[1672] シーザリオ 2005年05月22日 (日)

オークスのシーザリオの勝ち方には驚いた。
おおむかしのダービーのヒカルイマイを思い出した。
リプレイを見ていても、本当に届くかどうか心配に
なってしまう。

夜、宿直のために、会社へ向かう。

明日、手術するかどうかの診断が出るので
さすがに気になってねむれない。
午前3時過ぎまで、本を読んでいた。


[1671] 歌誌を読む 2005年05月21日 (土)

ここのところ、週末はずっと家に居るようにしている。
今日も終日家ごもり。

「短歌研究」、「歌壇」、「短歌往来」の各誌6月号を読む。
「短歌研究」は高野公彦さんの「「明月記」を読む」や
小高賢さんの先月からの上田三四二に関する新連載など
きちんと読むと、興味深い読み物が多い。
今までは、こういうものをさほどきちんと読んでいなかった。
特集は「短歌に素養があらわれている歌」というものだが
やはり小池光さんの文章が、素養、教養、知識などを分析
していて、面白く読めた。中には作品の引用ばかりの
書き流しているなあ、という感じの文章もある。

夕方、家人と一緒に潮見駅前にオープンしたコーナンへ
行ってみる。人があふれかえっている。


[1670] ブルーフライデー 2005年05月20日 (金)

月曜日に、手術をするかどうかの診断が出ることになって
いるので、オークスウイークといっても、さすがに気がブル
ーになっている。

朝、少し早く家を出て、会社の近くの喫茶店で、
「短歌往来」6月号を読む。
前川佐美雄賞の山中智恵子歌集『玲瓏之記』、
ながらみ短歌賞の菊池裕歌集『アンダーグラウンド』ともに
すぐれた歌集が評価されて、よいことだと思う。
前川佐美雄賞の候補に『短歌WWWを走る』があがっていた
ということも驚きつつ、うれしいことだった。

「ビバリー昼ズ」終了後、チーフDのM君、K君と一緒に
六月のレーティング週間の企画会議。
ひさしぶりにこういう会議をした、という高揚感が少し出る。

夜は二ヶ月ぶりの駄句駄句会に出席。
みなさん、病気のことを心配してくださっていて、
恐縮する。


[1669] 歌い手の血脈 2005年05月19日 (木)

午前中、チーフ会で私が発言している最中に地震がある。

かまやつひろしの息子のタローかまやつという人が、歌手と
してデビューするとのこと。
かまやつひろしと森山良子はいとこ同士なので、
タローかまやつは森山直太朗のはとこということになる。
歌い手の血脈ということか。
面白いので、このタローかまやつの資料を、清水ミチコさんに
さしあげたら、ネタになるわ、と喜んでくれた。

「短歌」5月号の「何のために短歌をつくるのか」を読む。


[1668] 鬱々の午後 2005年05月18日 (水)

「ビバリー昼ズ」の中継ゲストは、まもなく、「仮想敵国」
というお芝居の公演をひかえている松尾貴史さん。

午後は「テレフォン人生相談」の録音。
今日はヘヴィでハードな内容の相談が多く、
気が沈みこんでしまう。

帰宅してから、読み残していた「歌壇」5月号の
佐佐木幸綱さんと林あまりさんの対談、特集の短歌と他の
文学ジャンルなどを読む。
「短歌研究」4月号の中城ふみ子の新発見作品に関する
篠弘さんの講演記録も読む。



[1667] 短歌的青春 2005年05月17日 (火)

「ビバリー昼ズ」の中継のゲストはビートキヨシさん。
久しぶりのラジオ出演で、爆笑の時間がつくれた。

「歌壇」6月号を読む。
特集「韻律の不思議」。
韻文という短歌の本質への探求ということで
この特集はタイムリー。
ただ、すべての執筆者に編集意図が的確につたわっている
わけではないという読後感ではあった。

面白かったのは、グラビアの「セピア写真館」の
田井安曇さんの若き日の写真。
「未来」創刊時のメンバーの集合写真には金井秋彦や
秋村功、稲葉健治といった珍しい顔をみることができる。

また、もう一枚の写真は、吉田漱を中心に岡井隆、
太宰瑠維、田井安曇の四氏が、楽譜(歌詞カード)を
見ながら、ロシア民謡を歌っている構図。

まさに短歌的青春。
「太陽の墓場」の佐々木功のロシア民謡を反射的に連想した。

小池光中毒は今夜も続いていて『茂吉を読む』は再読了。
続いて、『鑑賞現代短歌・岡井隆』を再読し始める。


[1666] 小池光中毒 2005年05月16日 (月)

「ビバリー昼ズ」のゲストは菊川怜さん。
明治座で山本周五郎原作の『五弁の椿』の座長公演を
おこなうにあたってのパブリシティ絡み。

午後は会議、明日のQシートつくり。

帰宅後、私の住んでいるマンションの向かい側に
新たなマンションができることに関する説明会に出席。
当然、日照時間などは短くなってしまうことになる。

「俳句研究」6月号の鼎談、「西の季語の現場」を読む。
茨木和生、山本洋子、三村純也氏によるもの。
私がまったく興味をもってこなかった分野のことだけに
教えられることは多かった。
狐火、人魂というのが当然のように語られているのも
興味深い。

寝る前に、小池光氏の文章が猛烈に読みたくなり
『茂吉を読む』を再読し始める。
私には時々こういうことがある。小池光中毒かもしれない。


[1665] アサクサデンエンの憂鬱 2005年05月15日 (日)

思い立って、歌集の本棚の整理をする。

短歌新聞社文庫は目につくたびに、一冊二冊と購入していた
のだが、結局、精読せずに、拾い読みのまま、本棚にほうり
こんだものが多かった。
あらためて、きちんと整理してみたら、なんと5冊もダブ
っていた。

・岡山巌歌集『遭遇』
・田中順二歌集『ただよふ雲』
・田谷鋭歌集『母恋』
・村野次郎歌集『樗風集』

以上が短歌新聞社文庫のダブり。
さらに、中公文庫の岡野弘彦歌集『海のまほろば』も
きれいな本が二冊出てきた。
村野次郎歌集『樗風集』だけは、購入したあとで
「香蘭」の記念大会に出席させていただいた時に、
記念品としていただいたのが、二冊ある理由である。
しかし、他の本は完全に、まちがって購入しているわけだ。
一冊目を購入して、きちんと精読しないから、また、しばら
くして、うっかり買ってしまうのであろう。
まあ、勉強熱心なのか忘れっぽいのか、困ったことだ。

京王杯スプリングカップ。
アサクサデンエンの単複という予想は快心の的中。
しかし、予想上手の馬券ベタをまたしても露呈。
自己嫌悪におちいる。


[1664] 謹慎日 2005年05月14日 (土)

とりこみごとに一応の決着がつくが、気分は晴れない。

歌集・歌書の御礼などまとめて書く。
ポストとの間を三往復ほどする。

謹慎日として、ポストへ行く以外は外へ出ない。

注文しておいた『前川佐美雄全集』第二巻が宅急便で届く。
高価な本だが、それだけの値打ちはある。
特にこの巻には、未刊歌集『天上紅葉』及び、
各種の媒体に発表されたままの未編集作品が収録されて
いるので、ほとんどが未読の作品ということになる。

・つと立ちて睾丸火鉢したまへば弟子のをみならくすくす笑みぬ

こんな作品も、佐美雄はつくってたんだ。
山中智恵子さんや大和克子さんも笑ったのだろうか。


[1663] 13日そして金曜日 2005年05月13日 (金)

いろいろと取り込みごとがあって、鬱陶しい。

「競馬最強の法則」「サラブレ」「馬券ブレイク」など
オークス、ダービー特集号を購入。
帰宅すると、毎号贈呈していただいている「競馬ゴールド」
も到着していた。

佐藤通雅さんから『クレバスとしての短歌』という評論集
が届いていたので、早速、読む。
若き日の交流を描きつつ小中英之という歌人の言葉への
厳しさを論ずる小中英之論、『とこしへの川』を中心に
歌人の全体像に迫ろうとする竹山広論に圧倒的な読みごたえ
がある。
ちょっと読むだけのつもりが、夜中までかかって一気に
読み終えてしまった。


[1662] 編集室籠り 2005年05月12日 (木)

チーフ会のあと、編集室に籠って、「テレフォン人生相談」の
編集を二週間分おこなう。
MO編集室は、電話ボックスよりも狭いので、何時間も
入っていると、頭痛がしてくる。


[1661] 業余の吟 2005年05月11日 (水)

「ビバリー昼ズ」のゲストは、三宅裕司さん。
基本的には七月に公演される「復活伊東四郎一座」のパブ
だが、この公演は、そんなにパブをうたなくても、チケット
は、売れるだろう。
「伊東四郎さんは人間国宝になってもいいほどの人だ」との
発言におおいに同感。

