[996] 005:音 今岡悦子 2003年02月02日 (日) 21時31分

明けやらぬしじまを破り揚錨の音湾に満つ出港まぢか


[995] 003:さよなら 魚柳志野 2003年02月02日 (日) 21時25分

さよならのかたちに動いたようだった唇だけをふりかえり見る

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[994] 002:輪 魚柳志野 2003年02月02日 (日) 21時25分

輪廻輪廻ここに戻るにきまってる 不幸のない国なんていらない

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[993] 001:月 魚柳志野 2003年02月02日 (日) 21時23分

月並木ほおずきをならし玄関を開けるまでは子供の領分

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426


[992] 023:詩 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 21時23分

詩人の血ありて悲傷の傷深く吉原幸子・多田智満子にも


[991] 003:さよなら(再投稿) 岩田克一 2003年02月02日 (日) 21時11分

さよならを伝える電話の声細く潤む涙に雪はまぶしく


[990] 015:葉 立花るつ 2003年02月02日 (日) 21時01分

養分になると言われても落ちるのはやっぱり怖い葉っぱのフレディー


[989] 014:段ボール 立花るつ 2003年02月02日 (日) 21時00分

引っ越して三年経ってもまだ残る「要」と書かれた段ボール箱


[988] 013:愛 立花るつ 2003年02月02日 (日) 20時58分

「側にいてくれるのならば愛なんて求めないよ」と困らせてみる


[987] 012:突破 立花るつ 2003年02月02日 (日) 20時57分

別れという肢を選べずにいつまでも突破できない泥沼の恋


[986] 011:イオン 立花るつ 2003年02月02日 (日) 20時56分

目に見えぬイオンの表示に惑わされ目を奪われる家電、浄水器


[985] 002/輪 のらねこ 2003年02月02日 (日) 20時43分

紐のない棘の首輪をつけなさいもう僕たちは逢わないのだから


[984] 005:音 むつき 2003年02月02日 (日) 20時40分

寝覚むれば閨の隙間の暗くして車の遠のく音のみぞする


[983] 004:木曜 むつき 2003年02月02日 (日) 20時37分

大匙に掬ふ粥粒つばらかに舌に遊べり木曜の午後


[982] 005:音 山本双葉 2003年02月02日 (日) 20時31分

「知らざぁ言って聞かせやしょう」音羽屋が振袖脱いで見せる初春


[981] 004:木曜 山本双葉 2003年02月02日 (日) 20時30分

誰もなきオフィスにて待つ、ガラス越しの光のキスを 木曜の午後


[980] 022:素(再再投稿) 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 20時20分

高野文子のマンガはとても好きだけど高野素十の俳句は嫌い


[979] 002:輪 岩田克一 2003年02月02日 (日) 20時02分

人々の踊り歌いし輪の中に我も踊らむ想い出作りに


[978] 008:足りる   佐藤理江 2003年02月02日 (日) 19時51分

<書き直しって無しなんだよね・・・>

 先ほどの歌の間違ひに気がついて一字直して満ち足りる我

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/


[977] 001:月 岩田克一 2003年02月02日 (日) 19時48分

穏やかな湖岸にたたずむ我一人月は静かに涙を照らす


[975] 021:窓 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 19時30分

高き窓裏窓薔薇窓天窓と葛原妙子の窓は何処や


[974] 006:脱ぐ 青山みのり 2003年02月02日 (日) 19時25分

ヒーターの音に満たされほろほろと日常生活脱ぎ捨ててゆく


[973] 012:突破 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 18時57分

難関を突破してすぐ鬱病になった彼女の死を知って冬

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[972] 009:休み 森川菜月 2003年02月02日 (日) 18時52分

