[22052] 024:ミニ 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時26分

望まれて乗ったジェミニの助手席でなぜ怪談を聞かねばならぬ


[22051] 045:家元 ヨシノタマキ 2004年10月24日 (日) 22時25分

家元と元家元の元の家 元々家ともいえぬ家ゆゑ


[22050] 023:望 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時25分

上野(こうずけ)に忠次を訪ねその厚き人望を知る「呑ミニ行コウヨ」


[22049] 022:上野 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時25分

胃袋はからっぽのまま橋の上野川公園眺望美し


[22048] 021:胃 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時24分

遊撃手はじいた球を胃で受ける上野の森の野球場にて


[22047] 044:ダンス ヨシノタマキ 2004年10月24日 (日) 22時24分

おんなのこのはずだったぼくのゆめ オーロラのスカートが翻るよ あれがダンス


[22046] 020:遊 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時24分

風呂沸かし遊女の湯浴みを覗きいる下男は酸いた胃液を戻し


[22045] 019:沸 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時24分

ロビーには沸きたつほどの人の群れ罪な遊びの報復として


[22044] 018:ロビー 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時23分

無免許で製造したる麦酒呑むサッポロビールの星が沸くまで


[22043] 017:免許 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時23分

乱世には役に立たない自分ですご免許してロビーの隅で


[22042] 016:乱 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時23分

夏蜜柑たわわに揺れる海沿いを乱れて走れ免許不所持で


[22041] 015:蜜柑 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時22分

オルゴール博物館の扉から蜜柑色した叛乱が来る


[22040] 014:オルゴール 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時22分

上戸彩の曲がながれるオルゴール温州蜜柑ころがる先に


[22039] 013:彩 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時21分

足袋裸足でにげる二人の安らぎは虹彩認証式オルゴール


[22038] 012:裸足 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時21分

犬山の城を裸足であるきたい彩り深き靴下を脱ぎ


[22037] 011:犬 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時21分

マルチーズの子犬が自分の脚で立ち裸足の我にすり寄る仕草


[22036] 010:チーズ 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時20分

<圏外>の表示を胸に齧りかけのチーズ手にして犬とたわむる


[22035] 009:圏外 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時20分

姫路城、大気圏外から撮れば「チーズ」の声も要らぬ仕上がり


[22034] 008:姫 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時19分

数学で謎は解けない姫反りを傷めた弓は圏外に消ゆ


[22033] 007:数学 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時19分

土曜日の午後はいち、に、と数学ぶ我が家の姫の機嫌はいかに


[22032] 006:土 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時19分

名前ごと土に還ってしまうまで老数学者旅路の果てに


[22031] 005:名前 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時18分

ぬくもりの加賀を治めし大大名前田利家いまも郷土に


[22030] 004:ぬくもり 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時18分

運転士は運転台を過ぎゆきぬくもりのそらと名前を視認し


[22029] 003:運 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時17分

安心を運ぶためにも守りぬくもりに棲みたるすべてのいのち


[22028] 002:安心 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時17分

空は晴れ行こう倶知安心まであたたまる湯へ開運の旅


[22027] 001:空 村田 馨 2004年10月24日 (日) 22時16分

ネット歌会に空しき声はもう途絶えひと安心の結末である


[22026] 100:ネット コメット 2004年10月24日 (日) 22時08分

甘ったれの自閉群像夜明けまでSOSがネットを行き交う


[22025] 099:絶唱 コメット 2004年10月24日 (日) 22時06分

月蒼き夜を渡る鳥の声ひとつ去りゆく季節の絶唱となる


[22024] 098:溺 コメット 2004年10月24日 (日) 22時03分

台風の過ぎ去りし朝の空を抱き溺れてしまいそうな水溜まり


[22023] 097:曖昧 コメット 2004年10月24日 (日) 22時01分

立ちはだかる秋雨前線曖昧に笑って君は問いに答えず


