[20864] 039:モザイク さらら 2004年10月19日 (火) 22時59分

モザイクや万華鏡のよう1針1針集大成のパッチワークは


[20863] 097:曖昧 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時58分

曖昧な日々は望んだ結果です。だってこんなに明るい夜空


[20862] 096:類 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時57分

類のつく図鑑はどれも広大で走り切れずにさよならをした


[20861] 092:家族 佐原みつる 2004年10月19日 (火) 22時56分

家族旅行の写真の束の中にあるもう棄てられた緑の列車


[20860] 091:埋 佐原みつる 2004年10月19日 (火) 22時56分

南東の風六ノット埋めたのは星の匂いとわたしの右手


[20859] 090:木琴 佐原みつる 2004年10月19日 (火) 22時56分

雨の日は言葉少なになるだろうちいさな祈りを叩く木琴


[20858] 089:歩 佐原みつる 2004年10月19日 (火) 22時55分

ちゃんと手を翳して歩く月光を浴びれば変身してしまうから


[20857] 088:句 佐原みつる 2004年10月19日 (火) 22時55分

句読点 ふたりのあいだに置き去りのボトルのコーラ飲み干す日暮れ


[20856] 038:連 さらら 2004年10月19日 (火) 22時54分

こいのぼり君は伴奏吾はメロディー連弾にあわす秋の夕べに


[20855] 037:愛嬌 さらら 2004年10月19日 (火) 22時48分

行員は定期満期の継続の書類を出せり愛嬌ふりまき


[20854] 036:流 さらら 2004年10月19日 (火) 22時44分

夕映えの疎水に流るる花筏別れし人のみな優さしかり


[20853] 035:二重 さらら 2004年10月19日 (火) 22時40分

物事の表裏の見えそむこの日ごろ二重写しの60路の視野は


[20852] 092:家族 本所飛鳥 2004年10月19日 (火) 22時30分

家族って子供ら居て妻が居てみんな揃っているのがいいね

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[20851] 091:埋 本所飛鳥 2004年10月19日 (火) 22時23分

埋められたカブトムシらの亡き骸が土から見える秋のベランダ

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[20850] 095:油 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時22分

映像の時代は続きぬばたまの油まみれといえば海鳥


[20849] 094:遠 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時21分

遠軽(えんがる)のエスカレーター見慣れない渦巻きソフト舐めつつ眺む


[20848] 093:列 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時18分

十月の向日葵廻る列なして待つ給水車もうすぐそこの


[20847] 092:家族 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時17分

帰省より家族住む地を訪れる旅行に近い いつかは終わる


[20846] 091:埋 日向寺みづほ 2004年10月19日 (火) 22時17分

砂に埋もれた自転車もう二度とからから音を立てずに朽ちよ


[20845] 090:木琴 本所飛鳥 2004年10月19日 (火) 22時12分

木琴の音符が跳ねる音楽室空にまで飛ぶ子供らの声

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[20844] 050:おんな コメット 2004年10月19日 (火) 22時05分