子の漢字練習帳の一行は昼休み昼体み昼体み…

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/


[971] 020:害 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 18時15分

「殿、自害なさいまし」などとくノ一の小池栄子に迫られる夢


[970] 010:浮く 五十嵐きよみ 2003年02月02日 (日) 18時05分

約束はいつのまにやら宙に浮き腐敗してゆく冷蔵庫の牡蠣

http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/


[969] 024:きらきら 斉藤斎藤 2003年02月02日 (日) 18時01分

きみたちの瞳はきらきら輝いているよだんだん目が慣れてきた

http://saitousaitou.hp.infoseek.co.jp/


[968] 023:詩 斉藤斎藤 2003年02月02日 (日) 18時01分

私の志集を買ってください
一冊 三〇〇円
その 価格は
詩だ

http://saitousaitou.hp.infoseek.co.jp/


[967] 022:素 斉藤斎藤 2003年02月02日 (日) 18時01分

うつむいて並。 とつぶやいた男は激しい素顔となった

http://saitousaitou.hp.infoseek.co.jp/


[966] 021:窓 斉藤斎藤 2003年02月02日 (日) 18時00分

実際はこのままでもいいお客様4番の窓口でお待ちください

http://saitousaitou.hp.infoseek.co.jp/


[965] 022:素 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 17時52分

  <ブッダとは、「目覚めたる者」という意味である。>
釈迦牟尼の寝起きの素顔を一度みた つられて僕も欠伸をしたよ 

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[964] 021:窓 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 17時51分

   <シッダールタとは、「目的を成し遂げた者」という意味である。>
いつまでも閉じられぬ窓ひとつずつ持って僕らは生きているんだ

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[963] 020:害 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 17時51分

   <ゴータマとは「最上の牝牛」という意味である。>
円らなる乳牛の眸(め)にこの僕は害あるものと映っているか

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[962] 019:蒟蒻 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 17時49分

爪繰るは蒟蒻芋の数珠玉か、声はゴータマ・シッダールタか

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[961] 007:ふと    佐藤理江 2003年02月02日 (日) 17時35分

