[1739] 夜の夢こそまこと 2005年07月29日 (金)

人形作家の石塚公昭さんから新著『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎刊)
を送っていただいた。
これは石塚さんの得意の乱歩人形をつかって、乱歩作品の数々を
ビジュアルに再現するという驚くべき仕事。

作品は以下のとおり。
「怪人二十面相」
「黒蜥蜴」
「D坂の殺人事件」
「屋根裏の散歩者」
「人間椅子」
「押絵と旅する男」
「目羅博士の不思議な犯罪」
「盲獣」
「白昼夢」
このラインナップを見て、いったいどうやってヴィジュアル
化したのだろうかと、不思議に思うにちがいない。
人間椅子や盲獣のヴィジュアル化なんて不可能だと普通なら
思うわけだが、石塚公昭という人の異常な才能と技術力が、
それを可能にしてしまったのである。
圧倒されるほかはない一巻であり、「うつし世は夢」と思って
いる人は、絶対に読む、見るべき本であると断言する。

表紙は二十面相もどきに、アドバルーンで脱出しようとする
乱歩の雄姿。皮手袋とピストル、風になびくネクタイの質感
がたまらない。
裏表紙は七色の風船の浮力で宙に浮びあがる 切断された女性
の脚部。これは盲獣のイメージである。

しかし、これだけの官能のパノラマを実現させた石塚さんの
才能は比類なきものだと思う。

さらに勝手な夢を語るなら、こんどは私の愛する「芋虫」や
華麗なる「パノラマ島奇談」の世界をヴィジュアル化してい
ただけないだろうか。わがままな欲望が、この一巻を実現さ
せたことはまちがいないのだから、観客である読者はこの
世界のさらなる深化を語り続けるべきだろう。

石塚公昭の世界は下記のURLでお楽しみください。

http://www.kimiaki.net/


[1738] 寝苦しい夜々 2005年07月28日 (木)

週の後半になると疲れが増してくる。
入院以後、体重が15キロも減ったのが、最大の利点で
そのかわり、疲れやすくなってしまった。
やはり、行動を慎むべしということなのだろう。
ここのところ、夜が寝苦しいので、寝不足になっているのも
疲れの原因かもしれない。

斎藤茂吉の「童馬漫語」を拾い読みしていたら、大正時代の初期の
文章に、子規の「鶏頭の十四五本もありぬべし」に関して触れてい
るものがあった。
この鶏頭の句を虚子が認めていなかったことは有名だが、茂吉もふ
れているくらい有名な句だったわけだから、虚子は結局、意地をは
っていただけなのじゃないのかと思った。


[1737] 高山れおな句集『荒東雑詩』 2005年07月27日 (水)

午前中は有楽町の本社に行き、特別職会に出席。
その後、午後からお台場のオフィスへ行く。

高山れおなさんが第二句集『荒東雑詩』を送って下さった。
こういう句集が出現したのかと、感動する。
すべての句に詞書がつき、その詞書きを受けつつ、さらにまた
屈折した作品が並べられている。
いわば、すべて変化球を投げつづけて、完封勝利または完全試合
をなしとげてみせたような句集である。
作品を引けばよいのだろうが、どの作品を引いても、
この句集の痛快さは伝わらないだろう。
本当は歌集でこういうものがつくれたらよかったと思うが
それはこの句集を知ってからの後知恵なのかもしれない。
高山れおなはすぐれた才子である。
俳壇はこの句集をいかに受け止めるだろうか。


[1736] 上田三四二著『斎藤茂吉』 2005年07月26日 (火)

筑摩選書に入っている上田三四二著『斎藤茂吉』読了。
朝、出社前から読み始めて、あいている時間はずっと読み続け、
結局、夜11時過ぎに読み終わった。
この本を買ったのはもう15年くらい前ではないかと思う。
もう一度、短歌の基礎を勉強しようと思って買った本だ。
今まで何度か読み始めたが、いつも、ほんの数ページで
中断してしまっていた。まあ、気運がたかまって、今回、一気に
読了できたのだろう。
昨日、『「赤光」の生誕』を読んでいたので、アタマの中が
茂吉になじんでいたということもあるだろう。
上田三四二の本の特徴は、茂吉の病気の体質や女性観に、医学的
な立場から、アプローチしていくところが特徴なのだろう。

午後、デジタルラジオ事業会社設立に関する記者会見に行く。
民放連のある文藝春秋ビル西館の地下会議室。
台風が来ているというのに、テレビカメラをふくめ、プレス関係者
が、ほぼ満席状態だった。


[1735] 続いて大著を読む 2005年07月25日 (月)

昨日に続いて、朝早く目が覚めてしまったので、
岡井隆著『「赤光」の生誕』を読み始め、昼間もずっと読み続け、
夜になって読み終わった。
岡井隆特有のしゃべるような文体というのが、クセがあって
読みにくいという人もいるだろうが、私は学生時代に『慰謝論』を
読んだときから、この文体には慣れていて、むしろ、読みやすい
といってもよい。
基本的には斎藤茂吉と木下杢太郎と北原白秋に関して書いてある
本なのだが、とにかく、筆がまわり道をしていくのが予想もつか
ない。とはいえ、茂吉の「赤光」に対する多面的なアプローチは
岡井隆の茂吉への執着のあかしであって、どの章もどの行も刺激が
あるわけだ。
これで、三木卓の『北原白秋』、三枝昂之の『昭和短歌の精神史』
岡井隆の『「赤光」の生誕』と、大著というべき厚い本を読了で
きたことは、個人的な喜びではある。

やはり、読書によって、自分の精神生活をたかめることは
嬉しいことといえる。


[1734] 良書読むべし 2005年07月24日 (日)

朝五時前に目が覚めてしまった。
三枝昂之著『昭和短歌の精神史』を途中から読み始め、結局、
読了する。
この本は近年出た最良の歌書だと思う。
戦前から戦後にかけての短歌の歴史を、歌人の精神にまで
深く読みをすすめることで、解読し、感動的に記述してゆく。
できるかぎり、一次資料にあたることで、通説の嘘偽を暴き
真実を浮かびあがらせる。
まさに、執筆に十年という時間をかけた価値がある。
終戦後の一時期に跋扈した第二芸術論に関しても、
当時の歌人たちの作品や文章を緻密に精読することで
そのコケオドカシの仮面を剥ぎ、歌人の誇りをきちんと
とりもどしてみせてくれる。
私はこの一書を読むことによって、自分が短歌を表現として
選びとったことに対して、あらためてプライドをもった。
窪田空穂や土岐善麿や近藤芳美や山本友一たちが、いかに、
短歌に対して誠実さをたもちながら、昭和という時代を
生き抜いたかを、あらためて実感できる良書である。

しばしば、必読の一冊という言葉が使われるが、
この本にこそ、その言葉がふさわしい本はない。
今、あなたやわたしが短歌をつくっていることは、
この本で論じられた先人たちの苦悩とその克服によった
短歌の歴史の上にのることなのだということを
理解しなければ、今、短歌をつくる意味はないとさえ言える。
良書読むべし。


[1733] 突然の地震 2005年07月23日 (土)

本の整理をして、競馬中継を見て、だらだらして夕方になったら
突然の地震。
揺れも音もかなりひどかったが、さいわい、家の中のものは、
何も落ちたり、壊れたりはしなかった。

とりあえず、無事だったので、サンシャイン劇場へ、
伊東四郎一座のお芝居を見に行くために、
東京メトロの豊洲駅へ向う。
都バスがすんなり来たので、楽観していたら
なんと地下鉄はとまっている。
線路点検のためということで、まったく、再開の目途がたたない
とのことである。
東西線も同じ状態とのことで、池袋へ行く手だてがない。
とりあえず、東貴博さんのマネージャーのMさんに電話。
地下鉄が不通で、見にゆけないことを伝える。
しかたがないので、散歩がてら家まで歩いて帰る。