[22022] 096:類 コメット 2004年10月24日 (日) 21時59分

進化とは滅びへの道類人猿の掌中の枝は原爆になる


[22021] 095:油 コメット 2004年10月24日 (日) 21時55分

こじつけの海外派兵みえみえの石油資源が背後にちらつく


[22020] 094:遠 コメット 2004年10月24日 (日) 21時53分

まちあかりに埋もれる極星北天の遠き呼び声は今を問い質す


[22019] 093:列 コメット 2004年10月24日 (日) 21時51分

水色の時の鉄柵跳び越えてひつじの列は未だ途切れない


[22018] 092:家族 コメット 2004年10月24日 (日) 21時47分

長女死に長男巣立ち犬猫よきみらも一員わが核家族


[22017] 091:埋 コメット 2004年10月24日 (日) 21時45分

邪な慕情身体もろともに土中深く埋葬すべし


[22016] 090:木琴 コメット 2004年10月24日 (日) 21時43分

端正なツゲの生け垣奥処より月火水木琴の音響く


[22015] 059:矛盾 佐藤麦 2004年10月24日 (日) 21時42分

どこまでも線路は続く僕たちの二股愛の矛盾孕んで


[22014] 089:歩 コメット 2004年10月24日 (日) 21時40分

成金の特典はなし凡庸に歩として我ら盤外を生く


[22013] 083:皮 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時39分

目の前で林檎の皮を剥いてゆく二人の未来占うように


[22012] 082:軟 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時38分

発想がどれも硬くて腹が立つ柔軟材を飲まされたいか!


[22011] 081:イラク 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時37分

イラクにも花は咲きます生きてますたやすく私を摘み取らないで


[22010] 088:句 コメット 2004年10月24日 (日) 21時37分

息絶えた娘絶句する夕べ動機不明の闇は広がる


[22009] 080:縫い目 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時36分

目の前の背広の縫い目いつまでも合わないでしょう 振り向かないで


[22008] 079:整形 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時35分

整形外科A棟に住む斉藤氏「もうすぐ死ぬ」と言い早九年


[22007] 087:混沌 コメット 2004年10月24日 (日) 21時34分

創世の混沌辛くも抜け出して地に赤白のコスモスは咲く


[22006] 078:洋 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時34分

東洋か西洋かではなくどちらでも効き目があるもの全て試して


[22005] 077:坩堝 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時33分

興奮の坩堝と化した球技場 天と地さえも分からなくなる


[22004] 039:モザイク マーシー 2004年10月24日 (日) 21時33分

モザイクの朝なんてもう ゴーガイルゴーガイル魔除のゴーガイル


[22003] 076:降 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時32分

降るように短歌(うた)が次々生まれれば他の仕事に響かないのに


[22002] 086:チョ−ク コメット 2004年10月24日 (日) 21時32分

煽動者Kに向かって必殺のチョ−クを投げた塾2時限目


[22001] 075:あさがお 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時31分

ゆるやかに花開いてくあさがおのグラデーション朝日を浴びて


[22000] 074:キリン 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時30分

サバンナをキリンが移動するように泡立草はやさしく揺れる


[21999] 085:再会 コメット 2004年10月24日 (日) 21時30分

四十年ぶりの再会東京のスパで初恋の人と夜を明かす


[21998] 073:廊 山田 明 2004年10月24日 (日) 21時29分

夕暮れの廊下に映る長い影鬼さえ居らず伸び続けてく


[21997] 84:抱き枕 コメット 2004年10月24日 (日) 21時27分

晩秋の脆きひかりよ幾夜明け夢に子を抱き枕を濡らす


[21996] 089:歩 長谷川と茂古 2004年10月24日 (日) 21時26分

回覧に「迷ひ亀預かつてます」とありその亀の歩みを思ふ


[21995] 083:皮 コメット 2004年10月24日 (日) 21時24分

熟考の末の企画書表皮的状況把握と一蹴される


[21994] 040:ねずみ 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時24分

さっきから誰かわたしを齧ってる 乾いたままのこころに、ねずみ


[21993] 039:モザイク 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時23分

ありえない一日だったモザイクにしてめちゃくちゃのなかったことに


[21992] 082:軟 コメット 2004年10月24日 (日) 21時22分

語ってはならぬ真実ある時は君が軟体動物であること


[21991] 081:イラク コメット 2004年10月24日 (日) 21時18分

虚勢張りしイラクの悲劇幻の大量破壊兵器に滅びる


[21990] 079:整形 2004年10月24日 (日) 21時17分

「行くべきか行かざるべきか」誘はれし美容整形外科への見舞ひ


[21989] 038:連 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時17分

いくつもの空箱がある(捨てたくて)連日連夜(捨てても捨てても)


