[3979] 003:さよなら 高見里香 2003年02月28日 (金) 00時10分明日から泣かないために鈍色のさよならジャムをことこと煮込む
[3978] 001:月 高見里香 2003年02月28日 (金) 00時08分美しい目をした子どもを産む為に月のひかりのゆりかごを編む
[3977] 011:イオン 兵庫ユカ 2003年02月27日 (木) 23時48分書きさしの手紙が風に飛ばされぬよう真鍮のライオンを置くhttp://www.d3.dion.ne.jp/~y_hyogo
[3976] 008:足りる 魚柳志野 2003年02月27日 (木) 23時03分足りません180度になるまではかえしてもらえない夏休みhttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426
[3975] 007:ふと 魚柳志野 2003年02月27日 (木) 23時03分アザーンの響く裏路地ふとここで生まれ育ったような気がした
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4426
[3974] 007:ふと 江村彩 2003年02月27日 (木) 22時55分花冷えに思い出すこと多かればふと笑いつつ泣きたいような
[3973] 009:休み 生奈旻士 2003年02月27日 (木) 22時54分
梅の香にふと誘われて花休み
そろそろわにゃっと生きてみようか
http://www.speedik.co.jp/uon/light/waka/2003.htm
[3972] 062:渡世 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 22時36分助動詞「り」その接続はさみしいと説きたり さなり、さみし渡世は
[3971] 061:祈る 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 22時25分もうやつて来ないあしたを祈らしめまどろみの淵に子を突き落とす
[3970] 011:イオン 久哲 2003年02月27日 (木) 22時04分総統の愛したと言うイオン樹の根元で終わる二月 平和だ
[3969] 009:休み(再投稿) 久哲 2003年02月27日 (木) 22時03分休み休み歩く氷河のクレパスは跨げないほどでもないけれど
[3968] 084:円(再投稿) 宮崎浩 2003年02月27日 (木) 20時36分円周率3.141は思春期のをりをり記憶の濃き数値なり
[3967] 083:予言 宮崎浩 2003年02月27日 (木) 20時35分ビリリリリ闇のなかより手のひらが《終末予言》の箇所を破らむ
[3966] 082:ほろぶ 宮崎浩 2003年02月27日 (木) 20時34分アルカイダ、アレフの組織ひそやかに結束をしてほろぶこと無し
[3965] 007:ふと 長谷川と茂古 2003年02月27日 (木) 20時25分『ドグラ・マグラ』の坊主が云ひし「アア、スカラカチャカポコ」ふと口遊む
[3964] 026:妻 和良珠子 2003年02月27日 (木) 20時20分母へ 「元気?淋しくて猫飼いました。金はまだある。妻はまだです」
[3963] 070:玄関 門哉彗遥 2003年02月27日 (木) 17時45分玄関へ案内せんと対岸で手を振る人は懐かしい人http://hull.kun.jp/
[3962] 069:コイン 門哉彗遥 2003年02月27日 (木) 17時44分崩壊の前も後ろも何もかも知っているだろコインよお前http://hull.kun.jp/
[3961] 068:似る 門哉彗遥 2003年02月27日 (木) 17時44分縁取りの闇に似ている終焉は鎖線の隙間滴り落ちてhttp://hull.kun.jp/
[3960] 067:化粧 門哉彗遥 2003年02月27日 (木) 17時44分経血で化粧しにけり彼の時のアウシュビッツが今もあるらんhttp://hull.kun.jp/
[3959] 066:僕 門哉彗遥 2003年02月27日 (木) 17時43分せがまれて消え入りそうな僕の背に筆記体溶く豚毛筆にてhttp://hull.kun.jp/
[3958] 099: かさかさ 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時12分肘も膝も踵もかさかさ白くなる心の底まで乾ける冬は
[3957] 098: 傷 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時11分傷口を舐め合ふごとき飲み会に一口、一杯、またもう一杯
[3956] 097: 支 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時11分予想より仕事がとれて今月の収支何とかプラスとなりぬ
[3955] 096: 石鹸 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時10分いつときは評判なりき もう今は話題に載らぬ痩せる石鹸
[3954] 095: 満ちる 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時09分咲き満ちて桜並木が続きたり風の冷たき河津河畔に
(河津桜祭りにて)
[3953] 094: 時 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時08分徹夜して外の明るむ朝の四時熱き紅茶に心が弛む