夜はフジテレビの25時間テレビ。
堀江社長と細木数子の対面が一つの目玉になっている。
だらだらと見ていたが、結局、夜11時頃、疲れて眠ってしまう。


[1732] 編集会議 2005年07月22日 (金)

「短歌人」の編集会議にひさしぶりに出席。
たぶん二月の会議以来だろう。
東京芸術劇場の会議室には通い慣れているので
あまり、久しぶりという気がしない。
段取りよく、作業をすすめ、食事に向かう。
中華料理の楼蘭もひさしぶり。
九時半過ぎに帰宅。
『昭和短歌の精神史』を読みながら就寝。


[1731] 俳人・はぎ女 2005年07月21日 (木)

昨日の夜から福田俳句同好会編『俳人はぎ女』という本を
読み始めた。
かぐら川さんからお送りいただいたものだ。
桂書房刊 2100円(税込)
076-434-4600
今からほぼ100年前の明治30年代から40年代にかけて
松根東洋城が選者をしていた「国民新聞」の俳壇に
登場した、越中高岡出身の澤田はぎ女という女流俳人に
関する一巻。

・馬小屋に馬の欠伸や桃の花
・短夜や七村に打つ水太鼓
・賃縫を今日と急かれて残暑かな
・鳴きさうな虫捕らえたり秋隣
・そなさんと知つての雪の礫かな

五句ひいてみたが、どの句も面白い。
特に五句目は相聞の句として傑出しているように思う。

数年のみの活躍で、家庭の事情で俳句をたち、
長い間、まぼろしの俳人となっていた。
それを、昭和三十二年に池上不二子(池上浩山人夫人)が
まだ、長生されていた澤田はぎ女をたずねて、その存在を
明らかにした。
この池上夫妻の努力により、昭和三十八年には
『はぎ女句集』も出版される。
しかし、さらに40年以上の時が流れ、はぎ女の存在も、
再び忘れられかけてきた。
そこで、地元の福田俳句同好会のみなさんが、あらためて
はぎ女の俳人としての価値を再確認するために編まれた本
ということである。

この本に収録されている作品は、どれも個性がくっきり
していて、現代にも十分に通用する。
中村汀女や長谷川かな女と比べてもまったく遜色ない。
つまり、澤田はぎ女は、近代女性俳句の草分けといえる。

この本を読まなければ、当然、私は澤田はぎ女という俳人
の存在を知ることはなかった。
良い本を読むことができたと思う。


[1730] 静かな水曜日 2005年07月20日 (水)

オフィスにグループニュースレターが届く。
グループ社員全員への発送は、業務委託してあるのだが
各社の編集委員、秘書室、総務部などへの発送をおこなう。

夜は東陽町の短歌教室。
受講者がきわめて熱心なので、課題の詠草も、予想以上に
多く集まっている。
例によって一時間半しゃべり続けて終了。

東陽町の交差点からバスにのって帰宅。
バスを待っているあいだの空気がべとつく感じで
気持ちがわるい。


[1729] 縁は異なもの 2005年07月19日 (火)

三連休明けなので、もちろんダレている。

角田純歌集『海境』(砂子屋書房刊)が読み応えがある。
なにより、修辞のレベルが高いのが素晴らしい。

・けだもののまなざし深く籠りゐし弥勒の夜に触りてゐたり
・苔につく白玉露のひかりかなアナベル・リイといひてねむれり
・ああ襤褸らんるの恋のそのゆくへしずかに溶けるよるの恥辱に

「未来」の岡井隆選歌欄の人とのこと。
フラットな口語短歌の氾濫の中で、このような言葉に執した
歌集に出会うことは嬉しい。

坪内祐三の『古本的』に平井章一執筆の「阪神間の美術家たち」の
一節が引用してある。

「阪神間で最も早く「近代」を意識した美術活動をおこなった
例として、東京でヨーロッパの新しい美術表現――キュビス
ムや未来派、構成主義など――の洗礼を受け、関東大震災に
より大正十二年に神戸市外原田村(現在の神戸市灘区)に移
り住んできた、浅野孟府と岡本唐貴を挙げることができる」

坪内祐三の文章はこの引用のあと、岡本唐貴の長男・登が漫画家
の白土三平である、とウンチクを披露して終る。
私もついでにウンチクを披露するなら、もう一人の浅野孟府の息
子・翼は、元「渦」の同人で赤尾兜子門下の俳人・浅野翼である。

・藤の炎の沖へ吹かれる島育ち 翼

浅野翼はこんなアナーキーな俳句をつくっていた。


[1728] 長講名人会 2005年07月18日 (月)

海の日である。
大銀座落語祭は今日が最終日。
ヤマハホールに「長講名人会」を聴きに行く。

開口一番が桂楽珍の「宿替え」
以下、長講三席。

柳家権太楼 「子別れ」
三遊亭円窓 「唐茄子屋」
笑福亭松喬 「らくだ」

権太楼の「子別れ」が、臭く演じられるとイヤだなと
思っていたのだが、心配どおり臭くなってしまった。
冒頭もマクラをまったくふらずに本編に入ったり、
もしかすると、あがっていたのかもしれない。

円窓の「唐茄子屋」は、本所の叔父さんの江戸っ子らしい
キャラクターがきちんと伝わってきて、好演だった。
さすがに円生門下の重鎮である。

松喬の「らくだ」は、師匠の六代目松鶴を彷彿とさせる
みごとな酔っ払いぶり。声も松鶴にそっくりだ。
気の弱い紙屑屋のキャラが前半できちんと描写されるので
酒が入ってからの豹変ぶりが生きている。
欲をいえば、早桶をかついでからの部分をあと五分くらい
刈り取ってくれれば、すっきり仕上がったと思うのだが。

ヤマハホールは超満員。
60代のリタイア後と思われる夫婦や若いカップルも目立つ。
落語ブームというのは本当なのかもしれない。

新橋まで歩いて、東京駅まで行き、京葉線で潮見から帰宅。
夜は『暗黒神話』と『孔子暗黒伝』を読む。
やはり、諸星大二郎を読むと知的興奮がわいてくる。


[1727] ひさしぶりの月例歌会 2005年07月17日 (日)

午前中、六本木のコモワイズ・イガワで髪をカットする。
あおい書店で文庫版の諸星大二郎『暗黒神話』と
『孔子暗黒伝』を購入。
この二作品は「少年ジャンプ」の初出で読んでから、たぶん
五回か六回目の再読になるはず。
しかし、時折、無性に読みたくなる。
開明獣に呼ばれているのかもしれない。

午後は三軒茶屋で「短歌人」の七月歌会。
月例歌会の出席は今年初めてになる。
入院等で出席できず、みなさまにご心配をおかけして
申し訳けなかった。
前半の司会進行をやらせてもらう。
私の出詠歌は
・黙示録の騎士あらばこの眼前の南海キャンディーズかもしれない

藤田初枝さん、宇田川寛之さんに意図が伝わった読みを
展開してもらったので、嬉しかった。
勉強会は水谷澄子さんのレポートで「大西民子の短歌」。

たいへん刺激的な一日だったが、やはり、夜更けになると
疲労感が出てくるのがふがいない。


[1726] 暑さで地面が溶ける 2005年07月16日 (土)

午前中、銀座の伊東屋へ行って、書類を入れるキャビネットと
書籍小包用の封筒を買う。
あまり暑いので、本屋へ行く気にもなれずすぐに帰宅。

午後、競馬をPATで買いながら、歌集の礼状を書く。
馬券はまったく不振。もう3週間連続の不振である。

夕方、コーナンに健康食品の黒酢を買いに行くが、
途中の道が暑くて、溶けそうになっている。

夜は疲れて、何の本を読むともなく眠りにつく。


[1725] 猛暑のお台場エリア 2005年07月15日 (金)

