[22844] 092:家族 江村彩 2004年10月27日 (水) 10時59分

三代の家族写真に伸びゆくは姪らの背丈 萌の、桜の


[22843] 091:埋 江村彩 2004年10月27日 (水) 10時58分

鳥を埋め金魚を埋めし庭もろとも回想のうちにのみある生家


[22842] 039:モザイク 浦 奈保美 2004年10月27日 (水) 10時37分

数万の生きてる蝶を埋め込んだモザイクタペストリーの恐怖です


[22841] 038:連 浦 奈保美 2004年10月27日 (水) 10時31分

仮想キーボードを連打bakabakabakaもう泣きそうな窓の雲です


[22840] 098:溺 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 10時10分

溺愛の対象を求めて群がりしペットショップに老男老女が


[22839] 037:愛嬌 浦 奈保美 2004年10月27日 (水) 09時49分

有る無しと測られ続けた愛嬌でしたが先刻家を出ました


[22838] 097:曖昧 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 09時40分

曖昧な心コトコト煮詰めれば苦き思ひに夕やけは焼け


[22837] 036:流 浦 奈保美 2004年10月27日 (水) 09時21分

風が止んでも轟々とわたくしのからだを流れる水の音です


[22836] 088:句 杉山理紀 2004年10月27日 (水) 09時09分

水色をだいなしにして透きとおる光の加減 文句なく、くる

http://page.freett.com/sugi8ma/


[22835] 090:木琴 2004年10月27日 (水) 08時44分

木琴の「ド」の位置よりも不確かな温度のシャワーコックを開く


[22834] 032:薬 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 08時42分

薬瓶棚に収めるしづけさよ冬の入日は差し込みてをり


[22833] 089:歩 2004年10月27日 (水) 08時15分

すれ違う「歩け歩けの人たち」の会釈が僕を追い越してゆく


[22832] 096:類 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 07時05分

ひたひたと人間世界を侵す ほら貴方の口から増粘多糖類


[22831] 095:油 長谷川と茂古 2004年10月27日 (水) 06時47分

「野菜を食べないならひまし油をお飲み」 子どもには究極の選択


[22830] 089:歩 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時33分

なべて世は鼓腹撃壌桑海に巨人の一歩いま印される

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22829] 088:句 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時31分

尽忠の俳句は措きて百首もの歌を詠まむとあくがれ出る

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22828] 087:混沌 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時27分

混沌を泳ぎきつたら太陽の中で焼き尽くされてゐました

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22827] 086:チョーク 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時27分

黒板と黒板拭きと黒板拭きクリーナーとがチョークを責める

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22826] 085:再会 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時26分

刎頚の竹馬の友よ再会を約すことなど忘れてました

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22825] 084:抱き枕 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時26分

抱き枕との隙間を無くすことなどを愛と呼んだら大げさだらう

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22824] 083:皮 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時25分

羊皮紙にギリシャ語で書く戯れ歌にモーゼが海を渡ることなど

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22823] 082:軟 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時25分

水に硬軟のある世界をあとにして三途の川を流れる純水

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22822] 081:イラク 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時24分

オーケストラは分裂す大きい方がイラン小さい方がイラクに

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22821] 080:縫い目 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時24分

縫い目より漏るゝ血と肉印象派なら言ふだらう斧琴菊(よきこときく)と

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22820] 079:整形 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時24分

幼児期の音の記憶に刻まれたパルナス・タカスギ・はぎや整形

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3151/


[22819] 078:洋 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時23分

『西洋道中膝栗毛』なる文庫本古びて棚に積まれてゐたり

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[22818] 077:坩堝 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時22分

坩堝より天の瓊矛がすくひとるしずくふたつを絵島生島

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[22817] 076:降 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時22分

降る雪を辿りて天に昇りつゝ名曲喫茶ライオンの夜

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[22816] 075:あさがお 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時21分