[3952] 093: 恋 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時07分恋ひし合ふときめきいつか忘れ果て肉親のごと夫と住まへり
[3951] 092: 人形 大橋紀子 2003年02月27日 (木) 15時06分一年を真闇の中ですごしたる雛人形に春の陽注ぐ
[3950] 084:円 春日山 2003年02月27日 (木) 15時04分花の下円かに酒を酌み交はし
この時の間の幸を楽しむ
[3949] 007: ふと まつもと よういち 2003年02月27日 (木) 15時00分「ふとらせてモテないようにしてあげる」嬉しいような悲しいような
[3948] 83:予言 春日山 2003年02月27日 (木) 15時00分未来なる人の運勢予言して
生活(たつき)をたつるひとのゆく末
[3947] 082:ほろぶ 春日山 2003年02月27日 (木) 14時56分戦国の事跡を訪ねゆく旅に
滅びし武将の甲冑を見る
[3946] 081:ノック 春日山 2003年02月27日 (木) 14時50分友の部屋ノックすれども応へなく
柱時計の音を刻める
[3945] 80:織る 春日山 2003年02月27日 (木) 14時48分遠き日の想ひ綴るは織るごとく
縦糸うから横糸の友
[3944] 079:目薬 春日山 2003年02月27日 (木) 14時45分目薬をささむと吾に寄りてくる
目医者さんだと幼は言ひて
[3943] 078:殺 春日山 2003年02月27日 (木) 14時42分ゴキブリを一気に殺し思ひたり
命の軽重ありてよきかと
[3942] 077:落書き 春日山 2003年02月27日 (木) 14時39分落書きは楽書きにして吾も書き
他人(ひと)と己も共に寛ぐ
[3941] 075:痒い 再投稿 春日山 2003年02月27日 (木) 14時35分痒いとこ手の届くよふ気遣へど
君の心の吾を離れて
[3940] 005:音 佐々木信義 2003年02月27日 (木) 13時28分クロネコが愛の軽さに音をあげたバレンタインのワレモノ・なまもの
[3939] 004:木曜 佐々木信義 2003年02月27日 (木) 13時16分月曜と木曜の朝はカラスの日燃えるのカアー燃えないのカアー
[3938] 060:奪う 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 12時49分昧爽のうごめきやまぬカオスよりひとつ言葉を奪ひ発ちたり
[3937] 059:夢(再送、すいません) 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 12時37分
独り棲みの頬たゆたゆと豊けかり山中智恵子「夢之記」のころ
[3936] 060:夢 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 10時16分独り棲みの頬たゆたゆと豊けかり山中智恵子「夢之記」のころ
[3935] 058:たぶん 大辻隆弘 2003年02月27日 (木) 10時13分たぶん徒労だらう、眼前の若きらに羞悪之情といふを説いたが
[3934] 006:脱ぐ 長谷川と茂古 2003年02月27日 (木) 10時04分お出でませ鶯・萌黄・薄緑そろそろ冬の衣を脱いで
[3933] 038:明日 emi 2003年02月27日 (木) 00時35分昨日からはみだしているわたしたちココロノカタチ明日つたえますhttp://www.tcp-ip.or.jp/~shibatae/index.htm
[3932] 013:愛 佐藤りえ 2003年02月26日 (水) 23時51分買うべきか買わざるべきか愛犬用タキシード見るまなこゆらぎてhttp://www.fsinet.or.jp/~la-vita/
[3931] 012:突破 佐藤りえ 2003年02月26日 (水) 23時46分「地球総人口七十億を突破」あかつきのそらひよどりが啼くhttp://www.fsinet.or.jp/~la-vita/
[3930] 057:蛇 大辻隆弘 2003年02月26日 (水) 23時32分蛇を踏んだ素足の指がへびの腹のあたりに沈みはじめて、柔(やは)い
[3929] 028:三回 五十嵐きよみ 2003年02月26日 (水) 23時28分Q.もしも三回までは許されるとしてあなたは何をしたいか?http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/
[3928] 056:野 大辻隆弘 2003年02月26日 (水) 23時20分意識野を過ぎゆく風になまぬるき匂ひはあり、と思(も)ひて目覚めつ
[3927] 055:置く 大辻隆弘 2003年02月26日 (水) 23時18分逆光の葦、黄金に透くなかに子を置きてそこ去らむとしたり
[3926] 054:麦茶 笹田かなえ 2003年02月26日 (水) 21時48分わるいこと言わないからさ麦茶でも飲んでそろそろお帰り 坊や
[3925] 053:サナトリウム 笹田かなえ 2003年02月26日 (水) 21時46分そうなんです サナトリウムに行くんです一番好きな大事な服で
[3924] 054:麦茶 大辻隆弘 2003年02月26日 (水) 21時13分琥珀より濃く澄むいろ、と君はいふ麦茶の硝子杯をかざして
[3923] 025:匿う 和良珠子 2003年02月26日 (水) 19時50分その薄い胸に匿おうと決めたんだね 桜が咲けば10才になる
[3922] 020:害 キタダヒロヒコ 2003年02月26日 (水) 19時08分水府にも水の災害(わざはひ)あればけさしめやかに振れ百重(ももへ)なす鰭
[3921] 007:ふと 羽田野 令 2003年02月26日 (水) 18時35分思ふとふことの愉しさ春虹の仄かに立ちてふつと消ゆるも
