[21061] 033:半 五華 2004年10月20日 (水) 21時09分

珈琲の香りが満ちる店内は半世紀前の時と交わる

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[21060] 032:薬 五華 2004年10月20日 (水) 21時08分

「お薬を三日分出しておきますね」それはまた会う約束ですか?

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[21059] 031:肌 五華 2004年10月20日 (水) 21時08分

無機質なビスクドールの肌に触れ私も同じと苦笑いした

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[21058] 076:降 高見里香 2004年10月20日 (水) 21時01分

永遠に降りますランプ押さない人と世界の果てでまた給油する


[21057] 075:あさがお 高見里香 2004年10月20日 (水) 20時56分

あさがおの最後の蕾は咲かずに枯れて秋が来たねと日記を閉じる


[21056] 074:キリン 高見里香 2004年10月20日 (水) 20時50分

「タヌキ」に「キリン」と続けて負けているしりとりできぬガラスの動物


[21055] 020:遊 実上祐子 2004年10月20日 (水) 20時35分

明け方に遊女になった夢を見る赤い襦袢を羽衣にして


[21054] 019:沸 実上祐子 2004年10月20日 (水) 20時34分

秘め事を告白しようと父の背にかけた一言「お風呂沸いたよ」


[21053] 018:ロビー 実上祐子 2004年10月20日 (水) 20時33分

ロビーにて別れた人と顔合わす大理石の床だけ見ている


[21052] 017:免許 実上祐子 2004年10月20日 (水) 20時32分

恋愛は免許停止になったから川べりの道を一人で歩く


[21051] 016:乱 実上祐子 2004年10月20日 (水) 20時31分

乱切りのごぼうは鍋の中に居て願いが叶えられるのを待つ


[21050] 072:海老 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時17分

海老の殻剥く手を止めず談笑す祭囃子に心躍らせ


[21049] 071:追 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時16分

非常口緑の人は走ってる何に追われているのだろうか


[21048] 070:にせもの 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時16分

君の言う「友情」はきっとにせものだ本物はまだ知らないけれど


[21047] 069:奴隷 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時15分

我が子らも奴隷となりし運命か連鎖の止まぬ病繋げて


[21046] 068:傘 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時14分

丘の上日傘をまわし行く乙女陽炎に薄く姿残して


[21045] 067:ビデオ 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時13分

家族旅行ビデオに残る声と手が父が生きてた証明になる


[21044] 066:鋼 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時13分

地下を行く鋼の車両ただ走る日々繰り返す人々を乗せ


[21043] 065:水色 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時12分

雲のない晴天の空水色の無限に浮かぶ赤い風船


[21042] 094:遠 廣島屋 2004年10月20日 (水) 20時11分

遠くまで行くといふ友にひとつ提案双六みたいに行つたら如何だい?

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[21041] 064:イニシャル 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時11分