恐るべき君あめおんな晴れ予報ものともせずに街は時雨れる


[20843] 049:潮騒 コメット 2004年10月19日 (火) 22時03分

越えられぬ僅かな間(はざま)潮騒の音に揺られて夜は更けてゆく


[20842] 048:熱 コメット 2004年10月19日 (火) 22時00分

黄昏に引いてゆく潮『熱情』の終楽章を君は弾き直す


[20841] 047:機械 コメット 2004年10月19日 (火) 21時57分

許容差をクリア出来ずにウオンウオンと精密機械は呻吟をする


[20840] 100:ネット 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時54分

ネット界支配している砂時計が恋も喧嘩も急がせている


[20839] 046:練 コメット 2004年10月19日 (火) 21時54分

死を急ぐ用具となって七輪と練炭俄に世を騒がせる


[20838] 099:絶唱 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時53分

絶唱で流した涙の純度なら目薬よりもはるかに高い


[20837] 098:溺 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時52分

あの世でも大蛇のように酒を飲み銀河に飛び込み溺れてみたい


[20836] 097:曖昧 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時52分

ハンドルの遊びのような曖昧な部分が君の強みでもある


[20835] 096:類 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時50分

親類が寄ると遺伝子嬉々として目元口元這い出してくる


[20834] 045:家元 コメット 2004年10月19日 (火) 21時48分

見下ろせばまばゆく朝日当たる家元気印の男の子が飛び出す


[20833] 095:油 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時48分

私は油性ですから雲だって夜空にだって落書き出来ます


[20832] 094:遠 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時47分

遠来の客が座敷で話してて不意に取り出す知恵の輪一つ


[20831] 044:ダンス コメット 2004年10月19日 (火) 21時45分

そうなのかあなたも愛し子をなくしシャル・ウイ・ダンス夜の明けるまで


[20830] 093:列 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時45分

北へ行く夜行列車の車窓には銀河を目指す月の輪熊


[20829] 092:家族 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時44分

臨終を迎えた星の周りでは家族の星が点滅してる


[20828] 091:埋 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時43分

裏庭にこっそり掘った深い穴誰から埋めるか一人占う


[20827] 090:木琴 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時43分

木琴のラ音の裏にぶら下がり悲しい音を出させないでいる


[20826] 043:濃 コメット 2004年10月19日 (火) 21時42分

朝道の濃霧の扉すり抜けてゾンビみたいな男女が現れる


[20825] 089:歩 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時42分

歩合制ですから脱ごうが踊ろうが自己責任でお好きなように


[20824] 088:句 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時41分

放浪を重ねて雲を枕とす挙句の果てのうろこ雲かな


[20823] 087:混沌 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時41分

混沌としてる世間で唯一の救いは誰にも寿命があること