暑い!というより熱い!という感じさえするお台場の金曜日。

事務作業、打合せなどしてするうちに淡々と一日が過ぎる。
放送現場に居たときとくらべて、たいへんな違いではある。

夕方になっても、熱気が地を這っている感じ。

帰宅後もぐったりして、何もできない。
『昭和短歌の精神史』を少しだけ読む。


[1724] 昭和短歌の精神史 2005年07月14日 (木)

グループ事務局の歓送迎会で一年ぶりに「大喜」で宴会。
焼き肉屋なのだが、肉が抜群に美味しい。

帰宅すると、三枝昂之さんの新著『昭和短歌の精神史』が
送られてきている。
書き下ろしで500ページを越す大著である。
『昭和短歌の再検討』の仕事がきっかけになって
昭和短歌というものをきちんと位置づけたいと思い
この本を書きつづけたのだそうだ。
早速、冒頭から読み始めたが、実に読み応えがある。
例の土岐善麿、齋藤茂吉、前田夕暮、吉植庄亮が
朝日新聞の飛行機に乗ったところから、書き始められている。
しばらくは、この本を読み進めることになるだろう。

先週、突然、『昭和短歌の再検討』を再読したくなったのも、
この本が出る予感が、あったからなのかも知れない。


[1723] 屈託のある日々 2005年07月13日 (水)

昨日の夜、紀伊国屋ホールに「笑芸人落語会」を見にいった。
三遊亭白鳥の「台所の隅」という新作ナンセンス落語が、やはり
印象に残らずにはいられなかった。
トリは柳亭市馬の「船徳」で、これは季節にふさわしい。

しかし、前夜遅く帰宅すると疲れが残るようになったのには
困ったものだ。まあ、体力が減っているということだろう。
屈託のある日々である。

「歌壇」8月号が到着。
高島裕の評論を読む。考えること多い。


[1722] 梅雨曇り 2005年07月12日 (火)

朝5時に目が覚めてしまう。
しかたがないので、『昭和短歌の再検討』を読み始め、結局、
読み終えてしまう。
この本はやはり現代短歌がどのような歴史的基盤の上に成立
しているかを知るために、必読の文献だ。
三枝昂之、小池光、永田和宏、島田修三、山田冨士郎という
5人の人選も絶妙のものがある。
少しずつ世界観も文学観も異なる5人が、同じ主題に異なる
角度から挑み、分析してみせた内容は、実に内容がある。
「短歌」連載時にも読んではいたのだが、今回のように
精読したわけではないので、その価値が私にはわかっていな
かった。
入院したことで、精読するという習慣がついたことは私に
とっては、きわめて好ましいことといえる。


[1721] 新人賞のことなど 2005年07月11日 (月)

夕刊で橋本真也の脳内出血による突然の死を知って、
ショックを受ける。

「短歌研究」の1979年9月号と1984年9月号を
ネットの古書店から手に入れる。
どちらも、短歌研究新人賞発表号であり、前者の受賞者が
阿木津英、後者の受賞者が小笠原和幸。
今までずっと、この両年の選考座談会を読みたいと思って
いたのだが、やっと読むことができた。

上田三四二が阿木津英の原稿の字が巧いとほめていたり
小笠原和幸の作品を予選から最後まで一位に押し続けた
のが近藤芳美だということとか、意外なことがわかって
やはり、読んでよかった。
しかし、あらためて感じるのは、このころ、つまり二十年
以上前の新人賞及び候補の作品は、文語文体がしっかりし
ていて、いかにも短歌という思いを味あわせてくれるとい
うこと。
現在の口語短歌の氾濫は、正直なところ読んでいて疲れる。
こんな時期こそ、端正な格調の高い韻文を書ける新人が出
現してほしいものだと思う。意匠としての文語文体が、現
在ほど個性を感じさせる時代はないのかもしれないではな
いか。

ちなみに、1979年の新人賞の佳作・予選通過作には
安土多架志、天草基江(天草季紅)、日高尭子、孤蓬万里と
いった人たちの名前が見える。
1984年の候補作、予選通過作には、秋谷まゆみ、大森
益雄、岡部史、小林孝夫、上妻朱美、浜名理香、橘夏生、
棚橋信雄、山下雅人、山田富士郎、辰巳泰子、田中あつ子、
谷口慎也、八木博信、山田耕司、山田吉郎といった方々が
名を連ねている。

冲方丁の『冲方式ストーリー創作塾』を読む。

「オリジナリティというのは技術ではなく、技術の見せ方だ

という言葉に感心する。
さらに、小説の生産方法として、劇画と同じアシスタント方式
を実験的に導入しているということにも驚く。
小説を読む喜び、書く喜びを多くの人に知ってほしい、という
著者の思いがストレートに伝わってくる一冊だ。


[1720] 産経新聞読書欄 2005年07月10日 (日)

午前中は自転車で図書館。
三一書房の現代短歌全集の評論の巻の中から4本の評論を読む。
伊藤整、武川忠一、吉田弥寿夫、高安国世のもの。
この本と『昭和短歌の再検討』は、現代短歌の試行錯誤を
歴史的に認識する上では、必読との思いを新たにする。

産経新聞の朝刊の読書欄。
「X氏の一冊」というコーナーにフジテレビの亀山千広と
櫂未知子さんとが、並んで写真いりで掲載されているのに
びっくり。たまたま掲載日が一緒ということなのだが、
いちおう顔を知っている人が二人も新聞に写真が載っている
というのは、やはり、驚いてしまう。
この読書欄には映画監督の平山秀幸さんの写真も載っていて、
平山監督とも「夕張シネマワークショップ」で、三泊四日、
ご一緒したことがあるので、結局、三人の知人の写真が掲載
されていたことになる。

櫂さんは、このコーナーでおすすめ書籍として小澤実さんの
新句集『瞬間』、邑書林のセレクション俳人『小澤実集』、
ふらんす堂の新刊『久保田万太郎の一句』と、小澤実の本を
三冊紹介している。
実は、この句集『瞬間』を、私は先々週から、購入しようと
都内の主要書店をまわっているのだが、出あえない。
アマゾンでも品切れ。bk−1では、いちおう3〜4週間で
取寄せということでヒットするのだけれど。
櫂さんの書評でとりあげられたことで、出版社が増刷してくれる
とうれしいのだが。

馬券は不振も、函館で今年のPOGの持ち馬アドマイヤムーンが
新馬戦を勝ち上がってくれたので、少しほっとする。


[1719] 他人の年齢 2005年07月09日 (土)

午前中は平和島のTクリニックへ行く。
往復で大下英治著『美空ひばり・不死鳥伝説』読了。
なにより驚くのは、美空ひばりという戦後の大スターが
現在の自分より若くして亡くなっているということ。
美空ひばりが亡くなった時、私はすでにラジオのディレクター
だったわけで、追悼特番もやっていた。
でも、その時は美空ひばりの年齢に実感がわかず
戦後すぐから活躍していた人なのだから、
亡くなってもしかたがない年齢だと思っていた。
それが51歳だったなんて、絶句である。
「真赤な太陽」の頃は30代前半だったのだ。

競馬は不振。
パソコンの前に座って、原稿を書こうと試みるが
ついつい「ウィニングポスト」をやってしまう。

『昭和短歌の再検討』を読みながら就寝。


[1718] HP減少 2005年07月08日 (金)

あいかわらず週末になると疲労感がどっと襲いかかってくる。
先月までも、現在も金曜日というのは、あまり仕事がきつく
ならないようにしているので、物理的な疲労というより、精神的
な疲労、あるいは総合的な体力が減少してしまったということな
のかもしれない。
RPGでいえばHPのマックスがさがってしまったということ
のようだ。

草間時彦『近代俳句の流れ』読了。
前半の章は講演筆記なので読み易い。
これで、草間時彦の評論集は全部読んだことになる。

『昭和短歌の再検討』を読みながら就寝。


[1717] 清水基吉句集 2005年07月07日 (木)

