父を亡くし幼き日より家元となつた青年　眼差し強き

┥┸┛┗ウマ┳レ┻┠┯┣カ┷ワレ┯┛┗┣ルナ┻╋┝ラバ　数学

http://homepage2.nifty.com/tanka

満天の春の星空見上げませう　思ふにまかせ　ダンス　夜すがら

吾ひとり寝そべるための芝生欲し日永の雲を飽かず眺めん

自らの脚色したる学校の怪談聞きて怖ぢ気づく子ら

大志など抱けぬ世なりスカートも車もミニがもてはやさるる

待つあてのあるかに同じ方見上げ電波望遠鏡並びをり

目に入るは汗と日焼け止めの混じりたる応援席にてさらされいる肌

「似合う人」を選ぶと思う捨て台詞は映画芝居なら聞きよくてよ

遅い夏の太鼓踊りの衆のうちに君の面影宿す若者

爪の間の土を眺めていたりけり歯医者帰りの舅は、犬と

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かの時のＫのレターを齧りたるねずみの吐きしノーの字はどこ

さよならは何年前になるのだろうその時はただ運にまかせた

活字でも君の言葉が声となる短いメールが安心運ぶ

冬の月君との出会いを思い出す雲は流れて空は明るく

死の壁を泳ぎつ抜けてモザイクの回廊づたひやがて白蝋

れんめんと哀しびともす火の川へ希望の船のともづな軋む

遠回しに物言うコツも心得てわが社交術時にいやらし

声に出して読みたい日本語ランキング俺的１位はあなたの名前

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川土手を黙しがちなる友なりし二羽列なりて鴨の泳ぐに

愛嬌のはじくるごとき薔薇いろの頬すくやかな涙ひと粒

早朝に扉を開けて深呼吸土の匂いだ　今日は雨降る

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高松凛という呪いとはいかなりや「名前は呪（しゅ）」だとのたまふ晴明

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姫百合のオレンジ色を前にして音の響きに浮かぶは沖縄

数学は乙女心のなせるわざ 壱足す壱は、絶対ふたり

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空も土も触れ得ぬ我の病室に君が大地の香り運びぬ

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人知れず香の記憶にこの身は疼く貌（かお）も名前も忘れしものを

わが生の輝くところ家族等とまこと忙しく働らきし頃

来世には着道楽などもしてみたし割烹着の紐きりりと結わえる

埋め立てて町の広場が造られぬ娘の住める岬のお寺

逢ひにゆく地下鉄のなかオルゴールならばわれはいまねぢ巻かれゐむ

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老いた母がどんな所かと問うけれど「さあね」と言うしかない天国