[21988] 037:愛嬌 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時16分

前世より約束された愛嬌を片膝ついてそこに置きます


[21987] 036:流 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時16分

修復と修繕の差に倦みながら流行を言う 糸切りながら


[21986] 035:二重 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時15分

だぶだぶの二重瞼の重さかな 泣き虫毛虫ひかりのかなた


[21985] 034:ゴンドラ 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時14分

人生はゴンドラ、ゴンドラ、揺れながら上がり続けるエネルギー、ぎい。


[21984] 033:半 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時14分

捨てられるひとはいいとか言ってみる。半券ばかりたまる胸底


[21983] 032:薬 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時13分

ハトロン紙の包みをほどく指先のおぼつかなくて粉薬 ぱふ


[21982] 038:連 マーシー 2004年10月24日 (日) 21時13分

連体形臭ふ赤い靴下がニューヨーク中を驅けづりまはる


[21981] 031:肌 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時12分

ぬばたまの悪魔の皮膚のなめらかな肌に爪立てている、やめて


[21980] 030:捨て台詞 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時12分

だってもう隣で寝ても欲情をしないってこれ、捨て台詞かも


[21979] 029:太鼓 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時11分

アフリカの太鼓たたけばさみしさの風がスカートめくって過ぎる


[21978] 028:着 田中槐 2004年10月24日 (日) 21時10分

ケイタイの着信履歴をひといきに消去する朝のささくれの指


[21977] 037:愛嬌 マーシー 2004年10月24日 (日) 21時10分

愛嬌のある檜が壁にはりだされ鼻血で染めた江川法政出


[21976] 096:類 和良珠子 2004年10月24日 (日) 21時06分

縞馬と馬ほどの違い僕たちは すももももももももの類


[21975] 100:ネット    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時04分

恋愛でタッチネットをするほどに入れ込むあなたのシーソーゲーム


[21974] 099:絶唱     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時04分

煩悩が迷い込むなら竹の春絶唱となる林を抜けて


[21973] 098:溺      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時03分

羊水の母なる海で溺死するあなたに呆れ前を向けたよ


[21972] 097:曖昧     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時03分

ファミレスで別れ話かコーヒーに曖昧という砂糖を2杯


[21971] 096:類      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時03分

我思う旧人類の仲間なり我のみ守る欲を満たさん


[21970] 095:油      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時02分

正午なり恋焦がれてる地面には昇天するほど油蝉なる


[21969] 094:遠      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時02分

遠浅の都会にありぬ人間の関係が嫌田舎恋しき


[21968] 093:列      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時02分

いつからか個の尊重に囚われた我が人生の仮装行列


[21967] 092:家族     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時01分

茄子の花家族列車を途中下車した妹はどこに居るやら


[21966] 091:埋      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時01分

幾年も恐れて何もせずにいた光の見えない埋門行く


[21965] 090:木琴     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 21時00分

木琴の音が心に響いてる振り向きざまに石斛の花


[21964] 058:八 佐藤麦 2004年10月24日 (日) 20時58分

泣き黒子(ほくろ)一つ二つは笑えるが八つあるから泣くしかないでしょ


[21963] 057:表情 佐藤麦 2004年10月24日 (日) 20時53分

にこにこと酷いこと言う表情が菊人形の辛いとこです


[21962] 036:流 マーシー 2004年10月24日 (日) 20時53分

下流にもうトーキョーはなし 學帽の鍔をくるつと明治の一場


[21961] 095:油 和良珠子 2004年10月24日 (日) 20時38分

アスファルトに弛緩していくなないろの油膜さみしい さみしい虹


[21960] 056:磨 佐藤麦 2004年10月24日 (日) 20時30分

歯磨きの三分間で立ち直る言われっぱなしブクブクペーする


[21959] 088:句 長谷川と茂古 2004年10月24日 (日) 20時17分

九官鳥のきうちやんはトリだから自分のことを句ーチャンと言ふの


[21958] 078:洋 2004年10月24日 (日) 20時01分

いびつなる洋梨剥いて切り分ける ひとくち大の更なるいびつ


[21957] 035:二重 マーシー 2004年10月24日 (日) 19時51分

其の二重瞼の上を往來の貨物列車が遠ざかりゆく


[21956] 034:ゴンドラ マーシー 2004年10月24日 (日) 19時49分

誰ひとり氣づかれぬまま三日月に吊り下げられた4番のゴンドラ


[21955] 099:絶唱(再投稿) 中西のぞみ 2004年10月24日 (日) 19時37分

退職の思いすべてを詠み上げた父の絶唱 吟醸酒を注(つ)ぐ


[21954] 039:モザイク 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時33分

モザイクのひとひらでいる心地よさからいつまでも抜け出せずにいる

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21953] 038:連 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時32分