清水基吉句集『寒蕭々』を読む。
清水基吉は昭和19年に「雁立」という小説で芥川賞を受賞。
戦後は小説と俳句と両面で創作活動を続けた。

石田波郷の「鶴」の同人であり、私小説的なこころにしみる
俳句作品が多い。
茂吉を詠んだ句が二句あったので引用する。

・現し身の寒の茂吉は老ゆらしも
・梅に新聞ひらくや何ぞ茂吉死す

夜、ロンドンのテロのニュース。

「フレディ対ジェイソン」を見て寝る。


[1716] 歌人の名誉 2005年07月06日 (水)

「井泉」4号に澤木宏明氏が「歌人の名誉を守ろう」という
文章を書いている。
内容は、喜多昭夫氏の短歌が、他人の作品の発想を借用したもの
が多いということを指摘し、安易に他者の作品を借用することを
いましめ、先人の作品は大切な財産として、歌人たちの名誉を守
るのは後続者の義務だ、と説くものである。
文中には、安易な借用の例として、具体的に三例があげられている。

・こののちの母にいちばん若きけふ宴の席に微笑みてゐる/春日井建
・更新の免許証には今日以降最も若いわが顔がある/喜多昭夫

かつて春日井建主宰の「短歌」に所属していた喜多昭夫氏が、こう
いう、もろに類想の作品をつくってしまうのは、困ったことだと私
は思う。
先人に対する敬意の欠如はもちろんのこと、言葉に対する潔癖さが
希薄なのだと思う。
先年、俳句の世界で、類句・類想の問題が起こり、私も長い文章を
書いたが、俳句や川柳や短歌のように、少ない言葉で構築する作品
の場合、言葉に対する潔癖さが希薄であることは、創作者としては
致命的なことだ。
もちろん、無意識に発想が似てしまうことはあり得るのだが、
とにかく、他人と似ないようにするというのは、やはり、自分の
使う言葉に対して神経をそそぎ、潔癖な言葉の選択をすることな
である。韻文作家のプライドあるいは表現の根拠というのは、そ
こにしかないということもできる。

ともかく、この文章を書いた澤木宏明氏とそれを掲載した「井泉」
の編集部の英断には敬意を表したい。


[1715] 龍宮と縄文 2005年07月05日 (火)

はじめて朝から、グループ事務局へ出勤。
メンバーには前回の勤務時からおなじみの人も多いのだけれど
やはり、緊張してしまう。
夕方まで、引継ぎ事項を確認しつつ、デスクの整理。
途中でニッポン放送から送った私物が届いたので
それもロッカーに整理する、というより押し込む。

帰宅後、辻桃子句集『龍宮』と奥坂まや句集『縄文』を読む。
どちらも今年の話題の句集だということだが、
圧倒的に辻桃子の『龍宮』の方が凄い。
なにより、過剰さを作者自身が意識していて、そこに力わざで
個性を確立しようとしているところに凄みがあり、共感する。
『縄文』の方は、想像力の飛躍がぬるいというかあまいというか
どの句にも、なぜもう一歩跳べないのか、との不満を感じてしま
う。ひらがなを駆使して、軽味をねらった句がいくつかあったが
なにか傷ましい感じがしてしまう。
想像力をもっともっと解放すると同時に言葉に対する潔癖さを
もう少し養わないと個性が確立できないのではないかと、
よけいなお世話を感じてしまった。
今年刊行された句集は今後も読んでゆくつもり。


[1714] 競馬と歓送迎会 2005年07月04日 (月)

午前中は慶応病院で定期検診。
いちおう、今の薬を続けることになる。
待ち時間のあいだに、野元 賢一著『競馬よ!』読了。
ここ15年くらいのあいだに起こった競馬の世界の変遷を
きちんとした問題意識でつづった一書。
きわめて読みごたえがあり、現在の競馬の世界に何が足りず
何が不必要なのかということが、明解に説かれている。
私も平成7〜8年以降、しばらくは、馬券こそ時々買っていた
ものの、競馬の世界の本質的な問題には興味をもっていなかった
ので、この本は、そういう認識を取り戻すために、おおいに
役に立つ。

一度、帰宅して、夜は新橋で歓送迎会。
私は送られる立場である。
高田文夫さん及びディレクター陣はもちろん、
春風亭昇太、東貴博、松村邦洋、永田杏子といったレギュラーの
方々のほか、スタッフはほぼ全員参加してくれた。
全員から「フジワラさんと私」というスピーチをもらい、
おおいに感激させられる。
夜、10時半過ぎに解散。


[1713] 境涯派の俳句 2005年07月3日 (日)

またまた、だらだらと一日じゅう本を読んだり、原稿を書いたり
して過ごす。
週末に出かけると、疲れがひどく、なかなか歌会などに出席でき
ない。
昼過ぎに、潮見駅前のコーナンまでお米を買いにゆく。

夕方になって、原稿もいちおう書き終わったので一安心。
夜は岡井隆著『「赤光」の生誕』を少し読み、
そのあと現代俳句集成で小林康治句集『玄霜』読了。
石田波郷の弟子で、貧窮生活を詠んだ句風で注目された人。
私小説風の展開なので、読み進むのは楽。
かなりの貧窮で、夫婦ともに事故で怪我を負ったりしている
のに、それでも吟行旅行などにはきちんと参加しているのが
今の感覚では不思議な感じがする。


[1712] 難解 2005年07月02日 (土)

一日だらだらと本を読んで過ごす。
午後には昼寝をしてしまう。

草間時彦著『私説・現代俳句』読了。
この中の「難解俳句」という文章の中に
昭和十四年の「俳句研究」に載った座談会での、
自分の作品が難解だと理解してくれない人を
具体的に指摘する篠原梵の発言が引用されている。
下記の四項目がそれである。

・年寄りの人
・田舎の人
・俳句の専門家以外の人
・文学的教養の差がある人

あまりにおおざっぱで、不適切な言い方であるようにも
思えるが、しかし、私自身の短歌をわからないという人の
ことを考えると、当たっているではないかとも思える。

ということで、夜になってからは古館曹人著『大根の葉』を
読み続ける。


[1711] 最後のスタジオワーク 2005年07月01日 (金)

今日が私の人生においての最後のスタジオワークになる
のだろう。
「ビバリー昼ズ」のゲストは、昨日付けで日本テレビを辞め
て、フリーになった福沢朗さん。もちろん、フリー初仕事と
いうことになる。
イーストの社長、マネージャーとともにニッポン放送入り
した福沢さんに進行台本とQシートを見せて、段取りを説
明する。
私にとってデイレクターとしての最後の仕事が、福沢さん
にとってのフリー初仕事というのが、私の脳裏では多少の
感慨をまきおこすが、もちろんそれは福沢さんにとっては
何の関係もないことだ。
生放送はじゅうぶんに面白いものだった。
何度も書いているが、面白いことをしゃべろうという意志
がラジオのトークのもっとも大切なポイントであり、福沢
さんにはもちろんそんなことはわかっているからだ。

午後は降り出した雨の中をゆりかもめに乗って、お台場の
フジテレビのビルの中にあるグループ事務局のオフィスへ
行く。入構章の申請、入出金管理の預金通帳の作成などの
事務的な手続きをして、私と入れ替わりに本社勤務となる
T君から業務の引継ぎ事項を教えてもらう。以前事務局に
居たときとはまったく異なる内容になることを確認。
フジテレビの大川さん、ポニーキャニオンの坪野さん、リ
ビング新聞の寺島さん、産経新聞の三浦さんら、これから
同僚になる方たちに挨拶。
資料を確認しているうちに五時半になったので退勤。
久しぶりに都バスを乗り継いで帰宅。