[20822] 086:チョーク 丸山 進 2004年10月19日 (火) 21時40分

チョークから花でも蝶でも飛び出した花粉まみれの青春だった


[20821] 042:映画 コメット 2004年10月19日 (火) 21時40分

君と観たSF映画宇宙船ハルの2001年は過去


[20820] 041:血 コメット 2004年10月19日 (火) 21時36分

斜に射す鋭利なひかりにえぐられてドクリと彼岸花血を流す


[20819] 082:軟 長谷川と茂古 2004年10月19日 (火) 21時35分

一見軟弱さうだけど松田龍平シルエットは優作である


[20818] 047:機械 佐藤麦 2004年10月19日 (火) 21時33分

心肺の機械容れ換え科学の子 末期の水は機械油(あぶら)にしてね


[20817] 040:ねずみ コメット 2004年10月19日 (火) 21時33分

おさな日の恐怖シュルルル泣きながらねずみ花火に追いかけられた


[20816] 039:モザイク コメット 2004年10月19日 (火) 21時30分

禁断のモザイク模様裏側に未来へ連なる道は見えている


[20815] 034:ゴンドラ 水野 華也子 2004年10月19日 (火) 21時29分

観覧車のゴンドラぐるぐる大車輪台風小僧がはしゃぎまわるよ


[20814] 038:連 コメット 2004年10月19日 (火) 21時27分

若人の死に行く連鎖強風に支柱もろとも百合は倒される


[20813] 037:愛嬌 コメット 2004年10月19日 (火) 21時23分

「ご愛嬌」と慰められて失態の尻拭いする雨の週末


[20812] 033:半 水野 華也子 2004年10月19日 (火) 21時23分

半額を待って店内一周し売り切れとなる刺身盛り合わせ


[20811] 032:薬 水野 華也子 2004年10月19日 (火) 21時22分

ときめきのシャボン作りのプロローグ 印鑑押して劇薬を買う


[20810] 036:流 コメット 2004年10月19日 (火) 21時22分

夏休みの自由研究流星群きみと数えた夜半の砂浜


[20809] 31:肌 水野 華也子 2004年10月19日 (火) 21時21分

採石の山肌深く削られて傷口深く均されてゆくこの世の痛み

http:// homepage2.nifty.com/hanayakko/


[20808] 30:捨て台詞 水野 華也子 2004年10月19日 (火) 21時18分

咎めたるカラスはカラン捨て台詞のように空き缶落として去りぬ

http:// homepage2.nifty.com/hanayakko/


[20807] 035:二重 コメット 2004年10月19日 (火) 21時18分

自滅する脆き細胞愛し子の二重ラセンに神の誤記あり


[20806] 034:ゴンドラ コメット 2004年10月19日 (火) 21時13分

地震来れば頭上の脅威ゴンドラの中で窓拭く人を仰ぎ見る


[20805] 033:半 コメット 2004年10月19日 (火) 21時09分

愚かなりし娘とぼそり呟いて半旗を掲げたままの妻の背


[20804] 032:薬 コメット 2004年10月19日 (火) 21時03分

トリカブトの花に見惚れていつまでも薬草園をきみ去り難し


[20803] 046:練 佐藤麦 2004年10月19日 (火) 21時02分

婚家では練り羊羹の一切れが倒れそうとは母の繰り言


[20802] 031:肌 コメット 2004年10月19日 (火) 21時00分

薄闇に開かれる背(せな)くきやかに夏の記憶は肌に記される


[20801] 030:捨て台詞 コメット 2004年10月19日 (火) 20時52分

「人生は因果応報」赤灯の如く回り出すきみの捨て台詞


[20800] 082:軟 杉山理紀 2004年10月19日 (火) 20時51分

柔軟な対応のみをくりかえす台風対策どっちみち、すき

http://page.freett.com/sugi8ma/


[20799] 029:太鼓 コメット 2004年10月19日 (火) 20時48分

横笛を吹くきみ一際大人びて祭囃子の太鼓と競い合う


[20798] 028:着 コメット 2004年10月19日 (火) 20時46分

着艦と離艦幾度もやり直し未だ天国へ行けぬ戦闘機


[20797] 027:天国 コメット 2004年10月19日 (火) 20時43分

親不孝な早世吾子には天国で罪深きゆえ会えぬ気がする


