[26020] 094:遠 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 23時18分

遠距離と長距離の差はどこにある君のこころに尺度があるの

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[26019] 086:チョーク 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 23時18分

指先のチョークの粉をはらうとき眉間に寄るしわが好きでした

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[26018] 019:沸 多田百合香 2004年10月31日 (日) 23時18分

沸くように咲く曼珠沙華 昨日からあのひとのことばかり気になる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[26017] 055:日記 良子 2004年10月31日 (日) 23時18分

また会った 日記をやめてしまったから日にちと曜日がわからない人に


[26016] 066:鋼  mint 2004年10月31日 (日) 23時18分

銅賞で終わった夏のコンクールきみの指から秋が香った


[26015] 095:油 魚柳志野 2004年10月31日 (日) 23時18分

少しずつふやけてゆくのが醜くて廃油石鹸をゴミ箱に落とす

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[26014] 092:家族  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 23時18分

ゆでたまごつぶしてつくる家族とはタルタルソースみたいなものか

http://hasumi.exblog.jp


[26013] 085:再会 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 23時18分

再会はする必要がないように抱きしめている面影ひとつ

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[26012] 065:水色  mint 2004年10月31日 (日) 23時18分

水色のブランケットにつつまれて空をあなたと泳ぐ夢みる


[26011] 090:木琴 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時18分

木琴はいつも端っこ追いやられまるで誰かね演奏始める


[26010] 087:混沌 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時18分

混沌と言葉を並べたてている そう病む事の慄きのまま


[26009] 084:抱き枕 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 23時18分

夜ごとひらべったくしめっぽくなっていく抱き枕のように眠った

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[26008] 064:イニシャル  mint 2004年10月31日 (日) 23時18分

Yというイニシャル蒼く残る肌舐めてもきみの味しかしない


[26007] 083:皮 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 23時17分

皮二枚だけを隔てて寄り添えば朝まではまた崩れるパズル

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[26006] 063:雷  mint 2004年10月31日 (日) 23時17分

雷を見るのが好きな弟が今この空の下にいること


[26005] 082:軟 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 23時17分

軟らかく煮えてそのまま煮崩れてしまったようなさよならでした

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[26004] 054:リスク 良子 2004年10月31日 (日) 23時17分

上等なあかいコートの襟元をピコレースなどで縁どるリスク


[26003] 062:胸元  mint 2004年10月31日 (日) 23時17分

胸元が大きく開いた紫のドレスを飾るキスをください


[26002] 018:ロビー 多田百合香 2004年10月31日 (日) 23時17分

たくさんの伏線の張られたお芝居のあとのロビーのような脱力

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[26001] 089:歩 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時17分

歩いたね 夕日や朝日指差してコーヒー奢る最後のしるし


[26000] 061:高台  mint 2004年10月31日 (日) 23時16分

高台にあった母校を取り囲み監視しているマンションの群


[25999] 060:とかげ  mint 2004年10月31日 (日) 23時16分

残されたとかげのしっぽひくひくと震えて泣いて逝ってしまった


[25998] 059:矛盾  mint 2004年10月31日 (日) 23時16分

俺だけじゃなかったのかと街灯の下で矛盾が佇んでいる


[25997] 058:八  mint 2004年10月31日 (日) 23時15分

八月の雨に流した左手の秘密が今日の雲間にきらり


[25996] 053:墨 良子 2004年10月31日 (日) 23時15分

薄墨のような恋愛だったから鶏がゆ炊いてぜんぶ忘れた


[25995] 088:句 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時15分

だめだよね一句一句大切に造るはずがいつでもギリギリ


[25994] 099:絶唱 玲はる名 2004年10月31日 (日) 23時15分

この恋の語尾を絶唱するならば燃える棺のなかでありたし

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25993] 057:表情  mint 2004年10月31日 (日) 23時15分

