[11352] 070:玄関 佐藤りえ 2003年11月24日 (月) 18時33分

めざめれば棺のような部屋だろう玄関に挿す百合の香みちて

http://www.ne.jp/asahi/sato/dolcevita/


[11351] 087:朝 青山みのり 2003年11月24日 (月) 18時33分

半音低き着信音の鳴りひびく朝にまた発熱の予感す


[11350] 086:とらんぽりん 青山みのり 2003年11月24日 (月) 18時33分

とらんぽりんおちるまぎわのきみの手がスキっていえばさわってくれる?


[11349] 069:コイン 佐藤りえ 2003年11月24日 (月) 18時30分

ポケットにしまっておいた月光と金のコインをくちにふくんで

http://www.ne.jp/asahi/sato/dolcevita/


[11348] 068:似る 佐藤りえ 2003年11月24日 (月) 18時28分

満月に似ているだろう指の輪に張ったサボンのはかない皮膜

http://www.ne.jp/asahi/sato/dolcevita/


[11347] 011:イオン 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 18時26分

健康にいいとマイナスイオン出るブレスレットを今日も買わざり


[11346] 067:化粧 佐藤りえ 2003年11月24日 (月) 18時23分

ふりかかる落ち葉をはらうこともせずくだくだ登るこの化粧坂

http://www.ne.jp/asahi/sato/dolcevita/


[11345] 066:僕 佐藤りえ 2003年11月24日 (月) 18時22分

光あれ、と言ったあなたが見落とした僕の背中に影はあるのです

http://www.ne.jp/asahi/sato/dolcevita/


[11344] 010:浮く 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 18時09分

歯が浮いて困ってしまう一言を聞きたい夜があるということ


[11343] 009:休み 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 17時57分

休みには休みの心を持つべきと手首を掴んで君は告げたり


[11342] 008:足りる 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 17時51分

塩味が足りないままに食べている君の作りしペペロンチーノ


[11341] 007:ふと 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 17時50分

遠巻きに窺う彼らを意識してふとき声にて我は呼ばるる


[11340] 006:脱ぐ 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 17時20分

踏みつけてあげるから靴下脱ぐまでの1分待っていなさい 猫よ


[11339] 005:音 平岡ゆめ 2003年11月24日 (月) 17時08分

十一面観音菩薩の後頭部見上げればまた顔ひとつあり


[11338] 077:落書き 生奈旻士 2003年11月24日 (月) 16時26分

腰元に落書きひとつ。
     「詩人になんねん」
   チビだった。中也に会った日。

http://www.speedik.co.jp/uon


[11337] 100:短歌 よしだかよ 2003年11月24日 (月) 14時36分

よみました?