東陽文化センターで「はじめての短歌」の第一回目。
17名出席。
一時間半、しゃべりまくる。

帰宅すると、古書店に注文しておいた『芥川龍之介句集』と
『瀧井孝作全句集』が届いていた。
ここのところ、文人俳句というジャンル、いわゆる業余の
吟という心のありかたに興味がわいている。
二冊とも精読したい。


[1660] 傭兵という存在 2005年05月10日 (火)

斎藤昭彦さんという日本人が、イラクで拘束されたという
ニュースが流れている。
外人部隊や傭兵、民間の会社が、軍の警備をうけおって
いるということなど、私は無知にして、初耳であった。

午前中は「ビバリー昼ズ」のスタジオワーク。
午後は「テレフォン人生相談」の録音。

大塚寅彦さんを代表として、リニューアルした中部短歌会の
雑誌「短歌」、正直なところ、以前よりずっと面白くなった
と思う。
今月号は黒瀬珂瀾の時評に教えられるところがあった。

「いま、現代短歌は不毛な荒野としてひろがりつつある。
 「凡庸」な歌人が「凡庸」な歌を詠み、「凡庸」な価
 値観により、きわめて「凡庸」に゜賞賛される。そこに
 一片の詩人の栄光は存在するのか、いま一度、おのお
 のの歌人は自問自答すべきであろう」

当然、共感しつつ、私も強く自問自答したい。




今朝、四時頃に目をさましてしまって眠れなかったので
やたらに眠い。
帰宅後、八時過ぎから布団に入り、「報恩記」、「神々の
微笑」などのキリシタン物を読んでいたら、いつのまにか
眠ってしまっていた。


[1659] 東洋一の国本武春 2005年05月09日 (月)

「ビバリー昼ズ」のゲストは国本武春さん。
アメリカのテネシー州を中心に、一年間留学していたそうだ。

午後は会議。

放送作家の藤井青銅さんが書いた新刊『東洋一の本』を
読んでいる。
小学館の今月の新刊で、定価は1365円。

「東洋一の吊橋」などとよくキャッチコピーにつかわれる
その「東洋一」という冠詞にまつわるさまざまなウンチク
を解明してくれるきわめてユニークな一冊。
俳人の村井康司さんが編集を担当された本である。


[1658] ラインクラフト 2005年05月08日 (日)

NHKマイルカップのラインクラフトは強かった。
私も黒田英雄さんと同じく、ペールギュントが3着に
届いてくれたら、大勝利だったが、
つかのまの夢と消えた。

一日じゅう、原稿を書きながら、競馬中継を
ラジオニッポンで聴くという生活だった。

ひさしぶりに短歌もつくった。
どうも、自己模倣におちいっているような気がして
われながら納得がいかない。

夜、芥川龍之介の「奉教人の死」、「きりしとほろ上人
伝」、「黒衣聖母」、「煙草と悪魔」などの
いわゆるキリシタンものを再読する。
今後、ゆっくりと芥川の再読は続けてゆきたいと思っている。


[1657] 土曜疲れ 2005年05月07日 (土)

さすがに、土曜となると入院をふくめた疲労感が
どっと襲ってくる。

いちおう、アトピーの薬を平和島の病院までもらいに行き
そのあと、六本木にまわって、
髪の毛をカットしてもらう。

午後はひたすら競馬のレッスン。
単複しか買わなかったのだが、東西のメインは
ともにはずれ。
新潟の9レースで、大西騎手の馬の単勝がとれたので
とりあえず、少しだけプラス。

明日も競馬でがんばろう。


[1656] 少し復帰 2005年05月06日 (金)

「ラジオビバリー昼ズ」のスタジオに二週間ぶりに復帰。
高田文夫さん、松村邦洋さんらに挨拶と報告をする。

午後は「人生相談」のMOを二週間分編集。

冷たい雨の中を帰宅。

鈴木竹志さんの「竹の子日記」が、四月末から、断続的に
復活している。これでまた、楽しみがふえた。


[1655] リハビリ 2005年05月05日 (木)

出社。
ごろごろしていると、衰えてしまった体力、特に脚力が
回復しない。
三月の退院のあとも、足腰がつかれてつらかった。
リハビリのつもりで、とにかく、動き歩かなければ
ならない。

エバーグリーンの録音に立会い、八重洲ブックセンター経由
で帰宅。
奈良泰明編「初期創元推理文庫 作品&書影 目録」という
私家版の出版物が創元推理文庫の棚にあったので購入。
巻末の協力者一覧の中に聖智文庫の有馬卓也さんの名前が
ある。貴重な資料である。


[1654] 生還 2005年05月04日 (水)

朝九時過ぎに、史比古が来てくれたので、荷物をもってもらい
そのまま退院。
今回は二週間だったわけだが、検査の内容としては、三月の
時より、ずっとハードだった。

入院中に読んだ本、雑誌など。

夏目漱石『坑夫』
夏目漱石『虞美人草』
芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』
芥川龍之介『侏儒の言葉・西方の人』
以上、新潮文庫
チャンドラー『さらば愛しき女よ』
チャンドラー『長いお別れ』
以上、ハヤカワ文庫
小松左京『地には平和を』
以上、新風舎文庫
サムエル・モリソン『アメリカの歴史』第一巻
以上、集英社文庫


北野義則『名馬の収支』
『東京芝の達人』
「別冊宝島・プロレススキャンダル史3」
「おとなの馬券学」第7号
「競馬最強の法則」5月号
「サラブレ」5月号
「優駿」5月号
「彷書月刊」5月号

漱石の『坑夫』以外の文庫は再読。
芥川に関しては、この機会に精読した。
他に短編集として
クリスティ『死の猟犬』『マン島の黄金』を拾い読み。


[1653] ベルリン・天使の詩など 2005年04月19日 (火)

「ビバリー昼ズ」のゲストは徳光和夫さん。

白川道著『捲りまくられ振り降られ』読了。
競輪を基本にしたギャンブル論であり人生論。
やはり、ギャンブルにのめりこんで金をつかった人の言葉には説得力がある。
何かにのめりこんだことのない人間は信用できない。

帰宅後、「ベルリン・天使の詩」をビデオで見る。
いい映画だった。
ちゃんと映画館で見ればよかったと後悔する。
やはり、ひとつひとつの映像に監督の映像文体とも
いうべきものが息づいている。
プロフェッショナルの仕事ということだ。


[1652] 69日騒動終結 2005年04月18日 (月)

慶応病院に行く。
待ち時間に「短歌往来」5月号を読む。
岡井隆VS松本健一対談「ことばとテロリズム」が
読み応えあり。
松本健一氏が仙波龍英の「PARCO」の歌を正確に
読みとってくれていることに嬉しさをおぼえる。
俵万智の「東急ハンズ」の歌の表層性への批判とともに
松本健一の詩歌に対する感受性を信頼できる。

矢部雅之氏の「性霊説の衝撃」という評論も、
江戸時代の漢詩や短歌における「性霊説」という
一種の自我意識のほりおこしをおこなったもの。
私にはまったく興味のない分野に関することだが
知らないことを教えられる面白さを感じる文章である。
こういう評論が短歌雑誌に載るのは珍しいのではないか。
さすがに「短歌往来」の編集は独自性があるな、と
感心する。

診断によって、再び今週の木曜日または金曜日から
検査入院することになる。

午後、病院から会社へ直行。
フジテレビ、ニッポン放送、ライブドアの間での
合意ができたということで、夕方、お台場のメリディアンで
共同記者会見が開かれる。
これで二月八日に始まった69日間の騒動に、いちおう、
段落がついたかたちになる。


[1651] ディープインパクト 2005年04月17日 (日)

皐月賞デイだというのに、あまり気分は軽快でない日曜日。

明日、病院で手術かどうかの診断が出るということが、
当然、気分を重くしているわけである。

日直ということで、会社へ行く。
来週の仕事の準備および「オールナイトニッポンエバー
グリーン」の曲目表をつくりなおしたりしながら一日を
オフィスの中ですごす。

皐月賞、やはり、ディープインパクトの破壊力は抜群。
期待の後藤騎手のマイネルレコルトは4着だった。
馬券的には完敗。
ところで、今日は馬券予想のスタンスをかためる訓練と
して、阪神競馬の8レースから12レースまで、
単複を100円づつ買っていたのだが、
なんとすべて4着。
複勝もあたらないということで、馬券的にはやはり完敗な
のだけれど、競馬予想好きな人には共感してもらえると思
うが、この4着というのは、確実に次回へつながる良い兆
候なのである。
かなり穴を狙った馬も4着に来ているので、予想訓練とし
ては、悪くない結果といえると思う。

会社に居るあいだに北野義則の『馬券練習帳V』を読了。
感想は前2冊と同じ。きわめて示唆的、刺激的。
今回は巻末の、4人合議制で三連複の2頭軸を選んで
あとは総流しをするという実験レポートがとても有意義。
三連複にこういうトレーニング方法があるということを
知っただけでも私には役にたつことだった。

帰宅後、やたらに眠いので、河出文庫の『ヒゲオヤジの
冒険』を読みながら、9時前に眠ってしまう。


[1650] 黒い笑いの快楽 2005年04月16日 (土)