ある冬にサックス吹きの恋人の表情筋を凍らせました


[25992] 056:磨  mint 2004年10月31日 (日) 23時15分

彼の手で磨かれているサックスにひとさしゆびの指紋をぺたり


[25991] 055:日記  mint 2004年10月31日 (日) 23時14分

きみの名をつぶやいてみる色川の『狂人日記』読んだ夜には


[25990] 052:部屋 良子 2004年10月31日 (日) 23時14分

端整なピアノソナタをかけおれば何か澄みいる西側の部屋


[25989] 054:リスク  mint 2004年10月31日 (日) 23時14分

ハンカチを入れ忘れてもフリスクは必ず入れるミント大好き


[25988] 087:混沌 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時14分

子供らは混沌とする世の中で何を信じて生きてゆくのか


[25987] 092:家族 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時14分

家族から友達になり今じゃもうあなたは赤の他人のように


[25986] 047 機械 佐吏 2004年10月31日 (日) 23時14分

今ならば機械仕掛けのコロ助に癒されてたこと笑い飛ばせる


[25985] 053:墨  mint 2004年10月31日 (日) 23時14分

薄墨で記されている彼の名は見たことのない形であった


[25984] 052:部屋  mint 2004年10月31日 (日) 23時13分

部屋の外紅霞溶けゆく夜を見る頬で右手を温めながら


[25983] 091:埋 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時13分

黙るのはつまりそう言うことだから無理やりにでも会話を埋める


[25982] 051:痛 良子 2004年10月31日 (日) 23時13分

痛い、って口に出したら痛んでる何かがかたちを変えてしまった


[25981] 051:痛  mint 2004年10月31日 (日) 23時13分

痛覚を鈍らせていく錠剤が輝く夜は怖くて寝れない


[25980] 086:チョーク ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時13分

新しいチョーク落とす粉々に床に広がるモザイク見えた


[25979] 098:溺 玲はる名 2004年10月31日 (日) 23時13分

狂ってる時計に合わせ部屋を出る溺れ方にも美学のあれば

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25978] 090:木琴 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時12分

木琴を左端からたたくから右端までに答えてほしい


[25977] 050:おんな  mint 2004年10月31日 (日) 23時12分

泣くことのできないきみを抱くからだやわらかいからおんなで良かった


[25976] 049:潮騒  mint 2004年10月31日 (日) 23時12分

縋りつくように眠りに落ちる夜君から響く潮騒を聴く


[25975] 085:再会 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時12分

誰にでも「またね」と言うな甘い顔再会なんて必要ないよ


[25974] 048:熱  mint 2004年10月31日 (日) 23時12分

人影が絶えて久しい縁側であの日の熱の痕跡探す


[25973] 047:機械  mint 2004年10月31日 (日) 23時11分

老いていくあなたと共に在れるなら私も欲しい機械の身体


[25972] 046:練  mint 2004年10月31日 (日) 23時11分

朝練が始まるまでの十分で君の譜面に落書きをする


[25971] 093:列 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 23時11分

行列式得意とすれど行列は決して並ばぬ夫の性分

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[25970] 089:歩 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時11分