にじいろのあさがほが咲く誘惑といふ言葉には手が含まれる

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[22815] 074:キリン 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時21分

東京へ自転車で行く計画もキリンレモンの泡の所為です

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[22814] 073:廊 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時20分

戦争が廊下の奥からゆつくりと分裂しつゝ歩きはじめる

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[22813] 072:海老 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時20分

十一代海老蔵の眼を搭載し故郷を目指す軍事衛星

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[22812] 071:追 中村安伸 2004年10月27日 (水) 06時19分

ミサイルに追はれる夢を見続けてダブルベッドはもう水びたし

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[22811] 045:家元  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 05時38分

立川流家元塩辛声をして「人間一度は死ぬんだからさ」

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[22810] 044:ダンス  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 05時37分

ワンテンポずれてはいるがステップは間違ってないうさぎのダンス

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[22809] 043:濃  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 05時36分

それぞれのやりきれなさに見上げれば濃縮還元果汁の夕陽

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[22808] 042:映画  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 03時56分

映画狂のあなたが壁に常備するパスタのためのテニスラケット

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[22807] 041:血  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 03時31分

魔女の子は血で空を飛ぶ にんげんのこどものことはよくわからない

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[22806] 040:ねずみ  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 03時30分

目隠しをされたねずみが駆けまわる白く明るい迷路だここは

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[22805] 039:モザイク  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 03時02分

とんがった心がいつか透きとおりますようガラスモザイクガール

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[22804] 038:連  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 03時02分

連結の部分は脆く曲がるたびうねる蛇腹のような呼吸を

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[22803] 095:油 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 02時35分

哀愁の菜種油をたらしつつフライパン振るミセスロビンソン

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[22802] 094:遠 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 02時34分

遠くまで行こうとしてたサボテンはかがやく棘を夜空に向けて

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[22801] 093:列 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 02時33分

一列に並んでうっすらももいろに変われるときをじっと待ってる

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22800] 092:家族 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 02時29分

家族からわたくしを引く真夜中のぎゅーんと音する冷蔵庫から

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[22799] 091:埋 なかはられいこ 2004年10月27日 (水) 02時29分

紫陽花の根元に埋める父さんに青い付箋を貼っておきます

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22798] 030:捨て台詞 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 02時00分

捨て台詞吐くくちびるの青ざめて自転空間ひたすらまはる


[22797] 037:愛嬌  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 01時59分

あれは五月、花咲く庭に立ち尽くす愛嬌のないむすめであった

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[22796] 036:流  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 01時58分

安っぽい抒情を消して過ぎてゆく流線型のそのさきの声

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[22795] 035:二重  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 01時55分

二重橋飾電燈のあめふればあめふるままにけぶれる明治

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[22794] 034:ゴンドラ  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 01時54分

シースルーゴンドラに乗る勇気にて告げるべし大空が味方だ

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[22793] 029:太鼓 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時54分

小太鼓の連打芒の穂のごとし銀のなみ黄泉へつづけり


[22792] 033:半  久野はすみ 2004年10月27日 (水) 01時53分

天球を支えるものを見失う三半規管とろりと溶けて

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[22791] 028:着 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時44分

着払ひの宅急便の送票は茜色なり柘榴色なり


[22790] 027:天国 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時33分

天国に行きたしといふ人の顔いじわるなりし冬となりゆく


[22789] 089:歩 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 01時33分

三月の膝ひからせて駅前の横断歩道をわたりはじめる

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22788] 088:句 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 01時32分

夜の海のごとプリンタは紙を吐き世にあふれだす私家版句集

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22787] 087:混沌 ひぐらしひなつ 2004年10月27日 (水) 01時32分

混沌を諾いながら空缶を握ればすこし凹む あかるい

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[22786] 026:芝 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時28分