昼間はずっと在宅。
いただいた歌集の礼状を書き続ける。

岡部桂一郎さんの奥様の由紀子さん、倉持正夫さん、
笠原伸夫さんが「工人 2005」という雑誌を出した。
もちろん、かつての「工人」の一回だけの再生である。
岡部桂一郎さんの短歌20首をはじめとして
・倉持正夫「含羞の人ー岡部桂一郎論」
・岡部由紀子「岡部桂一郎とその仲間たち」
・竹花忍「昭和二十三年 竹花忍日記抄」
・笠原伸夫「山崎方代と戦争」
・笠原伸夫「岡部桂一郎と『工人』五十七年」
といった、きわめて興味深い内容である。
倉持正夫、笠原伸夫といった方たちの50年以上も
持続する友情に敬服する。

夜、かの子と一緒に紀伊国屋サザンシアターへ
「高田笑学校」を見に行く。
松村邦洋
ローカル岡
清水ミチコ
ヒロシ
浅草キッド
そして高田文夫さんの司会によるトーク。

浅草キッドのライブドアのネタはやはり抜群の面白さ。
ひきつるような笑いを爆発させられたが
内容は書かない。

明日の皐月賞。
ディープインパクトの相手に
マイネルレコルト
コンゴウリキシオー
ダンスインザモア
以上の3頭を選んで、3連複、3連単を買ってみる。
ここしばらくは、馬券の買い方のフォームを
きちんと立て直すことを第一目的にしたい。


[1649] 自転車泥棒など 2005年04月15日 (金)

「ビバリー昼ズ」のゲストは糸井重里さん。
特にパブということではないが、なにより、面白い話を
しようという姿勢がしっかりしているので、
予想以上に笑える時間になった。

午後、人生相談を一本編集する。

帰宅後、「自転車泥棒」と「風の中の牝鶏」を見る。
この二本のどこに共通点があるかというと、
どちらも1948年につくられ、敗戦国の貧困のさまを
描いているということ。

「自転車泥棒」は何といっても、ヴィットリオ・デ・シーカ
監督のネオ・レアリスモの代表作であり、秀作だと再確認し
た。
ともかく、映像の文体ともいうべきものが、きわめてしっか
りとしているので、どの映像にも魅力がある。
ムダがないというより、すべての画面にひきつけられるポイ
ントがあると思える。
演出ではなく、子供のブルーノがつまづいたりするところにも、
神経がゆきとどいているように見えるのだ。
たぶん、30数年ぶりの再見だが、映画の力を再認識するこ
とができてよかった。

「風の中の牝鶏」の方は、砂町のガスタンクの映像がなつか
しく思えた程度で、小津安二郎の作品の中では、失敗作とい
われているらしいが、やはり、失敗作だろうな、と思う。
下町の家や路地のたたずまいや子供たちの服装や髪型には
私の記憶にある昭和30年代のそれらと重なり合う部分が
多々あった。


[1648] サンセット大通りなど 2005年04月14日 (木)

「ビバリー昼ズ」のゲストは一青窈。
新曲「影踏み」のパブ絡み。
本人を直接見たのははじめてだったが、
町を歩いていても、絶対に本人だとはわからないだろう。

帰宅後、ビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」の
ビデオを見る。
1950年の作品で、いわゆる業界内幕モノだが、
鮮度は衰えていない。
グロリア・スワンソンのなりきりぶりがすごい。
実はいつの時代にも、こういう人は居る。
映画を見ながら、あれやこれやと思い浮かぶ顔が
多かった。
芸能界、ショウビジネス、というものは
いつの時代にも虚業だということなのだ。


[1647] 馬券を買う側の立場 2005年04月13日 (水)

北野義則著『馬券練習帳』の第一巻を古本屋で買って
すぐに読了。
基本的に、馬券を買う側の立場にとって、何が面白く
現状の何が不満か、ということを、具体的に述べている
ので、やはり、刺激をうけながら読了。
千円分の馬券(もちろん何が入っているかはわからない)が
入っている馬券福袋を、午前中の競馬場でコンパニオンに
売らせたらどうだ、などというアイデアは、なかなかのもの
ではないか。

しばらく、競馬関連の書籍を読まないでいるあいだに
やはり、時代に即応した書き手があらわれていたわけで
とても嬉しい。
むかしは、寺山修司調の美文が多かった競馬エッセイの世界
も、確実に進歩しているわけだ。
この『馬券練習帳』シリーズは、最新作がもう一冊出ている
はずなので、それもすぐに読むつもりでいる。

ところで、今週末は皐月賞。
ディープインパクトの一本かぶりだが、私としては
後藤騎手が騎乗するマイネルレコルトの先行抜け出しに
ひそかに期待している。


[1646] 太陽の墓場など 2005年04月12日 (火)

朝、病院に行って、アイソトープの検査。
往復と病院での待ち時間で、月刊「文藝春秋」の
ライブドア関連の特集を読了。
さまざまな角度からの分析は、的はずれなものもあるが
内部からでは逆にわからなかったことが
きちんと解説したものもあったりして、
読んでおいてよかったと思う。

診療用の撮影にほぼ40分以上かかる。

八重洲ブックセンターによって、一時前に帰宅。
今日は有給休暇をとってあるので、会社へ行く必要はない。

大島渚の1960年の作品「太陽の墓場」を見る。
予想以上に面白く見ることができた。
炎加世子が主演というのも知らず、ほとんど、予備知識なし
で見たのだが、「青春残酷物語」や「日本春歌考」よりも
ストーリー性も統一感も強く、印象に残る。

舞台となるのは大阪。
萩の茶屋警察という看板が見えるので、阪堺線のあたりか。
「ジャリン子チエ」の舞台でもある。
ルンペンや愚連隊やヤクザやちんぴらの群像劇だが
それぞれのキャラクターが立っている。
チンピラの佐々木功がロシア民謡を歌うのが、良い味を
だしている。せつなくもある。
動乱屋という元軍人の小沢栄太郎もイキイキしている。
小松左京の『日本アパッチ族』の舞台となった砲兵工廠の
あたりも、映画の中には出てくる。
やはり、大阪の中でも独特の臭気をただよわせたエリア
ということなのだろう。
作品としては1960年の発表だが、時代設定は50年代の
前半のような気がするのだが。

ビデオを見たあと、図書館へ行き、読みかけだった
中野晴行著『手塚治虫と路地裏のマンガたち』を読了。
大阪の赤本・貸本事情をこまかく書いた本で
酒井七馬のことなどが、詳しく記述してあるのが
参考になった。

夜は小津安二郎の戦後第一作という「長屋紳士録」を見る。
1947年の作品。
飯田蝶子の主演映画だったのだと知ったのが収穫。


[1645] ギャンブルの意味 2005年04月11日 (月)

「ビバリー昼ズ」の生放送スタジオに立会い。
ゲストは市川染五郎。
「阿修羅城の瞳」のパブリシティ。

そのあと番組の会議。
人生相談を一本分編集。
北野大氏に来ていただいて、7スタで
「聴いてまるとくゼミナール」の3週間分の録音。
北野先生はほんとうに気のよいおじさんで
北野武の実兄という雰囲気がまっくしない。
これも、パーソナリティの個性というものだろう。

帰宅後、浅田次郎の競馬人生論風エッセイ『競馬どんぶり』
読了。面白く、示唆されるところの多い文章だった。
ギャンブルは、人生において一度はのめりこむべきものだと
私は思っている。
そういうノメリコミ体験をくぐった人の人生に対する考え方
には、必ず発見がある。
阿佐田哲也の麻雀や競輪に対する考察が人生のいかに深い
部分の真実をつかんでいるか、私はそれを二十代の頃に
読んで、五十代になった現在、実感している。
私は二十代のはじめから三十代のなかばまで、競馬にとこ
とん執着していた時代があることを、よかったと思える。

人生の真実を痛みとともに体感させてくれるのが
ギャンブルの意味なのだと思う。
ギャンブルにのめりこむことを若い人たちにおすすめする。


[1644] 青春残酷物語など 2005年04月10日 (日)

ほんとうは、中澤系さんの歌集の批評家意に行きたいのだが
週明けに手術するかどうかの検査があるので謹慎の日曜日。

桜花賞。
入院中に牝馬の前哨戦をかなりくわしく見ていたので
シーザリオの本命にはかなり自信があった。
ラインクラフトをシーザリオが差しきってくれれば
馬単馬券もとれて、快楽の日曜日になったのだが
2コーナー過ぎで、一度、シーザリオがさがったのは
何ゆえか。結果的にあそこの差が出てしまった。
しかし、末脚にはほれぼれとする。

