[23041] 077:坩堝 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時35分

真実の愛を求めて旅に出たあの娘のために、りんごを坩堝に。

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[23040] 054:リスク 喜舟 2004年10月28日 (木) 00時35分

リスクある旅路と思えばとどまるを仕切りに促す病める末っ子に

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[23039] 076:降 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時34分

一番に「降ります」ボタンを押したがる子供のように電話を鳴らす。

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[23038] 075:あさがお 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時34分

攫いたいならば野生のあさがおを見せてあげると連れ出せばいい。

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[23037] 074:キリン 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時33分

「少しでも空を近くに感じたい。」そうしてキリンは首を伸ばした。

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[23036] 073:廊 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時32分

青春です。廊下からしか校庭が見えないつくりの学校にいて。

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[23035] 072:海老 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時31分

学生であること満喫したくって海老カツバーガーかじる放課後。

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[23034] 071:追 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時31分

追う恋はカッコ悪いと思ってた。こうして君に捕まるまでは。

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[23033] 070:にせもの 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時31分

にせものの爪を剥がして少しずつ裸に近づくあたしは綺麗?

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[23032] 053:墨 喜舟 2004年10月28日 (木) 00時30分

夕映えが墨絵に変わるひとときを浜辺にむきてオカリナを吹く

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[23031] 069:奴隷 紅茶硝子 2004年10月28日 (木) 00時29分

「のび太くん、みんな奴隷になるんだよ。ボクがその気になりさえすれば。」

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[23030] 053:墨 マーシー 2004年10月28日 (木) 00時29分

烏賊墨の翌朝の厠のちり紙は天皇崩御の滲みた記事が


[23029] 052:部屋 マーシー 2004年10月28日 (木) 00時27分

自己愛性人格障害の部屋隅でひとりポキールするなんていやっ


[23028] 部屋 喜舟 2004年10月28日 (木) 00時27分

わが部屋にカサブランカの匂うとき忘れかけたるかなしみ戻る

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[23027] 喜舟 2004年10月28日 (木) 00時24分

心痛に心痛かさね引き出ししヘルペスならむ美徳はかなし

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[23026] 090:木琴 田中槐 2004年10月28日 (木) 00時13分

木琴はお店をひろげている感じ いかが?いかが?この音いかが?


[23025] 089:歩 田中槐 2004年10月28日 (木) 00時12分

遠回りするとわかって歩道橋を選んだ時点で負けているのか


[23024] 088:句 田中槐 2004年10月28日 (木) 00時12分

書き損じ不可の書類を前にしてあなたは絶句するだろう、する


[23023] 087:混沌 田中槐 2004年10月28日 (木) 00時11分

ここからは混沌だから靴下は脱いでください。さよならわたし


[23022] 051:痛 マーシー 2004年10月28日 (木) 00時11分

痛打―痛打―痛打―痛打 一死も捕れぬまま戰場の日本兵士小走りに去る


[23021] 086:チョーク 田中槐 2004年10月28日 (木) 00時11分

恋人の指にしみつく白色のチョークの匂い「せんせい」って呼んでいい?


[23020] 050:おんな マーシー 2004年10月28日 (木) 00時07分

鬱病のをんなが厨に長葱を刻む音鳴りやまぬいましがた


[23019] 049:潮騒 マーシー 2004年10月28日 (木) 00時06分

蟀谷(こめかみ)を射る銃聲を潮騒がうちけしてゆく聖なる海で


[23018] 045:家元 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時56分

子は三人ダンナは長男一人っ子本家元気な舅姑

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[23017] 044:ダンス 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時55分

深く、深く、永遠を愛すると言ふまたは畏怖の果てへのダンスがすんだ

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[23016] 043:濃 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時53分

春の雨のしづかなる朝眦に色濃き紅を刺(さ)して征きしを

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[23015] 042:映画 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時51分

映画館を出ても子供は泣きてをり来るよ来るよゴジラが来るよ

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[23014] 080:縫い目 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時48分

出来ることっていったらぐしぬいで、とけない縫い目になれるはずもない。

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[23013] 079:整形 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時47分

真っ白い真っ白い骨が焼け残り 整形外科医は涙ぐむのか

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[23012] 041:血 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時45分

読み札が「血・・!?」のカルタなり復刻版『ベルサイユのばら』その付録なり

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[23011] 078:洋 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時44分

脚を浸けているときにはこれが太平洋だってわすれているよ。

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[23010] 040:ねずみ 西橋 美保 2004年10月27日 (水) 23時42分