歩いたり走り出したり止まったりあなたのことを思ってみたり


[25969] 045:家元  mint 2004年10月31日 (日) 23時11分

師の胸に抱かれて共に燃やされた詩集は千家元麿の『虹』


[25968] 088:句 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時10分

「秋イラク 兵どもが 虫の息」 意味はないけどいきなり俳句


[25967] 084:抱き枕 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時10分

抱き枕電子レンジでチンしても違うんだよねあのぬくもりは


[25966] 044:ダンス  mint 2004年10月31日 (日) 23時10分

朝露の残る裏庭吾をねねと呼ぶやわらかな少女のダンス


[25965] 087:混沌 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時10分

「混沌(カオス)・・・・・・」ってつぶやいてみる まあ部屋が散らかっているだけなんだけど


[25964] 043:濃  mint 2004年10月31日 (日) 23時10分

いつもより濃いため息が引き起こす温度に抗う声は出せない


[25963] 086:チョーク 長瀬大 2004年10月31日 (日) 23時10分

死亡事故現場のチョークの人型はふざけた落書きにしか見えない


[25962] 042:映画  mint 2004年10月31日 (日) 23時09分

君のいる土曜の朝は映画より出来すぎていて着地できない


[25961] 086:チョーク 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時09分

唐突にチョークを折ってしまうから解けた答えは書き出せぬまま


[25960] 041:血  mint 2004年10月31日 (日) 23時09分

献血も出来ぬ躯を囲い込むあなたの腕で孵化を待ってる


[25959] 046 練 佐吏 2004年10月31日 (日) 23時09分

ねえ、そんな怒らないでよ ぐつぐつと煮込みはじめの練り物みたいに


[25958] 091:埋  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 23時09分

埋められたボタン電池のとろとろと溶け出す 悪い夢を見たのね

http://hasumi.exblog.jp


[25957] 040:ねずみ  mint 2004年10月31日 (日) 23時09分

増殖に負けたねずみが集団で走り始めたような感情


[25956] 039:モザイク  mint 2004年10月31日 (日) 23時08分

さよならを言い終えるまでモザイクでわたし以外を消してください


[25955] 038:連  mint 2004年10月31日 (日) 23時08分

酒癖も恋愛癖も悪いので下連雀に棄ててきました


[25954] 037:愛嬌  mint 2004年10月31日 (日) 23時08分

愛嬌の欠片くらいはあるはずだ全部脱ぐからきっと見つけて


[25953] 045 家元 佐吏 2004年10月31日 (日) 23時07分

美味しけりゃどうでもいいの消費者は 本家元祖どちらかなんて


[25952] 036:流  mint 2004年10月31日 (日) 23時07分

趣味欄に流木拾いと書く人に飼われてました蛇と一緒に


[25951] 083:皮 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時07分

皮膚の奥深く浸み込み旅立てば何があっても僕だとわかる


[25950] 085:再会 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時06分

いつに日か再会しようと約束を交わして我は我と別れぬ


[25949] 035:二重  mint 2004年10月31日 (日) 23時06分

左目の二重の幅が広い朝あなたのマグで珈琲を飲む


[25948] 034:ゴンドラ  mint 2004年10月31日 (日) 23時06分

ともしびを掲げて進むゴンドラの静かな揺れのような生活


[25947] 044 ダンス 佐吏 2004年10月31日 (日) 23時06分

発破かけ地図から消えた山みっつ ダンスホールで踊る影らも


[25946] 056:磨 ヨシノタマキ 2004年10月31日 (日) 23時06分

すり減ったぶんだけ免罪になるわけではないのである 靴を磨く


[25945] 033:半  mint 2004年10月31日 (日) 23時06分

饒舌で半音高い声の夜砂の城はまだ壊せませんか


[25944] 082:軟 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時06分

二人乗り一番近い逃避行黄色き星に軟着陸


[25943] 084:抱き枕 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時06分

いつの間にあなたは私の抱き枕なくては眠れず眠れば邪魔だ


[25942] 092:家族 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 23時05分

二人でも家族というのか面はゆく他人事と思う「ご家族一人」

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25941] 032:薬  mint 2004年10月31日 (日) 23時05分

肉体を自死へ誘っているような処方薬名静かに並ぶ


[25940] 097:曖昧 玲はる名 2004年10月31日 (日) 23時05分

デミグラスソースの曖昧性を食み「お米でよかった」ってつぶやく

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25939] 031:肌  mint 2004年10月31日 (日) 23時05分

ねねはこの色ではないと肌色のクレパス握る手を振る少女


[25938] 017:免許 多田百合香 2004年10月31日 (日) 23時05分

「18になったら免許を取る」というユウキが口に含むほおずき

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[25937] 083:皮 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時05分

