[19870] 013:彩 魅弥華韻 2004年10月14日 (木) 14時19分

お別れのふたり彩雲みるまでをかるくベッドを窪ませている


[19869] 012:裸足 魅弥華韻 2004年10月14日 (木) 14時18分

ぼくの裸足にきみの裸足がかさなって朝めざめける朝に覚めるも


[19868] 100:ネット 川田一路 2004年10月14日 (木) 14時05分

微笑みの女神の背後にひそみたる死者あやつりしネットオークション


[19867] 040:ねずみ 長沼直子 2004年10月14日 (木) 14時02分

ねずみ色した空からは大粒のあたしのに似たカタチのなみだ


[19866] 039:モザイク 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時59分

モザイクのかかった君は嘘つきで嘘をつかない私も嘘つき


[19865] 010:チーズ(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 13時59分

自転車で夏を駆けゆくフランスは一村一酒一チーズの国


[19864] 038:連 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時57分

友達が連ねる名前はうわの空みんなあなたの身代わりだから


[19863] 037:愛嬌 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時55分

愛嬌を振りまく君にシットしてジントニックはもう6杯目


[19862] 036:流 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時53分

流れゆく日々にさよならくちづけを交わす数だけ永久にさよなら


[19861] 035:二重 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時51分

なわとびは得意ときみが二重跳びジャンプするたび明日が近づく


[19860] 034:ゴンドラ 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時47分

ゴンドラにゆられてのぼる雪山を青いウェアですべりゆく君


[19859] 033:半 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時44分

上弦の夜に海辺で拾ったの。月の半分。君にあげるわ


[19858] 068:傘 高見里香 2004年10月14日 (木) 13時44分

傘の先地面にこすって歩くので斜めに磨り減るみちくさのはて


[19857] 032:薬 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時43分

「カゼ薬飲むなら何か食べなくちゃ!」作るお粥は君の指図で・・・


[19856] 031:肌 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時40分

肌をさす夏の日差しをさしおいて心にささるあなたの言葉


[19855] 067:ビデオ 高見里香 2004年10月14日 (木) 13時39分

ビデオよりも鮮やかにいや不鮮明に修正される大人になると


[19854] 066:鋼 高見里香 2004年10月14日 (木) 13時32分

通行の邪魔するごとく天を向く鋼が落ちたる台風の後


[19853] 030:捨て台詞 長沼直子 2004年10月14日 (木) 13時29分

「だいっきらい」本心じゃない捨て台詞君を黙らせあとの祭りに


[19852] 065:水色 高見里香 2004年10月14日 (木) 13時25分

ひたひたと二人は進む水色と空色の時を刻みつつ


[19851] 064:イニシャル 高見里香 2004年10月14日 (木) 13時06分

気弱だから携帯電話が手放せないイニシャルトークが好きな奥さん


[19850] 084:抱き枕 杉田加代子 2004年10月14日 (木) 13時05分

吾を抱き枕をぬらしし夜のことは黙しをりにき死にたまふ母


[19849] 083:皮 杉田加代子 2004年10月14日 (木) 12時09分

焼売の皮になれよと君は言ふ包みたくない夜だつてある


[19848] 042:映画 佐藤麦 2004年10月14日 (木) 11時38分

抜け出して映画館から渡世人渡り鳥にもなったね君は


[19847] 084:抱き枕(再投稿) 鈴木英子 2004年10月14日 (木) 09時56分

新聞の折り込みチラシに端正な歯並び見せて抱き枕抱く


[19846] 085:再会 鈴木英子 2004年10月14日 (木) 09時55分

詠み人知らずとなりし歌あり再会す詠み人思(も)いつつ短冊切りせり


[19845] 抱き枕 鈴木英子 2004年10月14日 (木) 09時36分

新聞の折り込みチラシに端正な歯並び見せて抱き枕抱く


[19844] 033:半 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時35分

会うことはなくても半径1000kmの円の中には二人いるはず