[20796] 026:芝 コメット 2004年10月19日 (火) 20時39分

初めての駅に降り立てばひっそりと紅芝桜の駅名がある


[20795] 025:怪談 コメット 2004年10月19日 (火) 20時37分

裡にひそむ怖れは同じ異国人小泉八雲の『怪談』を読む


[20794] 024:ミニ コメット 2004年10月19日 (火) 20時34分

ミニハンの若者夢見る刻(とき)を忘れ夜更けのコンビニ前に屯する


[20793] 023:望 コメット 2004年10月19日 (火) 20時30分

薫風に背伸びする木よ愚かしく望まぬ早さで吾子は自死する


[20792] 045:家元 佐藤麦 2004年10月19日 (火) 20時30分

家出する家 元のさやに収まり隙間の風にそよそよそよぐ


[20791] 022:上野 コメット 2004年10月19日 (火) 20時24分

美談とは言えぬ報復四十七士に吉良上野介は討たれる


[20790] 021:胃 コメット 2004年10月19日 (火) 20時19分

上下する船体逆流する胃液ひねもす魚にさえ疎まれる


[20789] 044:ダンス 佐藤麦 2004年10月19日 (火) 20時17分

常夏の求愛ダンス極楽鳥パーティ券は売れ残ってる


[20788] 020:遊 コメット 2004年10月19日 (火) 20時15分

風いまだ眠る児童公園の遊具にさくらの花降り積もる


[20787] 019:沸 コメット 2004年10月19日 (火) 20時12分

沸き起こる声援ド−ムを揺るがせて松井秀喜の凱旋ア−チ


[20786] 018:ロビ− コメット 2004年10月19日 (火) 20時09分

宇宙から帰ったみたいに飛び跳ねて到着ロビ−で娘は手を振る


[20785] 017:免許 コメット 2004年10月19日 (火) 20時06分

教員は柄に合わぬと転職の息子が挑む調理師免許


[20784] 016:乱 コメット 2004年10月19日 (火) 20時03分

向かい風に乱れる髪をかき上げて舞い散る桜吹雪に凍える


[20783] 021:胃 ことら 2004年10月19日 (火) 19時22分

昼時の喫茶七十席ありて七十の胃が並ぶスツール


[20782] 020:遊 ことら 2004年10月19日 (火) 19時20分

新宿駅北口に向かい回遊すマグロの群に飲まれて泣きぬ


[20781] 019:沸 ことら 2004年10月19日 (火) 19時14分

ちはやぶる神の笑いに沸き立つか 空よ 笑いは罪にあらんや


[20780] 084:抱き枕 中西のぞみ 2004年10月19日 (火) 19時12分

おさなごの安心預かる抱き枕イロワケイルカが寝息に泳ぐ


[20779] 083:皮 中西のぞみ 2004年10月19日 (火) 19時07分

皮むき器やめて包丁使いなさい前頭葉が赤くなるまで


[20778] 018:ロビー ことら 2004年10月19日 (火) 19時06分

匂やかにロビーを飾る薔薇の群 散りゆく前に捨てらるるなり


[20777] 082:軟 中西のぞみ 2004年10月19日 (火) 19時04分

軽々と軟式ラケット振れるけど人生と同じフォロースルーよ


[20776] 017:免許 ことら 2004年10月19日 (火) 18時36分

マカロニのようなピアスがサルトルを読み耽っている免許更新


[20775] 016:乱 ことら 2004年10月19日 (火) 18時36分

乱丁の辞書など欲しいわけはなく憎いと言うほど愛してはなく


[20774] 015:蜜柑 ことら 2004年10月19日 (火) 18時34分

蜜柑にも秘密はありぬ ひっそりと冷たい汗を流すしののめ


[20773] 014:オルゴール ことら 2004年10月19日 (火) 18時32分

オルゴール響けよ響けかなしみは子宮滴りおちる落日


[20772] 013:彩 ことら 2004年10月19日 (火) 18時30分

虹彩に焼き付けられた刻印に気付いた 夢は破られて 幕


[20771] 080:縫い目 渡辺百絵 2004年10月19日 (火) 17時49分

一人きり過ごした夜の切なさはパッチワークの縫い目に綴じて

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[20770] 050:おんな shion 2004年10月19日 (火) 17時16分