帰宅後、草間時彦『私説・現代俳句』を読み継ぐ。


[1710] 誰もしらない場所 2005年06月30日 (木)

今日の「ビバリー昼ズ」は清水ミチコさんの日でゲストなし。
木曜日は通常の企画でじゅうぶんに面白いと思う。

番組開始前に清水ミチコさんに異動の挨拶。

午後は最後の「テレフォン人生相談」のMOの編集。
終了後、ロッカーの荷物を整理する。
グループ事務局へ異動といっても、
ご一部の人をのぞいては、その存在も場所もしらない。
まあ、どうでもいいことではあるが。


[1709] ますだ・おかだ 2005年06月29日 (水)

私の代わりにデイレクターとして「ビバリー昼ズ」に入る
ことになったOディレクターと一緒に、スタジオワークを
教えながらサブディレクター業務。
ゲストは、ますだ・おかだのお二人。
今のっている二人なので、トークは十分に面白かった。
ますだが「知ってる24時」、おかだが「目からウロコ」の
新パーソナリティーになる。
この番組のパブをかねているわけだ。

午後は人生相談の収録で、加藤諦三さん、高中正彦さん、
中川潤さんに、異動を報告し、お世話になった挨拶をする。

帰宅後、草間時彦の『伝統の終末』読了。
続いて同じ草間時彦の『私説・現代俳句』を読み始める。


[1708] 最後の生放送 2005年06月28日 (火)

今日の「ビバリー昼ズ」が、たぶんディレクターとして
最後の生放送になるはずだ。
ゲストは大塚範一さん。
とりあえず、無事、放送終了。

午後は人生相談収録。
今井通子さん、森田浩一郎さんに異動の挨拶。

帰宅後、先週の金曜日にビックカメラで買った
パソコン用の「ウィニングポスト7」に耽溺。
スーパーファミコンの時代からこのソフトはむやっているが
この7は、実在の競馬の歴史にそっての展開なので
知っている馬たちがたくさん出てくるので刺激がある。
ゲームの始まりは1984年、つまり、シンボリルドルフの
三冠の年。もちろん、前年の三冠馬のミスターシービーも
出てくる。
ゲーム開始当初に実在馬を一頭もらえるので、ダイナシュガー
をもらったところ、ハードモードにもかかわらず、とりあえず
オープン馬に育ってくれた。
こういうシミュレーションゲームにはついつい深入りして
しまう。


[1707] 辞令 2005年06月27日 (月)

朝8時に宿直室で目をさます。
いそいで仕度をして、ネクタイをしめて制作部のフロアへ。
辞令交付なので、役員会議室へみんなでぞろぞろと行く。
そして、辞令交付。
フジサンケイグループ事務局。
一年前と同じセクションへ戻ることになった。
また、お台場のフジテレビのビルへ通うことになる。

急いで帰宅。
正午まで仮眠。
また、出社。
「ビバリー昼ズ」の会議で、異動の挨拶。
さらにそのあと、制作部会でも異動の挨拶。

帰宅後、草間時彦の『伝統の終末』を読み続ける。
案外、断定的で若書きっぽい文章が多いので驚く。
ただし、内容は正論なので、読んでいて小気味よい。


[1706] また徹夜 2005年06月26日 (日)

宝塚記念はたて目。
ゼンノロブロイが二着に届いてくれれば、馬連とワイドが
的中していたのに、はかない夢と消えた。

夕方から出社。
「オールナイトニッポンエバーグリーン特別増刊号」の
生放送のため。

途中、有楽町の三省堂書店で中井英夫の『彼方より・完
全版』という新刊を購入。
戦中戦後の日記の今まで割愛されていた部分を復元した
完全版とのこと。
創元推理文庫版は読んでいるが、復刻部分を読みたかった
ので、読んでみる。
つまり、中井英夫は母親への愛情が過剰な人だったのだと
いうことがわかったわけだ。
これは仙波龍英と似ているといえば似ている。

深夜から早朝にかけて、無事に生放送終了。
さすがに疲労感は濃い。
宿直室で草間時彦の『伝統の終末』を読みながら仮眠。


[1705] 大根の葉 2005年06月25日 (土)

一日じゅう原稿書き。

競馬は不振。

ベランダの本の箱を整理して、俳人の評論集をひっぱり出
してくる。
草間時彦、古館曹人の本など。
古館曹人著『大根の葉』を夜は読み続ける。


[1704] 大沢親分 2005年06月24日 (金)

「ビバリー昼ズ」のゲストは大沢親分。
この人は職業が親分というイメージである。
最近のプロ野球へのピリカラ批評、モルツ・ドリームマッチ
の話など、大沢節で語ってくれて、小気味よい時間だった。

夕方から駄句駄句会。
今回は玉置宏さんと橘右橘さんから「天」の短冊をもらえた。

帰宅後、「タイガー&ドラゴン」の最終回を見る。
競馬の予想をしながら就寝。


[1703] 坂崎幸之助 2005年06月23日 (木)

「ビバリー昼ズ」のゲストは坂崎幸之助。
この人は面白いこと、笑えることを言ってやろうという姿勢
があるので、トークは安心。
高田文夫、清水ミチコとのやりとりも十分に笑えるものに
なっていた。

午後は人生相談の編集。

帰宅後、『「赤光」の生誕』を読んで就寝。


[1702] ジュリー 2005年06月22日 (水)

「ビバリー昼ズ」のゲストはジュリーこと沢田研二さん。
スタジオの外で待っていたら、マネージャーもつれずに
いきなり本人があらわれたのでびっくりした。
ゲストコーナーの段取りを説明する。
もちろん、ジュリーと口をきいたのは初めてである。

番組的にはジュリーの阪神好きなところが、オールタイム
阪神ベストナインの話がもりあがったりしたところが面白
かった。

午後は人生相談の録音。

夜は東陽町文化センターで、「初めての短歌」の講座。
まさに、初めて短歌をつくってもらったのだが、みなさん
三首の課題をクリアして出してくれたので、嬉しかった。

夜は『「赤光」の生誕』を少し読んで眠る。


[1701] びっくりどっきり 2005年06月21日 (火)

「ビバリー昼ズ」のゲストは氷川きよしさん。
新曲「面影の都」のパブリシティ。

生放送が終って、スタジオの外へ出たら、
人事部長が待っていて、午後二時に役員会議室に集合との
こと。
人事異動の内示である。
予想していなかったので、ちょっとびっくり。
内示を受けたあと、ぼんやりとしたまま
人生相談の録音。

終了後、心せくままに帰宅。


[1700] 早目、早目 2005年06月20日 (月)

正午過ぎに出社。

「ビバリー昼ズ」の会議。
会議終了後、もう一度、明日のQシートを確認して帰宅。

夜は岡井隆著『「赤光」の生誕』を読みながら
やはり早目に就寝。


[1699] スタンバイ 2005年06月19日 (日)

今日も一日じゅう家にこもる。

午前中から午後にかけて、原稿を一本書く。

本や雑誌を読んだり、競馬中継を聞いたりして時間が
経ってゆくのを待つ。
午後三時前に潮見駅前のコーナンまで、黒酢を買いに行く。

午後九時過ぎに、オーネナイトニッポンエバーグリーンの
生放送のスタンバイのために出社。
午前一時過ぎに地震。
午前二時半過ぎにタクシーで帰宅。


[1698] マッチレース 2005年06月18日 (土)

一日じゅう家に居る。

今野寿美さんの新著『21のキーワードで読み解く与謝野晶子』読了。
一つの項目が重層的に他の項目とも関連してくるので、晶子の
表現のベクトルや好みやモチーフがわかってくる。
面白く、読んで良かったと思える一冊だった。

