[25822] 098:溺 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 22時45分

絶唱の一つ覚えに飽きてから溺れて歌をうたうこの幸


[25821] 093:列 魚柳志野 2004年10月31日 (日) 22時45分

黙ってる間に地球がまわっていて列席者みんな名乗り出なさい

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[25820] 075:あさがお 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時45分

今日萎むあさがお明日にまた咲いていつも誰かの私でいたい


[25819] 071:追 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時45分

頑張れと励ます言葉重たくて追いつけないよ先が見えない


[25817] 098:溺 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時45分

その時を一所懸命生きようと溺れる者が笑って死んだ

http://www.kuji8man.jp


[25816] 097:曖昧    小島左 2004年10月31日 (日) 22時45分

行き先は曖昧なまま土曜日を半透明な傘越しに見る

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25815] 092:家族 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時44分

ぬくもりは万の言葉を越えられることを知るのが家族とうもの


[25814] 074:キリン 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時44分

買いに行こうよキリンの仔買ってくれなきゃ金魚の目 言えよ我儘


[25813] 080:縫い目 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時44分

運針の縫い目が大きすぎるから ほどいて泣いた家庭の授業


[25812] 096:類      小島左 2004年10月31日 (日) 22時44分

鳥類の名残で口があちこちに触れたがるさあ、頸出して

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25811] 097:曖昧 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時44分

曖昧は灰色灰色 ごまかさずコントラストの強い人生

http://www.kuji8man.jp


[25810] 098:溺 マーシー 2004年10月31日 (日) 22時44分

白いミルクに二匹の蝿を救出しやうしやうとしてゐるうちに溺死


[25809] 095:油      小島左 2004年10月31日 (日) 22時44分

君の汗手のひらで拭くたまらなく淫らで熱い香油のように

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25808] 070:にせもの ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時44分

会いたいの湖畔にゆれる蜃気楼にせものでいい囁きでいい


[25807] 091:埋 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時44分

ひと粒の種を蒔くたび埋葬の予行練習しているようで


[25806] 079:整形 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時44分

サルトルと聖書と漫画と新聞と 整形外科の待合室で


[25805] 094:遠      小島左 2004年10月31日 (日) 22時43分

今君がすべてなことを永遠にしたくてあたしを縊れ青空

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25804] 073:廊 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時43分

長かりし廊下で一人振り返る交わした約束まだ燃えていて


[25803] 096:類 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時43分

人類がはじめて着いた木星はポップな歌にあったとおりだ

http://www.kuji8man.jp


[25802] 088:句 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時43分

しみこんだフレーズだけど活かせない「よおく考えよ結句は大事だよ」

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25801] 090:木琴 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時43分

よその子の心の闇は遠すぎて木琴木琴やわらかく鳴れ


[25800] 093:列      小島左 2004年10月31日 (日) 22時43分

遠からず妻になるなと思わされ縦一列に干すトランクス

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25799] 078:洋 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時43分

洋梨の匂いが残るダンボール 小人になって入っていたい


[25798] 089:歩 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時43分

からからとポプラ落ち葉は風にのり、走る時々歩く。秋晴れ


[25797] 095:油 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時42分

いざ急げ油小路の辻にいる新撰組などなにすものぞ

http://www.kuji8man.jp


[25796] 092:家族 小島左 2004年10月31日 (日) 22時42分

記憶にない家族写真の庭園にまだないはずの青薔薇が咲く

http://www.h7.dion.ne.jp/~barabai/


[25795] 069:奴隷 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時42分

正座する冷蔵庫にはきんぴらが奴隷交代指輪を返す


[25794] 094:遠 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時42分

フンボルト海流に乗りこんなにも遠くまで来て仕舞ひました


[25793] 077:坩堝 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時42分

屈託を坩堝の中に放り込み溶かしてしまう形とどめず


[25792] 050:おんな よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時42分

この彼もきっとおんなじ吾が指に惚れたと貢がせ毒を盛らせる


[25791] 094:遠 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 22時41分

夏がゆく 雨のかおりは遠雷と蝉のなき声を連れて行った

http://www.kuji8man.jp


[25790] 095:油 玲はる名 2004年10月31日 (日) 22時41分

月満夜菜種油ヲ一気飲俺達阿砂利育成倶楽部

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25789] 049:潮騒 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時41分