消せれない過去の誓いはイニシャルとして永久に残り続ける


[21040] 063:雷 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時10分

巨大なる「雷門」のちょうちんを掌に載せ記念撮影


[21039] 062:胸元 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時09分

マシュマロのような胸元ちらつかせ俺に恋愛相談するな


[21038] 061:高台 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時09分

手を繋ぎあの高台を越えてゆく簡単だけどできないでいる


[21037] 060:とかげ 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時08分

豆球がぐわんと揺れた一瞬にとかげは天板(いた)の滲みとなりゆく


[21036] 059:矛盾 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時07分

言い訳は矛盾だらけでぼろぼろで今すぐここから消え去ってくれ


[21035] 058:八 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時06分

八月のあの三日間を思い出せ互いの息に包まれた日を


[21034] 057:表情 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時06分

頭上から「その表情が好き」といい人差し指を耳に差し込む


[21033] 056:磨 山田 明 2004年10月20日 (水) 20時05分

この体磨いていつか叶家の末っ娘としてデビューしたいな


[21032] 096:類 渡部光一郎 2004年10月20日 (水) 19時31分

島棲みのつわものむかし類(たぐい)なき強弓に敵を冑(かぶと)ごと貫(ぬ)き


[21031] 050:おんな 佐藤麦 2004年10月20日 (水) 18時49分

おんなほど強くは無いがニャロメ猫おんな座りをしてゐたんだよ


[21030] 049:潮騒 佐藤麦 2004年10月20日 (水) 18時24分

風邪ひきの胸に潮騒あのひとをどうするの さぁどうするのって


[21029] 090:木琴 杉田加代子 2004年10月20日 (水) 18時06分

玩具箱のブリキの匂ひよみがへる木琴(シロフォン)の音のとほくひびけば


[21028] 048:熱 佐藤麦 2004年10月20日 (水) 17時23分

書くことがもう無くなって情熱と冷静の間夕焼け小焼け


[21027] 044:ダンス 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時50分

昨日から眠る時間になりました眼を瞑るからダンスをしよう


[21026] 043:濃 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時49分

制服の濃紺色の鬱を着てますます真夜の深みに居らむ


[21025] 042:映画 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時47分

一方に集まってゆく事のあり映画観るため皆前を向く


[21024] 041:血 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時46分

地球とは大き湖滴れば血の波紋の広がるばかり


[21023] 040:ねずみ 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時44分

みみずくはねずみじゃないといったけどねみみにみずはみみずくじゃない


[21022] 039:モザイク 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時42分

モザイクのハンカチーフや久方の陽のあたるのを待ちわびていた


[21021] 092:家族 和良珠子 2004年10月20日 (水) 16時42分

っつうかさ家族ってなに 寄り添っては安心しあう群れる羊の 


[21020] 080:縫い目 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時41分

いらいらの原因のひとつかもしれず妙に不揃いな縫い目の雑巾

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[21019] 079:整形 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時41分

少しずつ整形された列島は密かに領土拡大狙う

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[21018] 038:連 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時40分

一粒の粒子幾つも連なってはじめていいしきみの光は


[21017] 078:洋 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時40分

洋上に桜花びら永遠は海の底より暗くて深い

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[21016] 077:坩堝 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時40分

声ならぬ声混ぜ返し水銀は坩堝の中で煮えたぎっている

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[21015] 076:降 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時39分

雨の日の昇降口で待っていた影は二十年後のわたくし

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[21014] 037:愛嬌 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時39分

三日月と云う愛嬌のほの甘く四分蒸らした紅茶を淹れる


[21013] 075:あさがお 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時38分

あさがおに嘘をついても始まらないけれども今日は始まっている

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[21012] 074:キリン 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時38分

もう空は涸れてしまった サバンナにキリンの卵が一つ転がる

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[21011] 073:廊 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時37分

ゆっくりと追いかけてくる君の言葉今その廊下の角を曲がった

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[21010] 036:流 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時37分

わたくしはわたくしであり流木でないわたくしは流木でない


[21009] 072:海老 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時37分

轢きかけた犬のことなど言うけれど海老の背綿がうまく取れない

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[21008] 071:追 武田ますみ 2004年10月20日 (水) 16時36分

独り言のような一行の追伸が最期の言葉となってしまえり

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[21007] 035:二重 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時36分