皮つきの林檎をかじって投げ上げる謝ったって明日は見えない


[25936] 043 濃 佐吏 2004年10月31日 (日) 23時05分

君のつく嘘はまゆげの濃いひとの剃りあとみたいにあおあおとして


[25935] 030:捨て台詞  mint 2004年10月31日 (日) 23時05分

あの「好き」は捨て台詞だと気がついたマシュマロ浮いたココアを飲んで


[25934] 029:太鼓  mint 2004年10月31日 (日) 23時04分

小太鼓はこんな気持ちでいるのかな雨の震動響く掌


[25933] 081:イラク ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時04分

イラク詠む資格があるか我を問う瞳の中に光見えても


[25932] 028:着  mint 2004年10月31日 (日) 23時04分

不時着のニュース流れた朔の夜に羽化した蝶を喉奥で飼う


[25931] 082:軟 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時04分

軟らかい雨に降られて今少し君の知らない私が戻る


[25929] 027:天国  mint 2004年10月31日 (日) 23時03分

天国へ向かうときさえ人間はひとりなんだと気付いた五月


[25928] 081:イラク 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 23時03分

この空はイラクに繋がりいるものと見上げしのちに朝を始めぬ


[25927] 026:芝  mint 2004年10月31日 (日) 23時03分

荒れはてた芝生の過去に手を伸ばし遠い緑を抱きしめている


[25926] 100:ネット 実上祐子 2004年10月31日 (日) 23時03分

僕たちはネットの海で知り合った会うことのない親友になる


[25925] 100:ネット 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 23時02分

ネットとふ混沌に下りる蜘蛛の糸 無数に在りて輝きて細く


[25924] 025:怪談  mint 2004年10月31日 (日) 23時02分

夏の夜の怪談よりも怖いのは血走った目の稲川淳二


[25923] 090:木琴  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 23時02分

古ぼけた木琴かたりと落ちてゆく水のない井戸 音のない水

http://hasumi.exblog.jp


[25922] 080:縫い目 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時02分

ぬくもりは隙間風から溶けてゆく君の持ち物縫い目が荒い


[25921] 024:ミニ  mint 2004年10月31日 (日) 23時02分

期限付きだから優しく出来るんです5泊6日のコンドミニアム


[25920] 099:絶唱 実上祐子 2004年10月31日 (日) 23時01分

数々の絶唱が塗りこめられた劇場が今取り壊される


[25919] 023:望 mint 2004年10月31日 (日) 23時01分

希望って渇きに似てる永遠に水を孕めぬ躯みたいな


[25918] 051:痛 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時01分

生きているから痛いけど生きているから痛いのはおわりにしたい

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[25917] 100:ネット 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 23時01分

空混沌リスク圏外抱き枕ぬくもりにせもの曖昧ネット
(001/087/054/009/084/004/070/097/100)


[25916] 050:おんな 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時01分

なおんないって叩かないでよ 旧式のテレビじゃないよあたしのあたま

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[25915] 099:絶唱 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 23時01分

自滅系パンクロツカー絶唱の最終演目「4分33秒」


[25914] 098:溺 実上祐子 2004年10月31日 (日) 23時01分

ふるさとで君は溺愛されていた この路地裏で気がついたかい


[25913] 079:整形 ひな菊 2004年10月31日 (日) 23時00分

居酒屋で芋焼酎飲むときも目元涼しい整形外科医


[25912] 049:潮騒 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時00分

満月に潮騒を産む 海が呼ぶ 今すぐ君と旅がはじまる

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[25911] 016:乱 多田百合香 2004年10月31日 (日) 23時00分

いつか見た夢を忘れてしまうよう(着物の裾のように乱れて)

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[25910] 022:上野  mint 2004年10月31日 (日) 23時00分

水曜の私に似てる八月の上野動物園のシロクマ


[25909] 094:遠 魚柳志野 2004年10月31日 (日) 23時00分

かたむいた蝋燭も月も眩しくて遠い場所から音がきこえる

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[25908] 048:熱 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時00分

少しだけ魔法ができてこいびとにほのかな熱をふりかけている

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[25907] 021:胃  mint 2004年10月31日 (日) 23時00分

君の香にひずみはじめた胃の揺れがたましいに傷刻み続ける


[25906] 047:機械 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時00分

組み立てたはずの機械のねじがあるような論理で別れられない

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[25905] 097:曖昧 実上祐子 2004年10月31日 (日) 23時00分

返答を曖昧にしたばっかりにLLサイズのショーツを買った


[25904] 098:溺 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 23時00分

追憶に溺れるやうに瞑目す 旧き石畳に雨降りやまず


[25903] 020:遊 mint 2004年10月31日 (日) 23時00分

本気にはなれないんだと泣き出した吟遊詩人なんていらない


[25902] 046:練 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 23時00分

真夜中に秘密練習するときは無論わずかに戸を開けるのだ

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[25901] 045:家元 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 22時59分

ありがたく動き続ける家元の口は新種の生物のよう

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[25900] 096:類  実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時59分

「Fさんは魚類の顔をしているね」給湯室に寄せるさざ波 


[25899] 078:洋 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時59分

囲っても華の命は短くて洋ラン展は撤収します


[25898] 019:沸  mint 2004年10月31日 (日) 22時59分

沸騰を告げるケトルのような人あなたにアレと呼ばれてるひと


[25897] 044:ダンス 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 22時59分

しあわせなダンスの側で伴奏をしているひとと踊りたかった

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[25896] 015:蜜柑 多田百合香 2004年10月31日 (日) 22時59分

作業着のままで私に差し出した蜜柑の枝の先が揺れてる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[25895] 080:縫い目 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時59分

