[25022] 094:遠 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時39分

『遠方より無へ』を抱えて丘の上、変容叙情短詩を叫ぶ


[25021] 081:イラク 高岡シュウ 2004年10月31日 (日) 15時37分

イマハムリダケド フタリデ80ニナッタラサカソウ オイラクノコイ

http://www.geocities.jp/takaokaism/tsumugi/


[25020] 054:リスク 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 15時37分

夢で読む恋文は要所ことごとくアスタリスクで埋め尽くされて

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25019] 053:墨 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 15時36分

墨あとの落ちない白いタイからの解放でした卒業の日は

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25018] 052:部屋 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 15時36分

そっけなくからっぽなほどいい きみとわずかな時間を分け合う部屋は

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25017] 061:高台 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時36分

胸元に暴力的な高台を二砲抱えて美声はずるいよ


[25016] 093:列 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時36分

国道を埋め尽くしたのは巨大なウサギとカメの行列だった


[25015] 051:痛 星川郁乃 2004年10月31日 (日) 15時35分

痛そうに見える傷なら触らずにいられたのに、と今なら思う

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/


[25014] 092:家族 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時32分

母親の肌のぬくもり知らず死ぬ遠い家族を想って泣いた


[25013] 060:とかげ 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時31分

高台の奥様ブスとかげ口の餌食にされる爬虫類好き


[25012] 091:埋 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時30分

生き埋めにするのだったら立ったまま正装のまま埋めまくってくれ


[25011] 080:縫い目 高岡シュウ 2004年10月31日 (日) 15時29分

思うよりずっと器用な指先で私の心の縫い目を解いて

http://www.geocities.jp/takaokaism/tsumugi/


[25010] 079:整形 高岡シュウ 2004年10月31日 (日) 15時28分

整形を望む個所:小指 (約束を今度は守れるような形に)

http://www.geocities.jp/takaokaism/tsumugi/


[25009] 090:木琴 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時24分

いもうとよ今夜も雨振りなんだけど木琴はもういいぢやないか


[25008] 059:矛盾 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時22分

とかげから切った尻尾をよく刻み矛盾につける薬でござい


[25007] 089:歩 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時22分

今日もまたとぼとぼカオスの縁を歩いた今日は三回妊娠しちやつた


[25006] 043:濃 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 15時21分

濃茶飲む甘い和菓子と組み合わせブドウ糖は脳にしみこむ

http://www.kuji8man.jp


[25005] 078:洋 高岡シュウ 2004年10月31日 (日) 15時21分

洋梨の香り漂うリビングで別れの台詞シミュレートする

http://www.geocities.jp/takaokaism/tsumugi/


[25004] 042:映画 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 15時20分

きみたちにわからないよってツウぶって映画はひとり歩き始める

http://www.kuji8man.jp


[25003] 013:彩(再投稿) 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 15時19分

ななばんめは彩子といひますサイコです鳥は好きです裏窓も好き

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[25002] 041:血 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 15時19分

血なまぐさいやぐざ映画を観た後は親分気取りで大股歩き

http://www.kuji8man.jp


[25001] 088:句 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時18分

僕が贈った上の句に付け返されたのは紛れもない絶交宣言


[25000] 087:混沌 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時17分

「周期3は混沌(カオス)の意味で」射精を受けつつ消え入る声でお前は


[24999] 086:チョーク ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時15分

気がつくとチョークの粉にまみれてた失神する授業はやだな やはり


[24998] 085:再会 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時14分

ポーランド上空で再会できずかなしみのあまりNothingButNet


[24997] 058:八 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時13分

矛盾ごと呑み込めなくて体当たり一か八かに賭けた青春


[24996] 027:天国(再投稿) 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 15時12分

(「なんでもないことなの、ただ天国ってところは、あたしの住むところじゃなさそうだと言いたかっただけ」 
〜エミリー・ブロンテ『嵐が丘』)

キャサリンのさまよふところ地獄にはヒースクリフの天国がある

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24995] 080:縫い目 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時11分

頭と胴の縫ひ目ほどけぬテディベア三十年を愛されてきて


[24994] 079:整形 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時10分

形成外科か整形外科か迷ひたる果てに行きたるドトール・コーヒー


[24993] 084:抱き枕 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時10分

抱き枕をナイフでざくざく切り刻む。部屋が散らかったので掃除する。


[24992] 078:洋 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時10分

午後のお茶は南洋杉で作られた小さな椅子に座つて飲みます


[24991] 077:坩堝 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時09分

地球とふ坩堝に会ひたる君と僕一瞬の熱一瞬の闇


[24990] 083:皮 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時09分

おれはなに?ひつじの皮を被ったやまひつじ?それってなんだ?ヤギのことか? 