遠足のあさ雨音に混じりつつ連絡網は淡々とうごく

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21952] 037:愛嬌 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時32分

犬猫と妻は愛嬌だけあれば良いって誰か言ってくれない?

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21951] 036:流 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時31分

ある日川が流れはじめる春はいつだって突然始まるものだ

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21950] 035:二重 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時30分

二重丸あげるね君の手の平に私が居れば消えない目じるし

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21949] 034:ゴンドラ 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時29分

風の日のゴンドラ揺れる半径に行方不明の猫が居るはず

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21948] 033:半 五十嵐仁美 2004年10月24日 (日) 19時28分

半分も信じてなかった予想図がテーブルクロスの上に並びぬ

http://www.d1.dion.ne.jp/~itefutef


[21947] 100:ネット 中西のぞみ 2004年10月24日 (日) 19時18分

外出もできぬ我ゆえめり込む顔が見えないネット歌会


[21945] 098:溺 中西のぞみ 2004年10月24日 (日) 19時04分

かき氷食べたいとわめく冬の夜 溺愛された母七十五


[21944] 097:曖昧 中西のぞみ 2004年10月24日 (日) 19時00分

この橋を渡るか戻るか聞いたのにあなたの返事は曖昧な笑み


[21943] 096:類 中西のぞみ 2004年10月24日 (日) 18時56分

ハチミツも飲み込めないほど弱りゐて点滴できぬ鳥類哀し


[21942] 060:とかげ なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時16分

冷えてゆく部屋の空気をふるわせてくちうつしするちいさなとかげ

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21941] 059:矛盾 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時15分

左手と右手はいつも矛盾して胡椒の砂色バナナの黄色

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21940] 058:八 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時14分

おたがいに「ごめん」って言った瞬間の生八つ橋のニッキの匂い

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21939] 057:表情 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時12分

またそんな表情をする錠剤がぐずぐず水に溶けてくような

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21938] 056:磨 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時11分

磨かれたガラスさみしいくっきりと町の輪郭透けてさみしい

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21937] 055:日記 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時10分

主語のない日記を書いているような昨日のわたしが洗剤を買う

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21936] 054:リスク なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時09分

あわだちそうがあわだちはじめこのたびのリスクについて話しておこう

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21935] 053:墨 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時08分

記憶なら記憶のままで柿の木の薄墨いろの影を見ている

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21934] 052:部屋 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時07分

ゆうやみの息づく部屋でぼくたちの銀杏並木は育ってゆくよ

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21933] 051:痛 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時06分

痛いのはそこではなくてもうすこし右、オリオンの三つ星の下

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21932] 050:おんな なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時05分

小説のおんなのせりふはらはらと落ち葉している午後であります

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21931] 049:潮騒 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時04分

潮騒や砂がこぼれてしまうからボタン首まできちんと留める

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21930] 019:沸 平岡ゆめ 2004年10月24日 (日) 18時03分

沸点を変えてみたくなっている熟れ柿ばかり食べてゆく猿


[21929] 048:熱 なかはられいこ 2004年10月24日 (日) 18時03分

手のなかでふるえつづけるケータイの微熱ここからひとりで歩く

http://www.ne.jp/asahi/myu/nakahara/


[21928] 077:坩堝 2004年10月24日 (日) 17時37分

米国は人種差別の坩堝ゆえダディは庭の芝刈にゆく


[21927] 076:降 2004年10月24日 (日) 17時34分

秋雨の降り止みてなほ雨垂れに濡れてしまひしわが思惑よ


[21926] 060:とかげ うつほ 2004年10月24日 (日) 17時03分

色褪せる運命にある宝物虹色とかげのしっぽもいつか

http://homepage1.nifty.com/utuho-net/


[21925] 059:矛盾 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時03分

矛盾する思想力で押し切って笑う男を理解できない

http://homepage1.nifty.com/utuho-net/


[21924] 058:八 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時02分

八百万 今日またひとつ神が死ぬ 当世神は絶滅危惧種

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[21923] 057:表情 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時02分