ヴェネツィアでの葛原妙子をティーカップのなかでねずみが語りし一夜

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[23009] 077:坩堝 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時41分

この部屋は坩堝といえるか.........結局は「わたし」で単一すぎて、いえない。

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[23008] 076:降 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時40分

鼻のかみ過ぎでちっとも音がしない。お天気雨が降ればいいのに。

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[23007] 075:あさがお 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時40分

きのうからしゃべっていないふたりだがあいさつがわりに「あさがお」と言う

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[23006] 074:キリン 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時39分

さむいとき(からだ)さむいとき(こころ)キリンの睫毛の濃密さをおもう。

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[23005] 073:廊 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時36分

いっそすれ違っていたいときだから渡り廊下に立たせてください

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[23004] 063:雷 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時21分

一番の冷え込みとなる前ぶれに雷おこしぱきりと割れた


[23003] 062:胸元 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時21分

胸元をうすくひらいて指を待つ娼婦のように熟れた無花果


[23002] 061:高台 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時20分

だれもだれもわるくないのに高台の屋根のひかりがこんなに痛い


[23001] 060:とかげ 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時20分

どこをどう愛せばいいの 切った尾をとかげおまえもいつかわすれる


[23000] 072:海老 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 23時19分

うれしくはなくない。特別でもない。海老フライって中途半端ね。

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[22999] 059:矛盾 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時19分

求めずに責める矛盾に気づかない君へつながる糸がみえない


[22998] 058:八 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時18分

待ちつづけ週も明けたる八日目を忘レ曜日と名付けたかりき


[22997] 057:表情 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時17分

逢引きにゆく表情でランドセルはずませながら駆けてゆく子ら


[22996] 056:磨 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時17分

磨かれた空に足りないぬくもりを君は探していたのだろうか


[22995] 055:日記 青山みのり 2004年10月27日 (水) 23時16分

書き出しに迷うのならば日記には記さないまま死んでゆきます


[22994] 082:軟 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時12分

真上には軟体動物のような期待が透けて水面に向かう

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22993] 081:イラク 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時11分

砂混じりの唾液が口に湧いてきてイラクってうまく発音できない

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22992] 080:縫い目 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時11分

両側で覗きあってる縫い目って繋げるものと綻びるもの

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22991] 079:整形 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時11分

初めての整形外科の窓口で痕跡骨の痛みをつげる

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22990] 078:洋 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時11分

剥がされた洋ナシの皮がふつふつと呼吸をはじめるテーブルの上

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22989] 077:坩堝 魚柳志野 2004年10月27日 (水) 23時10分

音のない坩堝に向かう1000年の後に降る雨の苦さを思う

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22988] 100:ネット 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時10分

ネットなら地の果てまでも繋がれるならば神にも繋いで欲しい


[22987] 099:絶唱 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時09分

死ぬまでに一首でも吾の絶唱を創り出すことそれが目標


[22986] 098:溺 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時08分

排気ガス胸の奥まで吸い込んで光の海に溺れに行くの


[22985] 097:曖昧 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時08分

曖昧な態度の訳を知りたくて嫌がる君をレンジに入れる


[22984] 096:類 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時07分

人類の最期はそこに迫ってる青空に向け叫ぶ「たすけて」


[22983] 095:油 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時07分

マイナーな妖怪「油すまし」には天草の地に墓あるらしく


[22982] 094:遠 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時06分

結婚という名だけでは縛られぬ遠く離れた人の気持ちは


[22981] 093:列 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時05分

次々に起こる天災事件事故蝕まれゆく日本列島


[22980] 092:家族 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時04分

家族間コミュニケーション仲介を立派にこなす愛犬タロウ


[22979] 091:埋 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時03分

次々に埋められてゆく人々に空悲しんで星を降らせる


[22978] 090:木琴 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時03分

湖の底に置かれた木琴は音を出します水草揺らし


[22977] 089:歩 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時02分

小雨降る温泉街を散歩するかじかむつま先さえ心地よく


[22976] 088:句 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時01分

「さみしいよ」それはあいつの常套句簡単に君騙されるなよ


[22975] 087:混沌 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時00分

生涯の相棒は今どこに居る物余りある混沌の世で


[22974] 086:チョーク 山田 明 2004年10月27日 (水) 23時00分

赤色のチョークだけがちびてゆく大切なものたくさんあって


[22973] 085:再会 山田 明 2004年10月27日 (水) 22時59分

来年の今日またここで逢いましょう「再会」という名前の店で


[22972] 084:抱き枕 山田 明 2004年10月27日 (水) 22時58分

君だけの抱き枕だから腕や腰どの部分でも君を感じる


[22971] 092:家族 2004年10月27日 (水) 22時55分

音階に例えればファの♯の位置に家族写真を留めておこうか


[22970] 33:半 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時24分

あの日から微かな揺れにも涙する三半規管をなだめなくては


[22969] 091:埋 五人 2004年10月27日 (水) 22時24分

埋め戻す遺跡の上に立つビルは百年の後跡形もなく

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[22968] 32:薬 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時23分