枯芝に墜落してるブーメラン南の国の模様のありぬ


[22785] 025:怪談 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時26分

怪談の挿絵の女君に似て草の匂ひの噎せかえる夜


[22784] 092:家族 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時24分

新しい仕事に慣れていくように僕らが家族になってゆく日々

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22783] 091:埋 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時24分

今夜また掘りかえしては埋め戻す毎日確かめないと不安で

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22782] 090:木琴 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時23分

ころころと木琴撫ぜる音に似て春の雨鳴る一人の朝も

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22781] 089:歩 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時22分

さっきまで波打ち際を歩いてた顔で無心に伸ばし来る指

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22780] 023:望 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時22分

望みなど持たぬと決めし歳月よ桜の一枝手折りて活けむ


[22779] 088:句 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時22分

言い過ぎることも言い足りないことも怖くて句点をやたらとうった

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22778] 087:混沌 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時21分

盗み見るその時の顔混沌をもがくあなたの眉間が愛しい

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22777] 086:チョーク よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時20分

チョークでの落書きはなぜあんなにも楽しかったのだろうあの頃

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[22776] 085:再会 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時19分

この生は再会だからしばらくは君とままごとみたいに暮らそう

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22775] 084:抱き枕 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時19分

私だけ? 抱き枕を買う男って鳥肌モノだと思うんだけど

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[22774] 083:皮 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時18分

「鳥の皮食べられなーい」その顔で佐藤珠緒はどうかと思う

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[22773] 082:軟 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時18分

煮詰まって柔軟体操 息抜きのお湯が沸く間にほぐれろ、からだ

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[22772] 081:イラク よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時17分

「インド洋2回行ったんだからもうイラクは行かずに済むと思うよ。」

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[22771] 024:ミニ 浦川聡子 2004年10月27日 (水) 01時16分

ミニバンの後部座席で眠りゐる月光はただ降りしきるなり


[22770] 080:縫い目 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時16分

この世への入り口の痕君はこの縫い目をぬけて生まれてきたの

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22769] 079:整形 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時16分

整形も経費で落ちる?「職業は叶姉妹。」のあの人たちは

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22768] 078:洋 よごろうざ 2004年10月27日 (水) 01時15分

洋上の給油作業の過酷さを語りたがらぬ友「…おかえり。」「うん。」

http://www.geocities.jp/yogoroza110/


[22767] 100:ネット 我妻俊樹 2004年10月27日 (水) 01時15分

蛇の道にへびの足跡 さようならネット おはようネット ぼくたち

http://cat.zero.ad.jp/gips/


[22766] 099:絶唱 我妻俊樹 2004年10月27日 (水) 01時13分

アンドロメダ界隈なぜか焼け野原 絶唱にふさわしいルビをふる

http://cat.zero.ad.jp/gips/


[22765] 098:溺 我妻俊樹 2004年10月27日 (水) 01時11分

きみはいま溺れる者につかまれた藁 まばたきで泡を数える

http://cat.zero.ad.jp/gips/


[22764] 087:混沌 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 00時52分

電話台下に存在する混沌筆ペン二本消息不明


[22763] 086:チョーク 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 00時52分

授業中生徒にチョーク投げ起こす先生今もいるのだろうか


[22762] 085:再会 奥村 智子 2004年10月27日 (水) 00時51分

親となり上司となりて再会す乾杯後には十八の顔


[22761] 100:ネット みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時38分

ネットから遠く離れているときのわたしは歌をうたわなかった

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22760] 099:絶唱 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時37分

わが歌を絶唱したのち死ねたならわが歌もきっと本望だろう

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22759] 098:溺 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時37分

わたくしの港にたどりつく前に溺れてしまうことばの海で

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22758] 097:曖昧 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時36分

もうやめることにしますと曖昧な笑みを浮かべてまた冬が来る

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22757] 096:類 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時36分

人類のはしくれとしてさけぶのさ「世界の中心は、アメリカじゃない!」

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22756] 095:油 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時35分