[19843] 032:薬 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時35分

そんなにも見せつけないで 薬指に光る刃物が私を切り裂く


[19842] 031:肌 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時34分

肌色の薬を飲むよ 突き刺さる言葉もすこしゆるせるように


[19841] 030:捨て台詞 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時32分

思い切り蹴飛ばしてやればよかったな せめて捨て台詞吐いていたなら


[19840] 029:太鼓 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時32分

放課後の音楽室に一人きり素手で太鼓を小さくたたく


[19839] 028:着 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時31分

「コート着てでかけなさいよ」という声の響く玄関、初冬の朝


[19838] 027:天国 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時30分

天国へそのままつながる人生は物足りなさを感じて終わる


[19837] 026:芝 岩崎恵 2004年10月14日 (木) 09時29分

もし結婚するなら電化製品は私のために東芝にして


[19836] 076:降 廣島屋 2004年10月14日 (木) 08時46分

降りてくる降りてくるよ笑ひの神様がアドリブ魔王の痩身の震へ

http://homepage3.nifty.com/hiroshimaya/


[19835] 075:あさがお 廣島屋 2004年10月14日 (木) 08時41分

またあさがおともなくウチにやつてきてけつしてあかないドアのまえにたつ

http://homepage3.nifty.com/hiroshimaya/


[19834] 074:キリン 廣島屋 2004年10月14日 (木) 08時38分

立ち読みでヤングキングをぱらぱらり東本昌平「キリン」こりやこりや

http://homepage3.nifty.com/hiroshimaya/


[19833] 091:埋 藤原龍一郎 2004年10月14日 (木) 08時13分

埋没し忘れられたるウタビトとしての宮本利男忘るな


[19832] 025:怪談 shion 2004年10月14日 (木) 08時04分

長すぎる怪談でした私にはこんなに腰が伸びてしまつて


[19831] 024:ミニ shion 2004年10月14日 (木) 08時04分

ミニチュアの白鷺城に夜霧立つ雲古を出してゴジラの内へ


[19830] 023:望 shion 2004年10月14日 (木) 08時02分

「望外の喜び」と吐くファクシミリ電話回線は・・・忌中じやない


[19829] 022:上野 shion 2004年10月14日 (木) 08時02分

京都ならさしづめ西院(さいん)てなとこか上野の空を秋の烏よ


[19828] 021:胃 shion 2004年10月14日 (木) 08時00分

胃洗浄されてゐる夢見し朝のIHジャー炊飯器かな


[19827] 090:木琴 藤原龍一郎 2004年10月14日 (木) 07時45分

教室に木琴があり木琴をたたく新崎人生がおり


[19826] 075:あさがお 渡辺百絵 2004年10月14日 (木) 07時25分

朝帰りしたら怒って咲かないの。なまいきでしょう、うちのあさがお

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[19825] 072:海老 渡辺百絵 2004年10月14日 (木) 06時06分

瑠璃色の卵を抱いた海老達の夢のあわいに降るマリンスノー

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[19824] 074:キリン 渡辺百絵 2004年10月14日 (木) 04時39分

サバンナのキリンは走る真夜中も 紫色の舌を揺らして

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[19823] 066:鋼 ひぐらしひなつ 2004年10月14日 (木) 03時49分

ぼくは大丈夫って言う旅立ちはさみしい鋼のようなあかるさ

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[19822] 065:水色 ひぐらしひなつ 2004年10月14日 (木) 03時48分

やわらかいところがすべて水色になるまで耳を鎖しておいで

http://www2.spitz.net/hinatsu/


[19821] 073:廊 渡辺百絵 2004年10月14日 (木) 03時35分

保健室前の廊下の静けさにあぶくのようなため息がでる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/2527/