いつか解ける二重螺旋が痙攣をくり返しくり返し又息を吐きたり


[21006] 034:ゴンドラ 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時34分

どこにゆくともなく浮いていて水草のゆめのゆめからさめてゴンドラ


[21005] 033:半 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時33分

屋上へつづく扉の半分はよく開かれているとの噂


[21004] 032:薬 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時32分

薬品にむせかえる如フラスコにお湯を沸かして居たりけるかも


[21003] 031:肌 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時29分

ふれられてふれるまみずのような肌あてどなくされてしまうためらい


[21002] 030:捨て台詞 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時28分

トーストにバター輝き暁(あかとき)は捨て台詞だと思えてしまう


[21001] 029:太鼓 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時26分

はつはるの小太鼓の音聴いていたペンテクペンテクまた会いましょう


[21000] 028:着 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時24分

緑色のラムネのビンの硝子玉からんと鳴るに着やせしており


[20999] 027:天国 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時23分

くるぶしは唯一見えるところだと天国のほうに向けて居るめり


[20998] 026:芝 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時22分

はつなつの風が吹くから芝草の戸惑いとしてくちづけており


[20997] 025:怪談 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時20分

怪談を怖がりやまぬいもうとの紅色のリップグロスや


[20996] 024:ミニ 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時19分

箱庭にミニチュアの家具の置かれてもあなたのなかにわたしはいない


[20995] 023:望 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時17分

しんきろうみせつけられた少年の望遠鏡のレンズの割れき


[20994] 022:上野 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時16分

地球には上野がありて昨日から降りつづくしかない雨、さくら


[20993] 021:胃 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時15分

幾億の胃の支配され伝統もマクドナルドも壊されにけり


[20992] 020:遊 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時14分

光年の遥かかなたの遊星はぼくのひとみのなかの瞳


[20991] 019:沸 魅弥華韻 2004年10月20日 (水) 16時13分

鍵型のクッキーの先向けている沸騰きわまるきみも早口


[20990] 078:洋 五人 2004年10月20日 (水) 15時48分

Yoh!Yoh!Yoh! ラップはYoh!Yoh! 日本語Yoh! 西洋リズムさ のせるだYoh!Yoh!

http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/


[20989] 077:坩堝 五人 2004年10月20日 (水) 15時48分

列島の大地を剥がし縦断す台風の目に坩堝が一つ

http://members.jcom.home.ne.jp/mizunami/


[20988] 086:チョーク 中西のぞみ 2004年10月20日 (水) 15時26分

苦手なる板書もしましたチョーク持つあの感触が忘れられない


[20987] 085:再会 中西のぞみ 2004年10月20日 (水) 15時24分

再会を期してあなたがはめていたブレスレットを私の手首に


[20986] 089:歩 キタダヒロヒコ 2004年10月20日 (水) 15時20分

ほぼ自力立つちしてゐる直歩ちやんをほめると直歩もにつこり拍手(^^)
  九月二十八日の歌です。
  もう完全に自力立っちできるようになりましたー!


[20985] 088:句 キタダヒロヒコ 2004年10月20日 (水) 15時19分

ことさやぐくだらぬ〈こぴい〉平原にあまねき惹句書きの吟ひ

吟ひ=さまよひ


[20984] 087:混沌 キタダヒロヒコ 2004年10月20日 (水) 15時19分

夜あけまで飲つてゐたのだ、起きぬけの脳まだまだちよつと混沌

飲つて=やつて、脳=なづき


[20983] 086:チョーク キタダヒロヒコ 2004年10月20日 (水) 15時17分

ジーンズはけふもチョークによごれつつ詩を語るなりキタダヒロヒコ


[20982] 093:列 廣島屋 2004年10月20日 (水) 15時04分

行列が伸びていくほど募るのはまだ見ぬ純連の味てふ幻想

http://homepage3.nifty.com/hiroshimaya/


[20981] 092:家族 廣島屋 2004年10月20日 (水) 15時02分

二人して箱根に行つてお泊まりす家族風呂にはライオンがゐて

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[20980] 091:埋 廣島屋 2004年10月20日 (水) 15時00分

埋め字法で毎日毎日お勉強いつになつたら上手になるかな

http://homepage3.nifty.com/hiroshimaya/


[20979] 070:にせもの 奥村 智子 2004年10月20日 (水) 14時45分

にせもののブランド鞄売りつける異国の男「ヤスイ」「トモダチ」


[20978] 069:奴隷 奥村 智子 2004年10月20日 (水) 14時45分

肉体の奴隷としての精神を砂丘に埋めて未明帰らむ


[20977] 082:軟 村上きわみ 2004年10月20日 (水) 14時44分

軟骨に沿ってしずめる刃先から伝わりくるはなんのちからか

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[20976] 068:傘 奥村 智子 2004年10月20日 (水) 14時44分