人生のフロントガラスに付着した油膜のせいで明日が見えない

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22755] 094:遠 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時35分

三日目のカレーをともに食べながらあなたの遠い眼の中にいる

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22754] 093:列 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時34分

未来さえ変えられなくてぼくたちは途切れてしまう列につくのだ

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22753] 092:家族 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時34分

真夜中のコンビニエンスストアにて幸せそうな家族のふりを

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22752] 091:埋 みうらしんじ 2004年10月27日 (水) 00時33分

競うのは人にまかせてぼくはもうさびれた夢を埋めようとする

http://www.mnet.ne.jp/~miusin/


[22751] 075:あさがお 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時25分

秋の朝しょぼくれて咲くあさがおにひとつ区切りとさわだつ思い


[22750] 074:キリン 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時25分

不自由な首の長さはさておいてそのなで肩のいとしいキリン


[22749] 073:廊 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時25分

うすぐらく長い廊下を歩みきてかじかむ足の冷たさを言う


[22748] 072:海老 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時24分

おもむろに第二関節くっとして、海老の背わたをしゅるしゅると抜く


[22747] 071:追 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時23分

遺品から出て来た楽譜「追憶」のどの思い出にあなたはいるの


[22746] 070:にせもの 田中槐 2004年10月27日 (水) 00時23分

目も耳も手脚も全部にせものです 捨てましょうかね、捨てましょうよ


[22745] 042:映画 兵庫ユカ 2004年10月26日 (火) 23時57分

観たかった映画も終わり暮れ方をカシミヤ山羊の蹄で歩く

http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/


[22744] 041:血 兵庫ユカ 2004年10月26日 (火) 23時56分

血溜まりのようだカセットテープからテープが溢れ出して広がる

http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/


[22743] 040:ねずみ 兵庫ユカ 2004年10月26日 (火) 23時55分

薬効をつるつるいえば秋の夜すべてねずみの犠牲の上に

http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/


[22742] 039:モザイク 兵庫ユカ 2004年10月26日 (火) 23時55分

手の粉を服で拭った存在が光のようなモザイク作家

http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/


[22741] 038:連 兵庫ユカ 2004年10月26日 (火) 23時54分

このままでは秋から冬へ 連想の金の鎖を切るお茶を飲む

http://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo/


[22740] 100:ネット 和良珠子 2004年10月26日 (火) 23時54分

相まみえることは一生ないだろう人と夜どおし語らうネット


[22739] 039:モザイク 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時48分

ムスリムの寺院のモザイク花々は空白をおそれひしめくあはれ

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[22738] 038:連 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時47分

渚は波の連なるところ光なす一行しづかにつぶやきながら

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[22737] 037:愛嬌 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時46分

おそろしい子だ愛嬌のない子だとののしられつつ褒められてをり

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[22736] 036:流 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時44分

髪ながく風に流して名前なき女として立つカインの妻は

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[22735] 035:二重 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時44分