散りかけた芍薬に集う蜂の群れ雨雲にさえ気づかずにいる


[22967] 090:木琴 五人 2004年10月27日 (水) 22時23分

木琴の微かにズレたドレミこそ楽しき音の記憶なりけり

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[22966] 31:肌 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時22分

病人の肌着を買いに行くところ からし菜色のサンダル履いて


[22965] 089:歩 五人 2004年10月27日 (水) 22時21分

歩めば止まれ立てば座れも親心そして眠れよ口閉じて

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[22964] 30:捨て台詞 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時21分

「ねえあなた、この捨て台詞でよかったの?」「巻き戻してまたやり直そうか」


[22963] 088:句 五人 2004年10月27日 (水) 22時20分

数カ月デスクトップのフォルダにはあれやこれやで句沢山かな

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[22962] 091:埋 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 22時20分

胸の中ひとつかふたつ地雷埋め去りし男の消息を聞く


[22961] 29:太鼓 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時20分

和太鼓の音が林に響きだす青い眼のジョン乱れ打ちする


[22960] 090:木琴 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 22時20分

クリスマスプレゼントとなる木琴の半音部分わたくしのため


[22959] 089:歩 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 22時19分

靴下を拾って歩く役目にて足跡たどる双子と夫の


[22958] 28:着 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時19分

論文の着眼点はいいのだ・・と教授は古書の表紙を撫でる


[22957] 088:句 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 22時19分

海外で一年レジの横入り文句ひとつも浮かばぬままに


[22956] 27:天国 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時18分

会うたびに二人は別れを引き寄せる(次に会うのは、天国ですね)


[22955] 026:芝 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時17分

人生が紙芝居なら楽だった 裏に回れば筋書きがある


[22954] 071:追 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 22時16分

質問はしないでおいて、3年後不意に追求してきたりする。

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[22953] 25:怪談 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時16分

大声を出すきっかけをありがとう 怪談を聞き 憂いは去った


[22952] 24:ミニ 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時15分

ミニチュアのティーカップだけを握りしめ無人駅から旅立っていく


[22951] 070:にせもの 加藤苑三 2004年10月27日 (水) 22時15分

毒々しい色の砂糖でつくられたにせものサンタ。ウソはかわいい。

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[22950] 23:望 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時14分

霧の中 展望台から見下ろせば 木立の中に浮かぶ一行


[22949] 022:上野 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時13分

僕たちが上野の森で会ったときベンチに青い鳥が座った


[22948] 021:胃 実上祐子 2004年10月27日 (水) 22時12分

冗談も或る日胃壁を傷つける 笑みの後ろに隠したカード


[22947] 100:ネット  伊勢谷小枝子 2004年10月27日 (水) 21時53分

ねえそこにだれかいますかいませんか(インターネットにからまったまま)

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[22946] 099:絶唱  伊勢谷小枝子 2004年10月27日 (水) 21時52分

絶唱に最も遠いところから聞こえますかとささやくつもり

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[22945] 098:溺  伊勢谷小枝子 2004年10月27日 (水) 21時52分

沈んだらいちばん底にあったのは羊水の海で溺れた記憶

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[22944] 097:曖昧  伊勢谷小枝子 2004年10月27日 (水) 21時51分

心理学用語で言えば「曖昧さ耐性」がやや高いってこと

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[22943] 096:類  伊勢谷小枝子 2004年10月27日 (水) 21時50分

知っているどれかひとつに分類し、名前をつければ安心でしょう?