[19820] 076:降 本所飛鳥 2004年10月14日 (木) 03時00分

芦ノ湖に降り落ちる雨罪はなくロープウェイから子供らは見る

http://aja-bochan.hp.infoseek.co.jp/


[19819] 075:あさがお 日向寺みづほ 2004年10月14日 (木) 02時09分

許し請うまでもないからあさがおのパラソルのちパラシュート見届け


[19818] 074:キリン 日向寺みづほ 2004年10月14日 (木) 02時07分

キリンにはさせない背伸びしすぎだよ 猫背も悪くないからきっと


[19817] 073:廊 日向寺みづほ 2004年10月14日 (木) 02時05分

小走りに急ぐ廊下の許された(強制された)自由だろうか


[19816] 072:海老 日向寺みづほ 2004年10月14日 (木) 02時04分

黄昏の国去る気にもなれなくて海老煎餅をもう一枚だけ


[19815] 071:追 日向寺みづほ 2004年10月14日 (木) 02時03分

追伸の先走る文書き終えて流星群と共に散りたり


[19814] 098:溺 椎名時慈 2004年10月14日 (木) 01時37分

泳げないことは知ってる汚いということも でも溺れてやるぞ


[19813] 097:曖昧 椎名時慈 2004年10月14日 (木) 01時07分

居眠って生返事する曖昧な意識の中で地雷を踏んだ


[19812] 077:坩堝 しんくわ 2004年10月14日 (木) 00時43分

坩堝っていえば坩堝の新宿の23時のドンキホーテ


[19811] 076:降 しんくわ 2004年10月14日 (木) 00時39分

下降する僕の不埒な性欲がこんなはずではないのだと言う


[19810] 099:絶唱(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時36分

雨上がり緑したたる公園に絶唱聞こゆマリア・カラスの


[19809] 098:溺(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時34分

自らを「我は紙魚だ」と称しつつ活字に溺れきったる友人


[19808] 097:曖昧(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時32分

通夜の席への地図曖昧に描かれいてさまよいおれば驟雨にとける


[19807] 096:類(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時26分

盲目の塙保己一編纂の「群書類従」1680巻


[19806] 075:あさがお しんくわ 2004年10月14日 (木) 00時24分

あさがおのつぼみの先を触ること禁じて家庭教師は帰る


[19805] 095:油(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時22分

タクシーの運ちゃんにまじり深夜食うラーメンのスープ油ギトギト


[19804] 094:遠(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時20分

旅に出る鞄に少々隙間あり文庫一冊「遠野物語」


[19803] 096:類 椎名時慈 2004年10月14日 (木) 00時20分

麺類は和洋中華にすべてあり人類もまたすべて人類


[19802] 093:列(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時17分

神よりも御加護ありしか宝籤売場の列に我も加わる


[19801] 091:埋(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時14分

ぬめりたる土に足から埋まりゆき肩まできたがまだ目が覚めぬ


[19800] 090:木琴(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時11分

サマースクール今日で閉校木琴で「蛍の光」の演奏聞こゆ


[19799] 074:キリン しんくわ 2004年10月14日 (木) 00時09分

僕には妻が君には夫がいることに気付いて上から見下ろすキリン


[19798] 089:歩(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時08分

初手だけは名人だって僕だって指す手は同じ 7六歩


[19797] 088:句(再投稿) 川田一路 2004年10月14日 (木) 00時02分

ドスに散らそか男の涙 映画「傷だらけの人生」の惹句懐かし


[19796] 087:混沌(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時59分

神々は混沌のなか人つくりひとの心に混沌を生む


[19795] 073:廊 しんくわ 2004年10月13日 (水) 23時59分

滑りやすい廊下だ もしくはひさかたの天の川面を流れるミルクだ


[19794] 086:チョーク(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時57分

カンニングの生徒にチョーク命中させし名物教師同窓会に


[19793] 085:再会(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時55分

握手する掌の冷たさに二度となき再会思う目を伏せながら


[19792] 084:抱き枕(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時53分

横たわる途端あふれくる感情の昂まり抱き枕に涙