そのむかし二重帝国ありしころ風の皇妃は死神を追ひつ

http://www13.ocn.ne.jp/~sosite/


[22734] 017:免許 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時40分

しまい忘れた免許状が許すもの わたしは何になれるのだろう


[22733] 016:乱 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時39分

乱れ散る花の真下に居残りてことの終わりの安心を抱く


[22732] 015:蜜柑 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時39分

房ごとに筋までを剥く蜜柑から長き沈黙裂けてゆく夜


[22731] 014:オルゴール 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時39分

われ語りすることの愚に気づく夜にオルゴールの蓋ぱたりと閉じて


[22730] 099:絶唱 和良珠子 2004年10月26日 (火) 23時36分

抵抗の果てに漏らしたため息または産声と呼ばれる絶唱


[22729] 013:彩 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時36分

そこにまた重ねられたら滲むだろう水彩絵の具のようなやさしさ


[22728] 012:裸足 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時36分

おぼろなる月のひかりにふれるためアスファルトのうえ裸足であるく


[22727] 011:犬 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時35分

必要とされぬことへのかなしみはあなたの腕に犬歯の跡を


[22726] 010:チーズ 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時35分

シェアしてるピザのチーズが伸びる間はこころまで持ってかれそうになる


[22725] 009:圏外 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時35分

いつのまに暴風域の圏外で抱き合う腕もほどけていたね


[22724] 008:姫 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時35分

姫さまがこの世を受け入れる思いにてプールの底を大きく蹴った


[22723] 007:数学 小林真紀子 2004年10月26日 (火) 23時34分

数学と呼び変えられたその日から恋のつぼみはふくらみました


[22722] 034:ゴンドラ 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時30分

黒死病者の扮装をせし客のせて漕ぎ去る夜明けの黒きゴンドラ

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[22721] 033:半 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時28分

顔を半分のぞかせ「まあ!」とつぶやきて立ち去る市原悦子のやうに

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[22720] 032:薬 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時27分

藤原の薬子は星座になりにけり陰陽師怖ぢ報告はせず

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[22719] 031:肌 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時25分

雨の夜に逢ひたる男の肌のうへ残りしうろこに触れれば逆鱗

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[22718] 098:溺 和良珠子 2004年10月26日 (火) 23時25分

溺れかけた金魚のようだ 私の分の酸素がないと泣く義姉の喉は


[22717] 030:捨て台詞 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時24分

短歌をつづける目的としてこの世への捨て台詞的辞世の一首

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[22716] 029:太鼓 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時23分

おみやげはでんでん太鼓に笙のふゑ 母の背中は弟のもの

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[22715] 028:着 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時16分

とほき雨の夜なりバスの到着をまたず少女は猫に乗りにき

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[22714] 027:天国 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時14分

(なんでもないことなの、ただ天国ってところは、あたしの住むところじゃなさそうだと言いたかっただけ。 〜エミリー・ブロンテ『嵐が丘』より)

キャサリンのさまよふところ地獄にもヒースクリフの天国はある

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[22713] 026:芝 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時12分

芝を横切る影のはやさよにくたいを持つ鳥なれど風を乗り継ぐ

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[22712] 025:怪談 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時11分

本当にあつた話と前置きし語れば怪談「嫁と姑」

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[22711] 024:ミニ 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時09分

白黒の写真で笑ふ若き母ミニスカートがあんぐゎい可愛い

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[22710] 023:望 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時06分

夢を食らふ獏の変種はにんげんに残つた最後の望みを喰らう

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[22709] 022:上野 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 23時04分

上野には獏がをります夢を食べた仲間がえさを運ぶさうです

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[22708] 076:降 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時56分

屋上から紙飛行機が降ってきてそらもあしたも灰色にして

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22707] 075:あさがお 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時56分

もどかしさなんてなかった蒔けば芽が出るあさがおしか知らなかったし

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[22706] 074:キリン 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時55分

棲む世界がちがうってこと、キリン的かっこよさにあこがれているが

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22705] 073:廊 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時55分

回廊をまわってみたら同じ場所に出てしまうような確かさで待つ

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[22704] 072:海老 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時54分

踊るのは得意なんだろう海老原の肩のあたりがへんに動いて

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[22703] 071:追 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時54分

吸う息と吐く息を取り違えてる朝の改札に追い立てられて

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[22702] 070:にせもの 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時54分

にせものの焦燥感とは知りながら遠くに行くにはそれが必要

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[22701] 069:奴隷 魚柳志野 2004年10月26日 (火) 22時53分

いまんとこ必要なのはユーモアで過去の奴隷になることじゃない

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[22700] 021:胃 西橋 美保 2004年10月26日 (火) 22時49分

みづからも家族も喰らひやまぬゆゑ胃袋といふお袋ともいふ

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[22699] 090:木琴 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時28分