をんな偏に古いと書いてしうとめと今の今まで知らぬ姑


[20769] 049:潮騒 shion 2004年10月19日 (火) 17時15分

幟には四股名自在に染め抜かれ両国村に潮騒を聴く


[20768] 048:熱 shion 2004年10月19日 (火) 17時15分

微熱とふ詩的なものを抱へつつ一発ギャグで受けを狙ひぬ


[20767] 047:機械 shion 2004年10月19日 (火) 17時14分

反復は機械に任せおく仕事 横飛び横飛びスタンドバーへ


[20766] 046:練 shion 2004年10月19日 (火) 17時14分

練乳でもコンデンスミルクでもいい颱風がまたやつてくる


[20765] 045:家元 shion 2004年10月19日 (火) 17時13分

第一発見者家元の出戻りむすめ配役は山村紅葉


[20764] 044:ダンス shion 2004年10月19日 (火) 17時13分

ダンスでもいかがですかと首抱へ必殺技の膝蹴り見舞ふ


[20763] 043:濃 shion 2004年10月19日 (火) 17時12分

濃(こく)のあるスープですねと褒めをるは中尾彬か江守徹か


[20762] 042:映画 shion 2004年10月19日 (火) 17時12分

客の涙スポイトで買ふ映画館あすは映画の日にて二倍ぞ


[20761] 041:血 shion 2004年10月19日 (火) 17時11分

足りませんAB型の血税が上乗せをして天引きします


[20760] 034:ゴンドラ さらら 2004年10月19日 (火) 17時07分

20余年姑と暮らししこのわれに君が教えしゴンドラの唄


[20759] 033:半 さらら 2004年10月19日 (火) 17時05分

88歳の宇野千代が「おはん」書上げし半月庵の宿に籠もりて


[20758] 032:薬 さらら 2004年10月19日 (火) 16時56分

医者嫌い薬飲まないこの吾に高価なサプリメントの誘惑あまた


[20757] 031:肌 さらら 2004年10月19日 (火) 16時54分

小麦色の肌の女学生前の席にごま鮭好きとおにぎりの話題


[20756] 030:捨て台詞 さらら 2004年10月19日 (火) 16時50分

一緒にはもう旅行など行かないと何度目だろうこの捨て台詞


[20755] 095:油 みに 2004年10月19日 (火) 16時22分

混ざり合うことはなくても寄り添っていけると思う水と油は

http://mini.pussycat.jp/


[20754] 094:遠 みに 2004年10月19日 (火) 16時22分

何もかも忘れた祖母が縁側で笑顔になった 遠くで見てた

http://mini.pussycat.jp/


[20753] 093:列 みに 2004年10月19日 (火) 16時21分

焼香の無口な列を見ていても涙が出ない祖父の葬式

http://mini.pussycat.jp/


[20752] 092:家族 みに 2004年10月19日 (火) 16時20分

押入れに毎夜誰かの泣く声がへばりついてたそれでも家族

http://mini.pussycat.jp/


[20751] 080:縫い目 笹田かなえ 2004年10月19日 (火) 16時05分

シャンパンの色した泡がシャンパンのグラスに縫い目つけてほどけて


[20750] 079:整形 笹田かなえ 2004年10月19日 (火) 16時02分

「弱点」と書かれたボタン押すたびに「整形」のとこパッと黄になる


[20749] 078:洋 笹田かなえ 2004年10月19日 (火) 15時57分

マーメードラインに夜の雨の道 西洋魔物図鑑へ続く


[20748] 077:坩堝 笹田かなえ 2004年10月19日 (火) 15時55分

魔術師と魔法使いと魔女が来てそれぞれちがう坩堝で競う


[20747] 085:再会 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時34分

雲海をくだりきたりて再会す滑走路といふ一本の道


[20746] 084:抱き枕 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時33分

抱き枕ひとつ買うたろとイトーヨーカドーへ行きしが抱き枕あらず


[20745] 083:皮 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時33分

朝の水のつめたい皮膚に誘はれて旅立ちたりき なよや らいしなや 


[20744] 082:軟 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時32分

喪の家より帰りきたりて一皿の軟骨スープをともに啜りつ


[20743] 081:イラク 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時32分

わが話すイラク語は訛りつよければ水にうすめて杯かきまはす


[20742] 080:縫い目 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時31分

この指はわれの縫い目にふれたのちためらふやうに這ひあがりくる


[20741] 079:整形 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時31分

をとこらを整形させてをとこらのみだりがはしき顔を封ぜよ


[20740] 078:洋 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時31分

みるみるに恋慕のごとくふくれゆく洋菓子こそは食ふべかりけれ


[20739] 077:坩堝 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時30分

坩堝炉にひそみてをればどろどろと汗ながれ出でてはやもたまらぬ


[20738] 076:降 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時29分

少年の朱唇しづかに降りゆくに死者は拒まずみひらきしまま


[20737] 075:あさがお 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時29分

ひいふうみ、はたよついつむ あさがほとおのれの年齢(とし)は数ふる勿れ


[20736] 074:キリン 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時28分

ねえ、キリンときにはきみもまつ青な空に浮かんでみたくはないか


[20735] 073:廊 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時28分

少年にもどれるか院の石廊の日だまりに来て坐りてゐたる


[20734] 072:海老 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時27分

わが上にとろりと落つる薄明は数おびただしき小海老ともなふ


[20733] 071:追 都築直子 2004年10月19日 (火) 14時27分

追ふ、といふその韻律のおもたさや鏡の奥に入りゆきしひと


[20732] 079:整形 渡辺百絵 2004年10月19日 (火) 14時17分

いっぽんの線を目蓋に彫るだけで未来も明るく整形されるの?

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[20731] 080:縫い目 春村 蓬 2004年10月19日 (火) 13時31分

変はらなき声もて君はほつほつと縫ひ目に沿ひし正しさを言ふ


[20730] 079:整形 春村 蓬 2004年10月19日 (火) 13時29分

ひさかたの空に知られぬ雪のもと若き整形外科医の白衣


[20729] 078:洋 春村 蓬 2004年10月19日 (火) 13時29分

大空を洋洋とわたる船を見き樹木に近き腕(かひな)に触れて


[20728] 089:歩 杉田加代子 2004年10月19日 (火) 12時51分

さはいへどゆかねばならぬ朝なれば風に真向かふ歩道橋の上(へ)