[3920] 006:脱ぐ 羽田野 令 2003年02月26日 (水) 18時30分君掛けし肌(はだへ)の繭を剥がぬやう今日のセーターそうつと脱ぎき
[3919] 081:ノック 宮崎浩 2003年02月26日 (水) 17時37分とんとんとドアノックする死神へ生きたし希ふ無垢な少女(をとめ)は
[3918] 080:織る(再投稿) 宮崎浩 2003年02月26日 (水) 17時35分黒き手白き手で織るアメリカに苦しみがあるテロ以後もまた
[3917] 079:眼薬 宮崎浩 2003年02月26日 (水) 17時34分闇の世ゆ甦りたるキリストを視るためだけの眼薬を採る
[3916] 037:とんかつ 梨乃 礫 2003年02月26日 (水) 17時11分とんかつになったあの子を見かけたら2時間まったと伝えて欲しい
[3915] 036:遺伝 梨乃 礫 2003年02月26日 (水) 17時06分遺伝子を組み替えられた人間がまた遺伝子を組み替えて人
[3914] 018:泣く 近藤かすみ 2003年02月26日 (水) 16時56分泣くことを咎める人のいないこと確かめてから泣き始めたり
[3913] 052:冷蔵庫 笹田かなえ 2003年02月26日 (水) 08時55分冷蔵庫今朝はことさらつめたくて二月二十六日の心
[3912] 004:木曜 伊藤隆浩 2003年02月26日 (水) 07時17分木曜と見せ掛けといてよく見たら本曜だった さて読書でも
[3911] 056:野 藤原龍一郎 2003年02月26日 (水) 06時44分麻雀を四角い荒野とうそぶきし真崎守の野を黒く塗れ!
[3910] 005:音 荻原裕幸 2003年02月26日 (水) 04時35分市営プールのたつた一つの音としてきみのストロークを聴いた夏
http://www.ne.jp/asahi/digital/biscuit/
[3909] 006:脱ぐ 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 03時07分いつかこうしておまえもいなくなると言う六畳間に脱ぎすてた下着が
[3908] 010:浮く 瓜生ゆき 2003年02月26日 (水) 02時10分薄っぺらな知識が剥げたパイからはシナモンの浮く林檎がみえる
[3907] 013:愛 星川郁乃 2003年02月26日 (水) 01時26分わたしたちあれでよかったと思います愛染明王像前に立つhttp://www.geocities.co.jp/Bookend/4803/index.html
[3906] 005:音 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時17分寝息とわずかにずれて壁をうつカナブンの羽音を聞いている
[3905] 004:木曜 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時15分木曜の伝言板には「今日できないことは永遠できない ママへ」
[3904] 003:さよなら 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時14分風きみが揺らしつづける前髪にとどまる呪文はまだないさよなら
[3903] 002:輪 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時13分疾走せよ不眠の少女ひかりある朝の輪唱より軽やかに
[3902] 001:月 大塚真祐子 2003年02月26日 (水) 01時12分番号でわたしを呼ばぬひとと見る月面ドームに降りつづく雪
[3901] 051:敵 笹田かなえ 2003年02月26日 (水) 00時21分六条御息所あたりまで読んでつくづく敵はジェラシー
[3900] 017:雲 近藤かすみ 2003年02月26日 (水) 00時03分南から日本列島目がけてる渦まき雲をテレビは映す
[3899] 037:とんかつ emi 2003年02月25日 (火) 23時50分駅裏のとんかつ屋にて頑なな気持ち緩んで饒舌な君http://www.tcp-ip.or.jp/~shibatae/index.htm
[3898] 053:サナトリウム 大辻隆弘 2003年02月25日 (火) 23時18分秋、サナトリウムに陶(すゑ)の痰壺の白さむざむと風に乾きて
[3897] 048:死 むつき 2003年02月25日 (火) 23時12分まろき背を死てふ腕にいだかれて黄泉を黄金のいづみとぞ見し
http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/
[3896] 047:沿う むつき 2003年02月25日 (火) 23時11分落ちかかる川瀬をはやみ沿ふ人の見ぬまにうつる波のあだ花
http://www6.plala.or.jp/a_mutsuki/
[3895] 055:置く 藤原龍一郎 2003年02月25日 (火) 22時40分ゆくりなく風邪に籠ればアラゴンが夢の詩稿とマリファナを置く
[3894] 054:麦茶 藤原龍一郎 2003年02月25日 (火) 22時26分圓朝の奇想花咲く三題のドリトル先生・麦茶・赤旗
[3893] 052:冷蔵庫 大辻隆弘 2003年02月25日 (火) 22時25分冷蔵庫の薄暗がりに初恋のひとりをしまふ、食器らとともに
[3892] 051:敵 大辻隆弘 2003年02月25日 (火) 22時18分敵(エネミー)はどこにでもゐてそのひとり今日ぶら下がる棒鱈を殴る
[3891] 003:さよなら 佐々木信義 2003年02月25日 (火) 21時58分さよならはさやうならよりあつさりと言へさうだけど「ぢやあね」が好きさ