内面の感情の渦激しさを増すほどに君無表情となる

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[21922] 056:磨 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時02分

磨かれぬ原石のまま一生を終えた才能幾億なりや

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[21921] 055:日記 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時01分

過去を焼くように日記を火にくべて生まれ変わった気分味わう

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[21920] 054:リスク うつほ 2004年10月24日 (日) 17時01分

バシリスクワンマン社長のひと睨み一日石化の解けぬ同僚

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[21919] 053:墨 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時00分

墨染の衣纏いて何もない空を見上げりゃ底抜けの青

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[21918] 052:部屋 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時00分

西向きの部屋にオレンジ色の死の灰降り積みて君を満たせり

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[21917] 051:痛 うつほ 2004年10月24日 (日) 17時00分

幻肢痛感じるはずのない痛み覚え戦く切り捨てた恋

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[21916] 064:イニシャル 加藤苑三 2004年10月24日 (日) 16時41分

やたらNばかり出てくる(無理もない)ドラえもんがするイニシャルトーク

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[21915] 080:縫い目 長沼直子 2004年10月24日 (日) 16時41分

君のこと考えながらミシン踏み縫い目曲がって無心でほどく


[21914] 079: 整形 長沼直子 2004年10月24日 (日) 16時39分

アルバムの写真撮るためプチ整形イタイあの子は一重が二重


[21913] 018:ロビー 平岡ゆめ 2004年10月24日 (日) 16時31分

ざわめきのロビーにぎゅっと目を閉じて君の足音聞き分けている


[21912] 089:歩      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時14分

強がって歩の無い将棋は負け人生アッシーなんて私要らない


[21911] 088:句      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時13分

単刀直入短く書かれし恋文の気持ち語らぬ句読点なり


[21910] 087:混沌     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時13分

活き造り混沌となる水槽の最期を生きる魚の足掻き


[21909] 086:チョーク   ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時12分

冷かしが朝に残った赤チョーク恥かしそうに消してたあなた


[21908] 085:再会     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時12分

再会の向日葵もまた枯れ終わり来年もまた会うため種を


[21907] 084:抱き枕    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時12分

人知れぬ夜長にイルカの抱き枕涙と汗とよだれを吸って


[21906] 083:皮      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時11分

皮膚呼吸出来ない鯵の私には気の許せるほどイイ人居ない


[21905] 082:軟      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時11分

軟膏を摺りこむように育ててきた彼への思い今日も摺りこむ


[21904] 081:イラク    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時10分

イラク派兵肱に纏う日の丸ははらから思うまめやかなるを


[21903] 080:縫い目    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時10分

窓際でボーっと外は眺めれば縫い目なき空早退決意


[21902] 079:整形     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時10分

戻らないと宣告された足の麻痺他人事のよう整形外科医


[21901] 078:洋      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時09分

入院の私の元に部長が来て洋梨を置き労いを言う


[21900] 077:坩堝     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時09分

4歳の姉貴の姪の舌足らずテレビを指差し坩堝をうつぼと


[21899] 076:降      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時09分

降車口の11番で待ってると腕に飛びつくあなたの笑顔


[21898] 075:あさがお   ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時08分

あさがおの艶っぽい朝たまらなく人肌恋しくなる日なのかも


[21897] 074:キリン    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時08分

子の問いにキリンの首に赤い蝶ネクタイつけたいどこにつけよう


[21896] 073:廊      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時07分

嬉々とした祝福してる訳でもなく回廊となる他人の幸せ


[21895] 072:海老     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時07分

毎度毎度満員電車に海老反りのおばちゃんがまた椅子取りゲーム


[21894] 071:追      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時06分

追憶にふけるや私の物語助演の彼女が結婚だって


[21893] 070:にせもの   ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時06分

にせものの愛もあるけどほんとうの愛もあるはずでも不幸かも


[21892] 069:奴隷     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時05分

人間は一人だけでは生きられぬ私は何の奴隷なのかな


[21891] 068:傘      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時05分

勢いが良すぎる傘のワンタッチ花とはなれず道具となりぬ


[21890] 067:ビデオ    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時04分