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[22942] 073:廊 佐藤麦 2004年10月27日 (水) 20時56分

雨の日の渡り廊下で立ち止まる思いがけない自由があった


[22941] 072:海老(再投稿) 佐藤麦 2004年10月27日 (水) 20時53分

ぼたん海老背わたちぎってチューブから心掴めず強く押し出す


[22940] 072:海老 佐藤麦 2004年10月27日 (水) 20時48分

ぼたん海老背綿ちぎってチューブから心掴めず強く押し出す


[22939] 071:追 佐藤麦 2004年10月27日 (水) 20時46分

好き好きと縋りついたら居なくなるこのミステリの筋が追えない


[22938] 032:薬 良子 2004年10月27日 (水) 20時38分

えきたいがわたしのいちぶになっていくのがうれしくて目薬をさす


[22937] 031:肌 良子 2004年10月27日 (水) 20時36分

まるめろの木陰にうっとり立っている少女の肌も清めて五月


[22936] 100:ネット 竹田正史 2004年10月27日 (水) 20時15分

闇の中で触手だけ感じている痛みをネットというものらしい


[22935] 099:絶唱 竹田正史 2004年10月27日 (水) 20時14分

「奇妙な果実」 byビリー・ホリデー
悲しみが絶唱となる夜ならば 血の匂いする果実よ眠れ


[22934] 098:溺 竹田正史 2004年10月27日 (水) 20時13分

月の夜に河童の溺死があげられて僕たちの秘密がひとつ増えた


[22933] 097:曖昧 竹田正史 2004年10月27日 (水) 20時12分

曖昧な記憶をたよりに去年みた冬のひまわりを探しています


[22932] 062:胸元 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時12分

胸元を覗く快感覗かれる快感朝の秘密取引

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[22931] 096:類 竹田正史 2004年10月27日 (水) 20時12分

もし君が魚類ならば月の夜にとどかぬ海を泳ぐのだろう


[22930] 061:高台 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時11分

高台に建つ家だからちょっとだけ天国からもよく見えるよね

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[22929] 060:とかげ 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時07分

とかげより我儘だろう生きる為傷つくことを欲する君は

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[22928] 059:矛盾 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時06分

溶け合ったコーヒーとミルクのようにスキとキライは矛盾しない

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[22927] 058:八 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時06分

八つ当たりでも抱きしめて愛したい 冗談ならば蹴り倒したい

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[22926] 057:表情 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時04分

いつもより表情はけわしくていつものようにやさしい こわい

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[22925] 056:磨 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 20時00分

愛嬌も磨きぬかれたゆびさきもこの日の為にあったのだろう

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[22924] 055:日記 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 19時59分

この頃は日記の為に眠れない夜ばかりだ なにがなんだか

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[22923] 054:リスク 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 19時58分