ふとり気味、不徳の致す所です。不撓不屈で直しています。

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/


[960] 006:脱ぐ    佐藤理江 2003年02月02日 (日) 17時34分

浴槽を立ち上ぐるとき静かなるお湯をザンブと一斉に脱ぐ

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/


[959] 005:音     佐藤理江 2003年02月02日 (日) 17時33分

コロンビア墜落

通信の音の途絶えて七分の間各自の死を思ひけむ

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/


[958] 004:木曜 佐藤理江 2003年02月02日 (日) 17時32分

木曜の出張今頃職場では職員会議真ん中あたり

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~okiraku/


[957] 050:南瓜 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時19分

南瓜やうの帽子とは はていかなるもの「幻の女」かぶりし帽子


[956] 049:嫌い 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時18分

ふうふうとたばこ嫌ひのそのひとに煙ふきつくる誘惑にたふ


[955] 048:死 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時18分

「蛍の木」オーストラリアにあるときく 数知れぬ死者集会もてる


[954] 047:沿う 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時17分

ゆたゆたと垣根に沿って咲きみだるるハナツクバネの上蝶がすぎゆく


[953] 046:南 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時16分

先代の勘十郎が南座で白狐となるを見し年の暮れ


[952] 045:がらんどう 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時15分

あの日よりわれ「がらんどう」のサンプルとして陳列さるるを君知りたるか


[951] 044:殺す 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時15分

はちにんは殺しませうと請けあひしが五人目にして力つきたる


[950] 043:鍋 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時14分

おほいなる鍋なかにいま炒らるるはあなた、わたくし、そのほか全部


[949] 042:クセ 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時13分

力こめ「クセナクセ」の文字書きつけてファクシミリにておくりつけたる


[948] 041:場 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 17時13分

あたらしき場面設定しなほしてあたらしき情況ひらけるをまつ


[947] 008:足りる 森川菜月 2003年02月02日 (日) 17時04分

朝食は足りてゐるのに弟を産めと独身の母親に言ふ

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/


[946] 005:音 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時54分

フライパンの上の豆腐が音を上げるきのうわたしはすこうし泣いた

http://homepage3.nifty.com/kirikorori/


[945] 004:木曜 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時54分

祖母(おおはは)は木曜島の黒真珠たんすの奥にしまひてをりき

http://homepage3.nifty.com/kirikorori/


[944] 003:さよなら 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時51分

さよならと言つたかどうかは知らないがあとかたもない鍋の春雨

http://homepage3.nifty.com/kirikorori/


[943] 002:輪 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時51分

輪郭のはつきりしない肉じやがに一時間ほど説教したい

http://homepage3.nifty.com/kirikorori/


[942] 001:月 村本希理子 2003年02月02日 (日) 16時50分

キッチンに月の匂ひのたちこめりきままに開く黝(くろ)い二枚貝

http://homepage3.nifty.com/kirikorori/


[941] 010:浮く 立花るつ 2003年02月02日 (日) 16時46分

再会の喜び顔に出さぬよう浮かぬ顔して待つ喫茶店


[940] 007:ふと(訂正) 向日葵 2003年02月02日 (日) 16時43分

ふとったねと笑う貴方の好きな物ビール焼酎 酒とわたくし


[939] 009:休み 向日葵 2003年02月02日 (日) 16時38分

休み明け黒く焼けたる君の背を疼き見ていた遠い夏の日


[938] 008:足りる 向日葵 2003年02月02日 (日) 16時37分

喧騒のコミケ売り場をふらふらと どこか足りない女がひとり


[936] 006:脱ぐ 向日葵 2003年02月02日 (日) 16時36分

冬を脱ぎラッパ奏でる水仙が香をも奏でるイリオスの下


[935] 005:音 向日葵 2003年02月02日 (日) 16時36分

シークレットな君を知らせる着信音にやにやにやとほくそえんでる


[934] 011:イオン 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 16時32分

イオン水わざわざ君は買ってくる「愛と体は手間をかけなきゃ」

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[933] 010:浮く 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 16時30分

舞い落ちる枯れ葉にそっと目をやれば川の流れの手の中で浮く

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[932] 007:ふと 梨乃 礫 2003年02月02日 (日) 16時29分

ふと殺すやもしれぬほどぎりぎりに抱きしめている幼子の母


[931] 006:脱ぐ 梨乃 礫 2003年02月02日 (日) 16時25分

欠けているものを数えて口づけた服を脱ぐよりさらけあった夜


[930] 009:休み 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 16時20分

雪の日も嵐の夜も君を抱きしめていたから今日はお休み

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[929] 008:足りる 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 16時13分

足りるより足りない方がいいらしい 今でも君を愛したりない

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[928] 007:ふと 森川菜月 2003年02月02日 (日) 16時12分

日曜は昼も短い 筆太な文字の歌集がふと読みたくて

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/


[927] 007:ふと 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 16時06分

ふと君を抱きたくなって困ってる僕に気づいているような君

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[926] 007:ふと  啓小出学 2003年02月02日 (日) 15時56分

微熱ありスチュワーデスへふと漏らす「窓をあけてもいいですか」


[925] 006:脱ぐ 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 15時51分

何も着ず生まれてそして死ぬときもはだかと思う服を脱ぐとき

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[924] 040:走る 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時42分

ふりかかる火の粉マントではらひのけ客横抱きに夜逃げ屋走る



[923] 039:贅肉 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時42分

「贅肉」といふ小池真理子の小説をふかく愛したころのありたる


[922] 038:明日 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時41分

スカーレットの「明日があるわ」といふことばいまだにわれの銘となりゐる


[921] 037:とんかつ 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時40分

「六枚のとんかつ」といふミステリーを読みてあほらし投げ捨てにける


[920] 036:遺伝 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時39分

あれも遺伝これも遺伝とこひびとは罪深きことなべておしつく


[919] 035:駅 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時39分

新宿の駅の裏手に「五十鈴」とふ大根うまき店のありたる


[918] 006:脱ぐ  啓小出学 2003年02月02日 (日) 15時38分

上着から順番に着る吾ならば肌脱ぐ時に聞け鎮魂歌(レクイエム)


[917] 034:誘惑 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時38分

誘惑はつね身めぐりに満ちてゐる ときには誘惑になってみようぜ


[916] 033:中ぐらい 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 15時37分

中ぐらいがいちばんよしといふ口癖 その退屈な男もちたる


[915] 18:泣く 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 15時35分

泣かないときめていたのに泣けてきた きびだんごってまずくてうまい

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[914] 17:雲 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 15時35分

<吹き出し> のような夏雲、肩ぐるましてあげるから一緒に叫ぼう

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[913] 001:月 しんくわ 2003年02月02日 (日) 15時28分