[19791] 095:油 椎名時慈 2004年10月13日 (水) 23時52分

江戸時代より続いてる油屋のひとり娘と火遊びをする


[19790] 083:皮(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時51分

伐採の株に残りし杉の樹皮ささくれ立って風に向える


[19789] 082:軟(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時49分

碧き海白き帆船軟らかな風のかいなに抱かれすすむ


[19788] 072:海老 しんくわ 2004年10月13日 (水) 23時48分

すばらしいマンション計画発動乙女 神様僕は海老になりたい


[19787] 081:イラク(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時46分

チグリスとユーフラテスは水たたえ戦禍イラクは豊饒の地


[19786] 080:縫い目(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時42分

縫い目なき素肌を指がなぞりゆく丘の彼方に朝のひかりが


[19785] 094:遠 椎名時慈 2004年10月13日 (水) 23時40分

遠いのに近所のコンビニ寄るように私の許へ通ってくる君


[19784] 071:追 しんくわ 2004年10月13日 (水) 23時39分

070の投稿 定型がへんだった

五七五五七七や!しんくわよ と短歌の神様が追ってきて言う


[19783] 079:整形(再投稿) 川田一路 2004年10月13日 (水) 23時38分

七色の夜の噴水あびながら整形なせし女の微笑


[19782] 057:表情 奥村 智子 2004年10月13日 (水) 23時35分

さっきまで虫も殺さぬ表情で寝ていた子らが飛蝗の足もぐ


[19781] 056:磨 奥村 智子 2004年10月13日 (水) 23時33分

両親に切磋琢磨と挨拶をしていた夫ソファでトド寝


[19780] 055:日記 奥村 智子 2004年10月13日 (水) 23時33分

なんとなく始めたブログの日記帳見知らぬ人に労われをり


[19779] 054:リスク 奥村 智子 2004年10月13日 (水) 23時32分

ハイリスクハイリターンな銘柄の買い時を待ち一喜一憂


[19778] 053:墨 奥村 智子 2004年10月13日 (水) 23時30分

薄墨を流したやうな夕闇に何度問ひても帰らぬ子待つ


[19777] 011:犬 マーシー 2004年10月13日 (水) 23時30分

さあ 犬の背の点を奪つて大いなる独逸の大地へ駆けだしてくれ


[19776] 070:にせもの しんくわ 2004年10月13日 (水) 23時29分

にせものと本物の神様の区別なら六甲のおいしい水でだいたいわかる


[19775] 090:木琴 田丸まひる 2004年10月13日 (水) 23時16分

すてばちなメロディライン 神様の木琴はいつ上手になるの

http://replicaprince.easter.ne.jp/


[19774] 089:歩 藤原龍一郎 2004年10月13日 (水) 23時03分

「歩のない将棋は負け将棋」だと有線が歌い山口瞳の自恃を


[19773] 090:木琴 渡部光一郎 2004年10月13日 (水) 22時58分

旧校舎誰かが鳴らす木琴は鰯雲までとどくようでさ


[19772] 089:歩 渡部光一郎 2004年10月13日 (水) 22時56分

墓まで尖り立ち続けよというか一歩兵として終わりしを


[19771] 070:にせもの 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時49分

見せ物ににせもの多くこれ以上付き合えないと消したよ今日も


[19770] 069:奴隷 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時48分

逃げ惑う悪夢ばかりで奴隷にはならない想像力の欠落


[19769] 068:傘 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時48分

たかまりとしずまりの間に傘開き描いた円を橋のむこうへ


[19768] 067:ビデオ 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時47分

ビデオなき日々を再生しつづけて巻き戻せないあやまちを過ぐ


[19767] 079:整形 川田一路 2004年10月13日 (水) 22時46分

七色の夜の噴水あびながら整形なせし女の微笑


[19766] 066:鋼 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時46分

ありふれた鋼の道のひとつかな今手に取ったステンレス鍋


[19765] 065:水色 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時45分

水色のあるいは紺のギンガムのチェック放課後の制服として


[19764] 064:イニシャル 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時44分

手紙書く時は名前を明記せよイニシャルなんて三日で忘れる


[19763] 063:雷 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時44分

雷に顔輝かす人のいて時折揺れるレースカーテン


[19762] 062:胸元 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時43分

