近藤かすみ 2004年07月21日 (水) 01時22分

子の衣の綻び繕ふ三ヶ島の葭子の手なるちひさき縫ひ目


[13432] 052:部屋 多喜エリ 2004年07月21日 (水) 00時39分

部屋らしい部屋にしたくてカーテンをかけた周りに魔法をかけた

http://www.geocities.jp/takieri9/


[13431] 025:怪談 本田瑞穂 2004年07月20日 (火) 23時44分

怪談を選ぶ横顔冷えすぎた部屋の一角よろこんでいた

http://singasong.sunnyday.jp/


[13430] 034:ゴンドラ 多田 零 2004年07月20日 (火) 23時20分

酔ふうちにわがてのひらにゴンドラとなるまで折られたる紙は来ぬ

http://tadarei.com/


[13429] 033:半 多田 零 2004年07月20日 (火) 23時19分

愛恋の些細に右往左往して消えてしまひし七月半ば

http://tadarei.com/


[13428] 032:薬 多田 零 2004年07月20日 (火) 23時18分

わがひとみ見開かれゐてふえふきの薬缶に笛を吹かせぬ夜なり

http://tadarei.com/


[13427] 045:家元 葉月もか 2004年07月20日 (火) 23時10分

家元のお手前能を舞うごとく流れに揺るる緑葉のごとく


[13426] 044:ダンス 葉月もか 2004年07月20日 (火) 23時02分

ダンカンの指先は過去と将来の予感をつなぐ ダンスは続く


[13425] 034:ゴンドラ みに 2004年07月20日 (火) 22時57分

ゴンドラを降りて二人はシュプールに永遠という幻想を描く

http://mini.pussycat.jp/


[13424] 043: 濃 葉月もか 2004年07月20日 (火) 22時55分

濃い青を目深に被り砂浜に出でし積乱雲のもあもあ


[13423] 064:イニシャル(再投稿) 小川良秀 2004年07月20日 (火) 21時57分

哀婉のきみのイニシャルひそませて夢のわたしの倶利迦羅紋紋

http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/


[13422] 030 捨て台詞 浦好 2004年07月20日 (火) 21時21分

捨て台詞言ったら負けとここはまたするりと交わす男女のことは  


[13421] 029 太鼓 浦好 2004年07月20日 (火) 21時21分

鬼太鼓の祭りに舞うと満を持し太郎は佐渡へ 来いとも言わず    


[13420] 028 着 浦好 2004年07月20日 (火) 21時20分

忙しくてそれどころではないという正月こそは男は着物   


[13419] 027 天国 浦好 2004年07月20日 (火) 21時19分

サーカスの天幕洩れ来し楽なりき「美しき天然」「天国と地獄」  


[13418] 026 芝 浦好 2004年07月20日 (火) 21時17分

捩子花の咲ける芝生にわれを呼びその後の記憶おぼろとなりし   


[13417] 034:ゴンドラ 2004年07月20日 (火) 21時17分

「恋ってのは虚しいものなの」甘い声が訳知り顔でゴンドラに乗る

http://www31.tok2.com/home/ougaku/


[13416] 025 怪談 浦好 2004年07月20日 (火) 21時16分

御前さまは怪談が好き そんなにも命惜しいか怖いというは  


[13415] 024 ミニ 浦好 2004年07月20日 (火) 21時15分

寒風に曝せる若さもつらいんだミニスカートは風邪をひいても


[13414] 023  望 浦好 2004年07月20日 (火) 21時09分

女らしい名前にあらずと望ちゃん十分美人で女らしいよ


[13413] 022  上野 浦好 2004年07月20日 (火) 21時08分

ゆくりなく上野に逢いし恩師なり「飛翔」百号が最後となりぬ 


[13412] 021 胃 浦好 2004年07月20日 (火) 21時07分

呑み過ぎと言っておりしが儚んで妻を追いしか胃癌に逝きし  


[13410] 063:雷 小川良秀 2004年07月20日 (火) 17時52分

山巓のかなたにひかる雷(いかずち)にいまだ時雨れず夕べのひぐらし

http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/


[13409] 070:にせもの 佐藤羽美 2004年07月20日 (火) 16時04分

ほんものかにせものなのか見極めるために噛んでる頬か白桃

http://www.h7.dion.ne.jp/~hinauta/


[13408] 082:軟 KADESH 2004年07月20日 (火) 13時41分

雑菌の入りて膿みし傷口にすり込むように軟膏を塗る


[13407] 071:追 水須ゆき子 2004年07月20日 (火) 07時57分

追従の言葉あかるく心地よく響かせんとて噛む薄荷飴

http://homepage2.nifty.com/mizusu/


[13406] 079:整形 近藤かすみ 2004年07月20日 (火) 01時08分

整形をする前の顔なつかしくまたアルバムを見てゐるわたし


[13405] 035:二重 長瀬大 2004年07月19日 (月) 23時40分

湖にさざなみがたち反射する世界は今日も二重に見える


[13404] 034:ゴンドラ 長瀬大 2004年07月19日 (月) 23時40分

たくさんのゴンドラたちに囲まれてカツアゲされる夢を見ました


[13403] 033:半 長瀬大 2004年07月19日 (月) 23時40分

半分は嘘だったけど(信じてる)もう半分も嘘なんだけど