置き傘の程度に当てにされている友達もいて集合住宅


[20975] 081:イラク 村上きわみ 2004年10月20日 (水) 14時44分

ふぞろいのイラク産茶葉ゆれながらおしひらかれるまでのむごさは

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[20974] 080:縫い目 村上きわみ 2004年10月20日 (水) 14時44分

ゆっくりとほどいてもらうためにあるここの縫い目を見てくださいな

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[20973] 079:整形 村上きわみ 2004年10月20日 (水) 14時43分

榊原整形外科の中庭で紅茶のようにねむる猫です

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[20972] 067:ビデオ 奥村 智子 2004年10月20日 (水) 14時43分

本棚の隅で埃を被っている結婚式のビデオ3本


[20971] 078:洋 村上きわみ 2004年10月20日 (水) 14時43分

肉体のうすいくぼみに東洋の水をたたえて会いにくるひと

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[20970] 030:捨て台詞 五華 2004年10月20日 (水) 13時40分

気の利いた捨て台詞を使っても捨て台詞をはいたら負けです

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[20969] 029:太鼓 五華 2004年10月20日 (水) 13時40分

厳粛な太鼓の音に洗われるふらちでふしだらだった魂

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[20968] 028:着 五華 2004年10月20日 (水) 13時39分

捨てようと思ったときに愛着がわいてくるのも優柔不断

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[20967] 027:天国 五華 2004年10月20日 (水) 13時38分

本当の天国なんて知らないわ お手軽なのはゴロゴロあるけど

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[20966] 026:芝 五華 2004年10月20日 (水) 13時38分

やわらかな芝生の上で靴を脱ぎほんのちょっぴり野性にかえる

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[20965] 025:怪談 五華 2004年10月20日 (水) 13時37分

淡々と読まれるニュースの出来事は時に怪談より恐ろしい

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[20964] 024:ミニ 五華 2004年10月20日 (水) 13時36分

ミニチュアの茶碗と包丁投げつけて夫婦喧嘩をする子供達

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[20963] 023:望 五華 2004年10月20日 (水) 13時36分

望んでもどうにもならない事もあり忘れることで乾いた幸せ

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[20962] 022:上野 五華 2004年10月20日 (水) 13時32分

待ち合わせなんて誰ともしてません 上野のパンダを見に来ただけです

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[20961] 021:胃 五華 2004年10月20日 (水) 13時32分

胃の中に食べたの入っている人は幸せだから並んじゃダメです

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[20960] 050:おんな 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時29分

泣き虫と知ってるくせにいわないで「お前は強いおんなだ」なんて


[20959] 049:潮騒 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時28分

「潮騒」のふたりのように結ばれる運命であれ君と私も


[20958] 048:熱 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時24分

熱っぽくあなたが夢を語るから行かないでっていいそびれたの


[20957] 047:機械 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時22分

「ごめんね」と同じ言葉を繰り返すあなたはまるで壊れた機械


[20956] 046:練 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時21分

釣竿と練餌と君と自転車で小春日和に鯉釣りデート


[20955] 045:家元 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時19分

向かうのはケンカ途中の君の家元のもくあみ覚悟の上で


[20954] 044:ダンス 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時18分

艶めかしスピナーライトはフロアーでダンスするきみ時折照らす


[20953] 043:濃 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時15分

濃すぎると思うくらいが丁度いいあなたのために作るみそ汁


[20952] 042:映画 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時13分

真夜中の古い映画が作られた年に生まれたあなたとわたし


[20951] 041:血 長沼直子 2004年10月20日 (水) 13時11分

(水生生物学実験にて)
流血をした彼をみて貧血に着てる白衣は魚のためです


[20950] 060:とかげ(再投稿) shion 2004年10月20日 (水) 12時52分

人の小指はとかげの尻尾じやないんだよ薬指までそんなことして


[20949] 060:とかげ shion 2004年10月20日 (水) 12時50分

人の小指はとかげの尻尾のじやないんだよ薬指までそんなことして


[20948] 059:矛盾 shion 2004年10月20日 (水) 12時50分

不倫とは矛盾の果ての悦びと鏡の吾に言ひ聞かせをり


[20947] 058:八 shion 2004年10月20日 (水) 12時49分

「かをり」を「かほり」と表記する先輩同人は『シクラメンのかほり』が十八番(おはこ)