理科室の水槽の中の僕たちに新月の夜を知らせたペンギン

http://www2.diary.ne.jp/user/133371/


[912] 003:さよなら 井口一夫 2003年02月02日 (日) 15時22分

「もちろん」と英語で言うさ「さよなら」を知っているかと君が問うなら

http://www.lebal.co.jp/cyabasira_bbs/


[911] 005:音 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 15時19分

一瞬のひかりに惑う僕たちに五秒遅れの稲妻の音

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[910] 005:音 啓小出学 2003年02月02日 (日) 15時16分

せつなさは耳を忘れたカナリアのあの音を聞くゆうべのうさぎ


[909] 003:さよなら 日向まゆ 2003年02月02日 (日) 15時10分

人知れず消ゆ雪哀(かな)し掌に乗せて徒然「さよなら」と言ふ

http://eclat.gaiax.com/home/xxmayuxx


[908] 004:木曜  啓小出学 2003年02月02日 (日) 15時08分

忘れてた用事をすべて思い出す木曜の朝は痒みが増して


[907] 003:さよなら 啓小出学 2003年02月02日 (日) 15時06分

絵本から神様の手が飛び出して触れてなかつたさよならのこと


[906] 002:輪 啓小出学 2003年02月02日 (日) 14時57分

輪の中に入れぬ君を誘ひてはまた狭めたり縊りたりする


[905] 001:月 啓小出学 2003年02月02日 (日) 14時55分

海渡るらくだが用意されており 繊月(せんげつ)ならば腰掛けて待つ


[904] 002:輪 井口一夫 2003年02月02日 (日) 14時51分

駅前の十数人のしずかな輪 輪になるものはみな内を向く

http://www.lebal.co.jp/cyabasira_bbs/


[903] 19:蒟蒻 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 14時49分

時間線さかのぼるなら志ん生の「蒟蒻問答」聞きしかの日へ


[902] 007:ふと 宵闇 2003年02月02日 (日) 14時43分

ダイエット大好物のすき焼に箸を運んだとうふと糸蒟

http://www.hcn.zaq.ne.jp/yoiyami/index.html


[901] 004 木曜 春日山 2003年02月02日 (日) 14時24分

木曜の歌会に期待ふくらみぬ
     入りし君と語り得るかも


[900] 032:星 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時22分

星のブローチつねつけをりしその女(ひと)はとほくに逝ける あの一夜のこと


[899] 003 さようなら 春日山 2003年02月02日 (日) 14時20分

閉塞のこの日本よさようなら
   リストラされて自殺せし人


[898] 031:猫 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時20分

耳長の猫を飼ひゐるをとこあり その耳にいま雪舞ひをらむ


[897] 030:表 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時19分

けふは表 リヴァーシブルのコート着る 合図のごとき空気ただよふ


[896] 029:森 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時19分

ふかきふかきその森なかにひとすじの地獄草紙の川ながれをり


[895] 028:三回 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時18分

あと三回じゃんけんぽんの十回勝負ごみ出しかたみにおしつけあひゐる


[894] 027:忘れる 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時17分

をりをりに古きこひびとのおもかげをおもひださんとするが忘れた


[893] 026:妻 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時16分

自転車でいくどもまへをとほりたる切妻破風をもちしきみの家


[892] 025:匿う 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 14時15分

敵兵を積み藁なかに匿ひしそのせうねんは褒められたるや


[891] 18:泣く 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 14時06分

ビアズリー画集に飽きてBSの再放送の昼メロに泣く


[890] 17:雲 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 14時04分

「雲ひとつない」という比喩の陳腐さを拒みて深作欣二死にたり


[889] 015:葉 蜜流あげは 2003年02月02日 (日) 14時03分

葉がはえて光合成で生きれたら後ろめたさも感じないのに

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/5770/


[888] 014:段ボール 蜜流あげは 2003年02月02日 (日) 14時01分

にゃあと鳴く段ボール箱流されて海に着いたらウミネコになる?