オベリスクもミナレットもすっと立ち幾千年の空を見てきた

http://chiakiyuhka.easter.ne.jp/


[22922] 053:墨 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 19時57分

墨汁の書道以外の使い道を知ったときに何かを捨てた

http://chiakiyuhka.easter.ne.jp/


[22921] 052:部屋 桂木未輝 2004年10月27日 (水) 19時55分

この部屋はもうすぐ枯れるうつろいゆく菊のようにつめたい速度で

http://chiakiyuhka.easter.ne.jp/


[22920] 100:ネット みに 2004年10月27日 (水) 19時47分

こんなにも強くネットが引き寄せた 電話線こそ赤い糸です

http://mini.pussycat.jp/


[22919] 099:絶唱 みに 2004年10月27日 (水) 19時46分

沿道に溢れんばかりの絶唱が我に勇気を与えてくれた

http://mini.pussycat.jp/


[22918] 070:にせもの 佐藤麦 2004年10月27日 (水) 19時30分

良く出来たにせものでゐるためだけにずっと涙を流し続けた


[22917] 100:ネット 渡部光一郎 2004年10月27日 (水) 19時12分

個を覗きまた個をのぞきまたのぞき 夏も近づきネット・サーフィン


[22916] 091:埋 2004年10月27日 (水) 18時51分

訓読みの埋立地より渡り来し風に冷えゆく我が後頭部


[22915] 085:再会 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時53分

二の酉のにぎわい抜けてりんごあめ齧って幕切れのような再会


[22914] 084:抱き枕 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時46分

屈託のくびれを持てる抱き枕裏返されて押し返されて


[22913] 083:皮 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時46分

細く細く林檎の皮を永遠に剥きつづけるの 端を持ってて


[22912] 082:軟 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時46分

うまくゆくはずだったのに軟骨がきしんで痛むような諍い


[22911] 081:イラク 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時45分

愛という花言葉もつ花たちをイラクの空より降らせてみたし


[22910] 080:縫い目 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時44分

背にある粗き縫い目をほどかれてほんとうの中身があふれてしまう


[22909] 079:整形 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時44分

蓬髪の整形外科のT医師の右だけかかとの減ったサンダル


[22908] 078:洋 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時44分

われの知る三人の洋子そのうちの一人もついに独身となり


[22907] 066:鋼 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時43分

鋼描く素描の如き眼差しを向けられている気がする日毎


[22906] 077:坩堝 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時43分

血縁は坩堝のごとし伯父叔母の英雄譚に聞き耳たてる


[22905] 076:降 田中槐 2004年10月27日 (水) 16時43分

九回裏二死満塁で降板のピッチャーみたい とりあえず寝る


[22904] 065:水色 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時42分

ビルディング群の彼方は水色でソノシートとか売っていますか


[22903] 064:イニシャル 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時40分

はつなつのイニシャルだけが固まってM アンド K S アンド W


[22902] 063:雷 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時39分

酩酊を許されていて雷のにおいのシャツのいかずちを抱く


[22901] 062:胸元 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時37分

ふくらみのあさい胸元に頬当てている/このような隠し事って


[22900] 061:高台 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時35分

高台に行ってはダメと云い止(さ)せている/このような隠し事って


[22899] 060:とかげ 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時33分

飼っているとかげは既に逃げだしている/このような隠し事って


[22898] 059:矛盾 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時32分

左手の指輪はいつもつけたまま矛盾を埋めるように埋められ


[22897] 058:八 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時30分

「若いから八回…」って触れてくるさっきまでぼくが勝っていたのに


[22896] 057:表情 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時28分

年下にうすいところをふれられてアルカリ性の表情をせり


[22895] 056:磨 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時27分

稚ければメガネのレンズ磨くごと天つ光を浴びる藻類


[22894] 055:日記 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時23分

12月7日は僕のたんじょう日日記のような短歌は止めろ


[22893] 054:リスク 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時22分

勢いに任せて何もなにもかも飲む酒リスク多く愉しも


[22892] 053:墨 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時19分

憂鬱にただに臥しおるひと日はも墨で描かれし天伝う龍


[22891] 052:部屋 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時17分

夕餉後に部屋でたゆたうきみと猫=猫とぼくとが向かいあい居り


[22890] 051:痛 魅弥華韻 2004年10月27日 (水) 16時15分

青空が突き指みたく痛いです靴紐のない靴を履きつつ


[22889] 100:ネット 江村彩 2004年10月27日 (水) 15時00分

網の目でつなぐつながるネットにて何かがきっとこぼれて落ちる


[22888] 100:ネット 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 15時00分

友、遠方より集ひてネットを走る花の日も嵐の日々も


[22887] 100:ネット 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時57分

師の訃報ネット上にて知る夜を永く忘れず忘れずにいる


[22886] 099:絶唱 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時53分

絶唱の一語が耳を離れざる(われをとどめよ)とどめたき、きみ


[22885] 098:溺 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時52分

コクトーの阿片に溺れる人生を疼痛として受けとめる夜


[22884] 097:曖昧 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時50分

曖昧に何もしない時間(とき)降り続き鎖骨のくぼみに寒さがたまる


[22883] 096:類 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時48分

何処にて越冬するか比類なき寒さのがれる術を知らない


[22882] 095:油 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時46分

つばき油を髪になじませ撫でつける細く悲しい雨降る気配


[22881] 094:遠 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時43分

夜行バス乗り込む人の荷とともに心も遠く運ばれゆくを


[22880] 093:列 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時42分

ひたぶるに殉(したが)うことはさびしけれ菊花展に咲く白菊の列


[22879] 092:家族 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時40分

旅立てる家族見送るような朝 足音消えししじまを抱く


[22878] 091:埋 杉森多佳子 2004年10月27日 (水) 14時38分

本の中栞埋もれて挟まれり 「さびしい夢をひとり見ていた」


[22877] 100:ネット なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 14時14分

ぼくたちはなんども生まれそこなってインターネットの海に浮かぶよ

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22876] 099:絶唱 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 14時13分

絶唱に濡れてしまった胸部から赤いリボンがするする伸びる

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22875] 092:家族 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 14時11分

ためらいのあとにはしずかな波が来てもう家族ではなくなることの

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22874] 098:溺 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 14時11分

琥珀のなかの蟻は溺れたのでしょうか誰かと住んで窓にともす灯

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22873] 097:曖昧 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 14時10分

からすうり握ったまんま曖昧に笑ったまんまおわかれをした

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22872] 091:埋 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 14時10分

蝶を埋めてふたり小指をからめあうひかりのほかは降らない丘に

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22871] 090:木琴 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 14時09分