[20946] 057:表情 shion 2004年10月20日 (水) 12時49分

表情の豊饒なりし写真家をヌードにしたる写真集なり


[20945] 056:磨 shion 2004年10月20日 (水) 12時48分

落選の達磨を供養する地なり不法廃棄がすつかり止みぬ


[20944] 053:墨 (再投稿) shion 2004年10月20日 (水) 12時48分

烏賊刺しを頼めばカウンター越しに墨が噴き散る板前割烹


[20943] 083:皮 水島修 2004年10月20日 (水) 12時05分

薄き皮へだててこの世を眺むればそこだけやさしい赤まんま揺る


[20942] 055:日記 shion 2004年10月20日 (水) 11時56分

土足で来月に上がり込んでゐるのは日記の中のささいなる嘘


[20941] 082:軟 水島修 2004年10月20日 (水) 11時55分

往時思えばなべて錯覚のごとき幸福よ姓はオロナイン名は軟膏なんて


[20940] 054:リスク shion 2004年10月20日 (水) 11時55分

露地俳句詠み続けたる菖蒲あや露地ものが良しアガリスクとて


[20939] 053:墨 shion 2004年10月20日 (水) 11時54分

烏賊刺しを頼めばカウンター越しに墨が吹き散る板前割烹


[20938] 052:部屋 shion 2004年10月20日 (水) 11時53分

部屋割に悩んでをれば悩ましきあの知恵の輪がついと解けたり


[20937] 051:痛 shion 2004年10月20日 (水) 11時52分

「陣痛に鎮痛剤は出せません!」産道の吾(あ)に聴こゆるごとく


[20936] 076:降 五人 2004年10月20日 (水) 11時30分

降り続く雨ざあざあと屋根を打つ風ごおごおごう雨戸を揺らす

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[20935] 075:あさがお 五人 2004年10月20日 (水) 11時29分

あさがおに釣瓶取られて水貰う それってやっぱり迷惑だろう

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[20934] 081:イラク 水島修 2004年10月20日 (水) 11時22分

今日までにイラクで死んだ米兵の数より選挙の票数大事


[20933] 040:ねずみ(再投稿) さらら 2004年10月20日 (水) 11時09分

沙羅の花みな上向きに落ち敷けり利休ねずみに色染めながら


[20932] 075:あさがお  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時30分

秋の陽にカラカラ揺れるあさがおの種は来年夏の約束


[20931] 074:キリン  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時30分

透明なキリンレモンの向こうからプールの鐘が今も呼んでる


[20930] 073:廊  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時30分

放課後の廊下に響く自らの音におびえた自意識過剰


[20929] 072:海老  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時29分

長いことカップヌードル食べてない海老と卵が好きだったのに 


[20928] 071:追  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時29分

追いすがり転んで泣いてわがものにしたモノなんて一つもないか 


[20927] 070:にせもの  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時28分

本当の夢を見られるショウケースにせものだって信じてみれば


[20926] 069:奴隷  コズエ 2004年10月20日 (水) 09時28分

行く先を知らぬ奴隷の漕ぐ船の船長はわれ奴隷もまたわれ


[20925] 090:木琴 廣島屋 2004年10月20日 (水) 08時03分

シロフォンといふ呼び方はこじやれてるでも結局は木琴なんだな

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[20924] 089:歩 廣島屋 2004年10月20日 (水) 08時02分

ちつぽけなロープウェーから歩くこと5分以上だろ岩国城まで

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[20923] 088:句 廣島屋 2004年10月20日 (水) 07時59分

日々一句作り続ける約束を自分でしては文句たらたら

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[20922] 087:混沌 廣島屋 2004年10月20日 (水) 07時57分