もうそろそろ慣れるべきだと知っている胸元飾る息苦しさに


[19761] 061:高台 日向寺みづほ 2004年10月13日 (水) 22時42分

まっすぐな道の彼方へ消えていく高台のない町の記憶は


[19760] 083:皮 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 22時36分

牛皮(ぎゅうひ)あらため求肥となりしほのあまに消化器官をさすりてもらう


[19759] 082:軟 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 22時35分

ストローハットはここに堕ちたり土濃くて碓氷峠は軟風峠


[19758] 041:血 佐藤麦 2004年10月13日 (水) 22時32分

木漏れ日のなか血族が打ち揃ういつか何処かで見た鼻の穴


[19757] 093:列 椎名時慈 2004年10月13日 (水) 22時31分

粛々と進む行列どこまでも途中で誰か間違えてても


[19756] 088:句 渡部光一郎 2004年10月13日 (水) 22時30分

句座でたぶんあいつがいちばん逆選を多く喰らってやがる、眩しい


[19755] 040:ねずみ 佐藤麦 2004年10月13日 (水) 22時19分

逢瀬から戻ればすぐに逢いたくて素早くねずみクリッククリック


[19754] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 22時13分

雨上がり緑したたる公園に絶唱聞こゆマリア・カラスの


[19753] 047:機械 山田 明 2004年10月13日 (水) 22時11分

今ここが昨日か明日かわからない機械仕掛けで生かされる我


[19752] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 22時10分

自らが「我は紙魚だ」と称しつつ活字に溺れきったる友人


[19751] 046:練 山田 明 2004年10月13日 (水) 22時10分

ビデオ観て一人練習してもダメ相手の気持ち考えなくちゃ


[19750] 045:家元 山田 明 2004年10月13日 (水) 22時09分

いつまでも一家元気でいるはずと根拠もなしに信じてた我


[19749] 044:ダンス 山田 明 2004年10月13日 (水) 22時08分

たんぽぽのパラシュート隊風に乗りモンシロとダンス アンドゥトロワ


[19748] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 22時03分

通夜の席への地図曖昧に描かれいてさまよいゆけば驟雨に溶ける


[19747] 080:縫い目 江村彩 2004年10月13日 (水) 21時49分

ばらついた縫い目がおぼえている旅のそれぞれ ほころび多きリュックの


[19746] 079:整形 江村彩 2004年10月13日 (水) 21時48分

ベーグルを整形すれば中心を持たないままにととのう 環とは


[19745] 078:洋 江村彩 2004年10月13日 (水) 21時48分

おそらくは同じ文字を知る東洋人同士と思えど英語で話す


[19744] 077:坩堝 江村彩 2004年10月13日 (水) 21時48分

坩堝なるトロント デリにナシゴレン、ベーグル、ケバブ、スシ、パニーニが


[19743] 076:降 江村彩 2004年10月13日 (水) 21時46分

降り立てばさむき空港初秋から深秋へ飛ぶ十時間経て


[19742] 081:イラク 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 21時33分

残虐の極みも配信されること夕陽あまねしイラク戦争


[19741] 080:縫い目 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 21時25分

縫い目にも海の息吹きのこもりたるフランス綴じの限定詩集


[19740] 039:モザイク 佐藤麦 2004年10月13日 (水) 21時24分

神さまはスキマだらけの強迫の証しみたいな聖堂モザイク


[19739] 038:連 佐藤麦 2004年10月13日 (水) 21時16分

一匹の守宮住みつき道連れにするには惜しい面構えです


[19738] 038:連 加藤苑三 2004年10月13日 (水) 21時08分

連番で100枚買っても1枚も当たらないような運の悪さよ

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[19737] 037:愛嬌 加藤苑三 2004年10月13日 (水) 21時08分

愛嬌がないものでこんな晴れた日のFranc francは居心地悪い

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[19736] 036:流 加藤苑三 2004年10月13日 (水) 21時07分

深呼吸してみろ、すべて押し流せないなら今は泣くべきじゃない。

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[19735] 033:半(再投稿) 尾崎レイ 2004年10月13日 (水) 21時07分

誘われてしびれ出て行くその瞬間(とき)は絶対本気半端じゃないわ


[19734] 035:二重 加藤苑三 2004年10月13日 (水) 21時06分

もう26です。二重まぶたにも今ではそんなに憧れません。

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[19733] 034:ゴンドラ 加藤苑三 2004年10月13日 (水) 21時06分