ケアンズのエスプラ通りで読んだ「潮騒」荒波のような恋など予期せず


[25788] 076:降 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時41分

二時間も降車場で待っている少女は携帯だけを見ている


[25787] 068:傘 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時41分

傘をさしがまくんからの返事待つ そばにいるだけそれだけでいい


[25786] 093:列 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時41分

巨大なる逆行列を計算するために作られたる星に棲み


[25785] 075:あさがお 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時40分

大輪のあさがおが明日開くのでおいでくださいパジャマのままで


[25784] 072:海老 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時40分

そのままの姿でのされていく海老を眺める君のまなざし淡し


[25783] 044:ダンス 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時40分

ミツバチのダンスみたいに人知れず送るメッセージわ・た・く・し・は・こ・こ 


[25782] 074:キリン 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時40分

本当はキリンの寝顔が見たかった初めて行った動物園で


[25781] 067:ビデオ ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時39分

捨てられず重ね撮りしたその後にビデオに残る二人の笑顔


[25780] 071:追 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時39分

追うことの追われることの埒外に佇み二人で見ている桜


[25779] 092:家族 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時39分

家族とは血のつながらぬ二人より始める血のつながりなれば


[25778] 073:廊  実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時39分

公園のそばの画廊で立ち止まる そよ風の吹くテンペラ画


[25777] 048:熱 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時39分

初上京の日清パワーステーション熱狂に踏みつぶされたバンドブームに


[25776] 097:曖昧 マーシー 2004年10月31日 (日) 22時39分

曖昧な日々送るわれ獄中で差し入れのその花の美しさ


[25775] 072:海老 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時38分

甘海老の感触だったと初めてのキスのときに言っていました


[25774] 047:機械 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時38分

仕組みなどわからぬ機械を操って今日も仕事を終える無責任


[25773] 066:鋼 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時38分

鶉姫碧く輝く鋼玉 白き肌こそ光をふくむ


[25771] 071:追  実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時37分

饒舌は他の追随を許さない 黙って聞こう夜が明けるまで


[25770] 046:練 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時37分

いかなる業を背負い作られ練炭はひとの命を連れて燃えつく


[25769] 070:にせもの 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時37分

にせものもそれなり生きていける世の黄菊燃えているように咲く


[25768] 043:濃 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時37分

淡白な性格だけど思い切り君のおかずに振る特濃ソース


[25767] 087:混沌 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時37分

いつの世も混沌こんとん雲間よりおおいなる五指かきまぜており

http:// homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25766] 091:埋 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時36分