[3890] 002:輪 佐々木信義 2003年02月25日 (火) 21時57分幾重にも巻かれ続ける輪ゴム明日腐り落ちる手髪を切らうか
[3889] 001:月 佐々木信義 2003年02月25日 (火) 21時55分「月並みな台詞(セリフ)でごめんね」ひとつしかない月なのに並べたててゐる
[3888] 050:南瓜 笹田かなえ 2003年02月25日 (火) 21時30分毎日が南瓜日和であったならこんなに好きになったでしょうか
[3887] 049:嫌い 笹田かなえ 2003年02月25日 (火) 21時28分嫌いだと思った日など一日もない十年を褒めてください
[3886] 035:駅 梨乃 礫 2003年02月25日 (火) 17時44分犬のよに信じてみたい今日からは渋谷の駅で君を待ちます
[3885] 034:誘惑 梨乃 礫 2003年02月25日 (火) 17時43分惑星で誘惑されし戸惑いは相手が猿であるという事
[3884] 033:中ぐらい 梨乃 礫 2003年02月25日 (火) 17時42分坂道の真ん中ぐらいで振り返る見慣れぬ町に海が広がる
[3883] 024:きらきら 和良珠子 2003年02月25日 (火) 16時58分マンドリンの音色きらきらみきらきらあわせてきらきらむきらきら(FIN)
[3882] 076:てかてか 春日山 2003年02月25日 (火) 16時43分てかてかに磨きし愛車ぶつけられ
修理なせども気持ちは晴れず
[3881] 075:痒い 春日山 2003年02月25日 (火) 16時40分日本の痒みは不良債権で
掻けども(消却)掻けども順次に発生
[3880] 074:キャラメル 春日山 2003年02月25日 (火) 16時33分溶け崩るキャラメルに寄る蟻の如
悪しき議員は利権に固執
[3879] 073:資 春日山 2003年02月25日 (火) 16時29分日本の産学官は協調し
豊かな明日へ資する働き
[3878] 072:席 春日山 2003年02月25日 (火) 16時26分出欠を迷ひて記す出席と
ポストの前でまたも躊躇ふ
[3877] 071:待つ 春日山 2003年02月25日 (火) 16時23分東西に改札あるを知らなくて
反対側でいつまでも待つ
[3876] 070:玄関 春日山 2003年02月25日 (火) 16時21分玄関に別れし女(ひと)の靴ありて
日頃の不安つひに来たかと
[3875] 019:蒟蒻 新谷休呆 2003年02月25日 (火) 15時39分蒟蒻を空炒りにする炒れど炒れど水気は抜けぬ 未練のやうに
[3874] 無題 稲村一弘 2003年02月25日 (火) 15時30分何故に斯く寒月冴ゆる ふと母の命日なりと思ひ到りぬ
[3873] 091: 煙 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 15時00分刺のある言葉をぐさりと投げかける禁煙3日目いらだつ夫は
[3872] 090: ぶつかる 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時59分守るもの無き年齢に届きたりぶつかることももう怖くない
[3871] 089: 開く 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時59分紅椿垣に一輪開きたり黄色き花粉少し零して
[3870] 088: 象 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時58分この車やつぱり買つてしまおうか第一印象かなり良好
[3869] 087: 朝 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時57分再起動したばかりなるパソコンのやうにすつきり今朝の目覚めは
[3868] 086: とらんぽりん 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時57分だんだんと調子の上がるとらんぽりん とらあんぽりいんと我を跳ね上ぐ
[3867] 085: 銀杏 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時56分神宮の銀杏まつりに友と来て野点の席に松風を聞く
[3866] 084: 円 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時55分電池より安い値段でよく動く百円ショップで買ひし時計は
[3865] 083: 予言 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時55分おほかたは外ればかりの予言なり白馬の王子も遂に来なくて
[3864] 094:時 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時51分
襟裳沖流氷の下の時鮭(トキシラズ)眠り呆けて網にかかってhttp://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3863] 093:恋 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時51分
饒舌の嵐を抜けて化粧室 恋から愛へ変われテクマク…http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3862] 092:人形 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時50分