ずっと本を読んでいた。読了した本。
・赤塚不二雄・やまさき十三著『下落合シネマ酔館』
・梶井純著『トキワ荘の時代』
・北野義則著『馬券練習帳・U』

北野義則の競馬への提言は「ギャロップ」に連載されていた
ものだそうだが、示唆にみちていて面白い。
たとえば、馬券売り上げ向上の具体的方法として
単、複、ワイド、馬連を組み合わせて4000円のセットを
つくり、それを3900円で売るサンキューセットをつくれ
というのなど、実に面白い。
結果として、馬券を買う人は、何種類かの馬券を組合わせて
買っているわけだから、こういう100円割引セット馬券は
有効だと思う。
私ならこの馬券があれば、毎週、買うだろう。
他にも、障害レースに川やトンネルをつくれとか、
同じ出走馬・騎手のメンバー固定レースを四季にやれとか
G−1限定の強制的ころがし馬券を売れとか
具体的な提案が実に魅力的だ。
私も短歌の世界の実情に対しての不満には、
必ず具体的対案を考えるように心がけてきたので
この北野氏の姿勢にはおおいに共感する。
このシリーズの提言集、もう一冊出ているようなので
アマゾンで早速注文した。

夜、大島渚の『青春残酷物語』を見る。
やたらに、女優が殴られる映画だな、というのが第一印象。
1960年へ向けての、若者の理由なき反抗という主題。
昭和ヒトケタ生まれと思われる姉の世代と、
十歳くらい下の妹の世代間の対立が底流するあたりで
モノガタリに屈折が出た。
姉や工場町の医者の世代は、短歌的には『未来歌集』の
世代ということになろうか。
川津祐介、桑名みゆきの世代は、春日井建の世代である。


[1643] 古石場図書館の特徴 2005年04月09日 (土)

正岡豊さんの日記によると、3月いっぱいで「かばん」を
退会したそうである。

午前中に自転車で古石場の図書館へ行く。
古石場文化センターの四階が図書館なのだが、
この一階のフロアには、小津安二郎の常設展が
開かれていたりして、他の文化センターとは
少しちがう。
図書館の方の蔵書も、じっくりと見てみると
映画館系の蔵書がかなり充実している。
今までは、文学関係書の棚ばかり見ていたので
こういう特徴には気づかなかった。
私が足を運びやすいのは、豊洲、東陽町、そしてこの古石場
の三つの図書館なのだが、こういうかたちで、蔵書に
特徴があると、意識的につかいわけることができる。
これから、そのようにしてみようと思う。

何冊か借りて、午後から夜にかけて、競馬を見ながら
本を読む。

読んだ本。
藤子不二雄A著『トキワ荘青春日記』
小林常浩著『騎手という稼業』
北野義則著『馬券練習帳』

トキワ荘ものは、『まんが道』の原作になった日記の一部
抜粋版だが、この時期の彼らの話は、何回読んでも、元気
が出てくる。
昭和33年にすでにテレビを買っているのも、今回の日記
で知った。すでに、それくらいの収入があったということ
だったのだろう。
小林常浩の本は調教助手だった著者による騎手へのインタビ
ュー集。
ベテランからジミな若手騎手が多いので、通常はほとんど
報道されない、騎手の裏側や心理の裏面が率直に語られて
いて、きわめて興味深い。
当然のことだが、武豊だけが競馬をつくっているわけでは
ないということだ。

というところで、福島競馬の9レースで史上最高配当が出た
そうだ。
参考までに配当金額を記録しておく。
1.Kエストレーア 千田
2.Dボスポラス  長谷川
3.Cフューチャギャング 武士沢
単 8280円 複 2390円 1830円 820円
ワイド 31500円 42920円 9290円
枠連 8990円 馬連 136070円 
馬単 202910円
三連複 750950円
三連単 10149930円


[1642] 恋は五・七・五!など 2005年04月08日 (金)

渋谷のシネ・アミューズ・ウエストで上映中の
「恋は五・七・五!」を見る。
監督は荻上直子。
俳句甲子園を舞台にして「シコふんじゃった」に通じる
ハートウォーミングな物語が展開される。
誰が見ても、面白かったという感想をもてる内容なので
少しでも多くの人に見てほしいとは思うが、
劇場公開は限られているので、DVDやビデオになってからの
方が見やすいかもしれない。

実際の俳句甲子園は見たことがないが、見てみたいという
気持ちをおこさせるところも、作品の強さと同時に、
俳句甲子園というイベントを企画し、これまで実施してきた
ことの大きな意義が感じられるようにも思う。

扶桑社がひそかに出している雑誌「en−taxi」の
今月号が、立川談春の表紙で、
大特集「落語の覚悟」を組んでいる。
同誌の責任編集者の一人の福田和也が、立川談春という
すぐれた表現者をとおして、現在、落語を語ることの意味に
せいいっぱい肉迫しようとしている。
都内にある噺家の墓をめぐりながら、
談春と福田が語り合ったことを福田が書いた
「逢仏殺仏 逢祖殺祖」という文章は落語的感性からは
出てこないであろう内容のもので、示唆されるところが
あった。
夏目漱石が「三代目柳家小さんと同時代に生きていることは
幸福である」と書いたことは有名だが、
立川談春という、現在の表現者が福田和也によって、一つの
発見をなされたということは、祝福してよいのかもしれない。
もちろん、私自身にも、立川談春についての思いはあるわけ
で、細部では当然福田和也とは異なる。
それをいずれ明らかにしていきたいと思っている。


[1641] 日本春歌考とパッチギ 2005年04月07日 (木)

朝、「短歌人」の掲示板の書き込みで
小池光さんの歌集『時のめぐりに』が迢空賞を受賞した
ことを知る。
すぐれた歌集が正しく評価されるのは嬉しい。
おめでとうございます。

帰宅後、ビデオで大島渚の『日本春歌考』を見る。

これも、今まで見ていなかった一作。

さすがに、衝撃力という点では風化されている部分は多いが
たとえば、永島慎二や真崎守の劇画が、この作品を含む
当時の日本的ヌーベルバーグに濃厚な影響を受けていたのだ
ということはよくわかった。
画面の背景に流れるピンク映画のポスターやFOR SALE
と書かれた自動車やコカコーラの看板などに、そういうイメ
ージが重なる。
ラストの大学の大教室でのクライマックスの様式性も、
フォクソングと春歌との衝突も、既視感があるというのは
この作品の影響を受けた他の作品からの感受を私がすでに
なしていたということだろう。

それにしても、セーラー服の吉田日出子の存在感には
きわだったものがある。
それは大きな収穫だった。

ところで、この映画の時代設定は1967年の春先の東京、
そして、『パッチギ』の設定が1968年の京都。
当然、ことなった時代につくられた映画だから、印象が
異なるのは当然だが、同時代に眼前の時代を大島渚がつく
ると『日本春歌考』になり、三十数年後に井筒和幸が、
回想するかたちで『パッチギ』をつくると、ああいうかたち
になるというのも、興味深い。

春歌とイムジン河、東京と京都、性と暴力とさまざまに
対比する要素がある。
井筒和幸監督がこの先行する『日本春歌考』を意識して
いたのかどうか、興味深いところである。


[1640] サンセット77ほか 2005年04月06日 (水)

「ビバリー昼ズ」のゲストは崔洋一監督。
「血と骨」のDVD発売のパブ・イベント前の出演。

東陽町の図書館で借りてきていた、
エド・マクベインの短編集『逃げる』と
ロイ・ハギンズの中篇集『サンセット77』の二冊を読了。

「サンセット77」といえば、むかしのアメリカのテレビ
映画として記憶に残っている。
その原作の翻訳で、ハヤカワ・ポケット・ミステリ961。
内容はいかにも軽快な事件の連続。
探偵役が同性愛者でもコレクターでもなく、軽く健康な男
というのが、いかにも、この古きよき時代をあらわしている。
稲葉明雄の翻訳の巧さがかなり読みやすさをつくってくれ
ているようだ。

もう、一冊はハヤカワ・ポケット・ミステリとしては
初めてのエド・マクベイン名義の短編集。
本名のエヴァン・ハンター名義では
私の好きな『歩道に血を流して』と『ジャングル・キッド』
が出ている。
ミステリというより、普通の心理小説やショートショート
まで収録された一冊だが、さすがに小説つくりの職人と感嘆。
「あいのり」というエリートの黒人ビジネスマンの心理の
屈折をユーモラスに描いた小説が、妙にリアルで心に残った。

ということで、なぜ、急にハヤカワ・ポケット・ミステリを
読んだりしたのかといえば、今まで読んだことまない本を
一冊でも多く読んでおきたいと思ったからとしかいえない。


[1639] ニューシネマパラダイスなど 2005年04月05日 (火)

二日続けて病院の外来。
今日は来週のアイソトープ検査のための投与。
今までとは別の病棟の地下の検査室で投与を受けるる

今日は一日休暇をとってあるので帰宅。
ビデオで「ニューシネマパラダイス」の完全版の3時間
バージョンを見る。
こういう時間の使い方は、入院以前はまったくできていなかった。
まあ、3時間をハートウォーミングな思いのまま見せてくれ
るのだから、単館上映の興行記録をいまだに持っているのが
納得できる。