なにかやにわにさみしさがきてめちゃくちゃに黒い木琴をたたいた日暮れ

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22870] 096:類 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 14時09分

類別にふり分けられて運ばれて月の砂漠に降ろされました

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22869] 099:絶唱 江村彩 2004年10月27日 (水) 13時50分

鳥の歌降りやみしのちわが耳にひとつ残るを絶唱と知る


[22868] 098:溺 江村彩 2004年10月27日 (水) 13時50分

水族をまぶしみて見る手足もつわれはプールでさえも溺れる


[22867] 097:曖昧 江村彩 2004年10月27日 (水) 13時49分

曖昧な笑みを返しているうちにスクランブル・エッグとなりし朝食


[22866] 096:類 江村彩 2004年10月27日 (水) 13時49分

「未分類」なる書類箱置くこころ猶予も生れるような錯覚


[22865] 100:ネット 高見里香 2004年10月27日 (水) 13時41分

生活の一部となったあの日からネットする我は我の一部


[22864] 099:絶唱 高見里香 2004年10月27日 (水) 13時32分

絶唱のごとき燃えたる壮年の恋のようなる紅葉色づく


[22863] 083:皮 大江ケンジ 2004年10月27日 (水) 13時20分

日焼けした皮膚を肩から背にむけて剥かせてあげる汗がひいたら

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/9680/


[22862] 100:ネット 杉田加代子 2004年10月27日 (水) 12時45分

完走を言祝ぎて詠めるうた
 おほぶねのゆたにたゆたふネットの海(み)にわが百(もも)うたの舟出見送る


[22861] 099:絶唱 杉田加代子 2004年10月27日 (水) 12時44分

秋天を渡れる鳥のこゑ高し吾(あ)の絶唱に添ひくるるごと


[22860] 098:溺 杉田加代子 2004年10月27日 (水) 12時44分

をざかりのきみが恋する水瓶座深みてゆかば溺るるまでよ


[22859] 030:捨て台詞 良子 2004年10月27日 (水) 12時40分

各国の捨て台詞だけを寄りぬいた本はあんまり売れなかったな


[22858] 029:太鼓 良子 2004年10月27日 (水) 12時38分

とびきりの澄んだこころで叩いてもくもりが残るのが小太鼓で


[22857] 028:着 良子 2004年10月27日 (水) 12時36分

さあ、ヨハン。着地のときの足どりはみてあげるから、出かけておいで。


[22856] 027:天国 良子 2004年10月27日 (水) 12時35分

天国をうたう歌にはふね型とうずまき型があるんですって


[22855] 026:芝 良子 2004年10月27日 (水) 12時34分

蜂蜜をそそぐみたいな進行でまるめこんでく芝居だったね


[22854] 025:怪談 良子 2004年10月27日 (水) 12時27分

日にやけた文庫で読んだ怪談はばらばらほどけていきそうだった


[22853] 090:木琴 矢野伎理子 2004年10月27日 (水) 12時14分

おさかなの形をしてる木琴の音板八つで表すキモチ

http://nadja.babyblue.jp/


[22852] 089:歩 矢野伎理子 2004年10月27日 (水) 12時13分

真夜中の稽古の帰り歩道橋吼える僕らは確かに飢えて

http://nadja.babyblue.jp/


[22851] 088:句 矢野伎理子 2004年10月27日 (水) 12時13分

ありふれたふたりが海の夕暮れに常套句からはみだしてゆく

http://nadja.babyblue.jp/


[22850] 087:混沌 矢野伎理子 2004年10月27日 (水) 12時12分

繋がったままで空へと失速しせかいは遠く混沌となる

http://nadja.babyblue.jp/


[22849] 086:チョーク 矢野伎理子 2004年10月27日 (水) 12時11分

まっさらのチョークが折れる音が好き折れてしまったチョークは嫌い

http://nadja.babyblue.jp/


[22848] 099:絶唱(再投稿) 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 12時02分

薄紙におぼろとなりしタイトルは絶唱叢書夭折編と


[22847] 095:油 江村彩 2004年10月27日 (水) 11時00分

オリーブ油の小皿を置きし食卓にさみどりの海ひろがる気配


[22846] 094:遠 江村彩 2004年10月27日 (水) 10時59分

昨日より遠い過去ほど饒舌になりて記憶をたどる祖母(おおはは)


[22845] 093:列 江村彩 2004年10月27日 (水) 10時59分

連なりて列車待ちおりつながりてうつむきがちに運ばれんため