うんと粗い縫い目で出来たテディベア目玉のボタンの取れかけが好き


[25894] 095:油 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時59分

失恋はまるで醤油の染みのよう 色はあせてもにおいは残る


[25893] 043:濃 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 22時58分

塩分の濃度を測るだけだろう 君に涙は通用しない

http://8-gatsu.ka.to/


[25892] 042:映画 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 22時58分

「泣いちゃった映画」のことを話したくなる人ならば結婚したい

http://8-gatsu.ka.to/


[25891] 018:ロビー  mint 2004年10月31日 (日) 22時58分

公園を見下ろす窓は冷たくてロビーで君と待ち合わせたい


[25890] 041:血 夏己はづき 2004年10月31日 (日) 22時58分

<血のような赤>を強要させられた(わたくしの血は青いのですが)

http://8-gatsu.ka.to/


[25889] 017:免許  mint 2004年10月31日 (日) 22時58分

期限切れ免許みたいに穴あけてもっときちんと理解させてよ


[25888] 077:坩堝 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時58分

見つめられ血が流れ出すドクドクと坩堝に浸る足先見つめ


[25887] 079:整形 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時58分

あの町に整形外科があることを昨日初めて気付きいるなり


[25886] 094:遠 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時58分

遠からず皿は割れてしまうだろう小さなひびが増えてきたから


[25885] 091:埋 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時57分

埋めたのは記憶の底埋めたような埋めなかったようなタイムカプセル

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25884] 016:乱  mint 2004年10月31日 (日) 22時57分

乱されるために整えられているベッドの上のチョコは苦くて


[25883] 094:遠 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時57分

遠からず皿は割れてしまうだろう小さなひびが増えてきたから


[25882] 097:曖昧 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時57分

法律はわざと曖昧に制定する 主権者は国民どもに非づ


[25881] 015:蜜柑  mint 2004年10月31日 (日) 22時57分

蜜柑なら薄皮を剥き皿に盛り差し出す君にしちゃってごめん


[25880] 014:オルゴール  mint 2004年10月31日 (日) 22時56分

ねじを巻く夜に祈りの意味を知るいつかは絶えるオルゴール鳴く


[25879] 093:列 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時56分

前列に合わせまっすぐ並ぶこと 大人になってもできないでいる


[25878] 076:降 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時56分

玄関で行きも戻りもできません 君が好きです降参します


[25877] 078:洋 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時56分

洋楽を聴きつつ洋酒が浸み込んだ洋菓子洋二と食べてみたくて


[25876] 013:彩  mint 2004年10月31日 (日) 22時55分

センセイと片仮名で君呼びながら彩度を増した唇を食む


[25875] 092:家族 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時55分

両肩に家族の思いぶら下げて主任は残業連続十日


[25874] 012:裸足  mint 2004年10月31日 (日) 22時55分

俯いて泣くきみの顎持ち上げた日から裸足でわたし生きてる


[25873] 011:犬  mint 2004年10月31日 (日) 22時55分

飼い犬に引きずられ泣く近所の子「僕みたいだね」それでいいなら


[25872] 091:埋 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時54分

人情もいつかは埋蔵文化財 二百年後に欠片を拾う


[25871] 010:チーズ  mint 2004年10月31日 (日) 22時54分

涙入りチーズに熱くなる君の指の味ならわたしも言える


[25870] 096:類 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時54分

類型的な台詞での別れを望む 類型的な恋の涯には


[25869] 090:木琴 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時54分

教室の窓から飛んで来たらしい消しゴム蒟蒻木琴の音

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25868] 009:圏外  mint 2004年10月31日 (日) 22時54分

大気圏外から注ぐ月光のような熱しか君はくれない


[25867] 096:類 玲はる名 2004年10月31日 (日) 22時54分

どの国の男も白く深みゆき人の類(たぐい)に放たれる波

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25866] 055:日記 ヨシノタマキ 2004年10月31日 (日) 22時53分

二千四年神無月晦日の一頁「  」とだけ あとは白紙の三年日記


[25865] 008:姫  mint 2004年10月31日 (日) 22時53分

水鏡落下してくる姫りんご弾けて歪み壊れた昨日


[25864] 081:イラク 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時53分

電波では腐臭・砂塵は運ばれずこの飯時に見ているイラク

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25863] 090:木琴 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時53分

教科書に木琴の詩が載っていて祖父の隣で朗読をした


[25862] 007:数学 mint 2004年10月31日 (日) 22時53分

イーゼルを投げ捨てたとき描かれた数学的に美しき弧


[25861] 095:油 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時52分

油彩画のやうに何度も描き直す悪い癖 ディスプレイには短歌


[25860] 089:歩 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時52分

背の低い私の歩幅に合わせてる 雨上がりの道がまぶしい 


[25859] 080:縫い目 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時52分

縫い目とか編み目とか目という目には人柄が出るらしいのですよ

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25858] 075:あさがお ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時51分