撮影で借りた知人の鈴美荘その混沌さに郷愁ぽかり

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[20921] 029:太鼓 マーシー 2004年10月20日 (水) 03時09分

江戸神田今川橋に秋吹けば衣重ねて太鼓燒き食ふ


[20920] 028:着 マーシー 2004年10月20日 (水) 02時31分

第二の死 幽體といふ情感の薄き下着がひきちぎられて


[20919] 027:天国 マーシー 2004年10月20日 (水) 02時27分

着信ありのまま天國にいつちまつた能天氣だつたはずのやつこさん


[20918] 026:芝 マーシー 2004年10月20日 (水) 02時26分

枯れ芝となる基地が墓地となるころ 紅葉今年もいい具合である


[20917] 080:縫い目 水島修 2004年10月20日 (水) 02時21分

ほつれたら縫い目は自分でつくろうさ裾はダブルと決めているから


[20916] 079:整形 水島修 2004年10月20日 (水) 02時15分

バス停の整形外科の広告を見ているあなたに今日も待たされ


[20915] 078:洋 水島修 2004年10月20日 (水) 02時13分

洋梨の形のタンクを両膝にきつく挟んで峠をくだる


[20914] 077:坩堝 水島修 2004年10月20日 (水) 02時09分

坩堝は英語でメルティングポットこのメルティングは動名詞


[20913] 025:怪談 マーシー 2004年10月20日 (水) 01時41分

ゴ、ゴクンと一息に闇を照らさうと月の階よりささやく怪談


[20912] 024:ミニ マーシー 2004年10月20日 (水) 01時27分

一族の和合をはかるべき男(ひと)の不在を買ひにミニストツプに


[20911] 023:望 マーシー 2004年10月20日 (水) 01時26分

防彈チョッキ脱ぎ捨て日本眞つ裸 望まれざるまま生まれし赤兒


[20910] 072:海老 ひぐらしひなつ 2004年10月20日 (水) 01時08分

朝焼けの東名高速下り線海老名SAに冷えるCB

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[20909] 071:追 ひぐらしひなつ 2004年10月20日 (水) 01時07分

追伸はついに書かれず煙草屋の女主人が午後の欠伸を

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[20908] 080:縫い目 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時50分

わたしたち細い糸で結ばれて縫い目はほつれやすくてこわい


[20907] 079:整形 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時48分

この顔は大きらいです母親にそっくりだから整形をする


[20906] 078:洋 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時46分

「お手紙をいつでもください」そう書いたメモ入りビンは大洋の底


[20905] 051:痛 加藤苑三 2004年10月20日 (水) 00時44分

つくりあげられた痛みはそこそこの完成度などを保っていたんだ。

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[20904] 077:坩堝 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時44分

坩堝炉であなたを溶解してあげるわたくしだけのガラスとなって


[20903] 050:おんな 加藤苑三 2004年10月20日 (水) 00時43分

おんなとして。おんなとして。って、鉄棒はずっと苦手だったんだよ。

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[20902] 076:降 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時41分

降り出した雨にも負けない花の名が子供の頃のお守りだった


[20901] 049:潮騒 加藤苑三 2004年10月20日 (水) 00時40分

過去などに悩まされない。潮騒の意味をあなたは知らないでしょう。

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[20900] 075:あさがお 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時39分

いさぎよく笑っていたい夏の日にきれいに咲いたあさがおのように


[20899] 074:キリン 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時37分

ねがわくはわたしにやさしい目をください青葉を食べるキリンのような


[20898] 073:廊 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時35分

そろばんで廊下をすべったあの頃は猫と神社がともだちだった


[20897] 072:海老 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時33分

海老腰の老女はしずかにほほえんで梨をほおばる白き病室


[20896] 071:追 吉田ともき 2004年10月20日 (水) 00時31分

ずぶぬれのあなたをぎゅっと抱きしめる秋雨の真夜追っ手はこない


[20895] 077:坩堝 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時41分

とめどなく花が投げ込まれる場所に 坩堝の熱で暖をとりつつ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/3405/