鸚鵡の舌の裏側のだれかのためにかかれた短歌


[11336] 099:かさかさ よしだかよ 2003年11月24日 (月) 14時35分

蝉だった記憶かさかさ音たてる抜け殻つまったポケットみっつ


[11335] 090:ぶつかる 長谷川と茂古 2003年11月24日 (月) 14時04分

ちかれびのえれきれピップはりちよびれ 90首めの壁にぶつかる


[11334] 100:短歌 2003年11月24日 (月) 13時59分

戦争のことなど短歌に詠み継いで何になるかと笑えば苦い


[11333] 099:かさかさ 2003年11月24日 (月) 13時56分

灼熱の砂漠にかさかさ干からびて転がる死体はいくつあるのか


[11332] 098:傷 2003年11月24日 (月) 13時53分

八月になると疼くと傷跡を撫でつつ語る広島のひと


[11331] 097:支 2003年11月24日 (月) 13時50分

心中の支柱ぽっきり折れているなのに身体はまだここにある


[11330] 096:石鹸 2003年11月24日 (月) 13時31分

この肌にじわりと老いは刻まるる乳房愛しみ石鹸を塗る


[11329] 095:満ちる 2003年11月24日 (月) 13時26分

『愛と怒り闘う勇気』あなたこそそれに満ちてると言い遅れた日


[11328] 094:時 2003年11月24日 (月) 13時18分

音立てて死へ近づいてゆくこの時にあなたは宇宙の歴史を語る


[11327] 093:恋 2003年11月24日 (月) 13時13分

赤ん坊、子供、恋人、夫、妻、老人、みんな空爆が呑む


[11326] 092:人形(ナンバー訂正) 2003年11月24日 (月) 13時12分

カンボジアの人形は笑む帰国して音信ふつと途切れたままの子


[11325] 093:人形 2003年11月24日 (月) 13時06分

カンボジアの人形は笑む帰国して音信ふつと途切れたままの子


[11324] 091:煙 2003年11月24日 (月) 13時03分

なにもかも焦げた煙の臭いして灰のNY9・11 惨


[11323] 003:さよなら(再投稿) 梨乃 礫 2003年11月24日 (月) 13時01分

それならば「さよなら」じゃなく「バイバイ」にしてって言えばよかった なんて


[11322] 048:死 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 12時13分

「死んでから大事にされてもねえ」と言う母は仏壇掃除がきらい


[11321] 047:沿う 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 11時53分

きみの背に沿う晩秋のかがやきを見ていた朱色の実を落としつつ


[11320] 100:短歌 梨乃 礫 2003年11月24日 (月) 11時20分

人生をかけて誰かがよむ短歌 なげて誰かがよむ短歌


[11319] 099:かさかさ 梨乃 礫 2003年11月24日 (月) 11時19分

十代はかさかさだった少しづつうるおいうるおい四十の手前


[11318] 046:南 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 11時08分

水かさが増していたんだ 静かなるアナーキストは南から来る


[11317] 098:傷 梨乃 礫 2003年11月24日 (月) 11時08分

目に見えぬ傷を表に出すときの痛みが生きろ生きろって言う  


[11316] 097:支 梨乃 礫 2003年11月24日 (月) 11時07分

夕飯の支度はしたし家を出る支度もしたし 終る 始まる


[11315] 060:奪う 夏己はづき 2003年11月24日 (月) 09時37分

奪われたことにはそっと目をつぶる やさしさイコール強さじゃないが

http://8-gatsu.ka.to/


[11314] 059:夢 夏己はづき 2003年11月24日 (月) 09時36分

夢/リアル/夢/リアル/夢 どちらにも落ち着けなくて漂う からだ

http://8-gatsu.ka.to/


[11313] 058:たぶん 夏己はづき 2003年11月24日 (月) 09時36分

適当に置かれたようなビル群の隙間でたぶん恋をしていた

http://8-gatsu.ka.to/


[11312] 057:蛇 夏己はづき 2003年11月24日 (月) 09時36分

象を飲む大蛇の如く感情を飲みこむ飲ミこム飲ミコム飲 (ぱぁん)

http://8-gatsu.ka.to/


[11311] 056:野 夏己はづき 2003年11月24日 (月) 09時35分

何色も違う緑を混ぜたってあの日の野原は描けない 絶対

http://8-gatsu.ka.to/


[11310] 045:がらんどう 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 09時24分

がらんどうの部屋に点滅するあかり、きみの存在証明として


[11309] 044:殺す 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 09時08分

僕たちが殺した小さなものたちよ記憶の庭を葬列がゆく


[11308] 043:鍋 久野はすみ 2003年11月24日 (月) 09時07分

寄せ鍋のふたを取るときしあわせな家族のような三人だった


[11307] 080:織る(訂正) 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 06時02分

薄紅のひかり織りつつ婚姻の朝(あした)しずかにめざめるひとよ

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[11304] 079:眼薬 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時58分

眼薬のしずくを舌でうけとめてここからは長い服喪のはじまり

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[11303] 078:殺 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時58分

皆殺しミナゴロシって言い合ってさみしかったね夜の屋上

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[11302] 077:落書き 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時57分

イニシャルで埋め尽くされた落書きのようにあなたをめちゃめちゃにする

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[11301] 076:てかてか 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時57分

てかてかのバッジを胸にひからせて秘密結社の集会へゆく

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[11300] 075:痒い 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時57分

うつくしいすがたのひとの出奔を遠くに聞けば痒い右耳

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[11299] 074:キャラメル 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時56分

たいていのことはサイコロキャラメルをふって決めればいいような気も

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[11298] 073:資 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時56分

資するところ大なりというそのひとのズボンの裾のほつれ見ている

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[11297] 072:席 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時55分

再起動までの痛みをぬらぬらとやりすごすため席をはなれる

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[11296] 071:待つ 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時55分

であればもうわたくしはただ待つでしょう柊の葉を胸にかざって

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[11295] 070:玄関 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時55分

玄関に並べておいたぬけがらを目印にして帰っておいで

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[11294] 069:コイン 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時54分

ほのぐらいスリットにコインすべらせて水を買い続ける日々である

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[11293] 068:似る 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時54分