花埋みに一陣の風吹きたれば大自然の循環へと入る


[25765] 070:にせもの 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時36分

「花嫁はにせものだった」と花婿は宴(うたげ)の後で僕にささやく


[25764] 069:奴隷 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時36分

なになにの奴隷と言われる程燃える心もなくて十月に入る


[25763] 042:映画 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時36分

映画館にいけば喧嘩と決まつてた尖つた眉が美しかつた 


[25762] 045:家元 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時36分

貧乏一家元気が一番などと母 あたしはもう少し背がほしかった


[25761] 065:水色 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時36分

もういいね 繋いだ腕は温かった水色ぽたり夕焼けきらり


[25760] 096:類 マーシー 2004年10月31日 (日) 22時36分

一升瓶大陸にこぼれ、いやはや全人類に類ふものなし


[25759] 044:ダンス よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時36分

焼けた靴を履いてダンスを踊った后(きさき)せめて白雪姫よりも気高く


[25758] 069:奴隷 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時36分

次の世は奴隷制度反対のシュプレヒコールを上げて見せるさ


[25757] 088:句 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時35分

言い差しの結句のようにもどかしい変奏曲の第2フレーズ


[25756] 041:血 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時35分

血筋といふわたしの中に憎まれる/愛される素質ふたつともあり


[25755] 054:リスク ヨシノタマキ 2004年10月31日 (日) 22時35分

なにもかもデジャヴ リスクを超えた瀕死のコトバも 立ち尽くす静謐な虹も


[25754] 043:濃 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時35分

濃紺のブレザーまとった学生よりも本能に従う蟻のしあわせ


[25753] 064:イニシャル ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時35分

イニシャルついたコップを交換し結婚しょうなんて言ってみる


[25752] 087:混沌 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時35分

力量が結果とならぬ混沌の少年サッカー競技大会


[25751] 090:木琴 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時35分

完全に正しき音しか吐き出さぬ木琴のやうな男だ、君は


[25750] 068:傘 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時35分

とけい草柄の日傘をそばに置き化粧を直す小柄な老女 


[25749] 042:映画 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時34分

「チャレンジャーな映画の好みね」と友の言う気持ちはまだ若いってことかな


[25748] 040:ねずみ 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時34分

ねずみみたいなほこり、つて表現が好きでまた読む『子ねずみラルフの冒険』


[25747] 086:チョーク 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時34分

なりたいとなれるは別のものだからチョークの粉を指でぬぐいぬ


[25746] 067:ビデオ 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時34分

極楽でビデオ鑑賞しているよ クリスマスの夜メールが届く


[25745] 085:再会 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時34分

再会を誓って指をかわそうとすればするほど糸がもつれる


[25744] 041:血 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時34分

ケータイの分類フォルダも味気なく「友人」「仕事」「血縁」「その他」


[25743] 063:雷 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時34分

あじさいは母が好きな花でした雷遠く長靴一つ


[25742] 039:モザイク 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時34分

もし我がモザイクのピースの一片ならあのわたつみの青でありたし


[25740] 094:遠 玲はる名 2004年10月31日 (日) 22時33分

振りかえるのが怖いほど遠くまで残照追いかけて走った

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25739] 066:鋼 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時33分

この国の鉄鋼生産量を書け テストの夢に冷や汗をかく


[25738] 038:連 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時33分

連なれるいのちの、歴史の、ひかる糸わたしも次を紡いでいくはず


[25737] 040:ねずみ よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時33分

台風の過ぎた路地に横たわるねずみの屍うすさむい朝


[25736] 100:ネット 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時33分

ネットならきっと見つかる 花咲かの灰の瓶づめ、お化けのつづら

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[25735] 095:油 マーシー 2004年10月31日 (日) 22時33分

油斷大敵のプラカード持つその本音と建前のわが經済大國


[25734] 065:水色 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時33分

水色のスカーフ飾るあふれ来る不安の洪水かき消すために


[25733] 084:抱き枕 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時33分

抱き枕だいて哀しいお話を聞きつつ眠るのがすきでした


[25732] 062:胸元 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時32分

ひざまくら黒い睫毛がふさふさと胸元掴み頬に口付け


[25731] 089:歩 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時32分

二足歩行ロボツト人形となりて捨て猫の箱の前を行き過ぐ


[25730] 083:皮 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時32分

甘夏の果肉は皮にまもられてうなづくだけがやさしさじゃない


[25729] 064:イニシャル 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時32分

本名をイニシャルだけで呼び合えば国籍のない旅人のよう


[25728] 099:絶唱 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時32分

墓碑に刻むうたは絶唱よりのほほんとした歌が良いどうぞよろしく

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[25727] 037:愛嬌 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時32分

思ひ出は常に教室の隅愛嬌のある子をひそかに憎み


[25726] 082:軟 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時32分

錯覚にすぎなかったと知った日は軟らかくない無花果を買う


[25725] 039:モザイク よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時31分

隣人の美も醜悪もモザイクのひとかけのような三十三年


[25724] 098:溺 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時31分

惰眠の海にときには溺れてみたいけど日曜はいつも予定があって

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[25723] 036:流 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時31分

流水のたぎりは好きよでも海が見たい寄せ返す波のリズムが


[25722] 063:雷 実上祐子 2004年10月31日 (日) 22時31分

用心に避雷針を設置する魂だけは守りたいから


[25721] 088:句  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 22時31分

投げやりなきまり文句はそのままに花瓶の水を朝夕かえる

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[25720] 081:イラク 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時31分