主より長生きなさる雛人形 狆(ちん)ひき官女は今朝もお勤めhttp://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3861] 091:煙 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時49分
饒舌の炎はなかなか衰えず煙に巻かれるふりをしているhttp://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3860] 090:ぶつかる 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時49分
捨てる神あればぶつかる神もいてこの世は披露宴会場http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3859] 089:開く 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時48分
大屋根を開ければ黒い蝶になるシュヴァルツヴァルトの木のピアノらしhttp://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3858] 088:象 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時48分
咲いたのねカトマンドゥのラリグラスあなたの描いた象更紗が啼くhttp://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3857] 087:朝 飛永京 2003年02月25日 (火) 14時47分
ひまわりの種をぽつぽつついばんで齧歯目になる朝の習性http://www.aa.aeonnet.ne.jp/~kyo/page/Beran/u.ber.html
[3856] 082: ほろぶ 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時41分ほろびゆく人種なるべしわが夫は無愛想・頑固時に過真面目
[3855] 081: ノック 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時40分ノックノック「入ってますか?」と尋ねても我が脳みその返答はなし
[3854] 080: 織る 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時40分幼日の子らが着てゐし服を裂き横糸として厚き布織る
[3853] 079: 眼薬 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時39分目頭に二滴落とせし眼薬にしよぼしよぼの目が機嫌を直す
[3852] 078: 殺 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時38分「怪獣は殺さず宇宙に捨ててくる」ウルトラマンの退治方針
[3851] 077:落書き 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時37分落書きに自分の名前を書くなんて自首するやうなものですよ きみ
[3850] 076:てかてか 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時20分てかてかに顔の火照れる風呂上りビールの最初の一口が良し
[3849] 075: 痒い 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時20分痒いのは痛いのよりも辛そうで乾いたタオルで子の背をさする
[3848] 074: キャラメル 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時19分キャラメルのおまけの指輪を交換し婚約したつけ五歳の頃に
[3847] 073: 資 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時18分なかなかに会議の資料出揃はず泥縄式のにわか残業
[3846] 072:席 大橋紀子 2003年02月25日 (火) 14時17分うす暗き音楽喫茶の地下室のいつもの席にモーツアルト聞く
[3845] 010:浮く 久哲 2003年02月25日 (火) 13時52分浮くものが寄せて集まる水際で膝を抱いて曇天を飲む
[3844] 009:休み 久哲 2003年02月25日 (火) 13時51分足掻いても揺れる吊橋中程で急に「休め」と英霊の言う
[3843] 008:足りる 久哲 2003年02月25日 (火) 13時50分ストローに噛みつきながら足りること知らない君が語る塚本
[3842] 007:ふと 久哲 2003年02月25日 (火) 13時49分オアシスが涸れて滅びた都市国家そこの少女の運命をふと
[3841] 006:脱ぐ 久哲 2003年02月25日 (火) 13時48分脱ぎっぱなしの靴下と戯れる旧約聖書「ナンジカンインスルナカレ」
[3840] 005:音 久哲 2003年02月25日 (火) 13時47分錆びついて狂った音の教会の鐘を沈める夕凪の海
[3839] 004:木曜 久哲 2003年02月25日 (火) 13時46分足裏にガラスの破片 とりあえずお礼参りは木曜にする
[3838] 003:さよなら 久哲 2003年02月25日 (火) 13時46分さよならの彼方より来る風を飼う黒いぺティキュア 泣けばいいのね