[20727] 090:木琴 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時37分

木琴より草の竪琴奏でよう奏でるために風になりたい


[20726] 089:歩 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時36分

風孕むロングスカートうとましい悲をこらえつつ歩みいるのに


[20725] 088:句 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時34分

人生の初句美しく出立し結句鮮やか いまは亡き人


[20724] 087:混沌 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時32分

目の前で遮断機が下り日差しごと混沌の世は分断される


[20723] 086:チョーク 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時30分

黙しつつ指差した先誰もいない チョークで書いたおすすめメニュー


[20722] 095:油 夏瀬佐知子 2004年10月19日 (火) 12時29分

夢、希望、油も売って世の中へそれには煙草をやめろと誰か

http://www.natsuse.com/diary/


[20721] 085:再会 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時28分

目礼をなしたる後もきっときっと言葉にならない再会なせば


[20720] 084:抱き枕 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時26分

よれよれの羽もつわれに天使(ケルビム)の身代わりとなる白き抱き枕


[20719] 083:皮 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時24分

玉葱の薄茶の皮を剥ぎおれば薄きもの脱ぐさびしさつのる


[20718] 082:軟 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時22分

軟らかな紋章として壁面にとまるアゲハチョウ 矜持かかげて


[20717] 081:イラク 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時19分

病の歌あまた読み継ぐ かの人は死期迫りつつイラクを憂う


[20716] 090:木琴 yuki 2004年10月19日 (火) 12時19分

秋の日にまるで木琴たたくような雨音を抱き眠りに落ちた


[20715] 089:歩 yuki 2004年10月19日 (火) 12時18分

秋の夜の夢か現か砂浜を歩いて遙か月の道まで


[20714] 088:句 yuki 2004年10月19日 (火) 12時17分

好き勝手遊んだ挙げ句の通信簿 親に会わせる顔がないかも


[20713] 080:縫い目 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時17分

心音の速さに合わせ縫いゆけばひとすじの縫い目祈りのごとし


[20712] 087:混沌 yuki 2004年10月19日 (火) 12時16分

ビー玉の中に閉じこめられている混沌とした宇宙(そら)の一部が


[20711] 079:整形 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時15分

推敲にワンポイントの整形をかさねかさねすぎ別物となる


[20710] 078:洋 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時13分

寝苦しき夜の耳元兆しくる大洋に吹く追い風の音


[20709] 086:チョーク yuki 2004年10月19日 (火) 12時13分

黒板にチョークの音がカツカツと響く教室あと一時間


[20708] 077:坩堝 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時11分

頭上ゆく鳥の群ふいに乱れ散る空の坩堝に羽根をこぼして


[20707] 076:降 杉森多佳子 2004年10月19日 (火) 12時09分

空離(さか)るたましいを受く渡り鳥舞い降りてくる伊良湖岬に


[20706] 085:再会 江村彩 2004年10月19日 (火) 11時12分

再会を果たせるひとらかがやいてよろこびに満つ集えることの


[20705] 084:抱き枕 江村彩 2004年10月19日 (火) 11時11分

さらさらと頁を繰れぬ歌集抱き枕に髪をこすりつけつつ


[20704] 083:皮 江村彩 2004年10月19日 (火) 11時11分

皮膚の上に一枚笑顔を貼りつけていたのも遠い昔のことだ


[20703] 082:軟 江村彩 2004年10月19日 (火) 11時10分

見解の相違たとえば洗濯時、柔軟剤を使用しますか


[20702] 081:イラク 江村彩 2004年10月19日 (火) 11時10分

「戦」の文字が接尾辞のごとついてくるただにイラクと呼びたきものを


[20701] 086:チョーク 壱架 2004年10月19日 (火) 10時42分

キャンパスの代わりにしてた灰色の道路にチョークが転がっている

http://9257.easter.ne.jp/


[20700] 085:再会 壱架 2004年10月19日 (火) 10時42分

約束の「バッテン」地面にしるすから 再会するのはここだけだよね

http://9257.easter.ne.jp/


[20699] 084:抱き枕 壱架 2004年10月19日 (火) 10時42分

37度微熱具合持っている適温 抱き枕になってほしい

http://9257.easter.ne.jp/


[20698] 083:皮 壱架 2004年10月19日 (火) 10時41分

化けの皮剥いでやるわと意気込んで 皮肉ねあたしが剥がされている

http://9257.easter.ne.jp/


[20697] 082:軟 壱架 2004年10月19日 (火) 10時41分

軟らかい針を刺して眠らせて。100年経ったらあたしを起こして。

http://9257.easter.ne.jp/


[20696] 081:イラク 壱架 2004年10月19日 (火) 10時41分