[13402] 032:薬 長瀬大 2004年07月19日 (月) 23時39分

薬にもならない ”毒薬” は ”毒 ” で毒にもならない ”毒 ” は ”  ” 空白


[13401] 031:肌 長瀬大 2004年07月19日 (月) 23時39分

肌による差別を許すつもりならパンクロックは銃弾になる


[13400] 031:肌 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時44分

クレヨンを買いかえている手の色はなぜか余ってしまう肌色


[13399] 030:捨て台詞 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時44分

メモ帳をいくつも破る 捨て台詞だらけの背中を何度もたたく


[13398] 029:太鼓 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時43分

小太鼓が空にはじける屋上で 猫がいいな とか言ったような


[13397] 028:着 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時43分

着払い指定の配達物が来る“金のなる木”はハズレの表示


[13396] 027:天国 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時43分

天国が落ちても空は快晴で 落ちたそいつの名を考える


[13395] 026:芝 野田 薫 2004年07月19日 (月) 21時42分

思い出がすべてなんだと言い張って芝刈り機から出される悲鳴


[13394] 051:痛 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時29分

食事した彼の隣に赤い傘 痛みがすこし 毛を抜くような


[13393] 050:おんな 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時29分

応戦は「おんな」らしくないのだと 思って黙ってずっと泣いてた


[13392] 049:潮騒 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時28分

梅雨半ば 引き抜きぶち切るラジカセのコード片手に まだ聞く潮騒


[13391] 048:熱 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時28分

熱風に黙して語らぬ午後一時 屋外ホームのベルけたたまし


[13390] 047:機械 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時27分

かしゃんかしゃん 高熱あえぎ息荒く 精密機械が最期のため息


[13389] 046:練 青乃心 2004年07月19日 (月) 21時26分

練乳がピンクに染まるフォーク下つぶれたボクをママは見ていた


[13388] 045:家元 冨樫由美子 2004年07月19日 (月) 20時20分

白い家元カレ姉の友達が出てきた夢を解釈するな


[13387] 038:連(再投稿) 冨樫由美子 2004年07月19日 (月) 20時13分

なけなしの勇気で外に連れ出して笑はせる私がわたくしを


[13386] 037:愛嬌(再投稿) 冨樫由美子 2004年07月19日 (月) 20時12分

愛嬌が大切だから魂をみせあふなんてマナーに違反


[13385] 069:奴隷 佐藤羽美 2004年07月19日 (月) 17時52分

囚人や奴隷ではない人生を幸福と言うべきなのか母

http://www.h7.dion.ne.jp/~hinauta/


[13384] 039:モザイク 内田誠 2004年07月19日 (月) 17時06分

よく聴いて、午前0時に町中のモザイク仕掛けが切り替わる音


[13383] 038:連 内田誠 2004年07月19日 (月) 17時03分

生き方が連綿としているから途切れ途切れに傷ついたりする


[13382] 020  遊 浦好 2004年07月19日 (月) 16時50分

昨日襤褸の男跨ぎしライオンに今朝雪積もり遊園地は晴れ


[13381] 058:八 夏瀬佐知子 2004年07月19日 (月) 16時45分

朝顔の藍に水やりじりじりと日に焼けるのだ八月はまだ

http://www.santa.jp/c-child/donguri/diary.html


[13380] 057:表情 夏瀬佐知子 2004年07月19日 (月) 16時36分

内面で表現してね縦皺の表情じゃなく目を口ほどに

http://www.santa.jp/c-child/donguri/diary.html


[13379] 015:蜜柑 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 14時01分

いつにても手に入る甘き蜜柑ありて移ろふ季節を無くしてしまふ


[13378] 014:オルゴール 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時56分

オルゴール誰が訳せしか自鳴琴と 表意文字の豊かなるかな


[13377] 013:彩 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時30分

大輪のひまはりの花 夏空に彩りつよく赫々と咲く


[13376] 012:裸足 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時26分

夏の陽に焼ける川原の砂利道を裸足で歩く泳ぎ疲れて