からだからからだへ移す水ならば(海に似ている)こぼさぬように

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[11292] 067:化粧 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時53分

うつくしい母でしたので化粧する横顔なども憎みましたが

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[11291] 066:僕 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時53分

Re:だけど Re:Re:だけど 折れやすいことばのように僕は進もう

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[11290] 065:光 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時53分

むごくはたらくこころのちから(おそらくは、光)あなたをあいしつづける

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[11289] 064:ド−ナツ 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時52分

てきとうにちぎってわけてほらこれがドーナツとドーナツのエイリアス

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[11288] 063:海女 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時51分

つつましい冬の焚火よ背をあぶる海女の吐息もゆるむ浜辺に

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[11287] 062:渡世 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時51分

だとしてもいわゆる渡世のことなんて考えなくていいよ、ナオユキ。

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[11286] 061:祈る 村上きわみ 2003年11月24日 (月) 03時51分

道端にビーズこぼして泣いているむすめさんだよ 祈るの禁止

http://www2.ocn.ne.jp/~chimera


[11285] 080:織る 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時49分

名を呼んでも呼んでも雲は流されてあなたと織りたい布があること

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11284] 079:眼薬 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時48分

眼薬のくすりくささを知ったのはいつでしたか調査係御中

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11283] 078:殺 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時48分

せいいっぱいの殺気をはなってみせるから気づけそうしてうんとこわがれ

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11282] 077:落書き 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時48分

鴎外にきみが落書きしたようなピアスを今もさがしているの

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11281] 076:てかてか 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時47分

おひるやすみの鼻のあたまのてかてかも愛してるっていわれたからね

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11280] 075:痒い 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時47分

お痒いところございませんか?って質問とおんなじくらい答えられない

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11279] 074:キャラメル 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時46分

攫っちゃうよ世にもかわいくないきみをキャラメル一箱だけを味方に

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11278] 073:資 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時46分

これからをおそれなかった資料室で赤本探しバトルをしながら

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11277] 072:席 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時45分

みんな知ってることなんだけどおたんじょうび席はほんとはすこしさみしい

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11276] 071:待つ 氏橋奈津子 2003年11月24日 (月) 01時45分

かわいそうなけなげな牛の顔をして来ないあなたを待ちたかったな

http://www2.diary.ne.jp/user/153972/


[11275] 023:詩(再投稿) 林口僥子 2003年11月24日 (月) 01時39分

一段と声をあげつつ童女が詩(うた)をとなへぬ蜂と神様

http://home1.catvmics.ne.jp/~hysg/


[11274] 070:玄関 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時02分

どうせならこのまま汽車に住まはうか玄関払ひの玄関もなく


[11273] 069:コイン 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時02分

運命をコインに托すくらゐなら今来た汽車に乗つてしまはう


[11272] 068:似る 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時01分

握る手に力がこもる この途は暗くて深い河に似ている


[11271] 067:化粧 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時01分

ガサガサと心の音が響きだす慌てて化粧水を摩りこむ


[11270] 066:僕 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時01分

僕たちと言ふとき少し口篭もり目をそらすのは正直だから


[11269] 065:光 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 01時00分

てのひらで光合成ができるから君の強がりも乗せてごらん


[11268] 064:ド−ナツ 朔田みあ 2003年11月24日 (月) 00時59分

月を向くきみを見てゐる ドーナツを欲しがるやうな上目遣いで


[11267] 100:短歌 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時57分

十二時をすぎて上から左から言葉ならべて短歌(うた)待ち伏せす

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[11266] 099:かさかさ 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時57分

かさかさに乾きし心か血にまみれベッドによこたふ自身を描きし

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[11265] 098:傷 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時56分

灰色にきみの心臓とりだされぬ枝の線白しテロルの傷痕

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[11264] 097:支 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時55分

ロッピーに予約番号入力す三十分以内に支払へと告ぐ

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[11263] 096:石鹸 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時54分

キイたたきMelissa.Aを殺しぬと石鹸で手を時かけてあらふ

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[11262] 095:満ちる 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時54分

とき満ちて陽をみることなく純白の花白きまま萎みはじむ

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[11261] 094:時 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時53分

語尾あげて今朝は何時の新幹線五十二階の扉が開く

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[11260] 093:恋 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時52分

かたはらを恋人と言ひて坐りたり八分音符ほどの近さに

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[11259] 092:人形 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時52分

ごみとして捨て置かれたる人形の眼がいつまでも追ひかけて来る

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[11258] 091:煙 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時51分