夕方、散歩に出て、ビデオを返却する。
火曜日はビデオのレンタル料半額デーなので、
日本映画を4本借りる。

帰宅して夕食後、今村昌平の「にっぽん昆虫記」を見る。
左幸子演じる松木トメという一女性のたくましい生き方を
昆虫にたとえて描いた映画で、トメがおりにふれて
くちずさむ短歌のようなものに着目して、
仁平勝さんが、短歌的韻律と日本人の感性に関する文章を
書いていたことなど思い出す。

先週の日曜に読んで書き忘れていた本。
吾妻ひでお『失踪日記』。
人気漫画家が失踪した自分の生活を描いた漫画。
ホームレスの生活方法がリアルに描いてあったり
配管工事会社に偽名で勤めていた時期の職業現場の
実態が出ているのが興味深い。


[1638] 外来へ行く 2005年04月04日 (月)

退院時からの外来診療指定日だったので、K病院へ行く。
ラッシュアワーの電車に乗って病院へつくと、すでに
待合室は人で埋まっている。
とりあえず、血圧、体重などは、退院したときとかわっていない。
明日のアイソトープ投与検査を受けてから、手術をするか
どうか判断するということになる。

一度、自宅にもどって昼食を食べてから出社。
「ビバリー昼ズ」の会議に出る。
帰りに八重洲古書館によって、ハヤカワ文庫版の
スタンリイ・エリンの『九時から五時までの男』と
ロアルド・ダールの『あなたに似た人』を合計600円で
購入。
どちらも持っている本だが、たぶんトランクルームにある
ので、探しに行くより、買ったほうが早い。
こんな考えになってしまうのも、困ったことだが、
あまり持ち時間がなくなってきてしまったと思えば
今、すぐにやっておいたほうが悔いが残らないだろう。

帰宅後、ビデオで「ナヴァロンの要塞」を見る。
初見である。
グレゴリー・ペックもデビッド・ニーヴンも若い。
オマー・シャリフだけは年寄りに見える。
CGも使わずにこの手の迫力の映画をつくっていたのだなあ
と、感心する。

寝る前に俳句同人誌「円錐」を読む。
矢上新八さんと澤好摩さんの桂信子氏への追悼文、
味元昭次氏の鈴木六林男氏への追悼文。
どちらも思い出を語ったものだが、それだけに、
追悼される方の人間性の、知らなかった部分が語られていて
心にしみる。


[1637] 笑芸人落語会 2005年04月03日 (日)

紀伊国屋ホールの「笑芸人落語会」へ行く。
少しはやめに行って、隣のギャラリーをのぞいていると
永田杏子とマネージャーもやってくる。
白夜書房の「ラジオdeパンチ」を買う。

出演順

林家きくを   生簀の中の鯛
春風亭勢朝   新撰組
三遊亭歌武蔵  黄金の大黒
高田文夫と正蔵、きくを、王楽などが出るトークコーナー

中入り

昔々亭桃太郎  柳昇物語
立川談春    庖丁

前半と後半がちがう会のようだったといわれていたが、
談春さんの「庖丁」で締まった。

九代目正蔵の襲名にかかわるあれこれの泣き言も
こういう場でしか言えないものだろうし、面白く聞けた。

終了後、紀伊国屋書店の詩歌コーナーをのぞいてみると
角川書店の『飯田龍太全集』第一巻俳句篇が出ていたので
購入する。
『百戸の谿』から『春の道』まで五冊の句集とその拾遺作
が入っている。
句集収録作品は、「飯田龍太読本」でも読めるが、
拾遺や詳しい解説が読みたかったの思い切って買った。
少しずつ、味読しようと思う。


[1636] ダーツの標的 2005年04月02日 (土)

川本千栄さんが編集をしている短歌批評の同人誌
「D・arts」読む。
全部の文章を読んだわけではないが、

松村正直さんの「文体が支える批評精神ー吉岡生夫論ー」
川本千栄さんの「仙波龍英〜風俗詠と雪月花〜」

以上の二本の評論が、私の親しい歌人を扱っているので
興味深く読ませていただいた。

吉岡生夫作品を文体の点から着目するという視点はきわめて
有効なものだと思う。
松村氏が吉岡生夫の名と作品を知ったのは、
邑書林の「セレクション歌人・吉岡生夫集」だっという
のも、この企画にかかわったものの一人としては、きわめて
うれしい。
現在の歌壇構造が、目立ったもの勝ちという傾向が強いこと
に、少しでも楔を打ち込むことができればという私の思いを
この松村氏の歌人論はおおいに癒してくれるものだった。
内容的にも、吉岡短歌の批評精神にある毒とユーモアを
的確に分析しているので、その魅力が読者に正しく伝わる
ように思える。

川本氏の仙波龍英論は、風俗詠のさきがけとして語られがち
な、仙波短歌の中に底流する雪月花という古典的美意識を
指摘し、特に「花=桜」をキーワードとしてとらえ、
「苦悶の桜」というモチーフを読み取ってみせたのは
みごとな読解力、分析力だと感心した。
実は私は仙波龍英の第一歌集『わたしは可愛い三月兎』の
編集に際して、ほとんど連日、仙波から相談を受け、協力者
として自負してよいだけの力をつくしたと思っている。
その時の私は風俗・サブカルチャーへのベクトルを強調す
べきだという意見だったので、歌集刊行後の評価は、してや
ったりというものだったのだが、
今回、川本氏が指摘している「苦悶の桜」なるモチーフには
はずかしながら着目できていなかった。
仙波好みの「キッチュな意匠としての桜=狂気の春」くらい
でとどまってしまっていた私の思いを、川本氏の分析は、
強く刺激してくれた。

短歌に関する文章には、流行にのった一部の歌人ばかりが
とりあげられ、それも、すでに指摘されたことがらのリピー
トが多く、いささかうんざりしていたのが現状だったのだ
が、この「D・arts」の志向は、そういった風潮に
異をとなえている。
とりあえず、松村正直、川本千栄両氏の評論に代表させたが
このような、現代短歌史において、本当に撃つべき標的、
見落とされている標的を確実に射程にいれていく姿勢は、
とても貴重だといえる。

夕方、新装オープンした東陽町図書館へ自転車で行く。
ペーパーバックサイズのハヤカワ・ミステリが増えている
ような気がする。
詩歌関係はあまり変化していないようだった。
とりあえず、スタンリイ・エリンの未読の長編である
『断崖』と『ニコラス街の鍵』を借りてくる。
夜、寝床の中で『断崖』読了。
エリンの処女長編として、期待どおりの読み応えがある。
16歳の誕生日の一夜にして、ハードな体験を重ねて、
おとなの自立した男になるという成長物語。
ポケミスでわずか150ページにみたない長さだが、
凝縮力はすごい。


[1635] 最後の一壜 2005年04月01日 (金)

朝、出社すると、社屋の前にテレビ局のカメラが何台も
並んでいる。
今日は新入社員の入社式なので、話題の会社の新入社員から
何かコメントを引き出そうとしているわけだ。
まあ、逆の立場になれば、当然、うちの報道部員も同じことをするわけだから、肯定的に受け入れるべきか。

あとで聞いたら、新入社員は全員、社屋の裏口から入って
帰りも裏口から出たそうだ。

スタンリイ・エリンの短編集『最後の一壜』を購入する。
うかつにも、この本が出ているのに気づかなかった。
エリンの短編小説を初めて読んだのは、当然のことながら
異色作家短編集の『特別料理』である。
ダールもフィニィもサーリングもスタージョンもシャー
リー・ジャクソンも、このシリーズで読んだ。
この異色作家短編集体験というのは、通過している人と
そうでない人とでは、その後の読書傾向がかなり異なる
のではないかと思う。
ここを経由して、ローラン・トポールとかボリス・ヴィアン
とかのブラックユーモアへも行けるし、リング・ラードナー
とかアーウィン・ショウとかのニューヨーカー的都会小説に
も行けるわけだ。
まあ、ハヤカワ的読書履歴といわれてしまえば、それまで
だが。

昨日、ロカビリアンのビリー諸川さんと新宿末広亭の余一会
を見たと書いたが、ジャズ、ロカビリーのミュージシヤンは
むかしから、落語好きな人が多い。
なんといっても、ロカビリー三人男の一人のミッキー・カー
チスさんは、日劇のウエスタンカーニバルの幕間に、東宝
名人会に通い、ついには立川流に入門して、ミッキー亭カー
チスという真打になってしまったほどなのだ。
ビリーさんが、ここで初めての寄席体験をしたということの
意味は大きいはずだ。



[1634] 新宿末広亭・余一会 2005年03月31日 (木)

寄席は一ヶ月を十日ごとに区切り、上席、中席、下席とそれ
ぞれ、十日間ずつのプログラムを組む。
すると大の月の三十一日は一日余ってしまう。
その余った一日に組まれる特別プログラムを余一会と呼ぶの
である。
そして、本日の余一会は落語協会、落語芸術協会、立川流の
三派の合同興行。