落ち込めば落ち込むほどに新聞の【イラク】の文字は遠退きてゆく


[25719] 061:高台 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時31分

帰ろうよ鍋にはおでん目を擦り高台臨む光の束よ


[25718] 038:連 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時31分

やわらかな丘陵連なる愛しき肌に酒をそそがん十三夜月


[25717] 097:曖昧 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時30分

曖昧な返事ばっかりしてるからわたしもう猫になるかもしれない

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[25716] 035:二重(再投稿) 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時30分

二重虹幾度も見たる冬君は旅立つ手筈を整へてゐた


[25715] 080:縫い目 青山みのり 2004年10月31日 (日) 22時30分

ユニフォームの背番号付け 正確な縫い目の裏にのこす苛立ち


[25714] 087:混沌  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 22時30分

いくたびもやりなおされるくじ引きのごとく世界は混沌として

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[25713] 088:句 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時30分

句読点打つべき時を見定めてゐるコーヒーをかきまぜてゐる


[25712] 023:望 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時30分

湖のさざなみの立つむこうにはわたしの望みがあるかもしれず


[25711] 037:愛嬌 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時30分

鍵開けぬ貞操も愛嬌夫のなき住家におと聞くハロウィンの夜


[25710] 022:上野 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時30分

お土産と帰らなかった言い訳を上野の駅で右手に提げて


[25709] 060:とかげ ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時29分

わかったよ 君はいつも回りくどいとかげが残す切れ端一つ


[25708] 096:類 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時29分

甲殻類の子らわしわしと波に揺れ揺られつつ生きてる夜思う

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[25707] 086:チョーク  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 22時29分

思いきり黒板消しをはたくからあなたの髪はチョークまみれだ

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[25706] 087:混沌 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時29分

タブレツトを飲み下しつつ混沌の神にこの身は捧げられたり


[25705] 021:胃 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時29分

極彩で区分けられたる足裏の胃のつぼあたりをじっとまなこに


[25703] 020:遊 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時29分

そう君はたったひとつの遊園地を心のうちに持っている人


[25702] 095:油 五十嵐仁美 2004年10月31日 (日) 22時28分

薄荷油をこめかみに塗り深呼吸 すこし昔のこと思い出す

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[25701] 019:沸 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時28分

沸点を持たぬ男のかたわらでわたしを好きかと問わずにいること


[25700] 085:再会  久野はすみ 2004年10月31日 (日) 22時28分

再会の日はおとずれる深海の水に棲むものたちをごらんよ

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[25699] 018:ロビー 小林真紀子 2004年10月31日 (日) 22時28分

結論を急ぐ必要なき人を約束もせぬロビーで待てり


[25698] 034:ゴンドラ 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時28分

ゴンドラの櫂を水面に差し入れてどうしやう夢の町から出られない、霧


[25697] 093:列 玲はる名 2004年10月31日 (日) 22時28分

整列の声に習えば辛いから列とはつまり目的の色

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[25696] 059:矛盾 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時27分

うわべだけ自国守れず進みだす矛盾にまみれ歪みを起こす


[25695] 033:半 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時26分

半身はあなたのものだいちまいの布団わけあひ祈る夜には


[25694] 058:八 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時26分

石畳八幡さんに祈りつつ幼子背負う幸せ感じ


[25693] 032:薬 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時26分

乳糖(プラセボ)の赤い薬の日々までを数へながら行く海までの道


[25692] 057:表情 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時25分

毅然たる表情に母を見る我が子の命名前に込めて


[25691] 031:肌 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時25分

いさかいの糸解けずに眠る夜のあなたの肌が遠くにあること


[25689] 056:磨 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時24分

高架下流れ者には猫パンチ相手が悪い百戦錬磨


[25688] 086:チョーク 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時24分

アスファルトにチョークで書いたコックさん6月6日雨に流れたり

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25687] 030:捨て台詞 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時24分