午前中からPATでだらだらと馬券を買っていたのたが
やはり、予想の上で同じ失敗をおかしてしまうのが情けない。
夕方、「サラブレ」7月号の付録のDVDで、
シービスケットとウォーアドミラルのマッチレースの映像を
初めて見る。
初めにシービスケットが先行するが、向こう正面でウォーア
ドミラルが並びかけ、そのまま4コーナーまで、びっしりと
競り合う。ここで、映像では2頭の馬体が重なりあい、一頭
の馬が走っているように見えるのが凄い。
このあと直線で、シービスケットが4馬身リードして、勝利
することになる。
内馬場で見物している人たちが、馬の動きにつれて、右往左往
するのも面白い。
映画の「シービスケット」が凡作だったので、あまりイメージ
がよくなかったのだが、この映像を見て、シービスケット、
ウォーアドミラルともに見直した。


[1697] ボーンヘッド 2005年06月17日 (金)

生放送中に、ボーンヘッドで放送事故をおこしてしまった。
完全に注意力散漫だった。気分が一気に落ち込む。
反省することしきり。

水曜日に明治記念綜合歌会の講演速記の
馬場あき子「与謝野晶子の愛の歌」を読了。
本日は同じ講演速記の篠弘「土岐善麿の社会性」を読了。

・はじめより憂鬱なる時代に生きたりしかば然かも感ぜずといふ人のわれより若き 土岐善麿


[1696] POG2005 2005年06月16日 (木)

「ビバリー昼ズ」の「昇太のなんでも番付」のコーナーの
ラジオカーディレクターとして、異色のイラストレイター
として売り出し中の五月女ケイ子さんの仕事場へ行く。
いわゆるフシギ系の女性で、話は面白い。
こういう人と会えるのも僥倖ではある。

今年のPOGのドラフトがおこなわれ、私の愛馬が決定した。
下記の10頭プラス補欠一頭である。
来年の今頃、泣いているか笑っているか。

@スズカプレジデント 牡 サンデーサイレンス アコガレ 橋田満
Aホーマンジュピター 牡 サンデーサイレンス チアズエンジェル 安田隆
Bサイレントブライド 牡 フレンチデピュティ サイレントブレアー 国枝
Cフォルテピアノ 牝 フレンチデュピティ キョウエイフォルテ 橋口
Dマッチレスバロー 牡 フレンチデュピティ マッチザピース  萩原清
Eデアリングワールド 牡 エンドスウィープ デアリングダンジグ 田村康
Fウイングビート 牝 エルコンドルパサー エルフィンフェザー 安田隆
Gライブリーダンス 牝 サンデーサイレンス ステイトリーダンス加藤征
Hブレイブストーリー 牡 ストーミンフィーバー ミスティックタワー 古賀史
Iアドマイヤムーン 牡 エンドスウィープ マイケイティーズ 松田
補欠 ヴァンデグローブ 牡 クロフネ メイプルシロップ 藤沢和


[1695] 福郎と文紅 2005年06月14日 (火)

「ビバリー昼ズ」の「東のピン!」のゲストは猫ひろし。
パブリシティではなく、現在が頂点かもしれない芸人さんとしての登場。
健気な感じが伝わってきて、面白い放送になった。

山本孝一さんが、河合隼雄、養老孟司、筒井康隆共著『笑
いの力』と森乃福郎、桂文紅のCDを送ってくださった。
貴重なものをいただき感謝。

森乃福郎はかつて笑福亭福郎となのっていた時期があり
立派な噺家なのだが、高座を見たという人は少ないと思う。
私は昭和四十一年くらいに道頓堀の角座で一度だけ、
森乃福郎が高座で落語をやるのに遭遇している。
今になってみると貴重な経験だったわけだ。

桂文紅は一昨年、東京での独演会で「三十石」を聞いた。
これも貴重な経験だ。
芸人さんとのめぐり合いは、僥倖のようなものである。



[1694] 落語ブーム 2005年06月13日 (月)

「ビバリー昼ズ」のゲストは大銀座落語祭のパブ含みで
立川志の輔さん。
やはり、面白いことを積極的にしゃべろうという姿勢の人は
聞いていて痛快感がわく。
高田文夫さんとのトークも、いわゆるスイングしている感じ
である。

「タイガー&ドラゴン」効果などもあり、落語ブームがおこ
っているという雰囲気だが、実際はどうなのだろう。
大銀座落語祭でも、志の輔さんや昇太さんたちの出るプロ
グラムはチケットが即日完売。
土曜日の立川談春独演会にも、落語を初めて聞くとおもわ
れるお客がけっこういた。

「サラブレ」「競馬最強の法則」を買って帰る。

夜、ずっと懸案だった原稿を書き始める。


[1693] 服喪の日曜日 2005年06月12日 (日)

今夜、塚本邦雄さんのお通夜がある。
本当はかけつけたいのだが、体調のことを考えて自重。
魚村晋太郎さんが、通夜・告別式の日程をメールで
お知らせくださった。

三木卓著『北原白秋』読了。
評伝スタイルで書かれているので、
今まで断片的にしか知らなかった、
北原白秋の文学的履歴が、
この本を読むことによって、頭の中でつながった。

明治記念綜合歌会事務局発行の講演速記の
吉野昌夫『北原白秋の美意識』も読了。

午後は、今野寿美著『24のキーワードで読む与謝野晶子』と
石田比呂志著『短歌真髄』を交互に読む。
夜になるのを待っているのだが、なかなか夜にならない。


[1692] 余得 2005年06月11日 (土)

塚本邦雄とは三回だけ、言葉をかわしたことがある。

初めて会ったのは、1980年代の前半。
新宿かどこかで「銀花」の主催による展覧会と
レコードコンサートがあり、そこで、俳人の宮入聖さんに
紹介していただいた。
当時の私はまだ藤原月彦となのっていた。
初対面の挨拶と若干の会話をかわしたが、
内容は残念ながらおぼえていない。

二度目は、1992年だと思うが、『魔王』が出た年の
「玲瓏」の大会でのシンポジウムにパネリストの一人と
してお招きいただいた時。
原田兎雄さんや古島哲朗さんとも、この時が初対面だった。

三回目は、岩田正さんの『郷心譜』の出版記念会がおこな
われた日の中野サンプラザ。
スピーチのほかに、女性歌手によるタンゴの歌唱があった。
閉会後のエレベーターの前で塚本邦雄さんがいらっしゃった
ので、思い切って話しかけた。
「今夜はタンゴが聴けて、ラッキーでした」というような
ことを私が言うと
「私は日本人のタンゴなど認めません」と
ピシャリと言われた。
「ああ、これが塚本邦雄なのだ」と体感できた貴重な
体験だったと思う。

月曜日から読み始めた吉沢譲治著『競馬の血統学ーーサラ
ブレッドの進化と限界』を読み終わる。
この本は、サラブレッドの血統のおさらい
として絶好の本だった。
昨日から読み始めた中田潤著『競馬怪人』も読了。
競馬の世界の周辺に生存するさまざまな怪しい人に
スポットライトを浴びせた異色の人物ルポ。
吉冨隆安、高本公夫、ターザン山本、柏木久太郎、
上森子鉄、白井新平といった名前をご存知だろうか。

夜、東京芸術劇場中ホールで「立川談春大独演会」に行く。
演目は談春、談志の師弟のリレーによる「慶安太平記」。
中入り後は談春さんの「厩火事」。
そして、最後に談志家元が私服で出てきて、談春さんとの
芸談といったもの。
この芸談の中で、談志家元が「慶安太平記」の中の
東海道の道中立てを、浪花節風、講談風、落語風と
演じわけて聞かせてくれたのが大きな目玉。
いわゆる話体の差異がみごとに伝わってきた。
やっぱり家元は凄いと再認識。
やはり、現場に足を運ぶと、記録媒体の再生では味わえぬ
思いがけない余得がある。


[1691] 六月の黄昏のかりがね 2005年06月10日 (金)