[3837] 029:森 芦田美香 2003年02月25日 (火) 13時19分ねんねねんねと子どもが人形あやす声乗せて市バスは森へと向かう
[3836] 028:三回 芦田美香 2003年02月25日 (火) 13時18分0−0三回表の昼下がり春と日曜日が調和する
[3835] 027:忘れる 芦田美香 2003年02月25日 (火) 13時11分どれだけの名前を忘れてきたのだろう柳絮は不意に視界を覆う
[3834] 040:走る 青山みのり 2003年02月25日 (火) 12時39分『比較』とは人の持つ語彙 朝顔はひたすら空へ、空へ走りぬ
[3833] 010:浮く 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時17分秋天の真青の襞にひとしずく真珠くるしく浮くまでを見つ
[3832] 009:休み 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時16分いっしんに這いだす蝿のこどもたち匣のなかなる夏休みから
[3831] 008:足りる 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時16分もう足りている塩加減しあわせは何も起きないこと、とあなたは
[3830] 007:ふと 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時15分鉄橋にさしかかるときふと黙るふたりとどろく水の遠さに
[3829] 006:脱ぐ 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時15分春を脱ぎつづけるさくら歳月をはるばるこんなところまで来て
[3828] 005:音 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時15分チェリストとピアニスト背を向けあいて音楽はこのうえもなき不義
[3827] 004:木曜 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時14分木曜に… 受話器をおいてしばらくを森のしじまにつつまれている
[3826] 003:さよなら 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時13分さむきさざなみはしれる河のしろがねのさよならはとわにジョバンニのことば
[3825] 002:輪 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時12分街にふる雪が塩なら輪転機はきっときしんできしんで 止まる
[3824] 001:月 佐藤弓生 2003年02月25日 (火) 06時12分たどりつかないたどりつかないざばざばと月のにおいの枯葉のなかを
[3823] 004:木曜 荻原裕幸 2003年02月25日 (火) 03時18分船を見るやうに見てゐた木曜のアテネ・フランセに通ふきみを
http://www.ne.jp/asahi/digital/biscuit/
[3822] 020:害 ひぐらしひなつ 2003年02月25日 (火) 02時10分やわらかく害してあげる朝の陽に眉をひそめたままの眠りをhttp://www2.spitz.net/hinatsu/
[3821] 006: 脱ぐ まつもと よういち 2003年02月25日 (火) 01時17分脱いだ服きちんとたたむきみのクセ抱き合う前はやめにしないか
[3820] 009:休み 高澤志帆 2003年02月25日 (火) 01時15分三組のロミオに会へぬ春休みうさぎ小屋から校庭ながむhttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Christie/4834/index.html
[3819] 036:遺伝 emi 2003年02月25日 (火) 01時09分理由など何もなくてただ母だけ知ってる遺伝子受け継ぐ朝に
http://www.tcp-ip.or.jp/~shibatae/index.htm
[3818] 027:忘れる 五十嵐きよみ 2003年02月25日 (火) 00時59分忘れてはいけないことを鳩のごと抱いて走った昨夜の夢にhttp://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/
[3817] 006:脱ぐ mint 2003年02月24日 (月) 23時28分恵比寿にて防弾チョッキを脱ぎ捨てて甘い弾丸被弾して、雨
[3816] 005:音 mint 2003年02月24日 (月) 23時27分こんこんと湧き出る泉犯されて音にならない言葉も棄てて
[3815] 048:死 笹田かなえ 2003年02月24日 (月) 22時33分いくつものガラスのかけら散りばめたエゴン・シーレの絵の中へ死へ
[3814] 026:妻 五十嵐きよみ 2003年02月24日 (月) 20時53分恐妻家の男というものかわゆくて日向にひらく昆虫図鑑http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/
[3813] 025:匿う 五十嵐きよみ 2003年02月24日 (月) 20時52分秘密とはいえないような秘密基地にみんなで犬を匿った夏http://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/
[3812] 024:きらきら 五十嵐きよみ 2003年02月24日 (月) 20時52分きらきらとぎらぎらの差をおもうときこんなに遠くきたわたしたちhttp://www.parkcity.ne.jp/~noma-iga/