[24989] 076:降 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時09分

てのひらに受けてもあまた零れ落つシベリア凍原 星雨降りくる


[24988] 075:あさがお 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時08分

「天上の青」といふ名のあさがほの青にほのほの吸はるる心地


[24987] 074:キリン 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時08分

長き首と短き首を交差させ並びて歩くキリンの親子


[24986] 073:廊 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時07分

山中の大岸壁に風化せるサン・ファン・デ・ラ・ぺーニャ修道院の回廊


[24985] 072:海老 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時07分

セーヌ河の畔に小屋掛け海老さまの鳥辺山心中見たさに我は


[24984] 071:追 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時06分

海老様の追つかけ引き連れセーヌ河へやつて来ました成田屋親子


[24983] 070:にせもの 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時06分

端から模造品として売られたる花瓶が何時しか「にせもの」になる


[24982] 082:軟 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時05分

AMのラジオから『時代』流れてるカウンターごしに軟骨注文


[24981] 069:奴隷 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時05分

韻律の奴隷なるかやぎくぎくと尖れる小石蹴飛ばし歩く


[24980] 057:表情 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時05分

八の字に眉根を寄せる表情がセクシーなんて10年早い


[24979] 081:イラク ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時04分

葉桜を照り返してるチマ・チョゴリ イラクで誤爆攻撃の号外


[24978] 068:傘 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時04分

弾丸のストーム降るは金曜と予告のありて雨傘選ぶ


[24977] 067:ビデオ 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時03分

『惑星ソラリス』レンタルビデオショップにて探したりしが見つからざりき


[24976] 080:縫い目 ただ(夛田 真一) 2004年10月31日 (日) 15時03分

年齢の縫い目のようなそのしわをゆっくりなぞる深呼吸しながら


[24975] 066:鋼 小池尹子 2004年10月31日 (日) 15時03分

鋼のやうな心持ちたしと思ひたることの一度も無く過ぎ来たり


[24974] 056:磨 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 15時02分

表情のすべてが声に載る不思議これぞバリトン磨かれた技


[24973] 070:にせもの 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 15時02分

にせものの旅にせものの絵葉書に綴るしづかな一日のこと

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[24972] 069:奴隷 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 15時01分

奴隷ではないにせよ似てゐる午後を花柄の咲く箱を抱へて

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[24971] 068:傘 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 15時00分

シンプルな領域として傘、けふの雨の機嫌を聴きながらゆく

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[24970] 067:ビデオ 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 14時59分

早送りして蝉の羽化だけなのかたしかめてゐるビデオ数本

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[24969] 066:鋼 荻原裕幸 2004年10月31日 (日) 14時58分

硝子質だつたはずだがいつからか鋼のにほひする秋の街

http://ogihara.cocolog-nifty.com/


[24968] 055:日記 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 14時50分

磨き抜く言の葉たちが出番待つ日記はいつもサブトラックよ


[24967] 054:リスク 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 14時36分

日記には八分が本音二分が嘘リスク減らしてたまるストレス


[24966] 100:ネット 岩崎一恵 2004年10月31日 (日) 14時34分

その書庫のつめたさとどめ札幌のネット古書店より届く本

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[24965] 099:絶唱 岩崎一恵 2004年10月31日 (日) 14時33分

カンブリア紀の末裔としてざざむしが海の残滓に捧ぐ絶唱

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[24964] 100:ネット 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 14時29分

(「我に從ひきたれ、さらば汝らを人を漁る者となさん」
〜馬太傳福音書)

みづうみのあをき画面はひそまりつ今日もネットは人を漁(すなど)る

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24963] 053:墨 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 14時27分