そんな顔で捨て台詞なんか言つて悪いのは全て私つて言はせたいのかな


[25686] 029:太鼓 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時23分

好意というベクトルそれぞれ違ふこと知らぬ振りして太鼓橋渡る


[25685] 086:チョーク 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時22分

言伝はチョークで書いていて欲しい いつでも消してしまえるように


[25684] 055:日記 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時22分

寝る前に日記毎日確かめる知らない出来事きりり痛む


[25683] 095:油 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 22時22分

油性ペンで手に書きとめろ歳月のなかへ溶けゆくこの感触を

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[25682] 092:家族 魚柳志野 2004年10月31日 (日) 22時21分

白黒の写真が並ぶ床の間で死者ばかりが機能する家族

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[25681] 091:埋 魚柳志野 2004年10月31日 (日) 22時21分

選ばれないまま埋められてゆくことが望みでしたか 光源の闇

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[25680] 085:再会 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時21分

再会の約束を切り出せぬまま流星群は極大に至り


[25679] 094:遠 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 22時21分

何か微かに何か秘かに遠ざかる日々にかげりを生むほどでなく

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[25678] 054:リスク ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時21分

伏し目がちリスク覚悟で問いただす星屑の下並んで散歩


[25677] 085:再会 水野 華也子 2004年10月31日 (日) 22時20分

いつまでも期待しているわれなるや「再会」という章のあること

http://homepage2.nifty.com/hanayakko/


[25676] 093:列 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 22時20分

つねに列を乱してゐたとそれだけを青葉のなかに記憶してゐる

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[25675] 053:墨 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時20分

墨模様川の流れに沿うように心に浸す言葉とカワレ


[25674] 084:抱き枕 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時20分

理不尽なる文句をさんざん云ひし後は抱き枕に抱かれて眠れ


[25673] 092:家族 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 22時19分

四重奏とか五重奏とか懐かしき家族の枝ぶりではあるけれど

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[25672] 052:部屋 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時18分

窓開ける雨も夕日も浸み込んで部屋に置かれた青い歯ブラシ


[25671] 091:埋 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 22時18分

棄てるのが怖かつたあの抽象を朝のひかりの彼方へ埋めた

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[25670] 083:皮 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時17分

舌先で弄びつつふと思ふ皮の向かうとこちらの違ひ


[25669] 051:痛 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時17分

頭痛の芽約束ずれるその度に摘み取り食す苦いよ苦い


[25668] 050:おんな ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時16分

大丈夫おんなですものつま先で清く正しく渡ってゆくわ


[25667] 092:家族 玲はる名 2004年10月31日 (日) 22時15分

遠い春なんていらないいつだって家族で羽子板を鳴らせば

http://homepage2.nifty.com/tanka


[25666] 082:軟 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時15分

軟膏をすりこむ足から軟膏に溶け出して行く私の一部


[25665] 036:流 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時15分

流されるままに生きたという母にひとくい差した吾がドロップアウト


[25664] 068:傘 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時15分

開かない傘しか持っていないけど雨の降るのをいつも待ってる


[25663] 049:潮騒 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時15分

夏過ぎて耳傾ける潮騒に君は独りでさみしくないかい


[25662] 035:二重 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時14分

友のもつ二重まぶたが愛おしく触れたくちびる春の嵐に


[25661] 067:ビデオ 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時14分

泣くためにビデオテープを五本借り見ずとも泣いて返却したり


[25660] 048:熱 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時13分

待てないと君が熱くて火傷する解けてしまおう塊になる


[25659] 034:ゴンドラ よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時13分

ゴンドラの漕ぎ手は慣れぬ英語にて慣れた運河を縫いゆくベニス


[25658] 081:イラク 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時13分

戦後復興果たせしイラクに「高度成長」「黒き月曜」いづれ来るらむ


[25657] 100:ネット 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時12分

ネットには妻と子がいて恋人がいる 他にもう望むものなし

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25656] 099:絶唱 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時12分

秋深しストリートの絶唱が青空に吸いこまれる今日もまた

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25655] 033:半 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時12分

夜半過ぎ電話は鳴れど出ぬ我に父の笑顔の満月 長月


[25654] 098:溺 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時12分

天変地異も起こらない 吾が妹と禁忌破れば溺れゆくのみ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25653] 066:鋼 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時12分

鋼鉄の人なるエイトマンの胸8の数字は目立ち過ぎだよ


[25652] 097:曖昧 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時12分

展翅する勇気もなく曖昧な睦言囁く、何してる俺?