静かにね弘君起きるその前にあさがおを絞る秘密の手紙


[25857] 079:整形 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時51分

整形じゃ解決しない部分です わかってるから刻む玉葱

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25856] 088:句  実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時51分

妹の作った俳句にある海は ここではなくて東シナ海


[25855] 014:オルゴール 多田百合香 2004年10月31日 (日) 22時51分

ミの音をはじいて止まるオルゴール 変わらなくてもいいものもある

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[25854] 087:混沌 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時50分

混沌の中にあってもユーモアを忘れてないね えらいぞ坊や


[25853] 074:キリン ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時50分

初仕事脚立登り抱きしめるキリンの涙青空になる


[25852] 078:洋 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時50分

どうしてもわかりあえないそのひとは太平洋側育ちなのです

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25851] 086:チョーク 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時50分

白壁に赤いチョークで落書きが 裸婦と「HELP」が一面に


[25850] 099:絶唱 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 22時49分

ネットリとデュエットうんといやらしく絶唱臭を吹き飛ばそうぜ


[25849] 077:坩堝 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時49分

にくしみといとしさはまだ混ざりあいわたしは夏の坩堝のままだ

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25848] 085:再会 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時49分

再会を祝して乾杯 シャンパンの泡のような関係だったが


[25847] 100:ネット 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時49分

永遠にふれえぬことに気がつかぬふりで続けるインターネット


[25846] 089:歩  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 22時49分

椿咲く遊歩道から岬まで、かんのんさまの岩のそばまで

http://hasumi.exblog.jp


[25845] 099:絶唱 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時48分

台風も絶唱なりと唱えつつ新聞を隅から読みなおす


[25844] 076:降 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 22時48分

雨降りの真昼のコインランドリーここでいくらか乾く わたしも

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25843] 089:歩 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時48分

この靴でマサイの歩行を取り戻す大地を蹴って真っ直ぐ前へ

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25842] 073:廊 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時48分

新しい靴下だから試したい磨きこまれた廊下を滑る


[25841] 013:彩 多田百合香 2004年10月31日 (日) 22時48分

極彩の街が次々目にうつる 第一ボタン静かにはずす

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[25840] 098:溺 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時48分

水切りの石が波間に沈むのをみている刹那 君に溺れる


[25839] 084:抱き枕 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時48分

「そばにいるだけでいい」ということは わたしはただの抱き枕かな?


[25838] 077:坩堝 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時48分

この風の向うにあなたは佇みぬ嘘詰め込んだ坩堝を持って


[25837] 097:曖昧 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時47分

曖昧なヘッドライトに照らされた赤い止まれの曖昧な赤


[25836] 100:ネット 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時47分

緑色の人形ひとり歩き出し言う「ネットって広大だわ」

http://www.kuji8man.jp


[25835] 083:皮 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時47分

上等の皮膚をまとっているならば その感覚を生かして暮らせ


[25834] 096:類 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時47分

「君ダケヲ愛ス」の類のささやかな嘘を許して生きてきました。


[25833] 072:海老 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時47分

海老蔵そんな口上しなかった苗字変えた人とは違う


[25832] 095:油 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時46分

ちりちりと加熱してゆく揚げ油 しあわせなんてこんなものかも


[25831] 100:ネット    小島左 2004年10月31日 (日) 22時46分

東京の半分くらいの人が怖いネットカフェから飛び立つ鴉

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25830] 082:軟 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時46分

軟膏をつければ治る切り傷も もしかしたら失望さえも


[25829] 094:遠 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時46分

母のない子熊が村をさまえるニュースをふたり遠く聞きつつ


[25828] 099:絶唱 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時46分

(強がりは悲しい)
3日にて100首を詠む辛抱は絶唱でなくおちゃのこさいさい

http://www.kuji8man.jp


[25827] 099:絶唱    小島左 2004年10月31日 (日) 22時46分

校長の絶唱副校長だけが黒いかばんの底に沈めて

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25826] 093:列 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時46分

切れぬよう日々をつなげて一列に糸を編みゆくことが人生


[25825] 076:降 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時46分

ほどきたる髪がもつれて手に負えぬどうしてこんなに雨がふるのか


[25824] 098:溺      小島左 2004年10月31日 (日) 22時45分

乳臭い比喩に溺れていただけのわたし締め出すブーツのファスナ

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25823] 081:イラク 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時45分

イラクにものどかな風は吹いたのにもう誰一人覚えていない