見下ろせば桜前線東上す迷彩深めゆく列島を

木造の校舎に学ぶ子供等が涼しき目にて木琴を打つ

背後よりにらむものゐるネロ王はくろぐろと濃き傷みありしや

裸足にて小石を踏むという恐怖運動嫌いといづれ先なる

芝の上で新庄君が笑むだけで素直にうれしいまだまだ死ねぬ

映画にて忘れられずゐるしんしんと「アルマゲドン」のことばの響き

夢じゃないのは知っていた　６才の私の犬を父は殺した

一面に咲きてさびしき犬ぬぐり身の丈低くなりゆくばかり

手と脚に血が垂れてゐし聖フランシスは少年時代の蒼きあこがれ

さびしさはいづこより来る　濃紺の毛布にすつぽりくるまつて寝る

小野茂樹はぼくと同じのねずみ年「羊雲離散」で青春うたふ

モザイクの橋のしたでは孤児たちが肩寄せあひて春の陽を待つ

映画見て席をたつとき真実といへる感覚渇かないでよ

あしびきの連なる山でストレスを癒やせ山彦癒やせけものら

色白き低血圧のをみなごの衣の裾には雪の結晶

手の甲の血管透きゐて青くうく静止画面にどこか似てゐる

ナウマン像と共に生まれた星さがす黒姫山に春の宵闇

割り切れない思いをさらに割ってみる数学は、もとい算数は苦手

すきなだけひろがりあって僕たちは世界でいちばん勝手なチーズ

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圏外を自分でつくる強ささえあれば君にも尋ね返せた

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一度だけねずみの籠を浸したりざんざん川とふ小さな川へ

お姫さまごっこの終わりはあやふやで抑揚のない週末がくる

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わが街の舗道のモザイク菱形に花を入れたり踏ましむなゆめ

まちがえそうなところを全部まちがえた数学よりもちょっと許して

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胸鬚のにほふやうなる連載の歴史小説己（うぬ）らを語る

水仙のうち揃いたる土の面はしっとり黒き春のビロード

その名前吾に優しく告げし君今宵の月ぞ十六夜の月

受け取りし君のコートのぬくもりが胸の奥にてさざ波立ちぬ

愛嬌の良きこと大きなほまれにて幼のままにゆかぬこの世は

土色の流れ速かり岸の辺の草を沈めてどんどん音たつ

二重襲の和服の衿の丹の色の少し紫がかりたるかな

先生は山を降りつつはなしたり言葉の遊（すさ）びゴンドラに似て

泣き虫のわたしはすぐに涙ぐむ泣かないように心を磨け

半分にまた半分に切り分ける大きなケーキ皆と分かちぬ

橘曙覧が詠みしあさがおの歌米国でクリントンが読む

安心と楷書で書いた紙を置き姉は遠くへ行ってしまった

自家薬籠中のものはたしてありたるや頭の重かりき春は霞に

> 男なら父の口癖聞き飽きたおんなに生まれしわたくしなのに

男なら父の口癖聞き飽きたおんなに生まれしわたくしなのに

安心して横断歩道を渡れるのも卒業までだね　みどりのおばさん

嬰児の肌着洗ひてハンガーに吊るせり部屋の飾りのやうに

うつくしきひとむれ乱す一陣の風のやうなる君の発語は

> 粛々と登校の列子供達喜々とした声いつ戻るのか

ものの本にありたれば捨て台詞小さな声でも言ってはいけない

捨て台詞だに思わずて諾々とをのこらの往くわれは道なり

倭のくにのリズムいまはし薄絹に耳ふたぎ過ぐ神社の太鼓

私をちがう名前で呼ぶ人がシャツ脱ぎ捨てる暮らしを問えば

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もとも遠き星雲の写真かがよひてわが着床のごとくさみしも

自由の「ユウ」遊という字に置き換えて遊びに行こう　海は青いよ

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/

大きさに見合わず高い沸点をもつ水に似て穏やかであれ

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/

古めかしいロビーのテレビみなで見た御巣鷹山に救助ヘリ飛ぶ

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/

あと一つ最後の試験受かったら免許皆伝晴れて卒業

http://www.geocities.jp/mugen_kangeki/

あたたかな雨がそろりと手をのばす我と大地を綴じる縫い目に

知床に流れつきにしクリオネのくたっくたに弱りし赤眸（あかめ）

http://

恋といふものに免許が要るならばもみじマークをつけねばならぬ

吾(あ)に見えぬものに手をやる子のまなこ君によく似て心乱るる

花咲ける蜜柑山へと向かふ子ら気ままな蝶の舞ひ飛ぶごとく

玉乗りのピエロ哀しきオルゴール閉じて皿など洗いませうか

襖絵の単彩の鵙飛びたてるその先に坐し黒髪梳る

誰がためにをみなぬかづく寝仏（ねぼとけ）の裸足の蹠に慈悲をもとめて

絶壁の裸形蝋燭振り向けば風に逆巻く乱れ黒髪

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傍らにのんきな顔の犬ねむるいまにも寝言もれさうな口

五年前コンピュータにのめりこみ家族団欒ネットの世界

胃の奥の奥の奥なる小部屋から殺したはずのあれが出てくる

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浮遊する鶏の白い羽根まっしろなたましひ　空をおほひつくせり