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/5770/


[887] 002:輪 星川郁乃 2003年02月02日 (日) 13時59分

やはり輪をすこしはずれた君と眼が合うからさびしくなんかなかった

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/index.html


[886] 016:紅 藤原龍一郎 2003年02月02日 (日) 13時56分

伯林のキキくちびるに紅を引き針音の雨降る音盤ぞ


[885] 009:休み 立花るつ 2003年02月02日 (日) 13時51分

「風邪だから今日は休み」と宣言し妻を休んでみたい日もある


[884] 014:段ボール 浜田道子 2003年02月02日 (日) 13時46分


段ボール猫の親子が顔を出す素早くあたりうかがいながら


[883] 013:愛 浜田道子 2003年02月02日 (日) 13時44分


愛されし想い出ひとつ残れかし孫は背中に眠りておりぬ


[882] 008:足りる 立花るつ 2003年02月02日 (日) 13時29分

君がいて幸せ足りてるはずなのにミルクティーにも入れたいレモン


[881] 007:ふと 立花るつ 2003年02月02日 (日) 13時28分

淋しさはふとしたはずみにやってくるウィンドウ飾る君色のシャツ


[880] 100:短歌 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時24分

書きおえて短歌なげだすとしのすえこころおきなくこたつでみかん


[879] 099:かさかさ 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時24分

かさかさの手を手で擦って帰りゆく納会帰りに寒風うけて


[878] 098:傷 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時24分

年末調整書類をそろえて傷つけられたひとさしゆびが熱をもちたる


[877] 097:支 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時24分

支えあう行為うつくし早朝のみち年闌けてきんかんなまなま


[876] 096:石鹸 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時23分

休日のひねもすひとり 拭きあげた冬の風呂場に石鹸かわく


[875] 095:満ちる 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時23分

時満ちて今年の秋も去っていく朝霜の道ほそくつづけり


[874] 094:時 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時21分

時満ちておんな出てゆく秋の夜きっといつまでも前向きだろう


[873] 093:恋 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時21分

時満ちて恋情去りぬ秋の夜のものいいたげなおとこの背中


[872] 092:人形 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時21分

時満ちてわかれることは知らぬげにうつむきがちの少女人形


[871] 091:煙 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時21分

時満ちて水煙に陽がかかりたる少年うえをむいて歩めよ


[870] 090:ぶつかる 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時20分

秋の朝ぶつかりそうになりながらなんとかよけてあやまりにけり


[869] 089:開く 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時20分

秋の朝に開かれている心かな気まずくもなく挨拶をせり


[868] 088:象 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時20分

秋の朝のかくす心の象徴として金にいろづく葉はおかれたり


[867] 087:朝 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時19分

秋の朝めざめてひとり外へゆく雨冷然と膚に透れり


[866] 086:とらんぽりん 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時19分

ながきよのこんとんの底ふらふらとらんぽりんくをたどりてゆかな


[865] 003:さよなら 並木夏也 2003年02月02日 (日) 13時19分

「さよなら」って言わないで 「またね」って言って お願いだから お願いだから

http://www.fides.dti.ne.jp/~kit2in1/


[864] 085:銀杏 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時19分

だまったままむきあっているいっしんに串焼屋にて銀杏つまむ


[863] 084:円 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時19分

うつくしき円をえがいてわたりゆく秋のプールのあめんぼうかな


[862] 083:予言 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時18分

女性司祭が予言について説きはじめ秋の日曜学校しずか


[861] 082:ほろぶ 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時18分

趣味で身をほろぼすことになると親切な人に言われる土曜の電話


[860] 081:ノック 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時18分

金曜の夜のとびらをノックするきちょうめんな人の手のゆび


[859] 080:織る 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時18分

とりどりの雲の織りなす綾錦秋のゆうぐれ木曜に来る


[858] 079:眼薬 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時17分