恋はするものじゃなくって落ちるもの。ゴンドラの唄にまで憎まれ口。

http://www.geocities.jp/sk_sweetholic/


[19732] 011:犬 魅弥華韻 2004年10月13日 (水) 21時01分

うっすらと痕を残して止む雨はきみの犬歯のように儚い


[19731] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時42分

サマースクール今日で閉校木琴で「蛍の光」の演奏聞こゆ


[19730] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時40分

初手だけは名人だって僕だって指す手は同じ 7六歩


[19729] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時38分

ドスに散らそか男の涙 映画「傷だらけの人生」の惹句懐かし


[19728] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時35分

神々は混沌のなか人つくりひとの心に混沌を生む


[19727] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時33分

カにンニングの生徒にチョーク命中させし名物教師同窓会に


[19726] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時31分

握手する掌の冷たさに二度となき再会思う目を伏せながら


[19725] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時29分

横たわる途端あふれくる感情の昂まり抱き枕に涙


[19724] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時26分

伐採の株に残りし杉の樹皮ささくれ立って風に向える


[19723] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時24分

碧き海白き帆船軟らかな風のかいなに抱かれすすむ


[19722] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時21分

チグリスとユーフラテスは水たたえ戦禍イラクは豊饒の地


[19721] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時19分

縫い目なき素肌を指がなぞりゆく丘の彼方に朝のひかりが


[19720] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時17分

七色の夜の噴水あびながら整形なせし女の微笑


[19719] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時09分

盲目の塙保己一編纂の「群書類従」1680巻


[19718] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時06分

タクシーの運ちゃんにまじり深夜食うラーメンのスープ油ギトギト


[19717] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 20時00分

旅に出る鞄に少々隙間あり文庫本一冊「遠野物語」


[19716] 無題 川田一路 2004年10月13日 (水) 19時56分

神よりも御加護ありしか宝籤売場の列に我も加わる


[19715] 092:家族 川田一路 2004年10月13日 (水) 19時54分

観客のいない家族という舞台役柄演じられずに小雨


[19714] 091:埋 川田一路 2004年10月13日 (水) 19時50分

ぬめりたる土に足から埋まりゆき肩まできたがまだ目がさめぬ


[19713] 082:軟 杉田加代子 2004年10月13日 (水) 18時32分

こりこりと烏賊の軟骨食みたれば顎関節がふるふる痛む


[19712] 010:チーズ 魅弥華韻 2004年10月13日 (水) 17時53分

原始林とろけるようにモッツァレラチーズやわらか柔らかな始まり


[19711] 079:整形 鈴木英子 2004年10月13日 (水) 17時13分

つづまりは悲恋こそ残り伊藤整形骸の美の量感あわれ


[19710] 090:木琴 遠山那由 2004年10月13日 (水) 17時07分

ト長調調子はずれの「ファ」よ響け黒鍵のない木琴だから

http://www.pp.iij4u.or.jp/~miwachan/


[19709] 089:歩 遠山那由 2004年10月13日 (水) 16時31分

盤面に音高く打つ駒は二歩(にふ)長考の末に負けたい日がある

http://http://www.pp.iij4u.or.jp/~miwachan/


[19708] 056:磨  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時49分

母さんの言うとおりに磨く母さんの言うとおりシンクを磨く


[19707] 055:日記  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時49分

輪郭を毎日確認するために三種の日記にわたしを記す 


[19706] 054:リスク  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時48分

いきものの勘を失うリスク負いセイタカノッポのマンションに住む


[19705] 053:墨  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時47分

ひっそりと薄墨色の湖(うみ)にたつ樹木らの影は弔いの列


[19704] 052:部屋  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時47分