http://www.urban.ne.jp/home/sei97/uta/utamoku.html

沸き上がるどろどろの血の正体を見失ふ夜かほる白梅

http://www.urban.ne.jp/home/sei97/uta/utamoku.html

また来たのピエロビールは苦いだけ酔いたいのなら私を抱いて

http://www.urban.ne.jp/home/sei97/uta/utamoku.html

その昔はやりし歌をカラオケで絶唱するのは一曲の演歌

免許証のあなたの写真に問いかける　今までどこで何をしてたの

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誰しもこころに犬を飼う　猫はいつ戻ってくるのかなあ

酒飲まずビールも飲まず清酒に縁なきわたし溺れることなし

炎天に乳母車押す若し犬の吼えざりけらば人形(ひとかた)かもしれず

白黒をすぐつけたがるわたしには何事あっても曖昧にできず

石竹と撫子の違いなかなかに類別できず間違うわたし

厳冬に油流出ボランティア友は毎日岩場に立ちし

日に数度読み返してもまた読み返す遠く離れた友からの手紙

彼女らはレーズンバターが好きといふブルーチーズをひとり見つめる

粛々と集団登校子供達喜々とした声いつ戻るのか

子供らが大きくなると夕食も家族そろって食べることなし

「安心」と「不安」交互に口にして誰にも渡すものかと思う

空の字を何度書いてもどうしてもどこかが少し歪む三月

幸せはねずみのように増えるがいい　人から人へ天地（あめつち）に満ち

モザイクのかずかぎりなき灰色にまぎれてしまつた本心かくして

遠方の客はなぜか愛嬌でほほゑみながらプライバシー聞く

どうやつてどこで濃縮するんだらう扇風機ひとつ置かれなどして

酔ふと寝る父に呪ひを　大気圏外をぐるぐる回るたましひ

白牡丹ぼかし染にて彩なせる紅ほのかとは虚子こそ云はめ

　　2004年3月10日(水)午後5時47分。職場。浜松町。

山からばあさんのまへにゴンドラこごんどらこと桃が来たこと

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火事場より裸足のままで大仏は君臣豐樂國家安康

「明日発つ」と言ふ君の背につかまりて半島走る１８の春

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　　2004年3月10日(水)午前7時54分。職場。

このごろはチキンラーメンでさへ一つ食へず半分に割り食ふ身になりぬ

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風船を貰えばうれし薬屋の降ろす行李をのぞいておりぬ

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透明の箱に息づく嬰児を肌に抱きて乳あたへたし

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くるぶしの角質化せる姫君を攫ひ損ねし腋臭の王子

サイモン＆ガーファンクルの二重唱（デュエット）の愛の呪文を
parsley,sage,rosemary and thyme ……

悲恋失恋邪恋哀恋　此はもう代数学の領域である

包まれている安心に　右の手を時おりつよくひっぱられたり

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「ご勝手に！」捨て台詞言ふ夢を見るクレイム処理に疲れたる夜

夫の手を借りて締めたるお太鼓が常よりしつかり体に馴染む

ピピピッと携帯電話が呟きてあなたのメールの着信を告ぐ

「ああ、まるで天国のやう」天国を知らぬ私が勝手に騒ぐ

冬ごもり知らぬ黒栗鼠シュルシュルと霜の芝生を駆け抜けてゆく

狂牛病、鶏インフルエンザ、次は何？「怪談」などとは片付けられぬ

亡き母と何回か来しレストラン　オーダーはいつもミニ懐石で

木星の黄色がかつた縞模様望遠鏡のレンズに揺らぐ

小学校の同級生の上野くん　ひよろろんとした秀才だつた

沈黙は薬園坂をのぼりつめ奴坂へと辿りてもなお

ゴンドラといへばヴェネチア、ヴェネチアといへば二月の < 千の仮面（ミル・マスカラス）>

あらがねの土といえどもやさしくて鉢植えの雪晃（せっこう）くれない染みたり

雪晃はサボテンでトゲが雪玉状でその上に春、赤い花が小さく咲く。

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さかいめのしとしとの雨　箱襞のミニスカートにポニーティルに

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どうしてもうまく失望できなくて未だみどりのみどりのこゆび

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銀河までゆめゆめはこんでくれそうな上野駅ゆき寝台特急

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きみの名前を空にかいているんだ、みずみずと零なし溶けゆく震え

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息の緒の潤ふてなほけざやかに広ぐ気品は流転の縮図

二重打つ冬の海鳴りほごしゆく朧へさやに高光る日は

光琳の梅の莟も咲（ひら）くらし春のような黄金（きん）のぬくもり
　　　　　　（尾形光琳、紅白梅図屏風）

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とぎれとぎれに名前を呼ばれぼくたちは気泡まみれの水仙の茎

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春愁をぐるりとまはすゴンドラの歌はなびけり宙（そら）の回廊