飲食喫煙厳禁をいつからかたたきてねむる風あかねいろ

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[11257] 090:ぶつかる 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時50分

ぶつかりし言葉に言葉返りくる今日は二対一夫のひと声

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[11256] 090:ぶつかる 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時48分


穏やかに繋がり合おうぶつかると君の歯だって痛いとおもう

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[11255] 089:開く 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時46分

一筆の丸のつなぎ目開きゐるはつかな隙より小虫出でくる

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[11254] 089:開く 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時44分


脱がなくていいよすべては此処に在るためらい開くてのひらのなか

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[11253] 088:象 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時39分


衣ごしに触れれば熱く滅びゆく象徴として挿す百合の花

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[11252] 088:象 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時39分

印度象もねずみも猫も心臓のどつきんどつきんと二十億回か

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[11251] 087:朝 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時38分

目と目があひあらと発してあらと返る朝顔のやうな口を開きて

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[11250] 086:とらんぽりん 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時37分

椎の実が椎の小枝にとらんぽりんつもる落葉にまたとらんぽりん

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[11249] 085:銀杏 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時36分

銃撃にあらずレンジに銀杏のひとつひとつが殻を割りたり

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[11248] 084:円 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時35分

校庭にすつくとたつ樹円錐をいのちとなせり午後の黄金樹

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[11247] 083:予言 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時34分

予言者にあらず残りの時間などわからず三毛は知つてゐるか

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[11246] 082:ほろぶ 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時34分

星ひとつほろびたちまち新しき星々生れぬ馬の首あたり

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[11245] 081:ノック 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時33分

たんたんと行を重ねしEメール小窓をノックする夕日のやうに

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[11244] 080:織る 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時32分

ひまはりにあやめ赤きばら織りなして小川にかける虹になさむか

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[11243] 079:眼薬 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時31分

横綱の背なのすなつぶ見届けぬ眼薬一滴海になる目に

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[11242] 078:殺 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時30分

殺しても殺しても鬼現れぬ高きに上る月に対きたり

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[11241] 087:朝 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時29分


うつくしい刹那がひとつあればいい朝焼けのなかで見る横顔に

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[11240] 077:落書き 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時27分

落書きを許すたちまち天井に壁に赤黒青の蛇這ふ

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[11239] 076:てかてか 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時26分

白雨すぎ汗のごとくにてかてかと椿の葉ごとに夕べきらめく

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[11238] 075:痒い 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時25分

こそばゆい痒いやうな風吹きはじむ山羊を離りてわたくしひとり

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[11237] 074:キャラメル 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時24分

黒糖のあまきキャラメルエンゼルの白きを額に店頭にあり

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[11236] 073:資 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時24分

生け花の資格とりしまま抽出の奥へ奥へともう奥がなし

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[11235] 072:席 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時23分

ぬくもりの残れる席に拒むやうに溶けこむやうにわれのぬくもり

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[11234] 071:待つ 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時22分

刻迫り扉に向きたる大き蛇の待つのつらなりなほ成長す

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[11233] 086:とらんぽりん 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時22分


きみが飛ぶとらんぽりんのしたに居て楽しいような哀しいような

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[11232] 070:玄関 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時21分

ひらきたる花今朝はなし玄関のパンジーの鉢に夜盗虫にほふ

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[11231] 069:コイン 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時21分

夕暮れを投げたるコイン大小の数にのまれてひとつ大鍋

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[11230] 068:似る 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時20分

姉を真似て声あげてゐしが超えむとすじゆげむじゆげむごこふのすりきれず

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[11229] 085:銀杏 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時19分


あたたかく湿った記憶ある指で触れれば愛し銀杏の実は

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[11228] 067:化粧 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時19分

やうやくに化粧も終りて現れたり甍の波にホワイトハウス

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[11227] 066:僕 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時18分

みずからを敢へて僕と言ふ得意顔僕にはなるれぬと知りたる僕の

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[11226] 065:光 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時18分

天窓より転げ落ちしか踊り場の隅に尻餅をつきゐる光

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[11225] 064:ドーナツ 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時17分

ドーナツのひとところ割りて両陛下黒き車に歩をむけられぬ

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[11224] 063:海女 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時16分

リズムにはまだまだのれぬ幼子の口尖らせる海女の磯笛

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[11223] 062:渡世 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時16分

八時頃帰ると打てば了解と無職渡世人のCメール届く

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[11222] 061:祈る 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時15分