精神的にも肉体的にも疲労がひどいのか、仕事にも
人間関係にも、こまやかさが欠けていると実感する。

すでにして詩歌黄昏くれなゐのかりがねぞわがこころをわたる 塚本邦雄

私は現代短歌を知ってすぐに、塚本邦雄の『星餐図』に出会い
そのご十数年経て、本格的に短歌に真向かおうと決心した時に
『魔王』と出会った。
これは幸運だった。そして、必然だったのかも知れないと思う。



[1690] 神変の日 2005年06月09日 (木)

この日記は、10日の朝に書いているのだが、
10日の毎日新聞の朝刊によると、
塚本邦雄さんが、午後三時前五十四分に
呼吸不全のために、亡くなったそうだ。

疲労がたまっていたので、一日代休をとる。
午前中は、平和島のTクリニックへ行き
アトピーの薬をもらう。
午後は帰宅して、ゆるゆると三木卓著『北原白秋』を
読んでいたところ、ちょっととりこみごとがあり
夜まで続く。

心おだやかなでないまま就寝。


[1689] 無観客試合 2005年06月08日 (水)

街はサッカー一色である。
「ビハリー昼ズ」の「昇太のなんでも番付」のゲストは
「花と蛇・パリ 静子」が話題の杉本彩。
スタジオで声だけ聞いているとデビ夫人のような声に聞こ
える。

午後は「テレフォン人生相談」の収録。

今夜は東陽町文化センターの短歌講座なのだが、
午後七時開始と、もろに、北朝鮮VS日本戦の時間と
重なっている。
こちらのほうが無観客講座になってしまうのではないかと
心配しながら会場へ行ったのだが、心配するほどではなく
いつものメンバーの方たちがちゃんと出席してくださって
いた。
短歌を実作する場合の心がまえとコツについて、一時間半
熱弁をふるう。

三木卓著『北原白秋』、ようやく半分読み終えた。
「明治は商業的ブルジョア階層から、文学の前線に躍り
出た才能が目立ち、トップバッターは与謝野晶子であり
北原白秋はその二番手だった」という指摘に感心する。

夜、ふと思い立って、今年の現代歌人協会賞の受賞者を
ネットで検索してみたら、何と今年は受賞作なしだった
そうだ。
私は菊池裕歌集『アンダーグラウンド』を推薦していた
のだが、まだ、協会賞は、あの歌集の猥雑な世界を顕彰
するほど柔軟ではないようだ。
本当はこのような新人賞的な性格をもった賞は、相対評価
でかまわないので、いろいろな意味で今年のいちばんの歌
集ということで、ムリにでも受賞作を出したほうが良いの
にと、私は思うのだが。


[1688] 悪い噂 2005年06月07日 (火)

頭痛がやわらいだと思ったら、夜中にまた頭痛がしてきた。
さらに、利尿作用が薬にあるらしく、何度もトイレに行く。
初めての薬なので、身体がとまどっているのか、あるいは
拒否反応をしめしているのかもしれない。

「ビバリー昼ズ」の「東のピン!」のゲストは劇団新感線
の女優・高田聖子さん。
実家が法隆寺というのが笑わせてくれる。

午後は「テレフォン人生相談」の収録。

安田記念で、ダンスインザムードが大差のしんがり負けを
喫したのは何故か、というAさんとしていたら、Aさんが
タクシーの運転手さんから聞いた噂として
「大井競馬場で薬物騒動がおこったあと、中央の有名な
厩舎の馬からも、薬物が検出されたらしい。そして、そ
れがいくつも重賞を勝っている超有名調教師の管理馬なの
で、騒ぎをおそれたJRAは、この件を表沙汰にせずに、
厳しいペナルティをひそかにこの調教師にあたえた。そ
れで、この厩舎の馬は、今年になってから、人気にはな
るが、いっこうに勝てず、変な負け方ばかりするように
なった」というのである。

こういう悪い噂はおおむね真実であろう。
それにしても、JRAは、競馬の旧来の状況をなんとして
もこわしてしまおうとしているようだ。
京王杯勝ち馬アサクサデンエンが安田記念を勝ったのも
京王杯勝ち馬は過去五年間、安田記念で二着にも来てい
ないという因習の打破なのだろう。
これからは、データの逆張りをするのが正解のようだ。


[1687] 頭痛と血圧 2005年06月06日 (月)

朝から頭痛。
これで十日間連続で頭痛という感じである。
慶応病院の診療日なので、信濃町へ行く。
待っている間に、読みかけだった関川夏央著『昭和時代
回想』を読み終る。読み易い文章なので、すぐにひきこ
まれることができる。

診察を受け、頭痛が続き血圧が上がっていることを
確認してもらう。
結局、薬の種類を変えることになる。
薬ができあがるのに、一時間半くらい待つ間に、
まもなく実施されるPOGのために「競馬ブック」の
二歳馬名簿を精読する。
私はリーゼングロスの桜花賞の年からPOGをやっている
が、最近は参加者もふえて、かなりハイリスクなものに
なってしまっている。
たとえば今年の二歳馬は、私はペールギュント、モンローブ
ロンド、エイシンヴァイデン、ブレーブハートといった
二勝馬をもっているのだが、これでもチョコレートの収支
はトントンらしい。
昨年など、壊滅的な成績で、骨身にこたえるほどチョコレー
トをわたさなければならなかった。
そういうわけで、いいかげんに選ぶことはできない。
今年はサンデーサイレンス産駒の最後の年なので、
当たりの馬を選べるかどうかが、勝負の分かれ目となる。

夜、新しい血圧の薬をのんだら、頭痛はやわらいできた。


[1686] 安田記念完敗 2005年06月05日 (日)

京王杯スプリングカップに勝ったアサクサデンエンだけは
過去のデータから検証して、安田記念に勝つことないはず
だと予想して、蹴ったら、大外から差して勝たれてしまっ
た。
馬主の田原源一郎氏にとって、はじめてのG1勝ちだそう
なので、まあ、良しとしよう。
しかし、ダービーをキングカメハメハとディープインパクト
で二年連続で制覇してしまう、金子真人という馬主の強運
は、田原氏と比べても、異常なものだということがわかる。

午後から会社へ行って、落語ドラマのダビング。
デシダル編集で楽にはなったのだが、それでも、夜九時過ぎ
までかかってしまう。

競馬に負け、仕事も長引き、疲れ果てて帰宅。


[1685] 曇天の運動会 2005年06月04日 (土)

かの子の運動会を見物に、自転車ででかける。
今にも雨が降りそうな曇天。
確か去年は開会式のあいだ、ずっと小雨が降っているのを
強行したのだった。
結局、午前中には晴れ間が見え、夕方、夕立ということに
なった。

午後は帰宅して、短歌関連の資料づくり。
夜は「澤」五周年記念号の小澤實、宗田安正氏の対談を
読む。
宗田氏の言葉で、河原枇杷男、安井浩司、阿部完市らの
仕事の評価が、俳句史的にまだ十分になされていない
というのが印象に残る。

明日の安田記念の予想をあれこれ考えながら就寝。


[1684] 猫ひろし 2005年06月03日 (金)

「ビバリー昼ズ」の生放送立会い。
「テレフォン人生相談」を一本完パケ化する。

久しぶりに、オアゾの丸善によって、
坪内祐三の『古本的』と
水上学の『鉄砲・無鉄砲 狙い撃ちマニュアル』を
購入して帰る。
夜、上記の二冊を拾い読みする。

「笑いの金メダル」に、猫ひろしが出ていた。
この芸名は、南海キャンディーズとともに
最近では出色のセンス。
洗練されたものが多くなると、逆にベタな芸人の
インパクトが強くなる。
パペットマペットより安田大サーカスの方が
面白く思えたりするわけだ。
で、今は、猫ひろしが面白い。


[1683] 桂三枝という生き方 2005年06月02日 (木)