さんがつの銀河あなたは散らばって喉を落ちゆくぬくもりにがい

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階段を二段とばしで駆け上がるとばした段に＜運命＞がある

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安心ねって目を閉じたままくらがりにぼんやり浮かぶ風鈴になる

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いつだって空を感じていたかった額にふれてとけるあめゆき

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ひゅるひゅると無音の部屋のヒーターは弥生半ばの音のみ空ろ

いつてきの媚薬たらして塗りこめば昇り果てなき天界のうず

　　2004年3月9日(火)午前11時すぎから。山手線・田町〜代々木。代々木〜東京〜田町。

線路挟む内にも外にも勃起薬のバイアグラ看板のこれでもかッ

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　　2004年03月10日(水)14時15分。

億ションのリビング占める液晶に吉永小百合の生気なき肌

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　　2004年1月１8日(日)午後10時過ぎ、神田神保町付近。

捨て台詞吐いたはいいが道に迷ひローソンに地下鉄の駅までを訊く

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　　2003年秋。光宝寺幼稚園園庭。

こ太鼓を連打しをるを神わざと仰天しゐしが技法あるといふ

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この小さきオルゴール函の幽（かそ）けきに鍵をかけおく春愁の部屋

来し方を何の色にぞ彩らむミルク溶けゆく霧の茫々

福井地震外で遊んでいて助かった弟は埋もれて死んだ

　　2004年3月7日(日)午後2時頃。JRA(日本中央競馬会）新橋場外馬券売り場。JR（旧国鉄）新橋駅からは、二つの場外馬券場にゆける。「汐留」は５００円券以上しか発売せず、よってビンボー人は１００円券から買える「新橋」に向かう。

勝つてから買ふ貧相の性格に着たきりすずめで新橋に来ぬ

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木琴を弾く平岡の手の先はゴムひものように伸び縮みする

娘らと歩くと息が切れるのだ「先に行ってよ」と言うのもやっと

友人の多かりし子は三年まえ連れのなきままかの世にいきし

圏内と圏外の差は数センチものによっては誰でもいい

子供らは素直に指折り句を作りパステル調のコンピュータの絵

教育や政治経済混沌と二十一世紀先が見えない

生徒らに投げたきチョーク自らの口に入れたる賢治を敬す

新任の佐分利の校舎懐かしく共に勤めし人に再会す

わが愛すドラえもんの抱き枕毎夜頬ずり抱きしめて寝る

寝顔とかキスは覚えているけれど名前が思い出せないおとこ

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あっけなく君のぬくもり消えゆきて冷たい指で終電に乗る

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運命を切り拓くため君の喉切り裂くほどのナイフが欲しい

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生返事不意の沈黙うわのそら安心ポイントまた10下がる

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真夜中の着信音に手を伸ばす空耳だって気付いてたけど

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北陸の冬の身にしむこの寒さ料理する手の皮膚に皸ぎれ

子を無事に授かり産みて名前つけしときの思ひを我は忘れず

「軟球で野球をしたの」と友語る五十年前の夏の日のこと

忘れないイラク戦争始まりしその日は子らの卒業式

ベランダであさがお育てる君のため小さな如雨露買ってきたんだ

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父さんは灼熱サバンナ狩りにでるグルメの人のキリンとるため

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学校の廊下の向こう手を振ったサヨナラだけが人生だけど

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父さんは荒海の中船を出すグルメの人の海老をとるため

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綻びし服の縫い目を丁寧に繕う母は今は亡き人

追うモノと追われるモノがいつのまにふたりで逃げる世界の果てに

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にせものがあなたに妙に似合うからホンモノじゃないぼくを許して

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奴隷には奴隷の分があるのですわきまえなさいお下がりなさい

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ふたりともそれぞれ傘を開くから傘もふたつで距離はそのまま

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ビデオではあなたが語る在りし日の通夜の席での友人弔辞

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鋼鉄の意志はあるんだただそれをどこに使うか選択出来ない

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水色にあなたの過去を塗り潰すぼくの知らない過去はいらない

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家族がねたくさんいるの印なの下着に凝ったイニシャル刺繍

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雷神になってあなたにつきまといいつか空から止めを刺すわ

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斜頸とは手術をすれば治るけど整形しないで今日に至る