[20894] 076:降 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時41分

タイマーが切れたんでしょう降るように目からウロコが落ちていきます

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[20893] 075:あさがお よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時40分

またあすもかならずあさがおとずれるわたしがこうしてしなないかぎり

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[20892] 074:キリン よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時40分

だめもとで捜しています彼は今キリンに乗っていますおそらく

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[20891] 073:廊 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時39分

遠回りしてでも風を浴びたくて渡り廊下をいつも通った

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[20890] 072:海老 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時39分

ちくわぶが好きと言ってもさまになる人 になれない海老原課長

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[20889] 071:追 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時38分

去る者を追う気はないし来る者は選ぶと笑う友をうらやむ

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[20888] 070:にせもの よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時38分

にせものを置いていきます願わくは一生気づかずいるご多幸を

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[20887] 069:奴隷 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時37分

オーディションも辞さない自信それほどにナイスな奴隷っぷりは健在

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[20886] 068:傘 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時36分

ビニ傘の骸散らばり身代わりとしての存在価値を問う朝

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[20885] 067:ビデオ よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時36分

もう見ないビデオテープをしゅるしゅるとゆっくり真顔で引き出す儀式

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[20884] 066:鋼 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時36分

ずっとずっと持ってるからねくるぶしの中に埋め込む青い鋼玉

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[20883] 065:水色 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時35分

透明でいる寂しさが水色とやさしい青をさいしょに呼んだ

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[20882] 064:イニシャル よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時35分

今読んだ芸能記事のイニシャルをネタに治療の苦痛紛らす

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[20881] 063:雷 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時34分

誰だって落雷事故を恐れてる セルフレームが流行るわけです

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[20880] 062:胸元 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時34分

胸元のほくろの位置をほめるのは私に恋をしてないオトコ

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[20879] 061:高台 よごろうざ 2004年10月19日 (火) 23時33分

愛すべき高台を持つ見晴らしのどこまでもよいおとなになろう

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[20878] 044:ダンス さらら 2004年10月19日 (火) 23時23分

エルミタールのマチス「ダンス」作品のみ大きな部屋に飾られてあり


[20877] 043:濃 さらら 2004年10月19日 (火) 23時16分

湯本より登山電車の窓に迫る右に左に濃淡の紫陽花


[20876] 086:チョーク 廣島屋 2004年10月19日 (火) 23時15分

ロウ石を子供に説明するときにこれは道路で使ふチョークさ

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[20875] 085:再会 廣島屋 2004年10月19日 (火) 23時13分

再会を期すなど思いもしないのに「再見」と手を振りをる輩

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[20874] 042:映画 さらら 2004年10月19日 (火) 23時13分

「赤い月」映画見終えて比叡山に夕陽は燃えてしばしを回る


[20873] 041:血 さらら 2004年10月19日 (火) 23時06分

エルミタールのマチスの「ダンス」5人の動き線の迫力血の気の騒ぐ


[20872] 084:抱き枕 廣島屋 2004年10月19日 (火) 23時06分

お手製のマグロの形の抱き枕夜毎日毎に黒潮の香

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[20871] 083:皮 廣島屋 2004年10月19日 (火) 23時05分

仮性でも真性だつて構はない包皮すつぱり切捨てるべし

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[20870] 082:軟 廣島屋 2004年10月19日 (火) 23時02分

中学は軟式テニスのMボールあの赤い字が妙にセツナイ

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[20869] 040:ねずみ さらら 2004年10月19日 (火) 23時01分

沙羅の花みな上向きに落ち敷けり利休鼠に色染めながら


[20868] 100:ネット 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 23時01分

取れかけたボタンのようにネットから転がり落ちてしまうのもいい


[20867] [065]水色 2004年10月19日 (火) 23時00分

目薬をさしたばかりの視線ゆえ水色になる明日の約束


[20866] 099:絶唱 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 23時00分

無意識の内に禁じた絶唱がミルクピッチャーの底で目覚める


[20865] 098:溺 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時59分

極限に見るうつくしさ地吹雪と溺れた時の水のゆらぎは