私は夜の部のはじめから入ったのだが、昼の部には、突然、
顔付けにない立川談志家元が乱入したのだそうだ。
こういう面白さも、現場に足を運ばなければ、味わえない。

昨日も書いたが、やはり、現場へ足を運んで、自分の五感
で感受した体験のリアリティにまさるものはない。
短歌に関しても、私は同じことだと思っている。

たとえば、1994年6月の全日本女子プロレスの後楽園
ホール大会で、北斗晶の対戦相手は、直前まで発表されず
ただ、LLPW派遣選手となっていた。
そしてリングアナウンサーの「青コーナー、LLPW派遣
選手!」というコールとともに、西側の通路から紅夜叉が
登場したときのどよめきなど、まさに現場の戦慄としか言
いあらわしようがない。
このとき、北斗晶は二分間だけ紅夜叉に一方的に攻めさせて
それをノーザンライトボム一発で粉砕した。
そして
「おい、バリバリねえちゃん、アタシがホクトアキラだ!」
との名セリフをはいたのであった。
こういう場に居合わせる幸運も、また、一期一会というべ
きなのだろうと思う。

というわけで、新宿末広亭の余一会、林家正蔵襲名披露前夜
の高座で、どんな話がなされたか、その場に居合わせた人
たちだけの、人生の貴重な記憶になってくのだ。

私は今夜はロカビリーのビリー諸川さんと一緒に高座を見て
ビリーさんが、ポカスカジャンをナマで見て感動していたこ
とに、私もまた感動したのだった。


[1633] 遥かなる中川梨絵 2005年03月30日 (水)

黒田英雄さんのブログに、日活ロマンポルノの女優だった
中川梨絵のことが書かれていて、思わず私も「あの時代」の
ことを思い出してしまった。

中川梨絵は片桐夕子、田中真理、白川和子らと並んで、初期
のロマンポルノに出演していた。
観客としての私にとって、彼女の存在感は他を圧して、きわ
だっていた。

「秘・女郎責め地獄」での死神おせんという女郎が、彼女の
代表作となるだろう。
この作品で監督の田中登は、新人監督奨励賞を受賞して、
新宿の安田生命ホールで、受賞式がおこなわれた。
私はたぶん映画雑誌か何かで見た、受賞式の出席者募集に
応募したのだと思うが、とにかく、このセレモニーに観客
として参加していた。
そして、当日、田中登監督へのプレゼンターとしてきていた
中川梨絵が、なぜか、客席の私の隣の席へ座ったのである。

「ここ、座っていいですか」
「ええ、どうぞ」

あこがれの銀幕女優とかわした一期一会の言葉である。
当日の中川梨絵は、水色のロングドレスを着ていたように
記憶している。

他人にとっては、とるにたりない、こういう細部の体験の
記憶が、ときとして自分の脳裏からよみがえってくること
は、比類なき快楽だ。
私の人生における貴重な現場体験なのだから。

加藤彰監督の「愛に濡れたわたし」の肉切包丁をもった謎
の女、小原宏裕監督の「男女性事学・個人授業」のヴェル
レーヌの詩をくちずさむ女、
さらにはATGでの黒木和男監督の「竜馬暗殺」にも、
中川梨絵は出演している。
そして「踊りましょうよ」という歌も出している
ことなど、おぼえている人の方が少ないかもしれない。
しかし、私はこの歌がラジオから流れてくるのをちゃんと
聞いたことを、やはり、人生における獲がたい一瞬だった
と思う。

・ヴェルレーヌさえ恍惚の贄として女神中川梨絵こそ女神 藤原龍一郎『東京哀傷歌』


[1632] 送別会の季節 2005年03月29日 (火)

「ビバリー昼ズ」のMチーフが、産休のため、番組をおりる
ことになり、送別会をおこなう。
高田文夫さん、北野大さん、松村邦洋さん、乾貴美子さん、
永田杏子さんといった出演者のほかにスタッフが参加。

行く人、来る人の季節であるが、心は浮きたつような気分
ではない。

夜半の銀座のタクシーの並び方などをみると、少しだけ
景気は回復してきたのかな、とも思ったが、トライバー
さんに聞いてみると、歓送迎会があるこの時期だけの、
一過性のものなのだそうである。


[1631] 愛の悪魔 2005年03月28日 (月)

「愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」を見る。

この映画は、東京ではシネマ・ライズで上映されて
興行的には、壊滅的な失敗をした作品だった。

同じ時期に私は「エネミー・オブ・アメリカ」の
パブリシティのイベントのために、
日曜日のスペイン坂で、一日じゅうイベントやらチラシ
くばりやらをおこなっていたのだが、
目の前のシネマ・ライズに入って行った人は
10人にもみたなかったのを強烈に記憶している。

監督はジョン・メイプリイ、音楽を坂本龍一が担当している。
内容は、画家のフランシス・ベーコンと
麻薬中毒で自殺未遂常習者の同性愛の愛人ジョージとの
情痴の日々を描きつつ、
ベーコンの内的独白がかぶさってくるというもの。
一つの特徴は、魅力的な女性が一人も出てこない、
ということ。
もちろんこれは意図的な演出なのだが、
まあ、そういう点はのぞいても、
なかなか、この映画を退屈せずに見るのは
つらいかもしれない。

私はこの手の退屈な映画は好きなので、
退屈しながらも好感をもって見終えることができた。
「ハイアート」とか「カフカ・迷宮の悪夢」とかと
同じような観後感であった。

私の想像する限り、この映画をおすすめできる人は
松原未知子さんとか服部滋さんくらいであろうか。
いや、すでに、ご覧になっているかもしれない。

先月、DVDが出ているので、退屈を楽しめるタイプの方は
どうぞ。


[1630] 療養という怠惰 2005年03月27日 (日)

斉藤斎藤歌集『渡辺のわたし』の批評会があったのたが
外出はできる限り避けるといしうことで欠席。
佐藤りえさんによると100名をこえる出席者になると
いうことなので、充実した批評がかわされていてほしい
ものだ。

競馬をだらだら見て、あとは仕事用の鞄の中身の整理
などをしてすごす。
ポケットティッシュやらポストイットやらボールペンやら
いろいろと入っているのを、いったん全部出して
必要なものだけ入れなおす。

夕方、自転車で東陽町まで、昨日のビデオを返却に行く。
そして、こんどは
「太陽と月に背いて」と「愛の悪魔」を借りてくる。
今週じゅうに、この二本が見られればよいのだが。


[1629] 怠惰にリハビリ 2005年03月26日 (土)

わずか三週間入院していただけなのに、全身の筋肉が
かなり衰えてしまった。
歩いてもすぐに疲れてしまうし、背中や腰がすぐに
痛くなる。

リハビリのつもりで、自転車で東陽町まで行く。
体重が減ったので、息切れはしなくなったが
その分、足の筋肉が落ちてしまっているので
ペダルが重い。

文教堂のレンタルビデオDVDの会員の手続きをして
林海象の「夢見るように眠りたい」と
1970年代のパニック映画の佳作「サブウエイ・パ
ニック」を借りてくる。

競馬を見終わったあと「夢見るように眠りたい」を見る。
活動写真を意識した凝った構成で、私の好みではある。
佐野史郎が、巧く役にはまっているし、
吉田義男が出ているのもナミダものだった。

夜、「サブウエイ・パニック」を見る。
1974年のパニック映画ブームの頃の作品。
テンポのよいパニックもので、面白く見終わった。
瀬戸川猛資さんが『シネマ免許皆伝』で
「知る人ぞ知る強奪犯映画の傑作」と好評価している。
レンタル店で見かけたら、一見をおすすめしておきたい。


[1628] 病院で読んだ本など 2005年03月25日 (金)

午前中に退院。

今週、病院で読んだ本は以下のとおり。

椎名誠
『銀座のカラス』上下巻
『新橋烏森口青春篇』
『中国の鳥人』
『土星を見る人』

鶴田仁
『馬券術・人間の条件』

雑誌は「週刊アスキー」、「ぴあ」、「週刊文春」など。

私の好きな椎名誠の小説ベスト3

『武装島田倉庫』
『水域』
『アドバード』

いわゆるSF三部作。好きなのも上記の順番。

ところで、今夜は金八先生やサッカーがあるわけですが
「ギャング・オブ・ニューヨーク」もありますので
見ていないかたは必見ですよ。


[1627] 二週間で読んだ本など 2005年03月20日 (日)

7日から20日まで、病院で読んだ本を参考までに列記しておきます。

夏目漱石
『こころ』
『門』
『草枕』
『行人』
『道草』
『硝子戸の中』
モーパッサン
『脂肪の塊・テリエ館』
瀬戸川猛資
『シネマ古今集』
『シネマ免許皆伝』
和田誠・川本三郎・瀬戸川猛資
『今日も映画日和』
小林信彦
『侵入者』

雑誌
「競馬最強の法則」
「競馬ゴールド」

歌集
中津昌子歌集『夏は終はつた』
大松達知歌集『スクールナイト』
松木秀歌集『5メートルほどの果てしなさ』

いちおう、このような感じです。


[1626] つつましやかな安息日 2005年03月06日 (日)

つつましく過ごそうとして、家にずっと潜んでいる。

明日の入院の準備。
PATで馬券を買うがはかばかしく的中せず。
そういうものだ。

ということで、明日の今頃は病室に居るわけだ。
当然、パソコンにはさわれないので、しばらく
この日記もお休みします。

みなさまにとって、素晴らしい一週間になりますように!