水曜の夜の目熱しきやすめに眼薬さして仕事にもどる


[857] 078:殺 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時17分

火曜サスペンスドラマはじまり早々に殺されてしまう森ほさちあわれ


[856] 077:落書き 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時17分

月曜の朝会おえてわたされる落書きだらけのメモ一枚を


[855] 076:てかてか 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時17分

  五十嵐様感謝
会場に梨の実あまたてかてかの秋のひざしをうけてかがやく


[854] 075:痒い 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時16分

秋の夜に酒精からだにまわりきてまたもやこりない痒いくびすじ


[853] 074:キャラメル 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時16分

食べ終えてみたされたのちのこりたる視線キャラメルソース数滴


[852] 073:資 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時15分

藤原右大臣実資のふるまいが引用されて秋の男色


[851] 072:席 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時15分

ながきながき夏休みとるひとりいてまだ出社せず残暑の空席


[850] 071:待つ 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時15分

涼風を待って終わった一週間つまりひたすら暑かっただけ


[849] 070:玄関 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時15分

夏の日曜暮れてわかれのことばなく玄関先にかわすくちづけ


[848] 069:コイン 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時14分

土曜日はひとりでとおくへ散歩してズアカウロコインコ見ていた


[847] 068:似る 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時14分

先週の金曜日にも似たようなことを聞いたと思いていたり


[846] 067:化粧 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時14分

化粧しておんなの顔で外へ出るかつてはなもくなとどいわれた


[845] 066:僕 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時14分

僕はすごく忙しいとぐちを言うメールを水曜まで放置せり


[844] 065:光 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時13分

急かされてばかりの火曜光りだす青葉ゆらした夏の記憶が


[843] 064:ド−ナツ 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時13分

月曜のだるさゆううつごまかすためドーナツ屋にてドーナツ食べる


[842] 063:海女 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時13分

古書市に売られていたる東海女子大学附属図書館蔵品


[841] 062:渡世 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時12分

おいついてまたぬかされる競渡(ふなくらべ)世紀のはじめの夏のまひるま


[840] 061:祈る 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時12分

ぬばたまの闇夜にひとり額づきて神に祈る日などは遠しも


[839] 060:奪う 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時12分

くちびるを奪って奪われ舐めて舐められみじかき夜はそれにて終わる


[838] 059:夢 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時11分

夢に獏でてきて白い花たべるああこれが夢のもとであったか


[837] 002:輪 夏瀬佐知子 2003年02月02日 (日) 13時11分

ほおづえが一輪挿しをたおしたら目が合いました薔薇と 溺れる


[836] 058:たぶん 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時11分

汗をかく手に手をつなぐ夏の夜たぶんここからはじまってゆく


[835] 009:休み 五十嵐きよみ 2003年02月02日 (日) 13時11分

はるかきて戦後昭和はモノクロの映像と化すジョーよ、お休み

http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/


[834] 008:足りる 五十嵐きよみ 2003年02月02日 (日) 13時10分

濁点が足りないような、ないほうが身軽なような<ショーン・コネリー>

http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/


[833] 010:浮く 田丸まひる 2003年02月02日 (日) 13時09分

幸せに浮かれてばかりじゃ痛い目を見るっていうなら今すぐ見せてよ

http://replicaprince.easter.ne.jp/


[832] 057:蛇 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時08分

あてさきをふとくおおきく書きおえて大蛇町へ書類を送る


[831] 056:野 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時08分

のの字ならぶ野ののはらのまんなかの花の笑のあふれるのおと


[830] 055:置く 花笠海月 2003年02月02日 (日) 13時07分

夏道に白き花束置かれたるまひるのつよきひざしをうけて


[829] 009:休み 田丸まひる 2003年02月02日 (日) 13時07分

休み時間短いからね最後までできないけれどそれでもいいの?