幼な児の両手合はせて祈るやうに暗き天指す明日花咲かむか

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[11221] 060:奪う 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時14分

サファイアのような一日奪われたりオンオフクリックキーを叩きて

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[11220] 059:夢 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時13分

ペルシュロンに会ひにゆく夢あをあをと拡がりはじむ広がる大地

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[11219] 058:たぶん 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時13分

顔が見えかくれしながら流れくるたぶんあの人前髪の白

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[11218] 084:円 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時12分


逃がさない覚悟があれば出来るはず円えがくように触れて、乳房は。

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[11217] 057:蛇 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時12分

蛇も蚊も出たけい出たけいどくだみの花の十字のいよいよ白し

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[11216] 083:予言 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時11分


いま降りたばかり観覧車の灯り予言の通りひとつずつ消ゆ

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[11215] 056:野 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時11分

真夜中にチャイムが二回しんしんと防犯カメラ野良猫をとらふ

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[11214] 055:置く 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時10分

置かれたる赤きスカーフが番犬のごとくものいふひとつシートに

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[11213] 082:ほろぶ 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時10分


甘やかに土腐りゆき僕たちは繋がったままほろぶ紅葉だ

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[11212] 054:麦茶 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時10分

ビール飲むやうに麦茶のグラス干すその父のとなり男の顔に

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[11211] 081:ノック 塩谷風月 2003年11月24日 (月) 00時09分


すこし息乱れているねノックせず入った部屋に似て君のくち

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[11210] 053:サナトリウム 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時09分

パンジーのやうな香りに初夏(はつなつ)を母過ごしたりきサナトリウムに

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[11209] 052:冷蔵庫 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時08分

抑揚のなく「あいてゐます」繰り返しわれを追ひ立てる新冷蔵庫

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[11208] 051:敵 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時08分

並びゐる林檎も皿もくろくろくろ敵機の爆音絵筆に響きし

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[11207] 050:南瓜 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時07分

ラップ解きてあかんべの種床に落つニュージーランド育ちの南瓜の

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[11206] 049:嫌い 林口僥子 2003年11月24日 (月) 00時06分

皿の隅に嫌ひが残りぬごちそうさまと言へばその母の口マシンガン

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[11205] 048:死 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時59分

死者の数ゲームとなりて伝へをり苺の赤きにミルクかけをり

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[11204] 047:沿う 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時59分

国道に沿ふ更紗川さらさらと流れさらさらと消えてゆきたり

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[11203] 046:南 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時58分

冬の日に緑の舌を伸ばしをり南の縁の月下美人が

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[11202] 045:がらんどう 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時57分

がらんどうの部屋に畳のにほひ占めてどらえもんの青き請求書

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[11201] 044:殺す 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時56分

目をあけておのれを殺す頭のみ土管に入れておほかみ魚が

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[11200] 043:鍋 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時55分

きりきりと樹々の凍みゐむ鮭をにる湯気の向かうの君とひとつ鍋

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[11199] 042:クセ 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時54分

親指を吸ふクセすでに消え失せぬ女にはなぜ乳房があるの

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[11198] 041:場 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時53分

今はこの場離れられないと叫びたし執拗にコール迫り来

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[11197] 040:走る 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時52分

やむにやまれぬ恋にあらむか側溝を走りいぬるを追ひかけてゆく

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[11196] 039:贅肉 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時51分

らいおんの背広の内の改革のみえぬ贅肉みゆる贅肉

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[11195] 038:明日 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時50分

灰色に天と地境なく被ふ明日の太陽求めて飛びたつ

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[11194] 037:とんかつ 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時48分

とんかつを食べ残業をこなせしといふちやんちやんこきて坐る山羊

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[11193] 036:遺伝 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時47分

三百の種類越えゐむ遺伝研のさくらさくらの色香の乱れ

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[11192] 035:駅 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時46分

特急の通りすぎゆく無人駅土ぼこりとわが髪をまきあぐ

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[11191] 034:誘惑 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時45分

みそおでんだんご甘酒たこやきと道を狭めて午後誘惑す

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[11190] 033:中ぐらい 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時44分

高い低い問へば中ぐらゐ中ぐらゐ春をにぎやかに伴ひて来る

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[11189] 032:星 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時41分

ほつかいろ背に貼り付け流星を仰ぎてゐたり願ひなけれど

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[11188] 031:猫 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時39分