[3811] 023:詩 和良珠子 2003年02月24日 (月) 20時23分一片の詩を読みあげるごと遥か高みより 懐妊を告げらる
[3810] 005:音 長谷川と茂古 2003年02月24日 (月) 19時59分耳鳴りの音をたどりて頭の奥の小さき迷路に囚はれてをり
[3809] 011:イオン 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時12分暗記したイオン化傾向自信ないまたナトリュームが漏れてしまった
[3808] 010:浮く 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時11分10(イチゼロ)の沼に浮いたり沈んだりサービス残業過労死体
[3807] 009:休み 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時10分周りから休みを取れと迫られる休みの島から逃げて来たのに
[3806] 008:足りる 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時09分砂に書く一本足りない蛸の足が魔女の箒になった伝説
[3805] 007:ふと 丸山 進 2003年02月24日 (月) 18時08分ピーポーの慌てた声を聞く度にふと思い出す免許書き替え
[3804] 078:殺 宮崎浩 2003年02月24日 (月) 18時06分父よ父、殺人未遂で捕まれば関心もつか をとこの日記
[3803] 077:落書き 宮崎浩 2003年02月24日 (月) 18時04分十代のノートの余白に落書きの癖なしゆゑにやがて鬱びと
[3802] 076:てかてか 宮崎浩 2003年02月24日 (月) 18時03分てかてかの湿り気のある落葉を踏めば踏むほど喪失おそふ
[3801] 002:輪 椎木英輔 2003年02月24日 (月) 16時31分これ輪じやないんです箍(たが)つていふんです。あの箍回しつてご存じ
http://www3.ocn.ne.jp/~shiiki
[3800] 010:浮く 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時55分天と地の分かつ間を赫々と朝日子海より浮き上がり来よ
[3799] 009:休み 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時52分「そりゃあなた私だってお休みをします」と新月呟きている
[3798] 008:足りる 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時50分十六夜の月の明かりて内に住む乙女兎は足ること知らず
[3797] 007:ふと 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時48分ふとうめいなりき あなたのふとも付く嘘を可愛ゆく思ゆる日まで
[3796] 006:脱ぐ 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時46分静謐な刻にあるべし今われは蛹の背割り脱ぎ捨てにけり
[3795] 005:音 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時44分幾度もストラヴィンスキーを再生す今日はその音の何故か恋おしく
[3794] 004:木曜 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時42分珈琲の冷めぬ程度の相槌を打つなり木曜宮の男に
[3793] 003:さよなら 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時40分かぎろいの春のことなりさよならを告ぐること無き別れも一つ
[3792] 002 輪 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時37分左手より外せし指輪日蝕のコロナの如き光を放て
[3791] 001 月 田外 茗子 2003年02月24日 (月) 14時35分わたつみの面に色の無き光(かげ)を置きあからひく月天心にあり
[3790] 050:南瓜 大辻隆弘 2003年02月24日 (月) 14時24分ゆくりなく橋上に会ふ夕ばえは南瓜を割つたやうな黄金
[3789] 009:休み 谷川由里子 2003年02月24日 (月) 14時02分記憶とまぼろしの差異 のめりこむようにフォークつきたてる休み場
[3788] 026:妻 芦田美香 2003年02月24日 (月) 13時21分「妻」と「罪」同じ語源であるという気がしてならず生むものとして
[3787] 025:匿う 芦田美香 2003年02月24日 (月) 13時20分かごめかごめで囲い匿うおおとりのうしろの正面こわくてならず
[3786] 008:足りる 井口一夫 2003年02月24日 (月) 11時03分いつまでも一人足りない春のピース 代わるがわるにカメラ構えてhttp://www.lebal.co.jp/cyabasira_bbs/
[3785] 069:コイン 春日山 2003年02月24日 (月) 10時35分ジュース飲みマンガ読みつつ青年は
コインランドリーに夜半を過ごしぬ
[3784] 068:似る 春日山 2003年02月24日 (月) 10時31分似し人に声をかけれど届かずに
雑踏のなか姿失ふ
[3783] 067:化粧 春日山 2003年02月24日 (月) 10時28分行きずりの女(ひと)の化粧の強き香に
振りかえり見る春の夕暮れ