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25651] 096:類  井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時11分

一つになりたいと願う人類補完計画は始まっている

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25650] 047:機械 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時11分

薬剤師潤んだ瞳向けながら機械のようだ冷たい手をして


[25649] 032:薬 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時11分

新薬をつくった友が酒場に捨てた「患者が私の食いぶちなのよ」


[25648] 095:油 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時11分

油断したわけでなくとも少女らは我の値段について笑へり

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25647] 080:縫い目 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時11分

D層が再下降するその日まで紅き大地の縫い目は軋む


[25646] 094:遠 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時11分

隣人と交わすことない本心はメールで綴れ 遠くへ飛ばせ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25644] 065:水色 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時11分

耳元で囁く言葉が見つからぬ軋むがに咲く水色の薔薇


[25643] 093:列 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時10分

真夏にも真冬にも変わらぬ列長く伸びてゆく有明の朝

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25642] 031:肌 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時10分

すきとおる肌より官能に残る午後の地中海色した君の瞳


[25641] 092:家族 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時10分

柔らかな脂肪の海に溺れゆく家族が一人減った朝も

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25640] 046:練 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時10分

最近はマヨラーよりもうわてです濃いのがお好き練乳カケル


[25639] 091:埋 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時10分

永遠の暖かな闇に埋められた手首の先は何処を指すか

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25638] 028:着 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時10分

自分の足で着地するのは母の手が受け止めるから小さき子、いま飛ぶ


[25637] 064:イニシャル 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時10分

端っこに書いてもそこだけ明るみて見えるよ君のイニシャルKは


[25636] 090:木琴 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時10分

木琴を奏でる我を疑ひてオペラグラスを持参する母

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25635] 079:整形 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時09分

遺伝子に整形を施しながら 積み木の崩る様を横目に


[25634] 089:歩 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時09分

策も無き将ほど世事に長けていて勝鬨前に歩哨が逃げる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25633] 088:句 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時09分

惹句謳う虚ろの業に耐えかねて都会ではもう生きていけない

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25632] 030:捨て台詞 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時09分

図書館で読んだどの捨て台詞よりきみの「飽きた」は表彰ものだよ


[25631] 045:家元 ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時09分

家元は白の制服身を包み人を癒して精進してる


[25630] 087:混沌 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時09分

仮装と妄想繋ぐビッグサイト連絡通路の混沌愛でる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25629] 097:曖昧 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 22時09分

溺愛と自他の認める母と子に「曖昧」芽生えほっと一息


[25628] 063:雷 平岡ゆめ 2004年10月31日 (日) 22時08分

吐き捨てた言葉を思い出しながら雷神の前に立ちどまりいる


[25627] 086:チョーク 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時08分

吾を射抜く八十の瞳(め)の仰角で歯の根のようにチョークが鳴って

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25626] 078:洋 沓澤誠一郎 2004年10月31日 (日) 22時08分

沈みたる海洋調査船さへもマリンスノーはしづかに包む


[25625] 085:再会 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時08分

再会を契らず別れた朋輩に託す言葉が見つけられない

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25624] 044:ダンス ひな菊 2004年10月31日 (日) 22時08分

午前四時祇園集合円くなりダンスステップカラスに習う


[25623] 84:抱き枕 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時08分

抱き枕なれるのならば君のでなくともいい負け犬の遠吠え

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html


[25622] 027:天国 文屋亮 2004年10月31日 (日) 22時08分

どうせならサイコーつてもの目指さうよ第七天国極楽浄土


[25621] 029:太鼓 よしだいつき 2004年10月31日 (日) 22時08分

最上の子守唄だよ君の打つ心臓の太鼓夢の国まで


[25620] 083:皮 井口瑛里 2004年10月31日 (日) 22時08分

蜜柑皮の汁飛ばした悪童の面影残す寝顔のあなた

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/8788/index.html