恐るるものなく歩みゆくのら猫の神の白きをすつぽり纏ふ

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[11187] 085:銀杏(再投稿) 久哲 2003年11月23日 (日) 23時39分

君を待ち銀杏に留まる周辺はやけに黄色い炎なんだが


[11186] 030:表 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時37分

りんご食べみかんを食べて愚痴食はむ人間ドックの結果表貼りて

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[11185] 029:森 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時36分

ランニングの高校生ら外周す野鳥の森に子らの列消ゆ

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[11184] 028:三回 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時35分

ににんがしから九の段へ三回目言葉うどんのやうになりたり

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[11183] 027:忘れる 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時34分

どちらさんですかと問へり昨日今日どれも忘れし娘われさへ

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[11182] 026:妻 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時32分

今朝もまた二羽がきてをりフェンス下段用心深きが妻かもしれぬ

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[11181] 025:匿う 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時31分

匿ひし核の尻尾盗聴の声ぎざぎざざりざりひびく

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[11180] 024:きらきら 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時29分

蹲りわれを窺ふ野良猫のま白きが日にきらきらとあり

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[11179] 067:化粧 加藤苑三 2003年11月23日 (日) 23時28分

毎日の自分のダメの責任を化粧水にだけ背負わせている

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[11178] 023:詩 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時28分

一段と声をあげつつ童女が詩をとなへぬ蜂と神様

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[11177] 022:素 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時26分

水といふ元素記号の腕の数 前の二人の腕からみをり

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[11176] 021:窓 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時25分

ひらひらと囁くやうに歳晩を開きたり向ひ家の小さき出窓

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[11175] 020:害 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時23分

害あるを知る害を喫み続けたり心筋梗塞神のひとこゑ

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[11174] 019:蒟蒻 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時22分

大根のよしあしを言ひ蒟蒻の藷に及べば祖父が笑へり

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[11173] 018:泣く 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時21分

赤ん坊は泣くが当然と言ひゐしが孫は抱けり昨日も今日も

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[11172] 066:僕 加藤苑三 2003年11月23日 (日) 23時21分

「僕」なんて言う子にはさいきん逢ってないなぁ こんなに天気がいいのに

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[11171] 017:雲 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時20分

雲海の石ころの道がたがたと震へつつゆく周りがみえぬ

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[11170] 016:紅 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時19分

ポケットに入れこしメモの紅き紙紅きばかりが心を占めぬ

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[11169] 015:葉 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時18分

ゆるみたる氷の面ゆらゆらとあかき水底枯葉がうごく

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[11168] 014:段ボール 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時17分

帯広にわれより先に飛びゆけりうどんとみそ詰めし段ボール箱

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[11167] 013:愛 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時16分

まぢかくに縄文杉は仰ぎみぬ踏み入らざりし愛子岳にむく

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[11166] 012:突破 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時15分

大気圏突破しきたる星七つ光となりて消えてしまへり

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[11165] 011:イオン 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時14分

残したるコップ半分のイオン水与へたり冬の月下美人に

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[11164] 010:浮く 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時13分

氷上を滑りはじめし子のやうにつくばひに鵯(ひよ)の羽毛が浮けり

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[11163] 009:休み 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時12分

蜜求むる紋白蝶かケーキ屋のケーキの名ひらひらひら昼休み

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[11162] 008:足りる 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時11分

一日に一合の米ふたりには足りると言へば霞のにほひ

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[11161] 007:ふと 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時11分

ふとあひし視線そらせる車の窓甘藍(きやべつ)畑に雪が舞ひをり

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[11160] 006:脱ぐ 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時09分

トレッキングシューズを脱げばふんはりと闇を抱けり山の土つけて

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[11159] 005:音 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時07分

パソコンの呼吸する音戸を叩く又三郎と夜合奏をす

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[11158] 004:木曜 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時06分

キイを打つ半ば俄にスキャンして勝手に終る今日木曜日

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[11157] 003:さよなら 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時05分

さよならをぢやあねと言ひて歩みだす青きいるかの尾ひれをあげて

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[11156] 002:輪 林口僥子 2003年11月23日 (日) 23時03分

レモン色に小花が開くまた一輪呼びあふやうにこの寒空を

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[11155] 094:時 笹田かなえ 2003年11月23日 (日) 23時00分

「時節柄、どうぞお体大切に」ボトルメールは届きましたか


[11154] 001:月 林口僥子 2003年11月23日 (日) 22時59分

食べながら月見うどんの月をさす喉仏より言の葉待てり

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