[1625] 力皇戴冠 2005年03月05日 (土)

まず、本の整理をして、日本及び外国のミステリを二つの
キャリーバッグにわける。
今後、おりにふれてこの袋の中の文庫本を読みつぶして
いきたいと思うのだが。

午後は六本木のコモワイズ・イガワに行き、髪をカット
してもらう。
そのまま九段下へまわり、S君、U君というノアの若い
友人とノアの武道館大会を観戦する。

六人タッグ、シングル、タッグマッチとそれぞれ、昭和の
プロレスの味わいを濃厚に残した内容で、文句なく楽しませ
てくれる。
結局、プロレスファンはこういう展開が好きなのだ。

セミファイナルは森嶋、秋山組VS鈴木みのる、天龍組の
タッグマッチ。
秋山に神取忍、天龍に北斗晶がセコンドにつくという
オマケがついている。
ここで北斗晶のいつもながらのプロレスセンスの冴えを
きっちり見せてもらった。
途中、場外乱闘になった時に、北斗と神取もそれぞれかけつ
けて、乱戦になり、トレーナーたちが二人を分けて、
控え室へ押し込もうとする。
そこで、押さえつけられながら、北斗は木刀でコーナーを
思い切り叩いてみせたのだ。この小気味良い金属音が
すなわち北斗晶のアタマの冴えである。
つまり、木刀は飾りじゃないのよ、ということなのだ。

そして、メインエベントは力皇が絶対チャンピオン小橋健太
をやぶって、GHC王座を獲得するというビッグサプライズ。
三沢光晴のポリスマンだった力皇が花ひらく瞬間を目撃でき
たのは幸運だったといえる。

ひさしぶりにプロレス心を刺激された一夜でありました。


[1624] スイミン、スイミン、スイミンブソク 2005年03月04日 (金)

午前六時に寝て、九時少し過ぎに起きる。
雪がちらつく中を、すぐにまた会社に行く。

「ビバリー昼ズ」でけAD業務。
睡眠不足なので、失敗をしそうだったが、
さすがに本番中は緊張していて、ミスなくこなせた。

月曜日から休むので、休暇届けを出して、さらに、月曜日
以降の、ピンチヒッターにかわってもらう仕事の段取りを
確認する。
夕方、ほぼこれで大丈夫ということで帰宅。
再来週の月曜日までは出社することはなくなった。

帰宅後、短歌雑誌「梁」を読む。
浜田康敬氏へのインタビューがとても面白い。
角川短歌賞に応募し、受賞した頃の事情をとても
くわしく語ってくれている。
通信制の高校で学びながら、昼間は文選工として働いて
いたところ、学内誌に投稿していた短歌に目をとめた
昼間部の国語の先生が、浜田氏を呼び出して、
「君はユニークな短歌をつくるから、ぜひ、角川短歌賞
に応募しなさい」と強く勧めてくれたのだそうだ。

「成人通知」五十首がみごと入選と決まって、受賞決定の
速達が届き、まず、勤め先の印刷会社の社長に報告すると
自分自身も短歌をつくっている社長は、自分が雇用している
文選工が角川短歌賞を受賞したということが、すぐには納得
できなくて、絶句してしまったという。
また、勧めてくれた先生に報告に行くと、涙を流して喜んで
くれたのだそうだ。
そして、掲載誌がおくられてきたら、なんと、その先生も
応募していて、名前が掲載されていたそうだ。

その他、浜田氏がなぜ中学卒業後、高校に進学せずに、
文選工とならなければならなかったかというあたりの
家庭の事情もくわしく語られている。
きわめて興味深く、現代短歌史のエピソードとして
資料的にも価値があるインタビューになっている。


[1623] 突然オールナイト 2005年03月03日 (木)

ひな祭りであるが、もちろん何の感慨もない。

夕方、まさに帰ろうとしたら、編成デスクから呼び止められ
「深夜、雪がひどくなりそうなので、今夜のエバーグリ
ーンは、ナマでやってくれ」とのこと。
斎藤安弘さんも了解したので、ナマということに決まる。
突然オールナイトである。

昨日の社員大会で賛同した声明文が午後四時にマスコミ
各社にリリースされたので、五時のニュースから、その
報道が始まる。
堀江社長が外国人記者クラブで講演したということで、
ニュースはその映像から入り、
一方、ニッポン放送では、社員が声明文を発表、という
展開になっている。

生放送まで時間があるので、「テレフォン人生相談」を
二週分編集する。
深更になっても雪の気配はなかったが、午前一時を過ぎた
ころから霙が降り始める。

午前三時から五時までの生放送は、メールで道路の雪情報
を知らせてくれ、と、よびかけて、各地を走行中のドライ
バーたちが知らせてくれる雪の降り具合と道路の規制情報
をできる限り紹介した。
疲れたが内容的には役にたつ放送になったと思う。

午前五時半過ぎに帰宅。
すぐに就寝。


[1622] 気鬱と発散 2005年03月02日 (水)

「ビバリー昼ズ」のゲストは松浦亜弥。
スタジオのゲストなので、昇太さんもスタジオ。
風邪をひいて声がでなくなって困っている。
乾貴美子もアシスタントとして居るわけなので
スタジオの中は四人になる。

松浦亜弥はいかにも十八歳という雰囲気の気持ちの良い
娘だったが、しかし、翌日の夜にそのイメージが
完膚なきまでにうちこわされることになるとは。
フライデー恐るべし。

午後六時から臨時社員大会。
あとになってふりかえって、この時のことを
笑って思い出すことになるのだろうか。


[1621] 弥生の快楽 2005年03月01日 (火)

月並みな感慨だが、もう三月になってしまったのかと思う。

「ビバリー昼ズ」の若旦那祭のゲストはキックボクサーの
沢村忠さんのお嬢さん・白羽玲子さん。
実は二度目の登場だが、歌手デビューしたということで
そのパブを兼ねている。
デビュー曲の「ラブレター」はブルーハーツのカバー。
テレビ朝日のドラマのテーマにもなっているし、なかなか
恵まれた歌手デビューといえる。

ネット古書店で「まんだら屋の良太」を一冊購入。
単行本全52巻は刊行時に読んでいるので、
当然、再読だが、けっこう覚えているのに驚いた。
そしてキャラクターが、良太も月子も直美もみごとに
生きている。
再読、三読にたえ、なお、読み返したくなるというのは
傑作たるゆえんである。


[1620] 不安と楽観 2005年02月28日 (月)

慶応病院にCTスキャンの結果を聞きにゆく。
結論は一週間の検査入院。
その検査の結果で、手術するかどうか決める、というもの。

急いで帰宅して、原稿関係など迷惑をかけることになる
各方面に電話で、状況を説明させていただく。
みなさま、ご了解いただきひとまずほっとする。

午後イチで出社。
こんどは社内各所に入院することになるという報告。
制作部のスタッフワークはぎりぎりの人数でまわしている
ので、AD業務などは外部委託ということになる。

なんとか、なるべく迷惑をかけないようなシフトを
くんでもらう。
病気という自覚症状はきついものではないのだが、
やはり、ここでオーバーホールしなければならない
という運命の流れだったのだろう。

夕方、帰宅。
何通か歌集の礼状を書いてから就寝。


[1619] ゆっくりと日曜日 2005年02月27日 (日)

月曜日の午前中は慶応病院にCTスキャンの結果を聞きに
ゆかなければならないので、午前中だけ会社に行って、
火曜日の「ビバリー昼ズ」のQシートを書いたり、
「エバーグリーン」のメールをプリントアウトしたりする。

帰りに有楽町のビックカメラによって、「雀楼閣」という
麻雀ゲームのソフトを購入。
帰宅後、インストールしてやってみると、
非常にコンピが強い。
しかし、慣れていけば勝てるようになるはず。

『マルドゥック・スクランブル』の第三巻を読み始める。
二巻の途中から、ひたすらカジノでのゲーム展開が
詳述される。それが面白い。


[1618] 私の好きな劇画 2005年02月26日 (土)

今日は一日休み。

最近はあまり劇画を読まないが、とりあえず自分にとっての
オールタイムベストを考えてみると、

1.まんだら屋の良太  畑中純
2.サハラ       小池一夫・平野仁
3.自虐の詩      業田良家

何度も読み返して来たし、これからも読み返したい。

夕方、お通夜の弔問のため代々幡斎場へ行く。



[1617] セ・シ・ボン 2005年02月25日 (金)