木琴の音にまぎれておとうとがしずかに泣いていた晩秋

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[22698] 089:歩 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時27分

お祭りは終わりましたね部屋を出て歩きませんかなにも待たずに

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[22697] 088:句 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時25分

月彦の句集を開く午前二時 電気羊の夢として、雨

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[22696] 087:混沌 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時14分

翌朝のすき焼き鍋の混沌とマーブルチョコの黄色を愛す

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[22695] 086:チョーク なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時13分

アスファルトにチョークで描いたカナリアが羽根をふるわせ冬がはじまる

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[22694] 085:再会 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時11分

それまではいっしょにいよう春楡と風が再会するのを見よう

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22693] 084:抱き枕 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時11分

抱き枕いつつあつめてくみちゃんは入眠儀式のろうそくともす

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[22692] 083:皮 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時09分

いちじくの皮を剥いてるこのゆびがむかし愛したサウザンクロス

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22691] 082:軟 なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時08分

振り向くとちょっぴり痛む日常の柔軟体操いちからはじめ

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22690] 081:イラク なかはられいこ 2004年10月26日 (火) 22時07分

白地図のイラクに色をつけるためみんなで持ち寄るクーピーペンシル

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[22689] 004:ぬくもり 多田百合香 2004年10月26日 (火) 22時00分

ぬくもりの残る優先席に腰かけて各駅停車で帰る

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/5728/


[22688] 026:芝 平岡ゆめ 2004年10月26日 (火) 21時34分

わたくしがわたくしなるを迷うとき芝生は芝生を青々と燃す


[22687] 077:坩堝 ほそかわゆーすけ 2004年10月26日 (火) 21時17分

興奮の坩堝と化した場内で俺は独り、ドアを見つめる

http://www11.ocn.ne.jp/~speed/


[22686] 076:降 ほそかわゆーすけ 2004年10月26日 (火) 21時16分

世界中の欲望をすべて食い荒らせ!パジャマ姿の俺様降臨!