[13375] 011:犬 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時23分

迷ひ出て帰らぬ犬に陰膳を据ゑゐる妻に はや十年(ととせ)すぐ


[13374] 010:チーズ 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時15分

「チーズ」とふ題を見すぐに一冊の積み置きし本 思ひ起こせり


[13373] 009:圏外 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 13時05分

会ひたしとボタンを押せど素っ気なき合成言語 圏外を言ふ


[13372] 008:姫 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時59分

対岸に発電風車めぐりゐて人魚姫像は卆寿をすぎる


[13371] 007:数学 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時53分

すっきりと数学的に割り切って揺れる心は整へるべし


[13370] 006:土 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時49分

ナトリウム・ランプに続く初めてのカイロの街は土の匂ひす


[13369] 005:名前 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時45分

秩父囃し弾める夜に出会ひたる幼なじみの名前うかばず


[13368] 004:ぬくもり 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時39分

空っ風に曝され夜に掌(て)を擦れば蘇りくる父のぬくもり


[13367] 003:運 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時31分

如何にわが命運ばむ ひたひたと三万日の限り迫れば


[13366] 002:安心 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時27分

郭公は幾千キロを渡り終へ身の安心に声張り啼くや


[13365] 001:空 稲村一弘 2004年07月19日 (月) 12時21分

ヌビア沙漠 祭りに集ふガラベーヤ白きに映る空の青あり


[13364] 030:捨て台詞 石川美南 2004年07月19日 (月) 12時01分

たぶん意味は知らずに君がよく使ふアジスアベバといふ捨て台詞

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13363] 029:太鼓 石川美南 2004年07月19日 (月) 12時00分

小太鼓の係が抜けてもう部屋に管楽器しか残つてゐない

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13362] 028:着 石川美南 2004年07月19日 (月) 11時59分

到着の知らせはまだか街中が今宵ジルバのステップで待つ

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13361] 027:天国 石川美南 2004年07月19日 (月) 11時58分

落書きの文字黒々と今我ら天国をきつぱりと捨つ

http://homepage3.nifty.com/yaginoki/


[13360] 020 遊 浦好 2004年07月19日 (月) 09時05分

襤褸を着し男跨ぎし 公園のライオンに今朝雪積もり晴れ


[13359] 019 沸 浦好 2004年07月19日 (月) 09時01分

沸々と怒りのマグマ溜まり来て憲法、イラク、年金、雇用


[13358] 018  ロビー 浦好 2004年07月19日 (月) 08時59分

ファッション・ショウのモデルのような娘が入りてロビーの視線集まりいたり
                             


[13357] 017  免許 浦好 2004年07月19日 (月) 08時58分

九九・九パーセント持つ世でも運転免許は持たぬと奴は


[13356] 016  乱 浦好 2004年07月19日 (月) 08時56分

乱気流のアナンスありて昔昔身体寄せ来しきみを思うも


[13355] 015  蜜柑 浦好 2004年07月19日 (月) 08時54分

はつ夏の海見ゆる丘ハモニカに「蜜柑の花咲く丘」と少年


[13354] 014  オルゴール 浦好 2004年07月19日 (月) 08時52分

竜宮を思い出させるオルゴール月照る海をサーファー去らず


[13353] 013  彩 浦好 2004年07月19日 (月) 08時52分

彩の国の友が海見に来るといふ食べ放題の刺身を用意 


[13352] 012  裸足 浦好 2004年07月19日 (月) 08時50分

男女とも見ゆる裸足の足跡の乱れも渚の波が消すらむ     


[13351] 011 犬 浦好 2004年07月19日 (月) 08時49分

盲導犬コニーは英語に仕事中日本語あまたの雑踏の中 


[13350] 078:洋 近藤かすみ 2004年07月19日 (月) 02時09分

その果ての洋に至らぬ鴨川のみなもとの湖近江のくにの


[13349] 061:高台 高澤志帆 2004年07月19日 (月) 01時46分

高台(かうだい)の拝見のためひろげたる懐紙の美(は)しく濃茶おつるな

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[13348] 068:傘 佐藤羽美 2004年07月19日 (月) 01時39分