午前中に決算説明会とチーフ会。

そのあと「ビバリー昼ズ」生放送立会い。
午後、桂三枝さんを渋谷のホテル、エクセル東急へ
たずねて、高田文夫さんとの対談を収録。

私が初めてナマの桂三枝を見たのは高校二年のとき、
当時、MBSラジオで放送していた「ヤングタウン」の
公開放送が服部緑地でおこなわれたのを見にいった時。
たぶん、1968年だったのではないかな。
まさに、パッチギの時代である。
それから、37年経って、このように仕事で出会うことに
なるとは、やはり縁ということだろうか。
といっても、別に私が親しく話しこんだというわけでは
ないのだが。

帰宅後、「澤」の大冊の五周年記念号を読み続ける。


[1682] 戦国自衛隊1949 2005年06月01日 (水)

今日の「ビバリー昼ズ」のゲストは、作家の福井晴敏さん。
「戦国自衛隊1949」の映画公開のパブ。
久しぶりにラジオカーで現場に行く。

曳船近くのマンションの仕事場にお邪魔する。
どういう人だろうと思っていたら、意外と子供みたいな
人で、しゃべりにくくはなかった。
東宝と角川映画の宣伝部の人がたちあっていたので
昇太さんには、できるだけタイトルと公開日をたくさん
言ってもらうようにする。
「戦国自衛隊1949」は、半村良の原作からは
設定を借りただけで、実質的には福井晴敏さんの書き下ろし
となっているそうだ。

生中継が終って、すぐに会社へもどる。
午後は「テレフォン人生相談」の収録。

夜、「澤」の5周年記念号を読む。
大正十年前後に生まれた俳人15人を選び、
100句と作家論が二人ずつという、気合のはいった編集。
結社誌の記念号としては、圧巻の企画といえよう。
作家論の二人の構成を、一人は外部の俳人、もう一人は
「澤」内部のメンバーに書かせている。
これは、自前の書き手を育てるという点できわめて有意義。
今後の誌面での、さまざまな内部の書き手の活躍が期待で
きる。


[1681] 火焔太鼓 2005年05月31日 (火)

「ビバリー昼ズ」の東貴博さんのコーナーのゲストは
青空球児さん。
先日のビートキヨシさんの時もそうだったが、ベテランは
エピソードをたくさん持っていて、それを面白く話そうと
してくれるので、はずれがない。

午後は「テレフォン人生相談」。
終了後、高田文夫さん、春風亭昇太さん、清水ミチコさんが
スタジオに集合して、落語ドラマ「火焔太鼓」の収録。

8時半に帰宅。
やはり、がっくりと疲れた感じ。
ネット古書店に注文してあった「血統金満王国」シリーズ
が二冊到着したので、拾い読みする。牝系の話など、知識
としてもおおいに参考になる。
こういう本が出ていることを、早く知っていればよかった。


[1680] 落語のたのしみ 2005年05月30日 (月)

「ビバリー昼ズ」のゲストは木の実ナナさん。
舞台「おんなの落語」のパブ。
意外なことに、高田文夫さんとは今日が初対面とのこと。
向島生れの下町言葉が小気味良い。

夜は紀伊国屋ホールでの「桂文我独演会」。
客席にはけっこう空席があるのが残念。
演目は次のとおり。

桂まん我  野崎参り
桂文我   浄瑠璃乞食
柳亭市馬  締込み
桂文我   紺田屋
桂平治   源平盛衰記
桂文我   苫ヶ島

文我師匠の噺はめずらしいものばかり三席。
これは聞き得だった。
「浄瑠璃乞食」は「蔵丁稚」とか「七段目」とかと
同じパターン。
「紺田屋」は、縮緬問屋の箱入り娘が急死して
手代が土葬した墓をあばくという怪談仕立ての前半が
一転して後半で人情噺になり、軽いオチで終るという
いかにも関西落語の出来損ないめいた奇妙な噺。
「苫ヶ島」は、怪獣モノともいえる変な噺。オチのアホ
らしさが脱力させてくれる。
というわけで、今は演じられなくなってしまった噺であり
貴重だが、演じられなくなる理由もわかるという楽しみ方
のできる落語会ではあった。


[1679] ディープインパクトの時代 2005年05月29日 (日)

ダービーはディープインパクトの圧勝。
頼みのブレーブハートは内にとじこめられて
直線で伸びそこなう。

しかし、ディープの馬主の金子真人という人物は
走る馬をやたらに持っている。
ダートの鬼のカネヒキリも彼の馬だ。
おそろしいほど強運の持ち主である。

ひさしぶりに原稿を書く。
頭痛はなおらない。

夜、三木卓著『北原白秋』を読み始める。


[1678] 頭痛の一日 2005年05月28日 (土)

なにをやったということもなく一日過ぎてしまった。
終日、頭痛になやまされる。

昨日の「タイガー&ドラゴン」をビデオで見る。
落語の題材は「猫の皿」。巧くストーリーというか
趣向というか、とりいれてあって、オチが決まっている。

いちおう、いただいた歌集類に目をとおし、礼状を書く。
馬券も買う。結果ははかばかしくないが。
田端到の『金満血統王国』シリーズのいちばん新しい
ものを読む。現在の競馬と馬券に関する感覚を早く
とりもどすためには有効な本である。


[1677] 地下室の太鼓 2005年05月27日 (金)

来週、落語ドラマ「火焔太鼓」を収録するということで
効果音用の太鼓を探しに、地下四階の倉庫に行く。
和太鼓が四つあったが、皮がたるんでいないのは一つだけ。
まあ、とりあえず、使える。

「ビバリー昼ズ」のスタジオに行くと、松村邦洋さんが
ウコンの瓶詰めをくれる。ありがたく頂戴する。

午後はまたしても「テレフォン人生相談」の編集。
今日も一週分なんとか編集する。
午後ずっと頭痛がする。

帰宅後、原稿を書くつもりだったのだが、
とても眠くなり、フトンに入ったら
本を読む間もなく、眠りにおちてしまった。


[1676] この凄い血筋いっぱい 2005年05月26日 (木)

TAROかまやつのデビューの日ということで、
清水ミチコさんが番組の中で、この一族をいじる。

午後は「テレフォン人生相談」の編集。
集中して2週分なんとかしあげる。

青磁社から「牧水賞の歌人たち」というシリーズが出る。
一冊目は高野公彦さん。
河出書房のムックのような体裁の本で、
インタビューや交遊録など、雑誌感覚の内容が
たくさん盛り込まれている。
こういう本がでるのも面白いと思う。


[1675] 人間性の問題 2005年05月25日 (水)

勤め先の七月以降の役員人事が発表になる。
人間性があらわになった内容であり、がっかりした。

夜は東陽町文化センターで「はじめての短歌」の二回目。
現代短歌の多様性ということで、吉岡生夫、香川ヒサと
いった人たちの作品を紹介、鑑賞する。

柊書房から、『香川ヒサ作品集』が刊行されたので
現物をもっていって、受講者のみなさんに見てもらう。
香川ヒサ短歌は、現代短歌史でも、もっとも注目すべき
事件だと私は思っている。


[1674] 青空 2005年05月24日 (火)

松岡達宜歌集『青空』の出版記念会のために
銀座ライオンのクラシックホールへ行く。

福島泰樹さんはもちろん、菱川善夫さん、田中綾さん、
佐伯裕子さん、小嵐九八郎さん、間村俊一さんらが出席。
ひさしぶりの出版記念会。
「短歌人」からは、永田吉文さんが出席。
歌集名のように、気持ちのよいあとあじの会だった。


[1673] 手術せず 2005年05月23日 (月)

会社から直接、病院へ向かう。

結論として、手術をせずに、薬で治療していくという
ことになった。
ひとまず安心したような、気がぬけたような気分。

午後から出社して、番組の会議に出る。

夜、手術の件以外にも、いろいろととりこみごとや
悩みがあって、やはり、心おだやかではない。