リスクにはクスリが効くと思い込みミスには墨を塗る恥知らず


[24962] 051:痛(再投稿) 宵闇 2004年10月31日 (日) 14時18分

一本の街路樹折れて痛ましいあらわになった年輪に雨


[24961] 100:ネット 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時18分

灯台の形のネットスケープの入口を押す何を見ようか


[24960] 099:絶唱 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時17分

最後まで香りを立てる朽ちかけの薄紅色の薔薇の絶唱


[24959] 033:半(再投稿) 宵闇 2004年10月31日 (日) 14時17分

火加減に時に気配り箸回す半熟卵と愛は困難



[24958] 098:溺 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時17分

またひとつ溺れた身体を脱ぎ捨てて湯上がりの髪しぼっておりぬ


[24957] 097:曖昧 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時16分

曖昧の色は深まる深まって何になるでもなくキスをする


[24956] 032:薬(再投稿) 宵闇 2004年10月31日 (日) 14時16分

たぷたぷと目薬さすも霞み目は晴れぬまんまのPM8:04(はちじよんぷん)


[24955] 052:部屋 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 14時16分

墨汁をわざとこぼしてこの部屋を君の共犯現場にしたい


[24954] 096:類 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時16分

まるで水の類(たぐい)と映る君を飲み私はさらさら崩れていった


[24953] 095:油 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時15分

油撥ね甲にちいさな水ぶくれ気にする度にぷつりと痛い


[24952] 094:遠 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時15分

君がもうどれほど遠くなったかを知りたく思うそんな距離感


[24951] 093:列 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時15分

一列に並んで歩く自衛隊画面の端まで行ったら消えた


[24950] 092:家族 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時14分

ぼんやりと汗ばんでいる家族とうかごめかごめの輪の中心で


[24949] 091:埋 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時14分

ぶくぶくと埋もれていたい泡沫(あぶく)ひとつぽかりと空に残したままで


[24948] 090:木琴 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時12分

つま先で落ち葉を遊ぶかなしみがほろほろこぼす木琴の音


[24947] 089:歩 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時11分

別れたる後に戸惑う 私はどんなペースで歩いていたか


[24946] 088:句 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時11分

「あきらめきれぬとあきらむ」口ずさみ笑えなくなる小唄の文句


[24945] 087:混沌 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時10分

夜の粒がざらざら群れる混沌を一握りなら連れて行けるか


[24944] 051:痛 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 14時10分

部屋中に歓び満たし二人きりかすかな痛み持て余す夜


[24943] 086:チョーク 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時10分

カチカツカツカチずんずんずんチョーク鳴るそれを空気のように飲み込む


[24942] 085:再会 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時09分

あなたによってわたしによって生きられた時間があった再会までに


[24941] 084:抱き枕 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時09分

抱き枕ラクダの荷物月の影元気出せ出せ背中がさむい


[24940] 083:皮 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時08分

うす皮を押し上げ滲むリンパ液なんでもないけどじわじわいたい


[24939] 082:軟 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時08分

ホイスルの音鳴る前の柔軟で自分のつまさき追いかけている


[24938] 081:イラク 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時07分

夜でさえ砂漠の砂の熱き国と思い込む程イラクは遠い


[24937] 080:縫い目 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時07分

不揃いの縫い目をもった花ふきん母の手でまだ使われている


[24936] 079:整形 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時06分

整形の広告見れば紅筆の引っ掻き傷がふっと気になる


[24935] 078:洋 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時06分

喉からの道をきちんと辿る為琥珀の洋酒飲むなどと言う


[24934] 077:坩堝 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時05分

どこまでも持ってゆく嘘とろとろの坩堝の中に片腕溶ける


[24933] 076:降 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時05分

部室から階段降りる夕暮れは薄く平らな鉄が鳴る音


[24932] 068:傘 玲はる名 2004年10月31日 (日) 14時03分

「傘」の字は高床式の住宅でなかに夫婦のペンギンがいる

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24931] 067:ビデオ 玲はる名 2004年10月31日 (日) 14時00分

ビデオとはピンクレディの復活のように行き場のないありがたさ

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24930] 075:あさがお 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 14時00分