「ビハリー昼ズ」のゲストは西田敏行さん。
松村邦洋くんとの絡みは大爆笑だった。

毎日新聞に中央大学文学部の試験問題にミスがあり
受験者全員に一点ずつを加えて、改めて合否判定の結果
67人がくりあげ合格になったとの記事が載っている。
このラッキーな67人のうちの一人が史比古だったということか。

夜は駄句駄句会。
横沢彪さんが初出席。
俳号は「漂金(ひょうきん)」となる。
私の媚庵という俳号が何に由来するかと吉川潮さんに
たずねられたので
「トレビアンのビアンです」と答えると
「ああ、マイダーリンの前田燐さんとおんなじ発想だね」
と、いわれる。
すると山藤章二宗匠が
「前田燐より世志凡太だよ」とオチをつけられる。
「じゃ、浅香光代の旦那かい!」
ということで爆笑。


[1616] CTスキャン 2005年02月24日 (木)

朝いちばんで信濃町の慶応病院に行き、腹部のCTスキャン
を撮る。
喘息があるということは、問診のときに言ってあったのだが
CTスキャン室に入って、いざ、造影剤を注入という段にな
って、再度、医者がきて、喘息の発作の頻度などを再度、
質問され、ようやく注入ということになる。
思ったより時間はかからず、九時半前には病院を出ていた。

信濃町から飯田橋へ出て、東西線の葛西まで行き、ブック
オフをのぞく。
福本伸行の「天」の第18巻を250円で購入。
全編にわたって死生観が語られる異色の一冊である。

一度帰宅して、午後出社。
「オールナイトニッポンエバーグリーン」のホームページ
の選曲リストを書き換える。
夕方から「加藤茶のスーパー黄金伝説」の4本録り。
終了後、生放送前の笑福亭鶴光師匠をスタジオにたずね
10分ほど雑談して帰宅。

帰宅後、突然、短歌的感興がわきあがり、短歌を10首
つくる。
まさに短歌大明神の降臨であった。


[1615] ビバリー昼ズ増刊号など 2005年02月23日 (水)

「ビバリー昼ズ」のゲストは松平健さん。

午後は「テレフォン人生相談」。
加藤諦三、森田浩一郎、大迫恵美子さん。
今日はハードな相談が多かった。

夕方、私の勤め先の亀渕社長、天井副社長、フジテレビの
日枝会長、村上社長出席で、緊急記者会見。
新株予約権をフジテレビに対して発行するとのこと。
新展開になった。

会社じゅうテレビを見ている。
吉田尚紀アナウンサーがその様子をデジカメで撮影する。
営業部の石田が来て
「僕のおじいさんの株は誰が盗ったんですか」とギャグを
とばす。

一騒動過ぎて、マーブルでカレーを食べていたら
史比古から「中央大学から、入試問題に出題ミスがあった
ので、採点しなおして、くりあげ合格になったという知
らせがあった」と電話がかかってくる。
新手の「振り込め詐欺」ではないかと思ったが、
大学にこちらから電話をしても、やはり、くりあげ合格との
こと。
この件は、翌日になって、NHKのニュースで報じられ
同時に、入学手続き書類も届いたので、やはり、本当だった。
これで、ようやく我が家の受験体勢も終了である。

夜10時から「ビバリー昼ズ増刊号」。
高田さんも清水ミチコさんもハイテンションになっている。
ディレクター総出で、二時間の生放送。

午前一時過ぎに帰宅してすぐに寝る。


[1614] 初恋列車 2005年02月22日 (火)

「ビバリー昼ズ」、高田文夫さんが急遽休み。
東貴博さんにスタジオに来てしゃべってもらうことになる。
朝、少しだけばたばたするが、ゲストの氷川きよしさんの
部分は事前に録音しておいたので、番組の進行自体には支障
はなかった。
新曲の「初恋列車」をフルコーラスかける。
「いきなり大笑い」のコーナーは同じく氷川きよしの
「口笛の港」と北山たけしの「男の出船」が指定曲。
きよしの次はたけしという小ネタをしゃべってもらう。

午後は「テレフォン人生相談」の録音。
児玉清さん、志賀こずえさん、伊藤敬子さん。

夜は「短歌人」の編集会議。

帰宅後、三橋敏雄句集『鷓鴣』を精読して、作品を二十句
ほど抜き出す。
つくづく凄い句集だなあと感嘆する。

尿尽きてまた湧く日日や梅の花  三橋敏雄


[1613] 午後の録音 2005年02月21日 (月)

午前六時前に帰宅。
すぐに仮眠。
十時過ぎに起きて、業者さんにノートパソコンを
プロバイダに接続してもらう。

午後二時過ぎに出社。
番組の会議のあと「北野大のマルトクゼミナール」の録音。

夜はまた『沖つ石』を読み続ける。
緊張感がある文章なので読み流せない。


[1612] 北鎌倉は 2005年02月20日 (日)

昼間は休みだが、夜は出社して、「オールナイトニッポン
エバーグーリーン特別増刊号」。
しんどいことである。

北鎌倉は鎌倉の北
西荻窪は荻窪の西
南千住は千住の南
東エデンはエデンの東

佐藤弓生さんの短歌から触発されてちょっと書いてみただけ。

夜、出社前に有楽町のビックカメラによって
「アニー・ホール」と「ノーマ・レイ」を買う。


[1611] シャウトせよ!とチクタクマンは言った 2005年02月19日 (土)

大橋麻衣子さんの歌集『シャウト』の批評会およびお祝いの会の
ために8時半発ののぞみで大阪へ行く。
車中では開高健の『輝ける闇』を読む。

批評会のパネリストは江戸雪、大塚寅彦、中津昌子、造酒広秋の
四氏に司会が吉岡生夫さん。
厳しい意見のとびかう充実した批評会だった。
大橋さんの作品に見られる「妻たち」「母たち」「女たち」と
いった把握がいかにも常套的で大掴みであるとの意見が多かった
が、大橋さんはそれらの言葉の中に自分自身をも実は含めていて
自己批評の言葉になっていめのではないかと思うのだが。

夜は7時53分新大阪発ののぞみで帰京。
車中で岡崎武志の『古本生活読本』を読む。


[1610] 内憂外患という憂鬱 2005年02月18日 (金)

いろいろと不満がくすぶっていて、それを解消する術がない。
困ったものだ。
午前中はメールチェック、番組HP書き換え、会議。
その後、生放送のAD、録音、編集作業と心晴れないのに、
よく働いた。

帰宅後、明日の出版記念会にそなえて大橋麻衣子歌集『シャウト』
をもう一度詠み返す。
やはり、比類のない歌集という感想だ。

明日、パソコンの回線の増幅工事に業者が来るので、PCの廻り
の本、雑誌などをキャリーバッグに詰める。
疲労感濃い1週間だったと思いつつ眠りにおちる。


[1609] えたいのしれない不安のようなもの 2005年02月17日 (木)

あいかわらずえたいのしれない不安のようなものがたれこめる職場。

チーフ会、編集のあと、午後から六本木のスイートベイジルへ
行って「ロカビリーナイト」の打合せ。
帰りにあおい書店で光文社文庫版乱歩全集の『鬼の言葉』を購入。
乱歩は講談社文庫の全集をトランクルームに預けてあるので、この
光文社文庫版は評論とエッセイの巻だけ買っている。

夕方、会社に戻り、小野ヤスシさんとミッキー・カーチスさんの
事務所に番組への出演依頼の電話をする。

帰宅後、昨日に続いて『沖つ石』を読みながら就寝。


[1608] 落ちつかぬ日々である 2005年02月16日 (水)

心落ちかぬ日々を送っている。

「ビバリー昼ズ」の昇太のなんでも番付のゲストは謎のコーラス
グループ・マイナスターズ。
サマーズの大竹と三村にきわめて似ている声の二人がいるグルー
プということである。

午後は例によって「テレフォン人生相談」の録音。
ネット分とLF分の枠どりも二週間分録音。
がっくりと疲れる。

ニュースは金日成の誕生日の映像ばかり。
佐藤鬼房散文集成の『沖つ石』を読みながら寝る。


[1607] 危うい体験 2005年02月15日 (火)

「ビバリー昼ズ」の若旦那祭りのゲストは古今亭円菊師匠の
若旦那・古今亭菊生さん。
円菊師匠がボクシングのトレーナーの資格をもっているという
のは初耳だった。
午後は「テレフォン人生相談」の録音。
このたびの件に関して、会社からはまだ何の説明もない。
昨日も今日も社屋の前にテレ朝のカメラマンが張っている。
昨日はアナウンサーまでいて危うくインタビューされそうに
なった。
帰宅後、読書をしようとしてもアタマに入らない。
困ったものだ。


[1606] ヒロシと自虐の月曜日 2005年02月14日 (月)

「ビバリー昼ズ」のゲストはヒロシ。
キャラクターが立ってきたと思う。
生き残れるのではないか。

「歌壇」を読む。
佐佐木幸綱さんと穂村弘さんの対談。
圧縮と解凍ということは、比喩とその読解ということでは
ないのかな?