雨の午後傘を差さずに貴婦人は今日も湖畔を行ったり来たり

http://www.h7.dion.ne.jp/~hinauta/


[13347] 051:痛 多喜エリ 2004年07月19日 (月) 01時27分

薄荷飴ごと味わった冷たさを痛みとは認識したくない

http://www.geocities.jp/takieri9/


[13346] 069:奴隷 遊木 2004年07月19日 (月) 01時24分

リンカンは奴隷制度を廃止する斜め45°の憂鬱


[13345] 068:傘 遊木 2004年07月19日 (月) 01時24分

道端の雪に埋もれる傘さんに地蔵をかぶせ地蔵傘


[13344] 067:ビデオ 遊木 2004年07月19日 (月) 01時23分

貸しビデオ屋の片隅のあふるるほどの愛をください


[13343] 066:鋼 遊木 2004年07月19日 (月) 01時23分

鋼鉄のからだは絶対負けないと信じた鉄人28号


[13342] 065:水色 遊木 2004年07月19日 (月) 01時22分

水色は水の色こそ示しけれキューピーさんの肌色が言い


[13341] 064:イニシャル 遊木 2004年07月19日 (月) 01時21分

カミノコエ伝えるために立つ少女フイニシャルルノホホヲウツカゼ


[13340] 063:雷 遊木 2004年07月19日 (月) 01時20分

冬の夜雷が鳴るというのは雪が降るということなのです


[13339] 057:表情 夢眠(ムーミン) 2004年07月18日 (日) 23時02分

どうしよう・・眉間にしわの息子のそれは表情まさに愛犬のそれ


[13338] 056:磨 夢眠(ムーミン) 2004年07月18日 (日) 22時56分

人として磨き輝く時はいつ鏡の向こううつむく目線に


[13337] 055:日記 夢眠(ムーミン) 2004年07月18日 (日) 22時51分

憧れの交換日記も姿変え絵文字に何を込めるのやら


[13336] 054:リスク 夢眠(ムーミン) 2004年07月18日 (日) 22時45分

女手と苦労称えた世の中も離婚のリスク影絵に埋もれ


[13335] 046:練 五人 2004年07月18日 (日) 22時28分

君の背の輪郭線を食べ尽くす練り消しゴムを左でギュッ

http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/


[13334] 060:とかげ 高澤志帆 2004年07月18日 (日) 22時00分

物語のなきとかげ座を天にさす尻尾のごときその指さきを

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[13333] 056:磨 夏瀬佐知子 2004年07月18日 (日) 21時34分

われ思う故にわれありちゃくちゃくと切磋琢磨だ磨滅への道

http://www.santa.jp/c-child/donguri/diary.html


[13332] 055:日記 夏瀬佐知子 2004年07月18日 (日) 21時32分

十五年日記をつけてためこんで焼く日を待ってそのうち死んで

http://www.santa.jp/c-child/donguri/diary.html


[13331] 059:矛盾 高澤志帆 2004年07月18日 (日) 20時57分

時間軸の矛盾図にして語りあふ貸し出しカードはふたりの名のみ

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[13330] 062:胸元 小川良秀 2004年07月18日 (日) 20時20分

鳩尾に蓮花咲かせる青蛇が二目凝らしてるきみの胸元

http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/


[13329] 061:高台 小川良秀 2004年07月18日 (日) 20時15分

高台はちゃわんの貌(かお)とよくいうた、ざんぐりあらく下手につくろう

http://www5.nkansai.ne.jp/shop/rorog/


[13328] 070:にせもの 水須ゆき子 2004年07月18日 (日) 19時56分

どこまでがにせものだろう先割れの爪にすりこむ桃の花びら

http://homepage2.nifty.com/mizusu/


[13327] 055:日記 新田瑛 2004年07月18日 (日) 16時37分

一年の日記をすべて元日に書いてしまってその通り生きる


[13326] 054:リスク 新田瑛 2004年07月18日 (日) 16時37分

若者よリスクマネージメントせよ まずこの壷を宝物とせよ


[13325] 053:墨 新田瑛 2004年07月18日 (日) 16時37分

薄墨を薄めるようにすこしずつ失ってゆく君の面影


[13324] 037:愛嬌 内田誠 2004年07月18日 (日) 14時58分

こんなにも愛嬌のある笑い方、教えてくれた人がいたんだ。


[13323] 036:流 内田誠 2004年07月18日 (日) 14時56分

流しても流してもどうしても落とすことができなくなってしまった


[13322] 035:二重 内田誠 2004年07月18日 (日) 14時54分

またひとつ何かを我慢した夜はどうか二重に結んでください


[13321] 034:ゴンドラ 内田誠 2004年07月18日 (日) 14時52分

お互いの育った町を指さして肩越しにみた廻るゴンドラ


[13320] 033:半 内田誠 2004年07月18日 (日) 14時51分

半分も使われないで仕舞われた色えんぴつがぬり残したもの


[13319] 089:歩 原田 町 2004年07月18日 (日) 12時00分

先行きのおおかた視えし齢なり万歩計つけ今日も歩こう


[13318] 058:八 高澤志帆 2004年07月18日 (日) 04時15分

八角の星を一片くぐらせる混合酒には「ヨゾラ」と名付く

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[13317] 057:表情 高澤志帆 2004年07月18日 (日) 02時33分

たまにわらふ無表情なひとその笑みのための道化師われならなくに

http://www.geocities.jp/kogawa96/


[13316] 056:磨 高澤志帆 2004年07月18日 (日) 01時21分

もうずつと片目の達磨もう片方さづけよとわれを見つめてをりぬ

http://www.geocities.jp/kogawa96/