くうるりと昇るあさがお ひとっとび出来ない夏に見つめておりぬ


[24929] 100:ネット 宵闇 2004年10月31日 (日) 13時59分

百首目をインターネットに投稿しさあ買い物へ今夜はおでん


[24928] 074:キリン 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時59分

取れかけのキリンの斑(ぶち)に鼻埋めて眠る子だったこんなふうにね


[24927] 050:おんな 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 13時59分

痛みなら耐えられるでもおんなにはがまんできない快感がある


[24926] 073:廊 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時58分

惜しむ日を知らぬ気に我ら語らひぬ廊下の隅いつもの場所で


[24925] 099:絶唱 宵闇 2004年10月31日 (日) 13時58分

脱け殻のとまる前籠足元に転がった蝉絶唱の声


[24924] 072:海老 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時58分

乾物の並びの妙なあかるさの桜海老買う黄昏の時


[24923] 098:溺 宵闇 2004年10月31日 (日) 13時57分

溺れたのは下手な泳ぎで奥深く潜ったせいね浮き輪になぞる


[24922] 071:追 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時57分

追伸か宙ぶらりんの余白かで終えかねている最後の葉書


[24921] 070:にせもの 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時55分

私(わたくし)は私(わたくし)でありそしてまた数限りない人のにせもの


[24920] 069:奴隷 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時55分

奴隷市と変わらぬ程の華やぎでひっきりなしの出会い系メール


[24919] 068:傘 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時54分

雨上がり冒険帰りやわらかな泥くっつけた傘の先っぽ


[24918] 066:鋼 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時54分

母なのだ――のた打ち踊る雌犬の胸に鋼塊三発かます

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24917] 067:ビデオ 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時54分

子供用の椅子を仕舞ってもう一度ホームビデオを撮ってみましょう


[24916] 066:鋼 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時53分

なんだろう鋼とろとろ溶けたまま己が柩を呼んでるような


[24915] 049:潮騒 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 13時53分

おんなにはおんなのリズム潮騒がかすかにゆれる夢のさなかに


[24914] 065:水色 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時52分

風の立つ日はよく分かる水色の鳥の翼がいちばん広い


[24913] 064:イニシャル 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時52分

小春日にほどくイニシャルゆっくりとアルファベットの二文字にかえす


[24912] 063:雷 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時51分

遠雷と聞く間もなしに竜一匹ぴりりと部屋の壁駆けた朝


[24911] 062:胸元 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時51分

胸元のしんなり滲みゆく花弁触れつつ臨む式典である


[24910] 061:高台 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時50分

君の背にもたれておりぬ下草の露ひいやりと照る高台で


[24909] 060:とかげ 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時50分

持ったまま私は行こうポケットに君の残したとかげのしっぽ


[24908] 059:矛盾 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時49分

矛盾とふ言葉ある時のっぺりと道になりゆき吾(あ)に進めと言う


[24907] 058:八 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時49分

白壁が強く輝く八月に君と並んで校門くぐる


[24906] 057:表情 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時48分

この春の我は雌雛の表情にどんな言葉を添わせるだろう


[24905] 065:水色 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時48分

それぞれの画面の中に咲きながら会議畑の朝は水色

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24904] 056:磨 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時47分

鍋底をじゃわじゃわ磨く焼け落ちた砂糖の匂い溜まる夕べに


[24903] 055:日記 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時47分

日記帳たどって思う筆圧が僅かに強くある晩のこと


[24902] 054:リスク 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時46分

赤信号渡るリスクをビー玉がかちりと光るように見ている


[24901] 053:墨 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時46分

ただ広い紙に一本くろぐろと墨をふくませ踏み越えて行く


[24900] 052:部屋 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時45分

君といる午後ほの白く花曇り部屋着のままでパスタを茹でる


[24899] 064:イニシャル 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時45分

跳び箱と学生鞄に描かれたイニシャルたちのほころびに、陽は

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24898] 051:痛 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時45分

我が爪の三日月痛むあの指の形おぼろになりゆくときに


[24897] 048:熱 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 13時42分

潮騒に呼び覚まされし若き日の熱情そっといとおしむ肌


[24896] 063:雷 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時41分

わたくしが当選をした暁は死んだ者さえ雷で焼く

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24895] 062:胸元 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時40分

声でかい肉食女の胸元に飛び込んで弾かれて死にたい

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24894] 061:高台 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時40分

復活の呪文携え高台に七大陸のk・A・r・A・D・aならべる

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24893] 060:とかげ 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時39分

乾杯はとかげ焼酎 とかげ刺 とかげ唐揚 とかげ水炊

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24892] 059:矛盾 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時39分