http://www.tv-naruto.ne.jp/mahiru/


[828] 008:足りる 田丸まひる 2003年02月02日 (日) 13時06分

君からの言葉が足りない寂しさを誰かで埋める前に気づいて

http://www.tv-naruto.ne.jp/mahiru/


[827] 007:ふと 田丸まひる 2003年02月02日 (日) 13時05分

君がふと笑った視線の先にいたあの子のようにはなれない ならない

http://www.tv-naruto.ne.jp/mahiru/


[826] 024:きらきら 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時04分

ときどきに「きらきら星」のきこゑくる 姉とわたしの小さきヴァイオリン


[825] 023:詩 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時03分

いつのまにかわれとらへたる小さき詩型 おまへの蜜にとぷとつからむ


[824] 016:紅 神崎ハルミ 2003年02月02日 (日) 13時02分

紅玉(こうぎょく)のごときJAPANの満月を見たのだろうかルビー・モレノも

http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/


[823] 022:素 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時02分

ほそきほそき素麺ゆでてゐるゆふべひとりの夕餉こころはなやぐ


[822] 021:窓 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時02分

閉ざされし窓の外方(そとべ)をきみがゆく視線腕となりその背に伸びる


[821] 020:害 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時01分

音害といふものならむけふもまた階上の部屋ゆドラムひびける


[820] 019:蒟蒻 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 13時00分

ベランダにでぶのどら猫忽然たり 酢でも蒟蒻でも動きゃしない


[819] 018:泣く 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 12時59分

泣くために旅にいでたる あはれにもホテルの枕豪雨にあへる


[818] 017:雲 花鳥 佰 2003年02月02日 (日) 12時59分

わんわんと雲わきいづるわがこころに昨夜のきみのふるまひ見しより


[817] 004:木曜 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 12時52分

木曜は一番つらい曜日だが明日がすぎれば土曜日曜

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[816] 054:麦茶 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時51分

ある朝はいちばんに来ておきざりのぬるき麦茶のコップ始末す


[815] 053:サナトリウム 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時51分

影の濃き中庭に花ひらきたるサナトリウムの白さを持ちて


[814] 052:冷蔵庫 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時50分

暑き日の冷蔵庫かなけなげにあつくひとのためにはたらくものは


[813] 051:敵 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時50分

敵前逃亡くりかえしいつおそらくは悔い恥まちがいだらけの前世


[812] 007:ふと 佐藤りえ 2003年02月02日 (日) 12時48分

ふとんからひつぱりだしたうさちやんのうでからわたがはみだしてゐる

http://www.fsinet.or.jp/~la-vita/


[811] 002:輪 大辻隆弘 2003年02月02日 (日) 12時43分

左下手あつさり差して右を切り輪島が投げに入る一瞬


[810] 006:脱ぐ 佐藤りえ 2003年02月02日 (日) 12時40分

脱ぐわたし たちまちかたくなるわたし 回路を遮断して腕を解く

http://www.fsinet.or.jp/~la-vita/


[809] 006:脱ぐ 宵闇 2003年02月02日 (日) 12時40分

壮年も発展途上の部分在り殻を脱ぎ捨て前進をする

http://www.hcn.zaq.ne.jp/yoiyami/index.html


[808] 003:さよなら 舟橋剛二 2003年02月02日 (日) 12時39分

さよならと言われる前にこっちから切りだしたいと思うけれども

http://homepage3.nifty.com/misohitomoji/


[807] 005:音 佐藤りえ 2003年02月02日 (日) 12時38分

受精卵が細胞分裂するまでの短い音楽を聞きたまえ

http://www.fsinet.or.jp/~la-vita/


[806] 004:木曜 佐藤りえ 2003年02月02日 (日) 12時36分

木曜のごみ集積所呼び交すニックネームの熟女と熟女

http://www.fsinet.or.jp/~la-vita/


[805] 003:さよなら 佐藤りえ 2003年02月02日 (日) 12時34分

ホームからさよならをするひとたちの丸い背中の影を見ていた

http://www.fsinet.or.jp/~la-vita/


[804] 001:月 大辻隆弘 2003年02月02日 (日) 12時32分

月齢を考えてゐる、右腕を乾いたシャツの袖にとほして


[803] 012:突破 浜田道子 2003年02月02日 (日) 12時09分


突破口ひらかんとして飛びかかる幼なと吾との戦争ごっこ


[802] 011:イオン 浜田道子 2003年02月02日 (日) 12時06分


目に見えぬものの存在信じたくイオンクリーム朝な夕なに


[801] 010:浮く 浜田道子 2003年02月02日 (日) 12時03分


仰向けにプールに浮きてぽっかりと頭の中を空っぽにする


[800] 050:南瓜 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時00分

夏の夜にふたりならんで南瓜子(ナングアズ)かじったこともとおくにありぬ


[799] 049:嫌い 花笠海月 2003年02月02日 (日) 12時00分

どうしようもなくひとりへむかう夏の身に好き嫌いなどとおくにありぬ


[798] 006:脱ぐ 森川菜月 2003年02月02日 (日) 12時00分

着るために脱ぐとき雨の音がしてうさぎのやうにまるまつてゐる

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9392/