夕焼けは金木犀の香りだけ残して部屋のすみっこで消え


[19703] 051:痛  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時46分

今朝もまた記憶の淵に這い上がる痛みおしのけ夫のパン焼く


[19702] 050:おんな  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時46分

「あら、いやだ」なわとびをする幼女らの一人前におんなのことば


[19701] 049:潮騒  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時45分

潮騒は不安になります山の子の記憶の外にある音だから 


[19700] 069:奴隷 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時37分

人どおしなぜに奴隷となせるのかわからぬままに読む南米小説


[19699] 048:熱  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時35分

子を叱る階下の母はひいやりと狂気の熱を日毎増しゆく


[19698] 047:機械(再投稿) コズエ 2004年10月13日 (水) 14時34分

ごおおうんごおんとまわる機械のうえで釉薬調合するじいさん


[19697] 068:傘 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時34分

それぞれの肩を濡らしてゆく雨に言葉少なく番傘一本


[19695] 067:ビデオ 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時33分

初めてのバトンを持つ子を写つさんとビデオの中から応援する父


[19694] 046:練  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時32分

練乳の海に溺れてもがく蟻すくって潰すわれは主婦なり


[19693] 045:家元  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時32分

家元と呼ばれる人に接点のない生活を今朝もはじめる


[19692] 044:ダンス  コズエ 2004年10月13日 (水) 14時32分

カーテンの揺らめく影に姫君のダンスを思う午後の微睡み


[19691] 066:鋼 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時30分

熱線は鋼鉄溶かし爆風は子らをとばすも平和の炎消えることなく


[19690] 065:水色 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時28分

水色を集めて流れる淵野辺に紅き葉一枚 深き秋逝く


[19689] 064:イニシャル 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時26分

5年前誓いの言葉を具現したイニシャル入りのペア腕時計


[19688] 070:にせもの 笹田かなえ 2004年10月13日 (水) 14時24分

ふたつとないにせものならばそのいつか忘れ去られたほんものとなれ


[19687] 069:奴隷 笹田かなえ 2004年10月13日 (水) 14時21分

見て見ないふりはできないでも奴隷どうして奴隷小さく叫ぶ


[19686] 068:傘 笹田かなえ 2004年10月13日 (水) 14時19分

水かきのある手のような傘のようなかたちで私、守られていた


[19685] 063:雷 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時13分

雷神と風神どっちが好みかが国宝展の帰りの議論


[19684] 062:胸元 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時11分

胸元にしずくのごときアメジストうなずくたびに悲しく揺れる


[19683] 061:高台 中西のぞみ 2004年10月13日 (水) 14時09分

夜桜を見むと足元おぼつかぬ老母ともない高台寺への道


[19682] 070:にせもの yuki 2004年10月13日 (水) 12時34分

やさしさがいつもと違うそんな気がする日のあなたはきっとにせもの


[19681] 067:ビデオ 笹田かなえ 2004年10月13日 (水) 12時33分

巻き戻すビデオの画面見ていたらだんだんだんだん私が悪い


[19680] 069:奴隷 yuki 2004年10月13日 (水) 12時33分

奴隷にはなりたくないわ縛られず私の意志で愛したいのよ


[19679] 068:傘 yuki 2004年10月13日 (水) 12時31分

雨はまた相合い傘の楽しみも子供じみてて幸せな時間(とき)


[19678] 066:鋼 笹田かなえ 2004年10月13日 (水) 12時30分

最高の笑顔でしたね鋼鉄の蒼い翳りと手ざわりを置き


[19677] 067:ビデオ yuki 2004年10月13日 (水) 12時27分

あの笑顔心の中で何回もビデオのように再生してる


[19676] 066:鋼 yuki 2004年10月13日 (水) 12時23分

秋風が背中追い越す夕暮れに鋼の心がきらりと光る


[19675] 090:木琴 夏瀬佐知子 2004年10月13日 (水) 11時48分

隷属も美しければ命終を全うしても木琴の音に

http://www.natsuse.com/diary/


[19674] 025:怪談 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時07分

聞かされる怪談よりもいつもとは違った声に緊張してる


[19673] 024:ミニ 岩崎恵 2004年10月13日 (水) 11時06分

ミニトマトだけ残してた手作りのお弁当を今も食べたい