ドコモなど持たぬを鍛錬道として矛盾はないはずである

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24891] 047:機械 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 13時36分

熱愛という名の演技にも飽きて機械相手のほうがましだわ


[24890] 058:八 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時34分

八枚を千切ったならば手をとめて朝食は、薔薇、起きなくていい

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24889] 057:表情 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時33分

金曜の映画フィルムのノイズごと表情として、雲の満月

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24888] 056:磨(再投稿) 玲はる名 2004年10月31日 (日) 13時32分

触れないでいい CDの裏側を真冬の空の色まで研磨

http://homepage2.nifty.com/tanka


[24887] 046:練 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 13時28分

機械化のテロルが跳梁跋扈してまだ潰される熟練の技


[24886] 089:歩(再投稿) 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 13時28分

オルガンの鍵盤の上を歩く外光 いけないことよ


[24885] 037:愛嬌(再投稿) 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 13時27分

三日月と云う愛嬌のほの甘く四分蒸らして紅茶を淹れる


[24884] 028:着(再投稿) 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 13時27分

緑色のラムネの壜の硝子玉からんと鳴るに着やせしており


[24883] 099:絶唱 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時27分

春琴抄伊豆の踊り子風立ちぬ潮騒絶唱(順序は不同)

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24882] 098:溺 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時24分

夢で溺れし海上の道つばき咲くふだらく遠きたそがれの国

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24881] 097:曖昧 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時22分

図書館の地下書庫の奥曖昧に溶けゆくカント『視霊者の夢』

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24880] 096:類 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時22分

人類のあけぼののころ 少年と少女が出会へばそれだけで神話

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24879] 095:油 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時21分

油のやうに川がひかるよ月の夜は あのクラムボンは誰が殺した

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24878] 094:遠 西橋 美保 2004年10月31日 (日) 13時20分

羽化しない蝶の蛹を埋めに行く火星の運河はたぶん遠い

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[24877] 100:ネット 浦 奈保美 2004年10月31日 (日) 13時16分