http://www11.ocn.ne.jp/~speed/


[22685] 075:あさがお ほそかわゆーすけ 2004年10月26日 (火) 21時16分

ばあちゃんの家の裏で咲いていた野生のあさがお日陰でも強く

http://www11.ocn.ne.jp/~speed/


[22684] 074:キリン ほそかわゆーすけ 2004年10月26日 (火) 21時16分

目の前でたとえ我が子がライオンの牙を受けてもキリンは泣かない

http://www11.ocn.ne.jp/~speed/


[22683] 073:廊 ほそかわゆーすけ 2004年10月26日 (火) 21時16分

ガキの頃、渡り廊下が俺たちの国境だった。戦争だった。

http://www11.ocn.ne.jp/~speed/


[22682] 085:再会 浅場純子   2004年10月26日 (火) 21時01分

ふたたびの会いとはならじ再会をはたして別れこののちのなき


[22681] 084:抱き枕 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時48分

わが幼抱き枕いらぬと抱きたる人形の足ぶらぶら揺らし


[22680] 083:皮 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時43分

一年に一度は起るわが頭痛何時の生にか頭皮剥がされ


[22679] 082:軟 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時38分

軟弱な君の声音に隠されき太棹のごとき低音部


[22678] 024:ミニ 良子 2004年10月26日 (火) 20時30分

もしあした鉋になっても構わないなんて気になるミニマルアート


[22677] 023:望 良子 2004年10月26日 (火) 20時29分

望遠の精度をきそうカメラマンたちにさらした兎の影は


[22676] 081:イラク 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時28分

イラン・イラク三十年経つあの川の岸の話はいづくの国ぞ


[22675] 022:上野 良子 2004年10月26日 (火) 20時27分

上野にはハトはいますかハトが啼く声で目覚める子らはいますか


[22674] 021:胃 良子 2004年10月26日 (火) 20時26分

おごそかな食事のあとでゆったりと胃の腑のあたりを膨らますひと


[22673] 080:縫い目 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時18分

ジグザグの縫い目にのこる鉤裂きの子牛の恋の柵に上りて


[22672] 079:整形 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時15分

ととのふること苦手なる私の整形なれる人形の首


[22671] 069:奴隷 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 20時10分

たしかあの「恋の奴隷」はきっとあの奥村ちよのコミックソング


[22670] 078:洋 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時07分

洋々とはろばろとしてイギリスを英吉利と知りたる十歳の夏


[22669] 068:傘 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 20時06分

もう一度巡り会うため百円のビニール傘も借りたら返す


[22668] 077:坩堝 浅場純子   2004年10月26日 (火) 20時04分

とりたてて物語ることなどなき筈が手元に残りし坩堝鋼


[22667] 067:ビデオ 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 20時04分

録画して積み重ねてる裏ビデオお願いします触れてください


[22666] 066:鋼 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 20時01分

鳥葬は出来ないラらら科学の子鋼は哀し神経細胞


[22665] 065:水色 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時52分

制服は薄水色のワンピース似合わないので依願退職


[22664] 064:イニシャル 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時49分

一時限一ページ目から埋め尽くすこの世で一番すきなイニシャル


[22663] 063:雷 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時45分

雷鳴に殺し文句の迷いから覚めてお家に走って逃げる


[22662] 088:句 2004年10月26日 (火) 19時41分

句読点にしては大きな点打って解答欄を埋めてゆきたる


[22661] 062:胸元 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時39分

胸元のジュースの染みはあなたから見るとあくまで血溜まりなのね


[22660] 098:溺 みに 2004年10月26日 (火) 19時36分

思い切り夢にまで見た幸せに溺れてみたらがっかりだった

http://mini.pussycat.jp/


[22659] 098:溺 資延英樹 2004年10月26日 (火) 19時25分

溺れさうになつたあなたの足首は思つたよりもあたたかかつた


[22658] 061:高台 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時24分

高台の外人墓地でデートしていったい何がすれ違ったんだろ


[22657] 060:とかげ 佐藤麦 2004年10月26日 (火) 19時22分

さばさばとチビた尻尾はちぎってくとかげは薄ら会心の笑み


[22656] 030:捨て台詞 沓澤誠一郎 2004年10月26日 (火) 18時39分

捨て台詞だつて冷凍庫の奥に残つてゐるよひしやげたままで


[22655] 029:太鼓 沓澤誠一郎 2004年10月26日 (火) 18時38分

雑踏はとほき密林と繋がりて聞こへきたれる原初の太鼓


[22654] 076:降 岩崎一恵 2004年10月26日 (火) 18時34分

バス降りてここからは雨 晴れるまで歩いたならばあなたに会える 

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[22653] 075:あさがお  岩崎一恵 2004年10月26日 (火) 18時33分

からだじゅうひかりに満たされるためにそっと螺旋をほどくあさがお

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[22652] 074:キリン  岩崎一恵 2004年10月26日 (火) 18時33分

アキノキリンソウ、と書かれてそれっきり埋まらぬパズル 空しずかなり

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[22651] 073:廊  岩崎一恵 2004年10月26日 (火) 18時32分

図書室へつづく廊下ですれ違う、野ウサギ、らくだ、種蒔く男、

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[22650] 072:海老 岩崎一恵 2004年10月26日 (火) 18時32分

海老として輪廻を閉じる水底の巣穴にほそき脚をたたんで

http://www.asahi-net.or.jp/〜ht1k-iwsk/index.html


[22647] 028:着 沓澤誠一郎 2004年10月26日 (火) 17時53分

元気です不時着した青い星の生物はみんな死んでしまったけど


[22646] 027:天国 沓澤誠一郎 2004年10月26日 (火) 17時47分

天国の駅をいくつか乗り過ごしまどろみの果てに待つものを待つ