壁際にいるピラニアは今日だってカイラクカイカン溺れる水槽

http://9257.easter.ne.jp/


[20695] 068:傘  コズエ 2004年10月19日 (火) 10時13分

凌霄の花ほっつりと落ちている日傘の影を真っ黒にして


[20694] 067:ビデオ  コズエ 2004年10月19日 (火) 10時12分

巻き戻し進んではまた巻き戻すビデオのように過去ひきずって


[20693] 066:鋼  コズエ 2004年10月19日 (火) 10時11分

生きるため研いだ鋼が今晩も真綿の中でゆっくりと錆び


[20692] 065:水色(再投稿)  コズエ 2004年10月19日 (火) 10時10分

水色の空に溶けだす全身を投げ出しても投げ出してもある


[20690] 070:にせもの 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時31分

にせもののふるさとがあり偽者の家族があって癒される街

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20689] 069:奴隷 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時31分

ネットでは大安売りの旗を立てアンドロイドの奴隷も売ってる

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20688] 068:傘 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時30分

折りたたみ傘のごとくに畳まれて娘はやがて受験生になる

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20687] 067:ビデオ 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時30分

再生のボタンは過去への入り口だ巻戻しつつ見ているビデオ

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20686] 066:鋼 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時29分

怨念が増殖して行かないように封印された鋼色の箱

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20685] 065:水色 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時29分

てのひらの窪みに湧き水受け止めて飲み干してみる水色の水

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20684] 064:イニシャル 武田ますみ 2004年10月19日 (火) 09時28分

月の石の裏側に実はイニシャルが刻まれていたなんて秘密よ

http://mypage.odn.ne.jp/home/erimana0508


[20683] 040:ねずみ shion 2004年10月19日 (火) 08時41分

割勘の前にふらつと姿消すねずみ男は保存が効かぬ


[20682] 039:モザイク shion 2004年10月19日 (火) 08時41分

番組が終りましても情報を!失踪者までモザイクかけて


[20681] 038:連 shion 2004年10月19日 (火) 08時40分

流連(ゐつづけ)の吾に中締め届けらる消費税分サービスとあり


[20680] 037:愛嬌 shion 2004年10月19日 (火) 08時40分

一口で箸を置く海原雄山作「愛嬌たつぷりラーメン」


[20679] 036:流 shion 2004年10月19日 (火) 08時39分

「流石ね」と口では言つて蔑む目きざみパセリも振りたさうだね


[20678] 035:二重 shion 2004年10月19日 (火) 08時39分

句会での二重丸など要らざりき幼年期にぞ花丸あらば


[20677] 034:ゴンドラ shion 2004年10月19日 (火) 08時38分

怪童丸は女狂ひといふ噂ゴンドラを駆り山姥が来る


[20676] 033:半 shion 2004年10月19日 (火) 08時37分

二合半(こなから)の酔ひと浴衣とピンポンと駅前旅館三点セット


[20675] 032:薬 shion 2004年10月19日 (火) 08時37分

湯ざましは抛物線を描きつつ傾けられし薬缶をあとに


[20674] 031:肌 shion 2004年10月19日 (火) 08時36分

逝く秋に添ふる言葉をさがしつつ緋牡丹お竜諸肌を脱ぐ


[20673] 081:イラク  杉山理紀 2004年10月19日 (火) 06時48分

迷わずに一秒先へ進むだけイラクのひとも小さなねこも

http://page.freett.com/sugi8ma/


[20672] 032:薬  久野はすみ 2004年10月19日 (火) 06時30分

睡眠薬をもらうつもりがうっかりと寝過ごしているそんな日々です

http://hasumi.exblog.jp


[20671] 089:歩 本所飛鳥 2004年10月19日 (火) 05時43分

前を見てこれから君が歩む道色んなことがある未来への

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[20670] 031:肌  久野はすみ 2004年10月19日 (火) 05時39分

苔むした岩肌だった、雪解けの水をしずかに受けていたのは

http://hasumi.exblog.jp


[20669] 088:句 本所飛鳥 2004年10月19日 (火) 05時36分

句読点ない子供らの作文は読みにくくて文句をつけて

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[20668] 097:曖昧 多喜エリ 2004年10月19日 (火) 05時28分

投げたまま戻ってこないゴム毬の記憶の先はいつも曖昧

http://www.geocities.jp/takieri9/


[20667] 070:にせもの 大江ケンジ 2004年10月19日 (火) 02時24分

本物にたったひとつのにせものを混ぜたおかげでもう歴史的

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/9680/