ネットが繋ぐ数億の網膜。世界は誰のものにもならない


[24876] 099:絶唱 浦 奈保美 2004年10月31日 (日) 13時15分

老人の曲がった肩を刻む影です絶唱のような日没


[24875] 050:おんな 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時01分

血の中のXX(エクス・エクス)のペアに問う我の「おんな」はどこまでですか


[24874] 049:潮騒 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時01分

山国の少女は貝で聞いていたこうこうと果てのない潮騒


[24873] 048:熱 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 13時00分

傘からの雫は袖を湿らせて微熱をはらむ 私は何度


[24872] 047:機械 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時59分

機械仕掛けの鳥鳴く店で待っていた「あともう少し」を決めかねながら


[24871] 046:練 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時59分

まだ長い午後の空気をくるくると練り入れながら水飴なめた


[24870] 100:ネット 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時58分

みぎの靴ひだりの靴の底面の削れ違(たが)うにネットを終えり


[24869] 045:家元 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時58分

家元の真白い足袋に揺れ落ちて扇の影は自在に泳ぐ


[24868] 099:絶唱 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時58分

独り居の休日を経てまた逢うも絶唱の如きに戻りゆきけり


[24867] 044:ダンス 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時57分

踊れないうさぎのダンスぼんぼんのビニール紐がぺらぺら痛い


[24866] 098:溺 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時57分

温かいミルクにできたうすい膜とても纏わる溺れていたい


[24865] 043:濃 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時57分

文化祭前夜だろうか窓明く少年ら濃いままの色を塗る


[24864] 097:曖昧 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時57分

珈琲も紅茶もいいとおもいけり嗚呼曖昧にミルフィーユ食む


[24863] 096:類 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時56分

屋根打つを聴いていたりぬ寝返りをうつに幾つも雨の類音


[24862] 045:家元 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 12時56分

練習の虫には天も味方する家元今日は機嫌最高


[24861] 042:映画 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時56分

「あと5分したら会えるよ」映画館のポップコーンのような幸せ


[24860] 095:油 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時56分

一時間過ぎたあたりで見渡すに油っぽいが口説いておりぬ


[24859] 041:血 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時55分

寄せ返す血の色よ愛(は)しそと額を君の肌から離した時に


[24858] 094:遠 魅弥華韻 2004年10月31日 (日) 12時55分

水煙草の遠煙なすしめやかに殺そうとする大気と覚ゆ


[24857] 040:ねずみ 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時55分

今の鼓動二十日ねずみと同じ速さちょっと早死にしたっていいや


[24856] 039:モザイク 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時54分

霧雨のしんと降る夜に長湯してモザイクタイルのだまし絵探す


[24855] 038:連 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時53分

ビーズ玉連ねた糸の真ん中を切った最後の最後まで好き


[24854] 037:愛嬌 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時53分

いつだって見てしまうのは愛嬌もなく頬杖をついてる写真


[24853] 036:流 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時52分

一本の止まぬ流れがしんとしてうずまった日の背中を通る


[24852] 035:二重 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時52分

押し込める言葉に引いた二重線まだずいずいと舌を悩ます


[24851] 034:ゴンドラ 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時51分

ゆんわりと季節外れのゴンドラに久方ぶりの人と向き合う


[24850] 033:半 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時50分

その肩に半身もたせた夕映えの色ひとつずつ挙げていけるよ


[24849] 100:ネット 佐藤麦 2004年10月31日 (日) 12時50分

鶴女房ネットの網に引っかかり羽毛散らして息は絶え絶え


[24848] 032:薬 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時50分

いた痒いいないいないばあ繰り返し薬つけてもまた荒れてくる


[24847] 030:肌 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時49分

背の骨の数をたどってそのままに爪を食わせてみたくなる肌


[24846] 044:ダンス 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 12時48分

家元と畏れ多くもダンスなどこぼれる胸は余りにも罪


[24845] 030:捨て台詞 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時44分

捨て台詞口には出来ず君の肩抱いた後に扉を開けた


[24844] 029:太鼓 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時42分

タカラタタお猿の太鼓鳴る道はこれから(かつて)通る(ってた)径


[24843] 043:濃 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 12時42分

ダンスする二人の腰に挟まって濃縮限度窒素の悲鳴


[24842] 040:ねずみ 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 12時41分

飽食の産物であるねずみらは巨大化して猫を襲うか?

http://www.kuji8man.jp


[24841] 039:モザイク 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 12時39分

見せられぬものをかくすモザイクは妄想起こすチラリズム効果

http://www.kuji8man.jp


[24840] 098: 溺 浦 奈保美 2004年10月31日 (日) 12時37分

水鳥が溺れていますぶよぶよとしたこの胸がおまえの海だ


[24839] 097:曖昧 浦 奈保美 2004年10月31日 (日) 12時37分

曖昧に微笑むかのじょの輪郭もだんだん曖昧になり消えました


[24838] 096:類 浦 奈保美 2004年10月31日 (日) 12時37分

人類の川の向うに茂り立つ森には森の時間があります


[24836] 088:句(再投稿) 佐藤麦 2004年10月31日 (日) 12時33分

分かり合うため読点や句点なくゆくところまでいってしまった


[24835] 042:映画 小野秀夫 2004年10月31日 (日) 12時32分

濃厚なシーンに反応うぉっとっと映画館ではこれが限界


[24834] 028:着 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時31分

吾に浴衣着せ掛けるときほんのりと粉白粉を匂わせた母


[24833] 027:天国 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時30分

天国か地獄か分からないなりにお茶を一杯沸かしてあげる


[24832] 026:芝 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時30分

芝に寝てまぶたの裏は金の色十数えたら空を見ようか


[24831] 025:怪談 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時29分

怪談に出てくる側も読む側も女揃って唇を塗る


[24830] 038:連 久慈八幡 2004年10月31日 (日) 12時29分

先人のこころを伝える青垣の連なる山も冬の訪れ

http://www.kuji8man.jp


[24829] 024:ミニ 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時29分

ミニトマトぽつりと赤い一点を口にしようか不意にためらう


[24828] 023:望 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時28分

望み薄0じゃないのは煮込まれてうっすら残る玉葱のよう


[24827] 022:上野 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時27分

君と吾が上野とパンダの気軽さで連想されるくらいにずっと


[24826] 021:胃 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時26分

祖父が死んだそんな時でも胃袋はむくむく動き生きよと告げる


[24825] 020:遊 山崎沙織 2004年10月31日 (日) 12時26分

秋が匂う 揺れる木の葉に遊んでた夏の光が弾け始めて