もし誰かにビデオレターが見られたらあなたに送るのやめるしかない


[21889] 066:鋼      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時04分

見上げると鋼色の屋根からはパチンコ玉が降っているよう


[21888] 065:水色     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時04分

子供の絵の水色に塗る海風が優しさあふれるそのものだった


[21887] 064:イニシャル  ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時03分

一度だけの過ちなのに毎年の社員旅行でイニシャルトーク


[21886] 063:雷      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 16時00分

冬の雷某都銀に走り出す母が一言信じてたのに


[21885] 062:胸元     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時58分

胸元にキツイ一撃喰らわされ蚊も殺さない顔して微笑む


[21884] 061:高台     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時58分

定刻通り入道雲が高台を跳び箱にしてまた夏が来る


[21883] 060:とかげ    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時57分

税金は湯水のごとく賊議員必須条件とかげのしっぽ


[21882] 059:矛盾     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時57分

徳と欲狭間に祀りし矛盾とはヒト化ヒト属唯一の装備


[21881] 058:八      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時55分

手料理の八宝菜は美味しいけど中華鍋が何故か軽そう


[21880] 057:表情     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時55分

人形の表情が今強ばった私の可笑しな一人芝居に


[21879] 056:磨      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時54分

晩餐の現実戻す銀食器に写り込んでる達磨が私


[21878] 055:日記     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時54分

母の書く二心ある日記帳父が読んだらあわわあわわわ


[21877] 054:リスク    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時52分

行員と結婚をした友達がよく口にするインフレリスク


[21876] 053:墨      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時52分

夕暮れの薄墨桜傾いてかくれんぼうの鬼をしている


[21875] 052:部屋     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時51分

年頃の女の部屋の四隅にはホウ酸団子が山積みされて


[21874] 051:痛      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時50分

空瓶の捨つや効かざる鎮痛剤露けかりけるあなたの思う


[21873] 050:おんな    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時49分

歌舞伎町雑踏にあるその街はおんなの街かおとこの街か


[21872] 063:雷 加藤苑三 2004年10月24日 (日) 15時49分

強くなるイメージとして、とりあえず雷様のパンツが欲しい。

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[21871] 049:潮騒     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時48分

潮騒を色であらわす画家たちの嬉し楽しの刻まれる色


[21870] 048:熱      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時48分

本当はキミと乗りたい熱気球だのに下から手を振るキミが


[21869] 047:機械     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時48分

オルゴール機械の音色はあの時の機会を逃した私に響く


[21868] 046:練      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時47分

震災忌イチゴミルクのかき氷どうにもひどく練乳が濃い


[21867] 045:家元     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時47分

家元の垂流されるスキャンダル種もネタもが食い扶持となる


[21866] 044:ダンス    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時44分

入社前聞いてる企業ガイダンス寝ていたのかもと思うこの頃


[21865] 043:濃      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時44分

髭の濃いあなたが嫌いという私ホントに髭が嫌いなだけか


[21864] 042:映画     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時43分

行けずにいる幾度も通った映画館泣いてたキミが忘れられずに


[21863] 041:血      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時43分

振り向かば通り過ぎたる我が道に赤絨毯の血糊を舐めん


[21862] 040:ねずみ    ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時42分

また掛かるねずみ捕り器にぶら下がる愛の形は円表示です


[21861] 017:免許 平岡ゆめ 2004年10月24日 (日) 15時42分

免許なき人生通していくからに「それがどうよ」の表情学ぶ


[21860] 039:モザイク   ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時41分

彩りのキレイなはずのタイルでもモザイクになる時間の流れ


[21859] 038:連      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時41分

孫の手をギュッと握って連れまわる祖母の手のひら十五夜花火


[21858] 037:愛嬌     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時40分

25時あかねの家の猫がまた隣人である私を出迎え


[21857] 036:流      ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時40分

流星に願いを込める人がいるでもほとんどが夢のまた夢


[21856] 016:乱 平岡ゆめ 2004年10月24日 (日) 15時40分

あなたには真実である事柄が書かれていたり乱暴な字で


[21855] 035:二重     ざんくろー 2004年10月24日 (日) 15時39分

疲れると二重まぶたになる彼女わかりやすいが迷惑でもある